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■藤田医科大、再生医療の研究拠点を開所 細胞採取から投与まで実施 [健康ダイジェスト]

 藤田医科大学(愛知県豊明市)は30日、新たに立ち上げた国際再生医療センターの開所式を開きました。世界で最も厳しい基準でつくられた研究室を設け、人のさまざまな組織のもとになる細胞を使って、最先端の遺伝子治療やがん免疫療法などを開発します。
 本格稼働は9月からで、倫理委員会などを経て実際に患者に薬などを投与する研究を年明けにも始めたい考えです。
 広さは約500平方メートルで、部屋の外からほこりなどが侵入しにくい陽圧室に加え、ウイルスなどの外への漏れを厳重に防ぐ「全排気型」と呼ぶタイプの研究室を備えており、日本の大学では初めてといいます。
 センターではさまざまな組織に変化する人の幹細胞を用いた心筋梗塞や肝硬変の治療法を開発するほか、患者の血液を取り出して遺伝子操作で免疫細胞の働きを強める「CARーT」療法を研究します。同療法は現在、「血液がん」での応用が主ですが、胃がんや大腸がんといった「固形がん」などへの応用を目指します。
 松山晃文センター長は、「薬や手術では救えない患者に、新しい選択肢が広がるよう科学的に一つ一つ進めていきたい」と話しています。
 藤田学園の星長清隆理事長は、「ここで生まれた細胞や薬は世界中で活用してもらえる。海外の研究者も集って、よりよい研究をしていきたい」と話しました。
 同日披露された実演では、防護服に身を包んだ研究員が3人一組となり、細胞を培養するための培地を作りました。約40項目を手順通りに異物の混入がないか何度も確認しながら40分以上かけて行っていました。

 2019年5月30日(木)

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■危険な病原体の輸入方針を正式表明 厚労省、地元に伝達 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省と国立感染症研究所(感染研)は30日、エボラ出血熱など致死率の高い1類感染症の病原体の輸入方針について、保管先となる感染研村山庁舎(東京都武蔵村山市)で開かれた関係者会議で正式に表明しました。早ければ今夏にも国内に持ち込まれる見込みですが、テロ対策などの観点から輸入経路や日時は事前に公表しません。
 輸入対象となっているのは、国外で感染例があるエボラ出血熱、南米出血熱、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病の5種類の感染症の病原体。2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、国内で発生した場合の検査体制の強化を図ります。
 日本ではこれまで人工的に合成した病原体の一部を使ってきましたが、実際の病原体を使うことで、回復具合を判断する検査法の確立が可能となります。
 保管場所となる感染研村山庁舎の「バイオセーフティーレベル(BSL)4施設」は、高性能フィルターを備えるなど高度な安全性が確保されています。厚労省と感染研は昨年11月、武蔵村山市側に輸入に向けた考えを提示。これまで住民向けの説明会や見学会などを実施しており、一定の理解を得られたとみています。
 関係者会議には、厚労省、感染研のほか、地元住民の代表らが参加。地元側から「引き続き透明性を高めてほしい」などの要望が出たといいます。
 厚労省は今後、実際の輸入に向けた対応に入る意向で、「要望があれば、今後も説明会などを実施していきたい」としています。
 地元の自治会の代表として関係者会議に参加した須藤博さんは、「危険な病原体に対応できるように備えることは大事だと思うが、住民にはまだ不安があり、危険な病原体を保管するならば施設を移転する決定をして、さらにその時期も示してもらわなければ納得はできない。今後も研究所や国に施設の安全性の向上と移転を引き続き求めていきたい」と話していました。
 国立感染症研究所の脇田隆字所長は、「研究所としては一定の理解をいただいていると考えているが、住民の方々の不安が完全に解消できていないことは十分に把握している。今後も可能な限り施設の透明性を高めて、地元に丁寧に説明を尽くしながら、より一層、理解が得られるように努めていきたい」と話しています。

 2019年5月30日(木)

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■158件の研究で倫理指針に違反 国立循環器病研究センター [健康ダイジェスト]

