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■認知症の原因物質、マウス実験で脳内から除去 東大が触媒開発 [健康ダイジェスト]

 東京大学の金井求教授らは、アルツハイマー病の原因物質とされる脳内のタンパク質「アミロイドベータ」を無毒化する触媒を開発しました。アミロイドベータを酸化して免疫細胞による分解を促す仕組みで、マウスで効果を確認しました。従来の化合物よりも効果を高めて副作用を抑えられます。臨床応用を目指します。
 アルツハイマー病の患者は、脳内でアミロイドベータがたまります。研究チームが開発した化合物「LEV」は、注射で投与すると血管を通じて脳内に届きます。体外から分子に光を当てるとアミロイドベータを酸化する反応が生じ、塊状のアミロイドベータがほぐれます。すると免疫細胞のミクログリアがアミロイドベータを除去する働きを促します。
 研究チームはこれまでもアミロイドベータを無毒化する化合物の開発に取り組んできたものの、やけどのような副作用が出ました。新しい触媒は体内でアミロイドベータに結合するまで無毒な構造を保ちます。アルツハイマー病を再現したマウスで副作用を起こさずにアミロイドベータを分解しました。
 今後は脳の表面だけでなく、光が届きにくい深部でも効果を調べます。有効性が確認できれば、サルなどの動物で検証します。
 京都大学や和歌山県立医科大学との共同研究で、成果をまとめた論文を国際科学誌「アドバンスト・サイエンス」に掲載しました。

 2024年5月29日(水)

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■小林製薬「紅麹」問題、原料製造の大阪工場6カ所で青カビ検出 [健康ダイジェスト]

 大阪市に本社がある小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、大阪市は29日、問題となった製品の原料を製造していた大阪工場で、紅麹製造室の「培養室」など6カ所から「プベルル酸」を生成する青カビを検出したことを公表しました。
 この問題では、原因物質の特定を進めている厚生労働省と国立医薬品食品衛生研究所は28日、途中経過を公表し、小林製薬の大阪工場と和歌山県にある子会社の工場の両方に青カビが存在していたことが確認されたとした上で、「工場内の青カビが培養段階で混入して、『プベルル酸』などの化合物が作られたと推定される」と公表しました。
 これを受けて、大阪市は29日、市役所で3回目の対策本部会議を開き、市などが行っている調査の進捗(しんちょく)を報告しました。
 それによりますと、問題となった製品の原料を製造していた大阪工場で、市などが紅麹製造室のカビとみられる汚れのついている部分、24カ所を拭き取って検査したところ、このうち6カ所から青カビを検出したということです。
 検出したのは「試験室」や「培養室」など5つの部屋で、いずれも和歌山県紀の川市にある子会社の工場で見付かった青カビと同じ種類でした。
 大阪工場は昨年12月に閉鎖されているため、市は製造当時と同じ環境ではないものの、青カビが検出された場所は、紅麹の培養スペースから乾燥後の紅麹原料製造スペースまで、製造室全体にわたっていたとしています。
 また、会議では、市が会社に命じた「紅麹コレステヘルプ」など3種類の製品の回収数が、28日時点で約15万8000個となったことが報告されました。
 3種類の製品の出荷総数は約113万個に上りますが、すでに消費や廃棄されたものも多く、大阪市は、会社側が試算した現実的な「回収見込み数」は約19万1000個で、回収完了は今年9月ごろとなる見通しだとしています。

 2024年5月29日(水)

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■「紅麹」健康被害問題、原料から検出の「プベルル酸」が腎障害引き起こすことを確認 厚労省 [健康ダイジェスト]

