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■膵臓がんの治験費用をクラウドファンディング 関西医科大 [健康ダイジェスト]

 関西医科大学(大阪府枚方市)は10日、膵臓(すいぞう)がんの新治療法の臨床試験(治験)を実施するため、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングの利用を始めたと発表しました。1000万円を目標に広く支援を求めます。
 クラウドファンディングで治験の資金を調達する例は珍しく、国の科学研究費補助金に申請しても認められず、製薬会社の支援もないため決断したといいます。
 膵臓がんは早期発見や治療が難しく、5年生存率は1割に満たず、他のがんに比べ極めて低くなっています。特に腹膜への転移は手術が難しい上、腹水がたまると腹部の痛みなど患者の苦しみも大きいといいます。
 計画する治験では、腹膜に転移した膵臓がんの治療に抗がん剤の「S―1」と「パクリタキセル」の併用が有効か調べます。この治療法はすでに胃がんで保険適用され、膵臓がんに対する第1、2相の治験でも生存期間延長や症状緩和などの効果があったといいます。
 第2相は2015年に終わりましたが、全国30施設で大規模に有効性を確かめる第3相は資金不足で実施できずにいました。治験で有効性を確認し、国の審査を通れば、保険が適用されるようになります。
 友田幸一学長は、「医療を取り巻く状況は厳しく、研究の経費は削減の方向にある。国や企業だけに頼るのではなく、一般社会から寄付を集める手段に踏み切った」と説明しています。
 クラウドファンディングでの募集は10日から9月8日まで。目標の1000万円に達しない場合は支援者に全額返金します。寄付は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/suigan)から。

 2019年6月10日(月)

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■100%リサイクル素材のペット容器で緑茶飲料を発売  セブン&アイとコカ・コーラ [健康ダイジェスト]

 セブン&アイ・ホールディングスと日本コカ・コーラは5日、100%リサイクル素材の再生ペットボトルを使った緑茶飲料を10日から発売すると発表しました。セブン―イレブンなど店頭で回収したペットボトルを粉砕・洗浄し、ペット容器として再生する技術を使います。廃プラスチック問題への関心が高まる中、特定の小売りとメーカーがこうした回収と商品化の仕組みを作るのは初めてといいます。
 商品は2017年に両社が共同企画商品として発売した機能性表示食品「一(はじめ)緑茶 一日一本」で、体脂肪減らす効果をうたいます。店頭想定価格は500ミリリットル税別118円で、容器を変更しても価格は据え置きます。
 セブン&アイは2015年から、家庭で使用した空ペットボトルを圧縮して回収する機器をコンビニなどに設置してきました。現在はセブンーイレブンに300台を置き、今後は年間1000台ペースで増やします。
 回収したペットボトルは従来もリサイクルしてきたものの、最終的にどう活用しているかわかりづらく、消費者が店に持ち込んだ空き容器が再生ペットボトルで店頭に商品として並ぶことで、リサイクルへの意識が高まるとみています。 
 日本はペットボトルのリサイクル率や回収率が欧米などに比べて高いものの、再生ぺットボトルの普及率はまだ1割にとどまります。今後は国内で生産できる設備を増やすほか、回収の際に飲み残しやごみなどの異物混入をなくすなど消費者意識の向上も求められます。
 世界でプラスチック製品への環境規制が強まる中、飲料各社は環境対応に力を入れています。サントリーホールディングスはプラスチックリサイクルの協栄産業(栃木県小山市)と組んで、効率的に再生ボトルを生産できる技術を開発。2020年春には新ラインも稼働させます。
 アサヒ飲料は2030年までにキャップなども含めたペットボトル重量の60%で再生素材、植物由来素材などの使用を目指し、キリングループは2027年までに国内のリサイクル素材使用率を5割に高める目標を掲げます。伊藤園も2030年までに主力商品「お~いお茶」のペットボトルをすべて再生素材にします。

 2019年6月10日(月)

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■中央省庁が緊急雇用の障害者131人退職 国税庁では79人に上る [健康ダイジェスト]

