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■インド型変異ウイルス、イギリスやアメリカ経由でも流入 慶応大研究チームが解析 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルスのインド型変異ウイルスが、インドからだけではなく、イギリスやアメリカなど複数のルートで日本に流入していたことが、慶応大学の研究チームの解析で明らかになりました。
 インド型変異ウイルスは感染力が強いとされ、現在60カ国以上で確認されています。厚生労働省によると、国内では5月31日までに感染者53人(空港検疫を除く)が確認されています。
 慶応大学の小崎健次郎教授(臨床遺伝学)らは、国内で確認されたインド型の変異ウイルスのうち検疫で見付かった感染者を除く、18人分の公開データを解析。その結果、日本への流入の経路は、インドから直接入ったルートのほか、インドからイギリスを経由したルート、また、アメリカを経由したルートがありました。小崎教授らは、すでに国内のイギリス型やブラジル型についても同じような解析を行い、流行国以外の複数ルートにおける流入を確認しています。
 小崎教授は、「日本国内に流入したルートは3つだと考えられる」といい、「今回いわゆるインド株がインド以外の国を伝って入ってきたことを考えると、変異株の対策については流行地として、初めに考えられたエリアのみならず、幅広い世界中の国を視野に入れて、適切な防疫体制を敷くべきだ」と訴えています。
 現在、インドからの入国者には指定された宿泊施設に10日間待機することが求められていますが、アメリカからの入国者は3日間、イギリスからの入国者は6日間となっています。

 2021年6月9日(水) 




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■モデルナ製ワクチン接種の17人に副反応 厚労省、重大な懸念は認められない [健康ダイジェスト]

 5月に承認され大規模接種会場での接種が始まったアメリカのモデルナの新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、国内で接種を受けた17人に副反応が疑われる重い症状が確認されたことを明らかにしました。重いアレルギー反応のアナフィラキシーは確認されず、厚労省は、現時点で接種を進めていく上での重大な懸念は認められないとしています。
 これは厚労省が9日に開いた専門家部会で報告しました。
 それによりますと、5月24日から30日までにモデルナのワクチンの接種を受けたのは9万241人で、このうち49歳から96歳の男女合わせて17人について、副反応が疑われる重い症状が確認されたと、医療機関から報告があったということです。
 約5300回の接種につき1件の割合で、接種したその日のうちに発疹やどうき、めまいなどの症状が見られました。アナフィラキシーの報告はなかったということです。
 一方、先行して接種が進むアメリカのファイザーのワクチンでは、5月30日までに行われた約1306万回の接種のうち、国際的な評価指標でアナフィラキシーに該当する症状が報告されたのは169件で、約7万7300回に1件の割合でした。
 このうち25歳から102歳の男女139人が死亡していますが、接種との因果関係については、いずれも情報が不足していることなどから評価できなかったということです。
 厚労省は、モデルナとファイザーのいずれのワクチンについても、現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとして、引き続き接種を進めていくことにしています。

 2021年6月9日(水)




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■アメリカ、18年ぶりアルツハイマー病の新薬を承認 エーザイが共同開発 [健康ダイジェスト]

