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■台風の移動速度が温暖化で10%遅くなり、被害拡大の恐れ 気象研究所など予測 [健康ダイジェスト]

 気象庁気象研究所などの研究チームは、厳しい地球温暖化対策をとらなかった場合、今世紀末には日本が位置する中緯度帯を通過する台風の移動速度が平均で約10%遅くなるとの予測をまとめました。台風の影響を受ける時間が長くなると大雨や強風などの被害が拡大する恐れがあるとして、今後詳しく分析する方針です。
 研究成果は、イギリスの科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載されました。
 研究チームは多数の気候シミュレーションの実験結果をとりまとめたデータベースを利用し、まず1951年から2010年までの気候を再現する実験の結果と、実際の観測データから求めた台風の移動速度を比べたところ、実験が高い精度で気候を再現できていることを確認できました。
 次に再現実験のモデルを使い、地球の平均気温が産業革命から21世紀末までに4度上昇した場合の影響を予測。その結果、東京付近の緯度帯(北緯35~40度)で、台風の平均移動速度が現状の毎時35・68キロメートルから11%低下し、同31・66キロメートルになると予測しました。
 地球温暖化で日本上空の偏西風が北上し、台風を東へ移動させる風が中緯度帯で弱くなり、移動速度が低下することが原因とみています。
 2019年10月に関東地方などを襲った台風19号の移動速度は毎時37・5キロメートルと、平年値に比べ39%遅くなりました。
 最近の研究では、温暖化に伴い台風による降水量が現状より1割程度増すとの予測もあります。
 気象研究所の山口宗彦主任研究官は、「温暖化が進むと移動速度の減速と降水の強化との相乗効果で、ある地点の積算降水量が増える可能性がある。今後は温暖化による影響を地点ごとにも詳しく調べて、地域ごとの防災につなげられるようにしていきたい」と話しています。

 2020年1月9日(木)

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