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■ペルーでギラン・バレー症候群が集団発生 日本大使館が注意喚起 [健康ダイジェスト]

 南米のペルー政府は、手足に力が入らなくなる難病の「ギラン・バレー症候群」が首都リマや北部の観光地などで、集団発生していることを受けて健康上の非常事態の宣言を出しました。現地の日本大使館も、旅行者などに衛生対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。  
 ペルー政府によると、首都リマや北部の観光地では、今年に入り、ギラン・バレー症候群が206例確認され、このうち4人が死亡しています。
 ギラン・バレー症候群は年間の発症率が10万人に1人といわれる難病で、発症すると手足に力が入らなくなり、まひが全身に急速に広がって、最悪の場合、死に至ることもあります。
 ペルー政府は、患者の広がりを受けて6月8日に、健康上の非常事態の宣言を出し、筋力の低下などの症状が出た場合には、すぐに病院で診察を受けるよう呼び掛けています。
 また、蚊が媒介するジカ熱との関連も指摘されていることから、専門の医師を現地に派遣して原因の調査を行っています。
 ペルーには世界遺産のマチュピチュなどに多くの日本人観光客が訪れており、現地の日本大使館は、トイレの後の手洗いや食べ物をきれいに洗うなど衛生対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。
 ギラン・バレー症候群は、免疫が自分の神経細胞を攻撃するために手足などのまひが起き、まれに重症化すると、呼吸ができなくなって死亡することがある自己免疫疾患と呼ばれる病気です。国内では1年間に10万人当たり1・15人の割合で発症しています。
 発症の原因はよくわかっていませんが、多くは特定の食中毒や一部のウイルスに感染することが切っ掛けになるとされています。最近は、蚊が媒介するウイルス性の感染症のジカに熱に感染することで、発症するケースがある可能性が報告されています。
 治療法としては、血液から異常な抗体を取り除く「血しょう交換」などが行われます。日本人では、いずれも俳優として活躍した安岡力也さんや、大原麗子さんがこの病気だったとされています。
 世界保健機関(WHO)西太平洋事務局に所属して海外の病気の対策に当たったことがある東北大学の押谷仁教授は、「ギラン・バレー症候群の発生が特定の地域で集中して報告されることは珍しい。ギラン・バレー症候群そのものは感染症ではないため、うつることはないが、感染症を切っ掛けに発症することが知られているので、現地に行く人は食中毒に注意するほか、病気を媒介する虫に刺されないために長袖、長ズボンを着用するなどして、発症の切っ掛けとなる感染症にならないようにすることが大切だ。最近は特に、蚊が媒介するジカ熱がギラン・バレー症候群の発症の切っ掛けになっているのではないかという報告もあり、ジカ熱にかからないようにすることも必要だ」と話しています。
 東京オリンピック・パラリンピックなどにも関係があると指摘し、「日本を訪れる外国人が増えれば、感染症のリスクが高まり、同時にこうした病気のリスクも高くなると考えられる。オリンピックに向けてさまざまな病気を早く察知できる検査と治療の体制を整える必要がある」と話しています。

 2019年6月13日(木)

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■緊急避妊薬の「オンライン処方」容認 受診困難なケースを限定 [健康ダイジェスト]




 
 性暴力や避妊の失敗で望まない妊娠を避けるために飲む緊急避妊薬(アフターピル)について、パソコンやスマートフォンを利用した「オンライン診療」での処方を限定的に認める指針改正案が10日、厚生労働省の検討会で了承されました。すぐに受診できなかったり、精神的に受診が難しかったりする場合は、対面診療なしに処方箋を郵送で受け取れます。要件を設けたため、薬が必要な人を助ける仕組み作りには課題も残ります。
 緊急避妊薬は、性交から72時間以内に飲むと8割程度の確率で妊娠を防ぐ効果があります。
 2018年度の診療報酬改定で導入されたオンライン診療は、初診は原則禁止で、初めての薬の処方も対面診療が必要としています。だが指針改正案では、緊急避妊薬は例外的に、医療機関を受診できない「地理的要因」がある場合と、女性の健康や性被害などの相談窓口の医師らが「心理的な状態から対面診療が困難」と判断した場合に限り、初診からオンライン診療を認めるとしました。
 薬の処方ができるのは、産婦人科医と、厚労省が指定する研修を受けた医師に限定。不正転売を防ぐために処方は1回1錠とし、薬局の薬剤師の目の前で飲むこととします。また、妊娠の有無を確認するため、服用から3週間後の対面受診を求めます。
 例外的に初診のオンライン診療が認められているのは、他に禁煙外来などがあります。
 厚労省はパブリックコメントを実施し、7月にも指針を改正します。

 2019年6月13日(木)
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■三大死因に初めて「老衰」が加わる 「脳血管疾患」を抜き3位 [健康ダイジェスト]

 日本人の三大死因の一つに、初めて「老衰」が加わりました。これは、厚生労働省が7日に発表した2018年人口動態統計の月報年計(概数)の結果です。2018年の統計では、死因の1位、2位は、これまでと同様、「悪性新生物(腫瘍)」、「心疾患(高血圧性を除く)」でしたが、「肺炎」の減少に伴って2017年に3位となった「脳血管疾患」を抜いて、「老衰」が初めて3位となりました。
 死因としての老衰は、1947年をピークに減少傾向が続いていたものの、2001年以降、右肩上がりで上昇し続けています。
 死亡統計における死因の変化には、2017年4月に発表された「成人肺炎診療ガイドライン2017」(日本呼吸器学会)の影響が大きそうです。同ガイドラインは「易反復性の誤嚥性(ごえんせい)肺炎のリスクあり、または疾患終末期や老衰の状態」の場合には、「個人の意思やQOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)を重視した治療・ケア」を行うこととし、患者背景を考慮した上で積極的な治療を行わないことを初めて推奨しました。
 死亡診断書の死因病名が「肺炎」「誤嚥性肺炎」とされていた症例の多くは、実際には肺炎が直接の死因ではなく、加齢性変化による衰弱などによって死亡しているといわれていましたが、同ガイドラインの発行を契機に、誤嚥性肺炎で死亡した場合にも、死亡診断書の死因病名に「肺炎」ではなく「老衰」と記載する医師が増えてきていると推測されます。
 死亡統計によると、2018年の死亡数は前年比2万2085人増の136万2482人で、悪性新生物(腫瘍)による死亡数は37万3547人、2位の心疾患(高血圧性を除く)は20万8210人、3位の老衰は10万9606人、4位は脳血管疾患で10万8165人、5位は肺炎で9万4654人でした。
 悪性新生物(腫瘍)は1981年以降、死因順位の第1位となっており、2018年には全死亡者のおよそ3・6人に1人が悪性新生物(腫瘍)で死亡した計算になります。
 一方、出生数は前年比2万7668人減の91万8397人で、過去最少を記録。2016年から3年連続で100万人を割り込みました。合計特殊出生率は前年比0・01ポイント減の1・42でした。出生数と死亡数の差である自然増減数はマイナス44万4085人となり、12年連続の減少となりました。

 2019年6月13日(木)

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