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■東大、ラットのES細胞で精子作りに成功 マウス以外では世界初 [健康ダイジェスト]

 ラットのES細胞(胚性幹細胞)を精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」に変化させ、精子を作ることに成功したと、東京大学医科学研究所の小林俊寛特任准教授(幹細胞生物学)らの研究チームが発表しました。生殖細胞についての研究が進み、不妊治療への応用が期待できるといいます。論文が科学誌「サイエンス」に掲載されました。
 研究チームがラットのES細胞約4000個をボール状の塊にして培養し、生殖細胞への変化を促すタンパク質を加えたところ、数日で約2割が始原生殖細胞になりました。この始原生殖細胞を、自らは精子を作れない特殊なラットの精巣に移植すると正常な精子が作られ、子孫を残すことができたといいます。
 ES細胞を始原生殖細胞に変化させ、正常な個体を誕生させたのは、これまでマウスでしか成功例がありませんでした。マウスよりも生理的な特徴が人間に近いとされるラットでも実現したことで、今後、応用の広がりが見込まれます。研究チームは、今回作製した始原生殖細胞から卵子を作る研究も進めています。
 小林特任准教授は、「マウス以外の動物で受精する能力のある生殖細胞を作ることに成功したのは大きな意味がある。将来的にはヒトの生殖医療などへの応用につながっていくと考えている」と話しています。
 林克彦・大阪大学教授(生殖生物学)は、「マウス以外の動物で、ES細胞から機能する精子まで作れたのは重要な成果。どのように生殖細胞が分化するのかなど、より理解が進むことが期待できる」と話しています。

 2022年4月9日(土)




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■エーザイのアルツハイマー病治療薬、高齢者への保険適用せず アメリカ保険当局 [健康ダイジェスト]

 エーザイとアメリカのバイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム(一般名・アデュカヌマブ)」の収益拡大が難しくなりました。アメリカの高齢者向け公的医療保険「メディケア」が7日、同薬の保険適用を臨床試験(治験)の参加者だけに限ると正式決定したためです。これにより最大市場のアメリカでの普及は事実上困難となりました。今後はエーザイが開発を進める次のアルツハイマー病治療薬候補を、着実に開発できるかが焦点となります。
 アデュヘルムはエーザイとバイオジェンが共同開発した治療薬で、アルツハイマー病の症状の進行を抑える効果が期待されていたものの、2つの治験のうち1つで有効性を証明できませんでした。このためアメリカ食品医薬品局(FDA)は条件付きで2021年6月に承認した経緯があり、1年間にかかる1人当たりの薬剤費は2万8200ドル(約340万円)に及ぶため、アメリカでの保険適用の範囲がどこまで広がるかが注目を集めていました。
 アメリカのアルツハイマー病を患う高齢者は、600万人以上います。このうちアデュヘルムの投与対象となり得る初期段階の患者数は、推定100万~200万人です。
 エーザイとバイオジェンは高齢者向け保険であるメディケアで適用された場合、年5万人の患者が治療に使うと想定していましたが、メディケアの保険適用が治験参加者だけに絞られたことで、普及は限定的になります。
 アデュヘルムは最大で売上高1000億円以上を想定していましたが、足元の販売は苦戦しています。ヨーロッパや日本で承認判断が見送られていることもあり、2021年12月までの販売額は300万ドル(4億円)程度にとどまりました。
 アデュヘルムの収益拡大が難しくなったことで、エーザイは次のアルツハイマー病治療薬候補「レカネマブ」の開発に注力します。同薬は最終段階の治験が進行中で、治験データは今秋にも出そろう予定。レカネマブはエーザイの自社開発品のため、成功すれば収益への影響も大きく、その開発の行方が、今後のエーザイの業績を大きく左右することになります。

 2022年4月9日(土)




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