 大阪府吹田市にある国立循環器病研究センターで、2件の研究論文で内部審査の経緯について事実と異なる記載をするなど、合わせて158件の研究で国の倫理指針に定められた手続きが取られていなかったことがわかりました。
 国立循環器病研究センターの小川久雄理事長などが30日、会見を開いて明らかにしました。
 それによりますと、2人の研究者が2013年度と2018年度に行った手術の効果などを検証する2件の研究は、内部の倫理審査委員会の審査を受けずに進められた上、成果をまとめた論文には「委員会で承認された」などと事実と異なる記載をしていたということです。
 センターの調査に対して、2人は「先行する別の研究で承認を得ていたため、新たな手続きは必要と思わなかった」などと説明したということですが、センターは、虚偽に当たると判断して、これらの論文を取り下げる手続きを進めているということです。
 ほかにも、患者の診療データを利用する156件の研究で、倫理審査委員会の審査は受けていたものの、患者の同意を得るためにホームページなどに情報を掲載する手続きを取っていなかったということです。
 いずれも国の研究倫理指針に違反していることから、センターは、今後、関係者の処分を検討する方針です。
 小川理事長は、「事態を真摯(しんし)に受け止め、研究倫理の徹底や再発防止策の構築と実施に努めます」と謝罪しました。

 2019年5月30日(木)

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■最高血圧130未満に目標引き下げ 日本高血圧学会 [健康ダイジェスト]

 高血圧が原因となる脳卒中や心臓病のリスクを下げるため、日本高血圧学会は、治療のガイドラインを改定し、目標の血圧を、75歳未満ではこれまでの最高血圧140未満から130未満にするなど引き下げました。これによって、血圧を目標値に下げる治療が必要な患者は1700万人に上るとみられています。  
 高血圧は、血管や心臓に負担をかけるために脳卒中や心臓病を引き起こす最も大きな要因といわれています。
 日本高血圧学会はガイドラインで、高血圧と診断して治療を開始する基準の値を最高血圧140以上、最低血圧90以上と定めており、治療中の患者は国民のおよそ5人に1人に当たる2400万人いるとされています。
 こうした中、日本高血圧学会は、治療を始めた患者が目標とする血圧の値を引き下げる治療のガイドラインの改定を行いました。
 75歳未満の成人の患者では、目標とする血圧の値を最高血圧130未満、最低血圧80未満と、いずれもこれまでより10ずつ引き下げました。また、75歳以上の患者では、最高血圧を140未満とこれまでよりも10引き下げ、最低血圧はこれまでと変えず90未満としました。
 日本高血圧学会によりますと、これにより脳卒中や心臓病を発症するリスクは10%から20%余り下がるということです。
 これまでのガイドラインでは、治療の目標値を達成していた500万人程度が目標値に達していないことになり、今回の改定で血圧を目標値に下げる治療が必要な患者は合わせておよそ1700万人に上るとみられています。
 高血圧の治療は食事や運動など生活習慣の改善を行いますが、十分に下がらない場合には血圧を下げる薬が処方されています。
 日本高血圧学会の伊藤裕理事長は、「今回の改定は、生死にかかわる重大な病気のリスクを下げることにつながる」と話しています。
 高血圧が原因とみられる脳卒中や心臓病で死亡する人は、年間およそ10万人に上ると推計されており、血圧をどこまで下げれば脳卒中や心臓病を発症するリスクを抑えられるのか研究が進められてきました。
 日本高血圧学会によりますと、国内外で行われた14の臨床研究のデータを解析した結果、高血圧の患者が最高血圧140未満、最低血圧90未満の場合と、それより10ずつ低い最高血圧130未満、最低血圧80未満に下げた場合では、脳卒中の発症リスクが22%、心臓病の発症リスクが14%抑えられることがわかったということです。
 ヨーロッパでは昨年、今回の日本と同じように治療の目標値を引き下げたほか、アメリカでは一昨年、高血圧の診断基準を最高血圧130以上、最低血圧80以上に引き下げています。
 また、日本高血圧学会は高血圧として治療が必要な人は国民のおよそ3人に1人に当たる4300万人いると試算しており、50歳代では男性のおよそ6割、女性のおよそ4割、70歳代では男女ともにおよそ7割に上るということです。
 このうち、1900万人は治療を受けていないとみられており、学会はこうした人達に治療を届けることも課題だとしています。
 血圧を下げる薬には腎臓などに障害が起きる副作用が報告されているほか、薬が効きすぎて血圧が下がりすぎるとふらついて転倒するなどのリスクがあることが指摘されており、専門家は生活習慣の改善で血圧を下げることが重要だと指摘しています。
 高血圧などの生活習慣病と予防医学に詳しい新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は、「高血圧の治療は、できるだけ薬に頼らず、減塩や運動といった生活習慣の改善を行うことが重要で、患者さんも自宅で習慣的に血圧を測り、血圧の上がりすぎだけでなく下がりすぎにも注意しながら数値を記録して、医師と薬の量などについて適切か相談しながら治療を行ってほしい」と話しています。

 2019年5月30日(木)

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