 認知症の最も一般的な原因疾患であるアルツハイマー病の治療薬として、アメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発した新薬について、アメリカの食品医薬品局(FDA)は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したため治療薬として承認したと発表しました。アルツハイマー病治療の新薬承認はアメリカでは18年ぶりで、同病関連の認知機能の低下に対処する初の根本治療薬となります。
 アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なタンパク質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。
 これについてFDAは7日、「臨床試験の結果、『アミロイドベータ』の減少が確認され、患者の症状への効果が合理的に予測される」と評価し治療薬として承認したと発表しました。
 FDAよりますと、アルツハイマー病の新薬が承認されたのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドベータに作用する治療薬は初めてだということです。
 今回の承認は深刻な病気の患者に早期に治療を提供するための「迅速承認」という仕組みで行われたため、FDAは追加の臨床試験で検証する必要があるとしており、この結果、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとしています。
 この薬については昨年11月、FDAの外部の専門家委員会が承認に否定的な結論をまとめており、FDAが追加のデータを求めて審査期間を延長していました。
 FDAは7日の会見で、「専門家委員会の意見を慎重に検討し、データを詳細に検証した結果、迅速承認すべきだという結論に達した」としています。
 アメリカのFDAが承認すると発表したアデュカヌマブは、日本のエーザイとアメリカの製薬会社バイオジェンが共同で開発したアルツハイマー病の治療薬。
 アルツハイマー病は異常なタンパク質であるアミロイドベータが脳にたまって、神経細胞を壊すことが原因と考えられています。
 アデュカヌマブはこのアミロイドベータを取り除く薬で、神経細胞が壊れるのを防ぐことでアルツハイマー病が進行するのを抑える効果があると期待されています。
 これまでのアルツハイマー病の治療薬は、残った神経細胞を活性化させるなどして症状の悪化を数年程度、遅らせるもので、病気によって脳の神経細胞が壊れていくこと自体を止めることはできませんでした。
 アミロイドベータを取り除く薬は以前から研究されていましたが、アミロイドベータはアルツハイマー病を発症する10年以上も前からゆっくりと脳の中にたまっていくことや、薬の効果を確認するのが難しいことなどから、思うように開発が進まない状況が続いていました。
 こうした中で、アデュカヌマブはアミロイドベータを取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものを抑える効果が期待される初めての薬となります。
 一方で、アミロイドベータを取り除くことができても、一度壊れてしまった脳の神経細胞を元に戻すことは難しいことから、治療はできるだけ早い段階で始める必要があるとされており、このアデュカヌマブも認知症を発症する手前の「軽度認知障害」の人や、ごく初期の認知症の人を対象として臨床試験が行われていました。
 アデュカヌマブは日本でも昨年12月に厚生労働省に承認の申請が出されており、今後の審査の行方が注目されます。
 アメリカの製薬会社バイオジェンで、アデュカヌマブの開発を主導してきたアルフレッド・サンドロック博士はFDAの承認について、「アルツハイマー病は、家族を認識できなくなったり、自立した生活が送れなくなったりと、患者と社会にとって影響の大きい病気で、この薬の価値は、コストに見合うと考えている」と承認の意義について述べました。
 また、「これまでの臨床試験で患者の認知機能への効果を示す結果も示されている」と述べた上で、追加の臨床試験が行われることについては、「FDAなどと議論をしている。臨床試験の詳しい内容については今後明らかにする」と話しました。
 アルツハイマー病を根本的に治療する新薬はこれまでも盛んに研究されてきましたが、候補となる薬ができても有効性の評価が非常に難しいことなどから実用化に至った薬はありませんでした。
 今回、アメリカのFDAが承認したアデュカヌマブも、申請に至るまでにいくつもの壁がありました。
 アデュカヌマブは薬の効果や安全性を確認するための最終段階の「治験」として2つの臨床試験が行われ、それぞれ認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」やアルツハイマー型認知症のごく初期の人など約1600人が参加しました。
 治験では、アデュカヌマブを少ない量で投与するグループと多い量で投与するグループ、それにアデュカヌマブが含まれていない偽の薬を投与するグループに分け、月に1回、1年半にわたって投与して認知機能の変化などを調べました。
 そして中間解析が行われましたが、結果は有効性があると確認するのは難しいというものでした。
 これを受けて、治験は中止となりましたが、バイオジェンによりますと、その後、最終的に臨床試験を終えた人たちのデータを加えた上で詳細な解析をしたところ、2つの臨床試験のうち1つの臨床試験で認知機能の低下が22%抑制されたという結果が出たということです。
 また、脳内にたまったアルツハイマー病の原因とされるアミロイドベータが59%から71%減少していることが、確認されました。
 バイオジェンによりますと、治験では途中で計画が一部変更され、多い量を投与する人が増えたため、効果の確認につながったとしています。

 2021年6月9日(水)




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