 中央省庁による障害者雇用の水増し問題を受け、改正障害者雇用促進法が7日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。省庁が不適切計上をしないよう厚生労働省に調査権限を付与することなどが柱ですが、国会審議では、問題が発覚した昨秋以降に採用された障害者2518人のうち、131人が退職したことも明らかになりました。
 専門家は、「障害者に定着してもらえる職場づくりが最重要だ」と話しています。
 5月に国土交通省の出先機関に採用され、同月中に退職した40歳代の女性は、「数日間にわたって指示を与えられず、用無しだと感じてしまった」と話しています。この精神障害を持つ女性は、薬品製造会社の嘱託社員として働いていましたが、ハローワークの勧めで出先機関に就職しました。
 最初の数日間は資料整理などの指示を受けたものの、その後は上司から「ちょっと待っていて」と繰り返され、国土交通省のホームページを見ながら過ごしたといいます。薬品製造会社では正社員と同じ経理の仕事を任されていたといい、女性は「(出先機関の)上司は私に仕事を任せるのが不安なのだと感じた。与えられた仕事をこなす自信はあるので、また企業の就職先を探すつもり」と話しました。
 水増し問題で法定雇用率に達していないことが判明した省庁は、4月までに計2518人を緊急で雇用したものの、参院の審議では131人(5・2%)がすでに退職していることが明らかになりました。民間企業では雇用から1カ月以内に退職する障害者が約6%いるとの調査結果もありますが、厚労省は配慮が不十分な可能性もあるとみて、131人が退職した原因を分析します。
 819人を採用し、すでに退職者が79人(退職率9・6%)に上っている国税庁では、資料整理やデータ入力などを任せていました。
 退職の理由は「職場や仕事が合わない」「家庭の事情」などさまざまだったといい、担当者は「多数の雇用で、職場側の戸惑いもある。職員向けの研修を重ね、障害者に長く働きたいと思ってもらえる雰囲気を作っていきたい」と話しています。
 一方、環境省は4月に「協働推進室」を設置し、障害者6人の備品購入や文書校閲などの仕事をサポート。視覚障害を持つ40歳代の男性はホームページの音声読み上げ機能の聞き取りやすさをチェックしており、「上司に質問や体調の相談をすぐにできるので安心」と笑顔を見せます。防衛省は社会福祉士2人を新規に採用し、障害を抱えた職員だけでなく上司や同僚からの相談にも対応するといいます。
 大妻女子大学の小川浩教授(障害者福祉)は、「障害者の定着率を上げるために最も重要かつ難しいのは、お金をかければできるハード面の整備ではなく、職場の配慮を広げること。まずは131人の退職理由を障害の種類や業務の内容ごとに丁寧に分析し、各省庁の課題を浮き彫りにして、職員の意識を高めていく必要がある」と話しています。
 中央省庁の緊急雇用により、民間企業から障害者人材が多数「流出」したことも明らかになりました。厚労省によると、各省庁が4月までに緊急に雇用した障害者のうち337人は、民間企業からの転職者でした。企業からは「自社の法定雇用率の達成が困難になった」などの意見が寄せられているといい、厚労省は今年に限り、法定雇用率を下回った企業に対する適正実施勧告や企業名公表を猶予することにしました

 2019年6月10日(月)

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■東レ、血液1滴から複数のがんを発見 検査キットを年内に承認申請 [健康ダイジェスト]

 東レは血液1滴からさまざまながんを発見する検査キットについて、2019年中に厚生労働省に製造販売の承認を申請します。優先的に審査する対象に選ばれており、2020年にも承認される可能性があります。膵臓(すいぞう)がんなどの早期発見も期待できます。
 承認されれば、数万円で複数のがんを一度に調べられる見通し。現在、遺伝子検査でがんを発見する方法はアメリカで実用化されていますが、血液は数十ミリリットル以上必要で発見できる割合も低くなっています。東レの場合は、血液が1滴と利用者の負担が少なく、がんの有無の判定精度も95%以上といいます。
 国立がん研究センターなどと2014年に始めた研究プロジェクトがこのほど終了し、その成果を事業化します。がんができると血液中に増える「マイクロRNA」という物質を検出する手法で、東レはこれを検出する遺伝子解析チップを開発しました。
 この遺伝子解析チップは独自の素材や加工技術を生かし、マイクロRNAなどを従来に比べ100倍の感度で検出できます。血液1滴分、50マイクロ(マイクロは100万分の1)リットル程度あれば検査できます。
 マイクロRNAは遺伝子の働きにかかわる物質で、体内に約2600種類存在します。がんはこのうち特定のマイクロRNAを分泌し、増殖したり転移したりしています。
 研究プロジェクトでは、乳がんで5種類、大腸がんで3種類など、各がんの鍵を握るマイクロRNAを特定することに成功。東レの膵臓や胆道にできるがんを検査する遺伝子解析チップが4月、厚労省の「先駆け審査指定制度」の対象に選ばれました。通常12~14カ月かかる審査が最短6カ月に短縮されます。

 2019年6月9日(日)

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