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■赤ちゃんポスト、昨年度預けられた子供は9人 母親3人が身元情報提出に応じる [健康ダイジェスト]

 親が育てられない子供を匿名で受け入れる熊本市の慈恵病院が設置した「こうのとりのゆりかご」に昨年度、預けられた子供は9人で、過去最少だった2021年度の2人より7人多くなりました。開設された2007年以降、預けられた子供は計170人となりました。
 熊本市西区にある慈恵病院は、「こうのとりのゆりかご」という名前でいわゆる「赤ちゃんポスト」を全国で唯一、運営しており、30日は熊本市で児童相談所や医師会などとつくる協議会で、昨年度の預け入れ状況が報告されました。
 それによりますと、昨年度、預けられた子供は9人で、2007年5月の開設から16年間で合わせて170人となりました。
 預けられた9人の内訳は男児5人、女児4人。子供の年齢は、生後1カ月未満が7人、生後1カ月から生後1年未満が1人、生後1年から就学前が1人でした。4人が戸籍法の「棄児」として、熊本市が戸籍をつくりました。
 このうち医療関係者が立ち会わず、自宅などで1人で出産する「孤立出産」で生まれたのは6人でした。
 居住地は、熊本県以外の九州が2人、関東が2人、近畿が1人、不明が4人でした。
 預けた理由について複数回答で聞き取った結果、「生活困窮」が6件で最も多く、次に「育児不安や負担感」が3件でした。
 熊本市の大西一史市長は、「孤立出産や、出産直後の長距離移動に伴う母子の生命の危険などの課題は依然として残されている。子供の出自を知る権利の保障について慈恵病院と共同で検討を進めていく」とコメントしています。
 一方、ゆりかごを巡っては、「子供の出自を知る権利」をどう保障するかが課題となっています。
 慈恵病院では昨年度からゆりかごに子供を預けた利用者に対して、子供が一定の年齢に達したら開示する身元情報の提供を依頼し、同意が得られた場合には、病院の新生児相談室長だけに明かしてもらっています。
 身元情報は病院の金庫で保管されていて、昨年度は9人の預け入れのうち、3人が提供に応じたといいます。
 慈恵病院の蓮田健院長は、「ゆりかごは匿名での預け入れを前提としているが身元情報を保障することが大事なので試みとして実施している。開示時期や方法などを含めて子供の出自を知る権利の保障について社会で議論することが必要だ」と話しています。

 2023年5月31日(水)

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■熱中症による死亡者、年間1000人超から2030年までに半減へ 6月から取り組み [健康ダイジェスト]

 政府は2030年までに熱中症による死亡者数を現状から半減させることを目標とする実行計画を30日、閣議決定し、6月から具体的な取り組みを進め、この夏からの熱中症対策を強化します。
 熱中症で死亡する人が後を絶たない中、政府は熱中症対策を強化する改正法に基づき、現在5年ごとの平均で年間1000人を上回っている熱中症による死亡者数を2030年までに半減させることを目標として、各省庁が今後5年間に取り組む具体的な実行計画を30日、閣議決定しました。
 計画では高齢者への対策として適切なエアコン利用の周知徹底や、福祉関係の団体などに見守りの協力を求めるほか、教育現場などでは教室や体育館へのエアコンの設置の支援や、幼稚園などの送迎用バスでの車内への置き去り防止に取り組みます。
 さらに、災害級の極端な高温に備え「熱中症弱者」とされる高齢者や障害者などのうち、特に公的な支援が必要な人の所在や安否確認の方法を検討するとしています。
 西村明宏環境相は閣議後の会見で、「今年もすでに猛暑日を記録するなど熱中症対策は急務だ。近年、熱中症死亡者数が1000人を超える年が頻発し、これまで以上に高い目標を設定した。目標達成に向けて対策を推進していきたい」と述べました。

 2023年5月31日(水)

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■KMバイオロジクス、コロナ変異型対応ワクチンで承認申請へ 混合ワクチンの開発も進める [健康ダイジェスト]

 明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)が開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省などと協議の上、変異型対応での承認申請を検討していることが30日、明らかになりました。当初は従来型対応のワクチンで今春の承認申請を想定していたものの、今後の定期接種化なども見据え、変異型対応での承認を目指します。また、季節性インフルエンザワクチンとの混合ワクチンの開発も進めていることを明らかにしました。
 KMバイオロジクスは、季節性インフルエンザワクチンなどでも使われている、毒性をなくしたウイルスを使った不活化ワクチンで新型コロナワクチンを開発しています。現在、成人と小児を対象に最終段階となる臨床試験(治験)を実施しており、小児の解析データは秋ごろに出る見込みといいます。
 現在の治験で使っているのは従来型対応のワクチンで、同社は今後、変異型に対応できるワクチンが社会に必要として厚労省などと協議し、変異型対応ワクチンのデータを集める方針。このため、早ければ6月中としていた承認申請は大きくずれ込むことになります。
 国産ワクチンを開発中の塩野義製薬と第一三共はすでに承認申請を行っているものの、いずれも従来型対応での申請。
 永里敏秋社長は、「現在の流行状況を見れば、変異型対応のワクチンの承認が必要になる。子供の新型コロナワクチンの接種率が低い中、不活化ワクチンへの期待は高いと考えている。今進めている治験のデータに変異型対応のデータを積み上げて、必ず実用化させたい」と話しました。
 また、承認申請の時期は明言しなかったものの、変異型対応のワクチンが承認された後には、季節性インフルエンザワクチンとの混合ワクチンの実用化も視野に開発を進めていることも明らかにしました。

 2023年5月30日(火)

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■プロサッカー選手、認知症リスク1・6倍に上昇 スウェーデンで男性6千人調査 [健康ダイジェスト]

 過去にスウェーデンのプロサッカーの試合に選手として出場したことがある男性約6000人を調べると、アルツハイマー病を含む認知症の発症するリスクが一般の男性に比べて1・6倍に上昇していたとする研究結果を、同国にあるカロリンスカ研究所のチームがまとめました。
 ポジション別では、ゴールキーパーのリスクは一般人とほとんど変わらないのに対して、フォワードやミッドフィールダー、ディフェンスといったフィールドプレーヤーのリスクが高まっていました。
 チームの研究者は、「ヘディングや頭部打撲による衝撃が認知症のリスクを高めるとの仮説を支持する結果だ」と指摘。その一方で、「他の要因が関係している可能性もあり、現役の選手やアマチュア、子供のプレーヤーにそのまま当てはめることは難しそうだ」としています。
 チームは、1924年から2019年までにスウェーデンのトップリーグで1試合でもプレーしたことがある約6000人を調査。統計的に分析すると、これらの選手は一般人に比べてアルツハイマー病を含む認知症の発症リスクが62%高くなりました。ただ、同じ神経変性疾患でもパーキンソン病のリスクは一般人より32%低く、筋委縮性側索硬化症(ALS)の人はごく少数でした。
 イギリスのプロサッカー選手を対象とした研究では、神経変性疾患のリスクが3倍以上との報告があるものの、今回はそれよりもリスクが低くなりました。サッカー選手は一般人よりわずかに長生きしていることも示され、運動による予防効果で頭の衝撃による影響が緩和されている可能性もあります。
 研究は3月、イギリスの医学誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に発表されました。

 2023年5月30日(火)

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