SSブログ

■致死率3割以上「劇症型溶連菌」の感染者が過去最多 手足の傷は治療を [健康ダイジェスト]

 急激に症状が進み、致死率が高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」の国内患者数が、2日までに977人(速報値)に上り、現在の調査方法となった1999年以降で最多となったことが、東京都感染症情報センターが公表した国の集計結果で明らかになりました。これまで昨年の941人(速報値)が最多でしたが、今年の患者数は昨年同期の2・8倍に上っており、専門家が警戒を呼び掛けています。
 STSSの原因となる細菌「溶血性レンサ球菌(溶連菌)」は、ありふれた細菌ながら、感染後ごくまれに重症化しSTSSを発症します。高熱や手足のはれ、痛みが突然起こり、数十時間で多臓器不全に至るなどして、ショック状態に陥ります。高齢の患者が多く、発症した場合の致死率は3~5割とされます。手足の壊死(えし)を伴うことがあるため「人食いバクテリア」とも呼ばれます。
 菊池賢・東京女子医大教授(感染症科)は、患者増加の理由は不明としつつも、コロナ禍の感染対策が緩み、人との接触が増えた影響があるとみています。
 菊池教授は、「患者は水虫やあかぎれなど手足に小さな傷がある人が目立つ。手足の傷を放置せずに治療することが予防につながる。2~3時間ではれが一気に広がった時や、受け答えが難しい場合は迷わず救急車を呼んでほしい」と注意を促しています。

 2024年6月7日(金)

nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■妊娠糖尿病の患者、出産後検査率は約30%にとどまる 横浜市立大学が調査 [健康ダイジェスト]

 妊娠中に血糖値が高くなる「妊娠糖尿病」の患者は出産後に糖尿病を発症するリスクが高いとされ、出産後、一定の期間に検査を受けることが推奨されていますが、実際に検査を受けた人は全体の約30%にとどまっていることが横浜市立大学のグループの調査でわかりました。
 グループは、「検査率の向上が重要だ」と指摘しています。
 この研究は、横浜市立大学大学院医学研究科の吉岡俊輝医師などのグループがまとめました。
 妊娠中に血糖値が高くなる妊娠糖尿病と診断された人は、出産後も血糖値が高い状態が続くと糖尿病になるリスクが高いとされており、専門の学会では出産後6週から12週の間に検査を受けるよう推奨しています。
 グループは約1400万人分の医療データを分析し、2020年度までの9年間に重い妊娠糖尿病と診断された患者2000人余りの出産後の検査の実施状況を調べました。
 その結果、推奨されている期間に検査を受けた人の割合は28・7%にとどまっていたということです。
 検査で血糖値の異常を発見して早期に対応すれば糖尿病の発症を防ぐことができる可能性があるということで、グループでは、妊娠糖尿病と診断された女性の出産後の検査率を高める必要があるとしています。
 吉岡医師は、「産婦人科と内科の双方が検査の大切さを認識して連携する必要がある。妊婦自身にも出産後の検査の重要性を知ってほしい」と話しています。

 2024年6月7日(金)

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■地球温暖化ペース、観測史上最悪 過去10年で0・26度上昇 [健康ダイジェスト]

 2023年までの10年当たりの人為的要因による気温上昇は0・26度に達し、地球温暖化のペースが観測史上最悪になったとの分析を、イギリスのリーズ大などの国際チームが6日までに発表しました。産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える国際目標達成のために残された二酸化炭素(CO2)排出量の限度を示す「カーボンバジェット(炭素予算)」は、2024年時点で2000億トン前後と見積もりました。
 国際チームは「現在の排出量が続けば5年で尽きる」と強調。各国は2035年の温室効果ガス排出削減目標を来年2月までに国連に提出することになっており、現在の目標からの上積みが必要と指摘しました。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2019年までの10年当たりの上昇を0・2度と評価していました。
 国際チームが発表した報告書によると、2014~2023年の平均気温は産業革命前と比べて1・19度上がり、2013~2022年の1・14度を上回りました。2023年は産業革命前から1・43度高く、このうち発電によるCO2排出など人の活動に由来するのは1・31度。

