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■海外の未承認薬を詰め替え偽装して処方 医師2人と医療法人を書類送検 [健康ダイジェスト]

 国内で未承認のインド製勃起不全(ED)治療薬などを、別の容器に詰め替えて傘下の医院に引き渡したとして、大阪府警は25日、東京都内の医師2人と、それぞれが理事長を務める医療法人2法人を医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の授与)の疑いで書類送検しました。
 薬は海外から輸入した格安品でしたが、海外製とわからないように偽装されていたといいます。
 書類送検されたのは、東京都台東区の医療法人「淳康会」の理事長(44歳)と、豊島区の医療法人「康英会」の理事長(43歳)。「ユナイテッドクリニック」の名称で、男性向け医院を東京都や大阪市、福岡市など全国に展開しています。
 書類送検の容疑は昨年11~12月、厚生労働相の承認を受けていないインド製ED治療薬とタイ製の男性型脱毛症(AGA)治療薬計436錠を、福岡市と東京都港区の医院に渡したとしています。2人は、いずれも容疑を認めています。
 大阪府警生活環境課によると、2法人は医院で勤務する医師の名前を使って取得された輸入許可証「薬監証明」を使い、ED治療薬などを個人輸入。「ユナイテッドクリニック」などと記載された別の容器に入れ替え、グループ傘下の14医院に引き渡していました。ED治療薬は1錠29円で仕入れ、患者には約40倍の1150円で処方されていたといいます。
 ユナイテッドクリニックのホームページでは、「海外製薬も正規の手続きをへて処方している」「他院と比べ治療薬の種類、容量を豊富に取りそろえている」などとうたっていました。
 厚労省は、海外製の未承認薬が医師により不正に輸入・販売されるケースなどが相次いでいるとして、医師が薬監証明を不正取得した場合には罰則を設ける法改正を目指しています。

 2019年7月25日(木)

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■製薬アラガン、人工乳房を世界的にリコール 33人死亡で安全性に懸念 [健康ダイジェスト]

 アイルランドの製薬大手アラガンは24日、一部の人工乳房製品について全販売地域で自主回収(リコール)し、販売停止すると発表しました。同製品の使用者にがんの発生率が高く、アメリカ・食品医薬品局(FDA)が同日、リコール勧告を出したため。
 リコール対象は「バイオセル・テクスチャード・ブレスト・インプラント」ブランド名で販売する一連の製品。表面がざらざらしたタイプのゲル充填人工乳房で、がんで切除した乳房の再建や豊胸手術などで使われます。
 FDAによると、人工乳房が原因で悪性のリンパ腫(がん)を発症したと見なされる患者が世界で573人確認され、そのうち481人がアラガン製品を使用し、33人が亡くなっていました。2011年に病気のリスクが指摘され調査していました。このリンパ腫は、「ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫」と呼ばれます。
 FDAは、すでにインプラント手術を受け、がん発症が確認されていない場合について、摘出手術を推奨していません。
 アラガンはしわ取り薬「ボトックス」が主力で、今年6月、アメリカ・製薬大手アッヴィによる7兆円での買収に合意しました。人工乳房関連製品が売上高に占める割合は3%程度で、業績への影響は少ないとみられます。ただ、リコールにより集団訴訟リスクを抱えることになります。
 FDAによると、表面がざらざらしたタイプの人工乳房の使用率は、アメリカでは5%程度。カナダやオーストラリア、フランスなどで使用率が高いといいます。
 日本では、日本法人のアラガン・ジャパン(東京都渋谷区)の製品が承認されています。関連学会が国内初のアラガン製の人工乳房によるリンパ腫の患者を確認したのを受けて、厚生労働省が6月、病気のリスクを患者に十分説明することを添付文書に記載するよう指示していました。

 2019年7月25日(木)

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■ネズミ体内で人の臓器を作製 文科省、東大のiPS細胞研究を了承 [健康ダイジェスト]

