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■国内患者推定2万人の神経難病「遺伝性末梢神経障害」の原因突き止める 鹿児島大学病院・脳神経内科の研究チーム [健康ダイジェスト]

 鹿児島大学病院脳神経内科の遺伝性神経疾患研究チームは、神経難病「遺伝性末梢神経障害(IPN)」が、LRP12遺伝子内で特定の塩基配列が正常時よりも多く繰り返される「リピート伸長」が主な原因と突き止めました。診断率の向上や遺伝子治療薬の開発に役立つと期待されます。イギリスの学術誌に16日掲載されました。
 主に足先や手先に感覚障害や運動障害が現れるIPNは「シャルコー・マリー・トゥース病」とも呼ばれ、患者は国内に2万人以上いると推定されています。100以上の遺伝子がIPNに関連することが判明しているものの、原因がはっきりしているのは35%程度にとどまります。鹿児島大学病院脳神経内科は15年以上全国の病院でIPNと診断された患者の包括的遺伝子診断を提供しており、新たな原因解明を目指し調査しました。
 研究チームは、同大大学院医歯学総合研究科脳神経内科・老年病学講座(高嶋博教授)の穂原貴裕医師(34)と安藤匡宏助教(39)が中心。IPN患者2424人を対象に、遺伝性筋疾患や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因と考えられる遺伝子のリピート解析を実施。うち44例で、LRP12遺伝子における異常伸長を確認しました。
 穂原医師は、「遺伝性の病気は診断がつきにくい。原因遺伝子の一つが明らかになり、診断率を上げる結果につながれば」と話しています。安藤助教は、「リピート伸長部分というターゲットを決めたアプローチが可能になり、治療に貢献できる」と話しています。

 2024年7月17日(水)

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■紅麹問題受けた食品表示基準の改正案、消費者委員会が了承 [健康ダイジェスト]

 小林製薬の紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題を受け、機能性表示食品の健康被害情報の収集と報告を義務付けることなどを盛り込んだ食品表示基準の改正案が、消費者委員会で了承されました。
 一方で、表示の規制だけでは対策として不十分だとして、サプリメント食品全体について法整備を進めることなどを求める意見書も出されました。
 消費者庁は6月、機能性表示食品に求められる表示事項などを定める食品表示法に基づく内閣府令の「食品表示基準」で、健康被害情報の収集と報告や、サプリメントを加工する工場では安全で質の高い製品を作るための「適正製造規範=GMP」に基づいた製造管理をすることなどを法的に義務付ける改正案を消費者委員会に諮問していて、16日の委員会で改正を適当だとする答申書が出され了承されました。
 答申書の中では、健康被害情報の報告の期限を可能な限り短くなるよう検討することや、医薬品との相互作用や過剰摂取のリスクなどが伝わりやすい表示をするべきだといった意見も付けられました。
 一方で、サプリメント食品は成分が濃縮されるため健康被害のリスクが高いものの規律や監視体制は不十分だとして、機能性表示食品だけでなくすべてのサプリメント食品に対して健康被害情報の収集やGMPに基づいた製造管理が必要だとしたほか、「病気の予防・治療に効果がある」などと消費者を誤認させるような広告表示が多いとして規制の強化などを求める意見書も出されました。
 議論を行った食品表示部会の今村知明部会長は、「できるだけ早く対策を始めるために短い期間で集中的に議論し答申書をまとめた。一方ですべての課題に対応できているとは思えないので、引き続き議論していきたい」と話していました。
 健康被害情報の収集と報告については今年9月から、GMPに基づいた製造管理については2026年の9月から義務付けられる見通しで、消費者庁では引き続き制度の見直しを進めていくとしています。

 2024年7月17日(水)

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■激辛ポテトチップス食べた都立高校の生徒14人、病院に搬送 口や胃の痛み、昨年はアメリカで死亡事故も [健康ダイジェスト]

 16日午後、東京都大田区の都立高校で、市販されている激辛のポテトチップスを食べた多数の生徒が体調不良を訴え、14人が病院に搬送されました。生徒たちは口や胃の痛みを訴えましたが、いずれも軽症だということです。
 16日午後1時前、東京都大田区にある都立六郷工科高校で、市販されている激辛のポテトチップスを食べたという多数の生徒が体調不良を訴え、高校1年の生徒14人が病院に搬送されました。
 警視庁などによりますと、生徒たちは口や胃の痛みのほか吐き気を訴えましたが、いずれも軽症だということです。
 このポテトチップスは男子生徒が持ち込んだもので、同級生など約30人に配ったということです。
 パッケージには「18禁」「成人向け」などと書かれていて、販売元のホームページでは、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」が入っているため、高血圧や胃腸の弱い人、それに18歳未満は食べないよう注意を呼び掛けていました。
 昨年9月には、激辛トルティーヤチップスを我慢しながら食べるSNS上の挑戦企画に参加したアメリカの少年(当時14)が死亡しており、激辛ポテトチップスの危険性が改めて浮き彫りとなりました。
 近年はSNS上で激辛料理に挑戦する企画なども多く、触発された若者がその危険性を認知せずに激辛料理を食べる例も増えているといいます。16日に体調不良を訴えた高校生らが食べた激辛ポテトチップスについても、メーカー側が「食べすぎるとおなかが緩くなる場合がある」などと注意喚起をしていましたが、そうした注意する表記が、かえって若者の挑戦心を煽った側面もありそうです。
 激辛ポテトチップスを食べて昨年9月に亡くなったアメリカの少年について、検査当局は今年5月、カプサイシンを大量に摂取し、心臓に異常が起きたことが死亡原因と報告しました。ポテトチップスには大人用で子供は食べないように注意が書かれていたが、子供も購入できる状態でした。
 死亡した少年のほかにも病気になったり、病院に搬送されたりした子供の報告があったといいます。
 日本でも、2019年7月に長野市の高校の生徒9人が、文化祭で食べた激辛料理が原因で病院に搬送された例もあるなど、各国で同様の事例が散見されます。
 農林水産省によると、カプサイシンはカプサイシノイドと呼ばれる炭素、水素、酸素、窒素からなる天然の有機化合物の一つで、唐辛子などに含まれる辛みをもたらす成分であると説明。舌の感覚神経を刺激して、辛みを感じさせ、水にはほとんど溶けず、油やアルコール、酢には溶けやすい性質を持つとしています。
 強い辛味を感じた際、多くの人が水を飲むことで対処するものの、カプサイシンは水では溶けにくく、その成分を洗い流すことはできず、「かえって逆効果」(スナック菓子を製造・販売するジャパンフリトレー)といいます。
 農水省は、カプサイシンの辛味を緩和するには乳製品が有効で、乳製品に含まれている成分が舌に接触するカプサイシンを吸着してくれるといいます。辛いものを食べる際には、ヨーグルトや牛乳などの乳製品を一緒に食べることを推奨しており、ジャパンフリトレーは「冷凍バターは、バターの乳成分と冷凍による冷却効果で辛さを和らげる」としています。

 2024年7月17日(水)

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