■ＷＨＯ、「より危険な」変異ウイルス拡大も 世界の１日の感染者54万人超

　世界保健機関（ＷＨＯ）の緊急委員会は15日、新型コロナウイルスの「パンデミック（世界的な大流行）は終息にはほど遠い」と指摘し、「より危険な変異ウイルス」が世界各地で拡大する恐れがあると警告しました。感染力の強いインド型（デルタ型）変異ウイルスが猛威を振るう中、世界の１日の感染者数は50万人を超えています。
　緊急委員会の声明は、「新たな、恐らくより危険な変異ウイルスが出現し、世界に広がる可能性が高い。その制御はさらに困難になるかもしれない」と強調しています。
　各国当局の発表に基づく集計によると、世界の感染者数はいったん減少した後、６月末から増加に転じ、７月13日と14日には54万人を超えました。特に、これまで深刻な流行を免れたと考えられてきた地域で感染が拡大しています。
　「コロナ・ゼロ」戦略の成功が評価されていたオーストラリアでは、この１カ月間で約1000人の新規感染者が確認されました。最大都市シドニーに続き、第２の都市メルボルンでも住民約1200万人が自宅待機の対象となりました。
　ＷＨＯによれば、アフリカでは複数の国で集中治療室（ＩＣＵ）の病床や酸素が不足し、この１週間でコロナ関連死者が43％増加しました。アフリカにおける陽性者の死亡率は２・６％と、世界平均の２・２％を上回っています。
　ＷＨＯのアフリカ地域事務局のマシディソ・モエティ局長は、「アフリカの感染第３波は破壊的な動きを続けており、大陸全体の感染者は600万人を突破した」と説明。感染力の強いインド型（デルタ型）変異ウイルスが21カ国で見付かっていることを一因とする感染増加により、「残酷なまでに人命が失われている」と述べています。
　新型コロナの影響で延期された東京オリンピックの開会式まで１週間余りとなった開催地・東京都では15日、１月以来最多となる1308人の新規感染者数が報告されました。
　東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、海外から来日した選手１人と大会関係者１人、国内在住の業務委託スタッフ４人の計６人が、新型コロナウイルス検査で陽性判定を受けたと発表しました。
　この他、ブラジルの柔道チームを受け入れているホテルのスタッフ８人の陽性が確認され、ロシアの７人制ラグビーチームのスタッフ１人が陽性と確認された後、入院しています。

　２０２１年７月１６日（金）

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■全国のジェネリック工場を一斉立ち入り検査 小林化工、日医工不正で厚労省

　ジェネリック医薬品（後発薬）の製造時の違反で小林化工（福井県）や日医工（富山県）が処分を受けた問題を受け、厚生労働省と沖縄県を除く46都道府県は、全国のジェネリック医薬品などの製造工場に抜き打ちの立ち入り検査をしました。全国での一斉検査は初めてとなりました。
　厚労省によると、医薬品医療機器法に基づき、６月１日〜７月13日に各都道府県で１カ所を選び、無通告で実施。製造手順や品質管理に問題がないか調べました。この調査を踏まえて違反があれば、各都道府県が行政処分します。それとは別に厚労省はジェネリック医薬品の製造状況を精査し、８月に結果を報告書にまとめます。沖縄県には医薬品の製造工場がありません。
　小林化工では、水虫など皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤成分が混入したことで健康被害が相次ぎ、２月に福井県が業務停止命令を出しました。日医工では３月、薬剤の出荷試験などで法令違反があったとして、富山県が業務停止命令を出していました。

　２０２１年７月１６日（金）

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■国内で新型コロナに3418人感染、18人死亡 神奈川県で403人、大阪府で324人感染

　国内では15日午後６時の時点で、東京都で1308人、神奈川県で403人、埼玉県で328人、大阪府で324人、北海道で85人、兵庫県で77人、愛知県で74人、福岡県で71人、沖縄県で60人など、47都道府県と空港検疫で、新たに計3418人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。新規感染者が3000人超となるのは、２日連続。
　また、千葉県で４人、沖縄県で４人、北海道で２人、大阪府で２人、愛知県で２人、京都府で１人、埼玉県で１人、神奈川県で１人、高知県で１人の、合わせて18人の死亡の発表がありました。
　国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め83万1080人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて83万1792人。感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が１万5016人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて１万5029人です。
　厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より16人減って396人となっています。
　神奈川県内では15日、新たに403人の新型コロナウイルス感染が発表されました。１日当たりの新規感染者数が400人を超えるのは、433人だった１月28日以来、168日ぶり。
　また、鎌倉市の80歳代の女性の死亡が発表されました。
　これで神奈川県内で発表された感染者は７万1667人となり、このうち969人が死亡しています。
　大阪府は15日、府内で新たに324人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。300人を上回るのは14日に続いて２日連続で、前週の木曜日より199人増えました。
　70歳代男性と80歳代女性が亡くなっていたことも明らかにしました。府内の感染者は延べ10万5916人、死者は計2700人となりました。
　また、これまでの新型コロナ感染者のうち、新たに10歳未満から60歳代の男女計７人が、インドで見付かったインド型（デルタ型）変異ウイルスに感染している疑いがあることを確認しました。このうち１人は市中感染の疑いがあるといいます。府がこれまでにインド型変異ウイルスへの感染疑いを確認したのは、計157人となりました。

　２０２１年７月１５日（木）

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