 文部科学省の専門委員会は24日、東京大学の研究チームが申請をしている動物の体内で人の臓器を作る国内初の研究計画について、実施することを大筋で了承しました。同省は、動物の体内で人の臓器を育てる研究を禁止していましたが、3月に関連指針を改正し条件付きで解禁しました。
 ネズミなどの小型動物の体内で人の細胞の臓器が正常にできれば、将来は人間の臓器の大きさに近いブタやサルを使い、実際の移植に使える可能性があります。糖尿病など向けに新たな移植治療への道が広がる見通しです。
 脳死からの臓器提供が不足する状況の下、動物の体内で作った人の臓器を移植に使う手法は、海外では新たな治療として研究が進んでいます。
 研究を進めるには、人と動物の細胞が混ざった「動物性集合胚」を扱う必要があります。国内ではこれまで、倫理的観点や感染症の懸念などから動物の胎内に入れることが禁止されていたものの、文科省が3月に指針を改正し、同省などの審査をへれば研究できるようになりました。
 東京大学の中内啓光特任教授らの研究チームの計画では、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使います。遺伝子を操作して膵臓(すいぞう)を作る能力をなくしたマウスやラットの受精卵に、人のiPS細胞を注入。人と動物の細胞が混ざった動物性集合胚と呼ばれる受精卵を、代理母である動物の子宮に入れます。
 生きた体の中で起こる妊娠や胎児の発育過程に沿って育てることで、人の細胞でできた膵臓などを持つ動物の胎児が育つとしています。この胎児の臓器を移植に使えば、他人の臓器を使う脳死移植のような拒絶反応が起こりにくく治療が可能になるといいます。
 今回、人のiPS細胞を含んだ受精卵を子宮に戻すことが認められたのは、マウスとラット。人間とサイズが近い臓器を持つサルやブタの動物性集合胚は、体外での培養に限定されます。研究チームでは、マウスなどの研究を進めて、大型の動物での臓器作製につなげていきます。
 24日の専門委員会の議論では、「(研究実施状況について)こまめな報告を求めるべきだ」などの慎重な意見が出たものの、大きな反対意見はなかったといいます。
 中内特任教授はスタンフォード大学教授を兼任し、研究規制がないアメリカで人間の膵臓を持つ羊を作製する研究を進めてきた実績を有しています。東大の研究チームは、同大内の倫理委員会に計画を申請して承認され、6月下旬に文科省に計画を申請していました。
 今回の専門委員会の了承を受け、文科省は8月下旬までに東大の研究実施を正式に認める見通し。東大は、認められ次第、研究に着手します。
 中内特任教授は、「人と動物の細胞が混じった生き物を作ることに不安を感じる方がいることもわかっているので、慎重に進めるよう心掛けたい」と話しています。

 2019年7月25日(木)

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■マダニ媒介の日本紅斑熱で女性死亡 静岡県伊豆の国市 [健康ダイジェスト]

 静岡県は24日、伊豆の国市内の70歳代の女性がマダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」で23日に死亡したと発表しました。県内で報告があった今年の感染者は現在4人で、死亡は初めて。感染者は、2017年の6人に次いで多くなっています。
 県によると、女性は7月22日、意識不明となって県東部保健所管内の医療機関に緊急搬送され、医師が診断したところ発熱や体に赤い斑が出る症状があり、翌23日深夜に、多臓器不全で死亡しました。県が女性の血液の検査を行ったところ、日本紅斑熱の病原体が検出されました。マダニにかまれた時期、場所などは、不明。
 日本紅斑熱は病原体の日本紅斑熱リケッチアを保有するマダニにかまれることで感染し、かまれて2日から8日間で高熱、発疹が出て、重症化すると死亡するという感染症。人から人へは二次感染しません。県内では2017年に、日本紅斑熱で2人が死亡しています。
 マダニは、山や森の草むらなどに生息し、春から秋にかけた暖かい季節に活動が盛んになることから、静岡県は県民に対して、山などに入る場合は長袖や長ズボンを着用するなど肌の露出を少なくすることや、屋外での活動の後に発熱や発疹といった症状がみられた場合は速やかに医療機関を受診するよう注意を呼び掛けています。

 2019年7月25日(木)

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