 小林製薬が製造した紅麹(べにこうじ)原料を含む機能性表示食品の健康被害問題で、厚生労働省は28日、原因究明調査の途中経過を公表しました。培養段階で青カビが混入し、プベルル酸などが生成されたと推定しました。プベルル酸は動物実験で腎臓組織への毒性があると確認しました。
 武見敬三厚労相は同日、首相官邸で岸田文雄首相に状況を報告。面会後、記者団に「プベルル酸以外に2つの化合物の存在が確認できた」と述べました。
 厚労省と国立医薬品食品衛生研究所の調査によると、未知の2種類の化合物はいずれも小林製薬が「悪玉コレステロールの値を下げる効果がある」とうたった「モナコリンK」という成分に基本骨格が似ているといいます。
 厚労省はモナコリンKを生成する過程で2化合物が生まれた可能性があると説明しました。プベルル酸は培養段階で青カビが混入して産生されたとみられます。
 ラットを使った実験の結果、プベルル酸単体を投与したラットと3成分を含む製品を投与したラットはいずれも近位尿細管の変性や壊死(えし)など腎臓の機能を低下させる症状が確認されました。
 厚労省は、今回の健康被害の原因がこの3物質による可能性が高いとみて、原因究明を進めます。さらなる毒性の確認には90日間の動物実験が必要と説明しており、最終的な原因究明は長期化が想定されます。
 小林製薬と国立医薬品食品衛生研究所のこれまでの調査で、健康被害の情報があった2023年6〜8月に製造された製品の原料品ロットのみに検出された物質が複数あったことがわかっていました。うち1つが青カビから生成される毒性の強いプベルル酸ですが、腎臓への影響などは不明でした。
 厚労省は今後、健康被害の原因究明を進めつつ、必要に応じて食品衛生法上の規格基準の策定や衛生管理措置の徹底を検討するとしています。
 消費者庁も一連の問題を受け、健康被害の報告が迅速に集まるよう関連の制度を見直す方向で検討を進めます。同庁は5月末までに内閣府令改正へ向けた対応策をまとめます。
 厚労省の発表を受け、小林製薬は「引き続き原因究明に全面的に協力させていただく。皆さまからの信頼回復にも全力で取り組ませていただく。各省庁において機能性表示食品の在り方が議論されている内容を真摯に受け止め、適切に対応する」とコメントしました。
 紅麹成分を含むサプリメントによる健康被害について、小林製薬が把握している状況では23日時点で延べ1603人が医療機関を受診し、278人が入院治療を要しました。同社が設置した相談窓口には、23日までで延べ12万5000件の相談が寄せられています。

 2024年5月29日(水)


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■機能性表示食品事業者、健康被害報告なしで営業禁止も 厚労省案 [健康ダイジェスト]

 小林製薬の紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題を受けて、厚生労働省は、機能性表示食品を製造・販売する事業者が健康被害の情報を都道府県知事などに報告しなかった場合、法律に基づき営業禁止や停止の措置を可能とする案をまとめました。
 この問題では小林製薬から国への健康被害の報告の遅れが指摘されたことから、消費者庁は5月末までに報告を義務化するなど、制度の見直しに向けた議論を進めています。
 一方、食品の安全性について監視・指導している厚労省は今後の対応として、機能性表示食品を製造・販売する事業者に対して健康被害の情報の都道府県知事などへの報告を義務付けた上で、報告しなかった場合には食品衛生法に基づいて営業禁止や停止の措置を可能とする案をまとめました。
 また、多数の健康被害が発生し、製品が広域に流通しているような緊急性の高いケースでは、高度な調査が必要と判断すれば国が都道府県と連携して行政措置などを行使するとしています。
 厚労省はこの再発防止の案を今後、関係閣僚会合に提出し、施行規則の変更に向けた作業を進めることにしています。

 2024年5月29日(水)

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■旭化成、スウェーデンの製薬会社を1700億円で買収へ 医薬品事業強化の一環 [健康ダイジェスト]

