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■薬候補の毒性予測に役立つミニ臓器の作製に成功 国際医療研究センター研究所 [健康ダイジェスト]

 国立国際医療研究センター研究所の田中稔室⻑や東京大学の研究チームは、薬の候補物質が人体に有毒かどうか調べるのに役立つ「ミニ臓器」(オルガノイド)を、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製することに成功しました。肝細胞の上に胆管の細胞が載ったもので、薬候補の代謝や体外への排出を再現できます。人体に有毒かどうかを創薬研究の早い段階で見極められれば、開発コストを減らせます。
 薬を人に投与すると、肝臓で化学的に変化し、尿や胆汁に入って体外に出ます。成分や代謝物の体内の巡り方によっては、効果が期待通りに出ない場合があります。代謝物などが強い毒性を持つ場合は、薬として使えません。
 通常は動物実験の結果をもとに、人での代謝のされ方や体内の巡り方を予測します。ただ、動物と人では肝臓の代謝能力が違うため、正確な予測が難しい面があります。動物実験で毒性がなかったものの、人に投与して初めて毒性が判明して開発中止となる例もあり、薬の開発コストが膨らむ要因になっています。
 研究チームはこれまでに、肝臓のもととなる細胞をiPS細胞から作ることに成功していました。今回は細胞の培養方法などを工夫し、肝細胞の上に胆管の細胞が載ったオルガノイドを作りました。
 肝細胞と胆管細胞の間には袋状の構造があって、肝細胞から出た胆汁が集まり、胆汁に含まれる代謝物などを分析しやすくなります。肝細胞の状態を安定させやすく、薬の成分が体から出るまでの長期的な毒性も調べられます。
 従来、動物実験の代わりに人の肝細胞を培養する方法もありました。ただ、胆管の細胞を含まないため胆汁を集めづらく、長期的な毒性も調べづらいという課題がありました。
 今後は製薬現場での活用を見据え、オルガノイドが実際の人体の機能を再現できているかさまざまな薬剤で検証します。オルガノイドで脂肪性肝疾患の発症までの過程を再現するといった応用も目指します。

 2024年8月24日(土)

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■大阪市、年内に紅麹製品の廃棄命令へ 9月中に回収終了 [健康ダイジェスト]

 大阪市は23日、小林製薬が製造した紅麹(べにこうじ)原料を含む機能性表示食品の健康被害問題を受け、4回目の対策本部会合を開きました。回収命令を出した3製品について、年内には一部をサンプルとして除き、廃棄命令を出す方針を示しました。
 回収目標の約19万1000個のうち、21日時点で約95%に当たる約18万2000個が回収済みとしました。9月中に回収終了を判断する見込みです。
 食品衛生法に基づき、27日に原料を製造していた同市内の工場(2023年12月に閉鎖)へ立ち入り検査に入る方針も明らかにしました。同工場への立ち入りは3回目。有害物質を生む青カビの汚染経路や有毒物質である「プベルル酸」の産生原因の特定につなげる考えです。
 市は厚生労働省と連携して被害規模の特定や原因究明を進め、2025年3月ごろに調査結果をとりまとめる方針です。
 会合では、健康被害者の死亡事例調査の進捗も報告されました。小林製薬が当初報告した5件と6月28日以降に追加で報告した114件を合わせた119件のうち、8月22日午後5時の時点で約86%に当たる103件(調査不能の32件含む)が完了したと明らかにしました。

 2024年8月24日(土)

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■南アメリカで蚊媒介感染症「オロプーシェ熱」拡大 2人死亡、感染例8000件超 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)は23日、ブラジルやコロンビア、ペルーなど南アメリカを中心とした5カ国で、蚊が媒介するウイルス感染症の「オロプーシェ熱」の発症が増加し、2人が死亡したと発表しました。
 WHOによると、7月20日時点で8078件の感染例を確認。頭囲が通常より小さく知能や体に先天的な障害が生じる「小頭症」の新生児のケースもあり、ウイルス感染との関連が疑われています。
 オロプーシェ熱は主にブラジルのアマゾン地域で伝染していましたが、気候変動や森林破壊などの影響で、これまで感染例の確認がなかったボリビアやキューバにも広がっています

 WHOは、公衆衛生上のリスクは国際的な規模では低いと評価しています。

 2024年8月24日(土)


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