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■今年の風疹患者2004人に上る 流行の中心は40~57歳男性 [健康ダイジェスト]

 今年、風疹と診断された患者は7月21日までに2000人を超え、引き続き増加しています。流行の中心は免疫が十分にない一部の年代の男性で、専門家は原則無料で受けられるワクチンを接種するよう呼び掛けています。
 国立感染症研究所の30日の発表によりますと、7月21日までの1週間に、全国の医療機関から報告された風疹の患者は22人で増加の伸びは鈍っているものの、今年の患者数は2004人となっています。
 この時期までに2000人を超えるのは大きな流行になった2013年以来で、昨年夏から続く流行による患者数は5000人近くに上っています。
 都道府県別の今年の患者数は、東京都が736人、神奈川県が246人、千葉県が176人、埼玉県が173人、大阪府が120人などと、首都圏が中心となっています。
 風疹は発熱や発疹などの症状が出るウイルス性の感染症で、妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が起きる「先天性風疹症候群」になる可能性があり、今年に入ってからも全国で合わせて3人が、先天性風疹症候群と診断されています。
 流行の中心となっているのは免疫が十分にない40歳から57歳の男性で、こうした人たちは原則無料で、免疫があるかどうか調べる検査やワクチンを受けることができます。
 厚生労働省は3年間掛けて、抗体検査やワクチンの接種などを進める計画で、ワクチン不足を防ぐため、今年度は1962年4月生まれから1979年4月生まれの男性約646万人を対象に原則、無料で受けられるクーポンを順次、配布しています。
 しかし、4月と5月の2カ月間にクーポンを使用して抗体検査を受けた人は12万5800人余り、ワクチンを接種した人は1万6600人余りとまだ一部にとどまっています。
 クーポンを使って抗体検査を受けた人を都道府県別にみると、最も多いのが愛知県で1万4500人余り、次いで埼玉県で1万4400人余り、東京都で8500人余りなどとなっています。
 また、ワクチンを接種した人を都道府県別にみますと、最も多いのが愛知県で2100人余り、埼玉県で1900人余り、東京都で1200人余りなどとなっています。
 来年度以降にクーポンが配布される人でも、市町村に希望すれば、早めに受け取ることができるということで、厚生労働省はクーポンを利用して検査や接種を受けるよう呼び掛けています。
 感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、風疹の現状について「爆発的に増えているわけではないが、特に免疫を持っていない大人の男性たちの間で、じわじわと感染が続いている状況だ。大人は行動範囲も広いので、人口が多い首都圏を中心に患者が増えている。ウイルスが地域に存在し続けると、今後また流行が拡大する恐れもあるので、注意が必要だ」と話しています。
 また、注意すべき風疹の特徴として岡部所長は、「症状がはっきり出ないこともあるほか、症状が出る1週間ほど前から感染力を持つため、自覚がないまま、周りに感染させてしまうことがある」とした上で、「ワクチンで防げるので、妊娠の可能性がある女性だけでなく、流行の中心となっている男性も次の世代の子供たちを守るために、無料の制度を活用するなどしてワクチンを接種してほしい」と話しています。

 2019年7月30日(火)




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