 2024年6月7日(金)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■iPS細胞から免疫制御細胞を作製、世界初 拒絶反応抑制を確認、京都大など [健康ダイジェスト]

 過剰な免疫反応を抑える「制御型T細胞」を、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製することに京都大などの研究チームが成功しました。人のiPS細胞からの作製は世界初といい、実用化できれば移植医療における拒絶反応抑制などに有効な同細胞を大量作製することが可能になるとしています。論文は7日、アメリカの科学誌「セル・ステムセル」電子版に掲載されました。
 体内の免疫細胞が過剰に活動して起きる自己免疫疾患では現在、免疫抑制剤による治療が中心。制御型T細胞を使った治療に注目が集まっているものの、治療に使える分量を体外で作製することはむずかしい状況といいます。
 研究チームは人のiPS細胞から作製した免疫細胞「T細胞」に、制御型への誘導効果が知られている4種類の試薬を組み合わせて培養。作製された細胞と、がんなどを攻撃するT細胞を混ぜてさらに培養したところ、攻撃型T細胞の分裂回数が減って制御型T細胞と同様の免疫抑制効果が確認されました。
 さらに、免疫細胞が自身の臓器を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)状態にしたマウスに、iPS細胞から作製したT細胞を移植した結果、免疫反応が抑えられて生存期間が延びました。
 京都大iPS細胞研究所の金子新教授(免疫再生治療学)は、「iPS細胞を使えば時間をかけずに大量の細胞を確保でき、自己免疫疾患を治療する薬剤の開発につながる」と話しています。

 2024年6月7日(金)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■「睡眠科」を診療科名に追加へ、2008年以来の見直し 「睡眠内科」「睡眠精神科」など組み合わせ標榜も想定 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は、医療機関が掲げることができる診療科名に「睡眠科」を追加する方針を固めました。診療科名をわかりやすく表記することで、患者が医療機関を選択しやすくします。診療科名の見直しは2008年以来となります。日本人は睡眠時間が短く、睡眠障害は現代の「国民病」ともいわれます。さまざまな病気のリスクを高める恐れがあるため、適切な治療につながることが期待されます。
 医療機関が看板などで広告できる診療科名は「標榜(ひょうぼう)診療科」と呼ばれ、厚労省が医療法に基づき定めています。「内科」「外科」「小児科」など単独で使えるものが20種類あるほか、「糖尿病内科」「脳神経外科」など組み合わせで認められているものもあります。それ以外の診療科も開設できるものの、路上や駅での広告や看板などで宣伝ができません。
 追加するには、関連学会の賛同を得た上で、厚労省の医道審議会に意見を聞く必要があります。(1)国民の求めの高い診療分野であるか(2)診療科名がわかりやすいか、などの条件を満たしていることが前提となります。
 専門医らでつくる日本睡眠学会の調査では、睡眠障害を治療する医療機関(約1200施設)の72%が睡眠科の標榜を希望しています。同学会は日本呼吸器学会や日本循環器学会など関連学会から賛同を得られるよう調整を進めており、今夏にも追加を求める要望書を厚労省に提出する予定です。
 これを受け、厚労省は早急に手続きを進める考えです。「睡眠科」の単独ではなく、「睡眠内科」「睡眠精神科」など組み合わせで標榜できる方式を想定しています。
 現在、患者は症状に応じ、精神科や耳鼻咽喉科、小児科などにかかっているとみられますが、受診先を探しにくいことが課題となっています。日本睡眠学会は「一目でわかる診療科を求めるニーズは高い」と説明しています。
 経済協力開発機構(OECD)の調査(2021年版)では、日本人の1日当たりの平均睡眠時間は7時間22分で、33カ国中で最短。厚労省の調査では、睡眠で十分な休養が取れていない人の割合は2018年に21・7%に上っています。慢性的な睡眠不足は高血圧や糖尿病、うつ病などのリスクを高める恐れがあります。
 こうした中、睡眠への関心が高まっています。睡眠の質を高める効果をうたう乳酸菌飲料などが人気となっており、調査会社の富士経済によると、睡眠サポート市場は2015年の43億円から2022年には640億円に急拡大しています。

 2024年6月7日(金)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康