 旭化成は、医薬品事業を強化する一環としてスウェーデンの製薬会社を買収すると発表しました。一方の石油化学事業では、中国の過剰な生産などを背景に市況の悪化が続く中、事業の縮小を打ち出し、化学メーカー各社の間で収益構造の転換を進める動きが広がっています。
 発表によりますと、旭化成はスウェーデンの製薬会社「カリディタス」の買収に向けて、今年7月に株式の公開買い付け(TOB)を始めることで、両社が合意したということです。
 買収の総額は、約118億スウェーデン・クローナ、日本円で約1700億円になる見通しです。
 カリディタスは、腎疾患関連の治療薬の開発などを手掛け、アメリカ市場に強みがあるとしています。
 旭化成は2020年にも、腎移植の後に使われる免疫抑制剤を手掛けるアメリカの製薬会社を買収し、アメリカでの医薬品事業の強化を進めてきました。
 一方、会社は、石油化学事業では中国の過剰な生産などを背景に市況の悪化が続く中、一部の事業で売却や撤退の検討を行うことを5月20日に明らかにしています。
 化学メーカーの間では、レゾナック・ホールディングスが、大分市にあるコンビナートの事業を今後、分離・独立させ、半導体事業に集中する方針を明らかにするなど、各社の間で収益構造の転換を進める動きが広がっています。
 記者会見で旭化成の工藤幸四郎社長は、「石油化学が非常に厳しい状況の中で、今回の買収は、アセットを収益性の高いものに入れ替えていこうという一環のアクションだ。その中でヘルスケア領域が一番の成長領域だと期待していて、2030年を越える時期には、間違いなくグループで一番の柱になる」と述べました。

 2024年5月29日(水)

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■2023年度、赤ちゃんポストに9人預け入れ 理由は「生活困窮」が最多 [健康ダイジェスト]

 熊本市の慈恵病院が運営する「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、運用を検証する熊本市の専門部会が、昨年度(2023年度)後半の運用体制について報告しました。また、昨年度1年間に「ゆりかご」に預けられた子供の数も公表しました。
 慈恵病院では、親が育てられない乳幼児を匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」、いわゆる「赤ちゃんポスト」を運営しています。
 一方、熊本市では外部有識者による専門部会を設置して、半年ごとに「ゆりかご」の運用状況を検証しています。
 5月29日は、この専門部会が2023年10月から2024年3月末の運用状況について検証した結果が「熊本市要保護児童対策地域協議会代表者会議」で報告されました。
 報告では、この期間の「ゆりかご」の運用体制について、「刑法上の明らかな違法性は認められない」と判断しました。
 2023年度の1年間に預けられた子供は9人だったと報告されました。2007年の運用開始以来、累計は179人。
 9人は、生後1カ月未満の「新生児」が7人と最も多く、このうち4人が生後7日未満の「早期新生児」でした。残る2人は、生後1カ月以上1年未満の「乳児」と、生後1年から就学前の「幼児」がそれぞれ1人でした。
 なお9人のうち8人には、親からの手紙などが添えられていました。
 後から親が病院側に接触するなどして、居住地がわかった5人のうち、関東と中部がそれぞれ2人、熊本県内が1人でした。
 出産した場所がわかった7人のうち、4人が自宅で出産していていて、ゆりかごに預けた理由としては「生活困窮」が6人と最も多く、母親などの厳しい状況が垣間見えます。
 熊本県と熊本市、さらに慈恵病院が設置する窓口には、2023年度の1年間で合わせて4273件の相談が寄せられ、前年度(3866件)と比べて407件増えています。
 相談内容では、「思い掛けない妊娠」が1162件と最も多く、「妊娠や避妊に関する相談」が1037件、「出産や養育についての相談」が928件と続きました。
 報告を受けて熊本市の大西一史市長は、「孤立出産や出産直後の長距離移動に伴う母子の生命の危険などの課題は、依然として残されている」と指摘した上で、「子供たちの大切な命と権利を社会全体で守り、課題を抱える方々を孤立させることがないよう、国に要望するとともに、全国の自治体とも連携して取り組んでいく」とコメントしました。

 2024年5月29日(水)

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