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■女性に多い乳がん、リンパ節転移にかかわる免疫細胞を発見 京大など [健康ダイジェスト]

 女性が発症するがんで最も多い乳がんは、リンパ節への転移が進行度の一つの指標となっています。がん細胞が転移したリンパ節では、特定の免疫細胞が大きく減っていることを、京都大と三重大、東北大などでつくる研究チームが突き止め、専門誌に発表しました。乳がん治療の新たなターゲットになる可能性があるといいます。
 この免疫細胞は、「CD169」というタンパク質を表面に持つマクロファージ(CD169陽性マクロファージ)。マクロファージはがん細胞の破片を食べ、その情報を代表的なリンパ球であるT細胞に伝えることで、がん細胞への本格的な免疫を引き起こす重要な役割を果たしています。
 日本では年間約10万人の女性が乳がんを発症し、約1万5000人が亡くなっています。乳がんではわきの下のリンパ節に転移し、そこからほかの臓器などにさらに転移することが多く、リンパ節転移が多いと生存率にも大きくかかわってきます。
 数多くの免疫細胞が存在するはずのリンパ節で、なぜがん細胞が排除されずに転移するのか。研究チームは、外科手術を受けた6人の乳がん患者から採取された、がん細胞が転移したリンパ節と転移していないリンパ節でどんな違いがあるのか、遺伝子の働き具合を網羅的に調べました。

 2024年9月30日(月)

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■イギリスの石炭火力発電、すべての発電所が30日で運転終了へ G7初 [健康ダイジェスト]

 イギリスで最後の石炭火力発電所が30日、運転を終了します。温室効果ガスの排出量が多い石炭火力の全廃は先進7カ国(G7)で初めて。産業革命発祥の地であるイギリスが、1882年に世界初の石炭火力発電所をロンドンに開設して以来、140年余りにわたる歴史に終止符が打たれます。
 運転を終了するのは、中部ノッティンガムシャー州にあるラトクリフ・オン・ソア発電所。ドイツのエネルギー大手ユニパーが運営し、1967年の完成後、周辺地域に電力を供給してきました。閉鎖後は2年かけて解体され、跡地には新たに水素の製造拠点が建設される予定です。
 イギリス政府統計などによると、石炭火力は1990年にイギリスの電力供給の8割を占めていましたが、天然ガスや再生可能エネルギーの普及により、その比率は2023年に1・3%まで縮小しました。首位はガス(34・7%)、2位が風力・太陽光(32・9%)、3位が原子力(13・9%)となっています。
 イギリス政府は2050年までに温室効果ガス排出量を「実質ゼロ」にする目標を掲げており、ラトクリフ・オン・ソア発電所の閉鎖も脱炭素化の流れに沿ったものです。
 イギリス紙デーリー・テレグラフは、「(1882年以来)142年の時を経て、石炭の旅は終着点を迎えた」と報じました。

 2024年9月30日(月)

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■塩野義製薬、発達障害の子供をアバターで支援 2025年度にも、心理的障壁を取り除く [健康ダイジェスト]

 塩野義製薬が注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害のある子供を対象に、アバター(分身)技術を使って、言葉の遅れなど子供が直面する困り事に対応する支援サービスに取り組むことが29日、わかりました。2025年度中にもサービスを開始します。対面ではなくアバターを介することで、心理的障壁を取り除くことができるといいます。
 発達障害の子供は他人とのコミュニケーションが苦手な場合が多く、成長するに従って社会生活に困難を感じるため、周囲の理解と支援が必要になります。
 塩野義製薬は、大阪大大学院の石黒浩教授(ロボット工学)が設立し、同社も出資するベンチャー企業「AVITA(アビータ)」(東京都品川区)と協業。塩野義製薬が独自のソフトウエアを作成し、アバターの技術開発はアビータが手掛けます。
 言語の療育を行う言語聴覚士がアバターを通じて子供に接する「言語聴覚療法」を提供するサービスを2025年度中に、個人の特性に合わせて対人関係を学ぶ「ソーシャルスキルトレーニング」サービスを2026年度中にそれぞれ始めることを目指しています。
 塩野義製薬の調査では、言語聴覚士がアバターを使ってASDの子供らに接したところ、人と直接対面するよりも会話に集中する傾向があったといいます。
 アバターは自由に選ぶことができ、人間だけでなく動物やアニメ風のキャラクターなど子供の特性に合わせて設定します。声も変えることができ、子供の関心を引きやすいアバターをつくり出すことが可能。興味を引き付けながら言葉や会話の練習ができます。
 言葉の問題はその後の学習の遅れや人間関係の構築などに影響を与えることから、専門的な支援が必要とされる一方、子供の言語療育を担う言語聴覚士の数には限りがあります。アバターのサービスは同時に複数の配信も可能なため、よりきめ細かい対応が期待できます。
 3歳児健診で言葉の遅れがみられた幼児や、小学校で対人コミュニケーションに悩む児童らをサポートし、各家庭のほか、学校の支援学級、児童発達支援事業所などでの導入を想定します。
 塩野義製薬は今年2月に、小児のADHD患者を対象とした、ゲームで症状緩和が期待できるデジタル治療用アプリの製造販売承認を申請しています。治療だけでなく、困り事に応じた福祉環境の必要性から今回の事業に乗り出すことを決めました。
 担当者は、「発達障害は切れ目のない支援が必要。今後サービスの対象幅や内容を広げていきたい」と話しています。

 2024年9月30日(月)

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■心疾患の重症度をAIで診断するシステムを開発 岩手医大などの研究グループ [健康ダイジェスト]

 岩手医科大と岩手県立大、岩手県立二戸病院の研究グループは、急性心筋梗塞など心疾患の疑いのある患者の重症度を人工知能(AI)で診断するシステムを開発しました。救急車内で計測した患者の心電図データから、発症初期の兆候をAIに学習させました。データの蓄積を進め、循環器内科医による診断と同レベルまで精度を高めたい考え。心筋梗塞は早期の治療が重要で、医師らの判断を補完する目的で将来的な医療現場への導入を目指します。
 AIが患者の心電図データの波形の特徴を読み取り、▽心筋梗塞など緊急を要する状態▽グレーゾーン▽正常-などと判定する仕組み。
 研究で約3500枚の心電図データをAIに学習させたところ、精度は93%で医師による判断とぶれは少なくなりました。さらに学習量を増やし、精度を高めます。

 2024年9月30日(月)

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