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■百日ぜき患者が1万人を超える 早めの受診呼び掛け [健康ダイジェスト]

 乳児が感染すると死亡する恐れもある百日ぜきの患者が、増え続けています。国立感染症研究所が13日、4日までの1週間に新たに231人の患者が報告され、今年の累積報告数は1万110人に達したと発表しました。成人がかかった場合は風邪などと見分けることが難しく、感染を広げる可能性もあるため、早めの受診が大切です。
 感染症研究所によると、都道府県別の累積報告数は、東京都の885人が最も多く、福岡県の652人、千葉県の628人、鹿児島県の594人、大阪府の555人などが続いています。
 百日ぜきは百日ぜき菌によって起きる急性の気道感染症で、せきやくしゃみで感染します。通常、感染後7~16日間の潜伏期間を経て、せきや鼻水などの普通の風邪症状で始まります。やがて、せきの回数が増えて程度も激しくなります。典型的なせき発作では、5~15回かそれ以上の回数の連続したせきが出て、その後に長くて高い音のする深い吸気があります。発作の後は、呼吸は正常に戻りますが、その後すぐに新たなせき発作が始まります。
 多くの場合、熱はないのですが、途切れなく続く、短い連続的なせき込みによる嘔吐(おうと)やチアノーゼ、顔面の浮腫(ふしゅ)、結膜充血などが見られます。せき発作は夜間のほうが起こりやすいため、不眠の原因になることもあります。
 2歳未満の乳幼児が発症すると、息苦しさと呼吸の一時的な停止が起こり、皮膚が青くなることがあります。約4分の1は肺炎を発症し、呼吸困難に陥ります。百日ぜきの結果として、中耳炎もしばしば発症します。まれに、乳児の脳に影響を与えることもあります。脳の出血、はれ、炎症などにより、けいれん、錯乱、脳の損傷、精神遅滞などが生じます。
 ワクチンは定期接種の対象となっており、予防のためにはワクチン接種が重要。
 百日ぜきは2017年までは、約3000の小児科医療機関からの定点報告対象でしたが、2018年からは成人を含む発生動向を正確に把握するため、すべての医師が報告する全数報告対象となりました。昨年は1万1190人(暫定値)が報告され、うち23%が20歳以上の患者でした。

 2019年8月13日(火)

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■クラミジア感染症の初ワクチン、予備臨床試験で有望な反応 国際研究チームが発表 [健康ダイジェスト]

 クラミジア感染症の世界初となるワクチン開発の予備臨床試験で、被験者の女性らに有望な免疫反応が認められ、安全性も確認されたといいます。国際研究チームが13日、発表しました。
 医学誌「ランセット」に掲載された論文によると、年内に予定されているさらなる臨床試験で、このワクチンに実際にクラミジアの感染予防効果があるかどうかが判明します。
 クラミジアは、膣性交、肛門性交、オーラルセックスなどの性的接触で感染します。世界保健機関(WHO)によると、細菌性の性感染症の中では最も一般的で、世界中で毎年1億3000万人が感染しているといいます。
 女性の6人に1人がこの細菌に悩まされているとされ、不妊の原因になることもある骨盤内炎症性疾患と呼ばれる痛みを伴う感染症を引き起こすことで知られます。また、妊娠中にクラミジアに感染すると、流産や死産、または早産などのリスクが高まります。
 世界的には15~49歳の女性の4・2%、男性の2・7%が感染しているとみられています。また、クラミジアに感染していると、淋病やHIVにも感染しやすくなるとされます。
 これまで各国のクラミジア感染症対策は、安価な簡易検査と効果の高い抗生物質治療が存在するにもかかわらず、国際的流行の抑制におおむね失敗しています。
 論文の主著者で、デンマークの国立血清学研究所のヘレネ・ユエル氏は、「このワクチンが市場に出るまでには、まだ何年も研究を重ねなければならないが、我々は研究の次の段階を計画している」と話しました。

 2019年8月13日(火)

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■エボラ出血熱、2種類の薬が治療に効果 WHOが発表 [健康ダイジェスト]

 アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で流行が続くエボラ出血熱について、世界保健機関(WHO)は開発中の2種類の薬が臨床試験で治療に効果があることを示したと発表し、流行の収束につながるか注目されています。
 コンゴ民主共和国では、東部の北キブ州などで昨年8月からエボラ出血熱が流行し、これまでに約2800人の患者が確認され、約1900人が死亡しています。
 WHOは昨年11月からエボラ出血熱の治療に効果がある可能性のある薬の臨床試験を行っていましたが、12日、2種類の薬が優れた効果を示したと発表しました。
 研究チームによりますと、臨床試験は4種の薬で約700人の患者を対象に行われ、アメリカの製薬大手リジェネロン・ファーマシューティカルズが開発した「REGNーEB3」を投与された患者の死亡率は29%、アメリカの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が開発した「mAb114」では34%で、ほかの2種類の薬と比べて顕著な違いを示したということです。
 また、感染の初期で血液中のエボラウイルス濃度が低い段階で投与を受けた患者の場合、90%が生存したということです。
 2種類の薬は、エボラウイルスの糖タンパク質と結合し、ほかの細胞に感染する能力を中和するモノクローナル抗体。2種類の薬の効果を比べた初期結果では有意な差がみられませんでしたが、今後それぞれの薬を投与するグループを比較し、どちらがより有効かをさらに研究するといいます。
 臨床試験に携わったNIAIDのアンソニー・フォーシ所長は、「科学的根拠に基づいた研究で初めて、エボラウイルスに感染した患者の致死率を著しく下げることが明らかになった薬だ。どちらの薬も高い効果を示していて、患者の治療に向けた大きな前進だ」と述べており、流行の収束につながることが期待されるとともに、今後、新たな流行の発生を防げるか、注目されています。

 2019年8月13日(火)

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