SSブログ

■塩野義製薬、初の「新型コロナワクチン」承認 起源株が対象 [健康ダイジェスト]

 塩野義製薬は24日、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンが同社として初めて厚生労働省の製造販売承認を得たと発表しました。今回のワクチンはウイルス発生初期の起源株を対象としています。実用化の予定はないものの、変異種に対応した今後のワクチン展開につながる第一歩となります。
 塩野義は次の段階として、変異種に対応したワクチンの開発を進めます。変異種向けでも再度承認を得ることができれば、その後は治験(臨床試験)なしでワクチンを開発することが可能になります。2025年冬に流行する変異種向けで、初めての実用化を目指します。
 承認されたワクチンは、「組み換えタンパク型」と呼ばれる仕組みを採用しています。従来のインフルエンザワクチンなどと同じ製法で、新型コロナワクチンの主流である「メッセンジャーRNA型」よりも発熱などの副作用が小さいといいます。
 塩野義は2022年11月に、国内の製薬会社で初めてコロナワクチンの承認を申請。2023年7月に、厚労省の部会では有効性を評価するためのデータが十分でないなどとして継続審議となっていました。国内メーカーでは、第一三共などがすでに新型コロナワクチンの承認を得ています。

 2024年6月25日(火)

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■武田薬品工業、大腸がん薬をヨーロッパで承認取得 [健康ダイジェスト]

 武田薬品工業は24日、成人の転移性大腸がん治療薬「フルキンチニブ」についてヨーロッパ委員会(EC)から承認を取得したと発表しました。治療歴があり、他の治療法が効かなかった患者を対象とします。
 フルキンチニブは、中国バイオ企業のハッチメッドが開発した抗がん剤。同社が中国で販売しており、武田薬品は他地域での販売権を取得していました。アメリカ食品医薬品局(FDA)からは2023年11月に承認を取得しています。日本でも2023年9月に申請しました。
 食生活の変化などで、大腸がんの患者数は男女ともに増えています。武田薬品によると、大腸がんの患者数は2022年には世界で190万人以上が新たに診断され、90万人以上の死亡が報告されました。

 2024年6月25日(火)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■国立ハンセン病療養所での旧陸軍の薬剤臨床試験、入所者2人の死亡と因果関係の疑い [健康ダイジェスト]

 熊本県合志市にある国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園(けいふうえん)は24日、太平洋戦争中から終戦直後にかけて旧日本陸軍などが入所者に対し、「虹波(こうは) 」と呼ばれる薬剤の臨床試験を行い、試験中に死亡した9人のうち2人について投薬との因果関係が疑われるとする報告書を公表しました。投与対象者は少なくとも472人に上ります。国の報告書などで虹波の存在自体は知られているものの、被害の詳細をまとめたのは初めて。
 入所者自治会の要請を受け、2023年度に園の歴史資料館が収蔵する関連資料56点を精査しました。報告書では、死亡例や激しい苦痛を伴う副作用が確認されても臨床試験は中断されなかったとして、「当時の医師らの医療倫理の在り方に疑問が持たれる」と指摘しました。
 報告書によると、虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で、熊本医科大(現熊本大医学部)の波多野輔久医師が陸軍の嘱託で開発しました。体質改善や結核のほか、ハンセン病の治療への活用も期待されたものの、効果は上がらなかったとされます。
 臨床試験は陸軍が指揮し、当時の宮崎松記園長の監督の下で行われ、1942年12月から1947年6月まで続いたといいます。対象と確認できた472人には6歳児も含まれていました。ほかに370人が参加した可能性があります。
 臨床試験中に死亡した9人のうち、7人の死因は肺結核や急性肺炎などでしたが、残る2人は虹波が原因と疑われるといいます。
 報告書では、「被験者は臨床試験への参加を拒否できなかった」と指摘。園内での安寧な生活を得るために、従順な態度を取らざるを得なかったと結論付けました。園は今後も調査を続け、薬剤の医学的な効果などを考察する方針。報告書は近く歴史資料館のホームページで公開する予定。
 医学史に詳しい京都大医学部の吉中丈志臨床教授は、「ハンセン病は死に至ることが少ない慢性疾患で、死者が出た薬を使い続けるのは医療倫理以前に、常識としておかしなことだ」と批判しました。
 虹波に関しては、国が設置した有識者らによるハンセン病問題の検証会議が、2005年にまとめた最終報告書で触れており、他の薬物とともに「副作用ばかりが目立つ」「試用は全くの人体実験だった」と指摘しています。
 厚生労働省は、恵楓園による今後の調査を注視するとしています。
 菊池恵楓園は1909(明治42)年、当時の法律に基づいて全国5カ所に設置されたハンセン病の患者を収容する療養所の1つ「九州らい療養所」として現在の熊本県合志市に開設されました。その後「らい予防法」の制定などによってハンセン病の患者が強制的に収容されるようになり、入所者は1958年のピーク時で1734人でしたが、現在は6月1日の時点で126人となっています。
 また、入所者の平均年齢は87・5歳と高齢化が進んでいます。
 菊池恵楓園には国の隔離政策の一環として、全国で唯一のハンセン病患者専門の刑務所が設けられていましたが、現在は取り壊され、跡地には3年前、小中一貫の公立学校が開校しました。
 園内には、入所者の無断外出を防ぐために設けられた「隔離の壁」など、差別の歴史を今に伝える施設が残っていて、厚労省は、これらの施設をハンセン病問題の啓発のために歴史的建造物として保存することにしています。

 2024年6月25日(火)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康