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■職場で虐待受けた障害者、昨年度761人 前年度より105人増 [健康ダイジェスト]

 賃金の未払いや暴言など職場で虐待を受けた障害者は昨年度761人で、前の年度より105人増えたことが厚生労働省の調査でわかりました。新型コロナからの経済活動の回復で障害者の就業機会が増えていることなどが要因とみられます。
 厚労省は職場で働く障害者が事業主や上司などから受けた虐待について毎年、調査しています。
 その結果、昨年度、虐待を受けたと認められた障害者は全国で761人と、前の年度に比べて105人多く、3年連続の増加となりました。
 虐待が確認された企業などは447あり、このうちの77%が従業員50人未満と小規模な事業所で、業種別では「医療・福祉」や「製造業」が多かったということです。
 また、虐待の種類では賃金の未払いや、最低賃金を下回る違法な賃金で働かされたといった「経済的虐待」が659人と最も多く、全体の約80%を占めました。
 次いで、暴言や差別的発言などの「心理的虐待」が71人、暴力を振るわれるといった「身体的虐待」が31人などとなりました。
 厚労省は、「新型コロナからの経済活動の回復で障害者の就業機会や1人当たりの労働時間が増えていることが虐待の増加につながっているとみられる。引き続き、事業者に対して指導や啓発を行い虐待の防止に取り組みたい」としています。

 2024年9月7日(土)

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■埼玉県に全国初の「ジェンダー外来」開設 生殖医療に特化、独協医大埼玉医療センター [健康ダイジェスト]

 独協医大埼玉医療センター(埼玉県越谷市)は、トランスジェンダーの人々の生殖医療に特化した「ジェンダー外来」を開設し、当事者の支援に取り組んでいます。性別適合の過程で生殖機能が衰える懸念があり、当事者の相談に応じるほか、男性の体で生まれたが自身は女性と認識するトランス女性の精子の凍結保存も行います。こうした取り組みは全国初といいます。
 性別適合のためにトランス女性がホルモン療法を受けると、精子の数が減ったり質が悪くなったりします。手術で精巣や卵巣を摘出すれば、生殖能力を失います。事前に精子や卵子を保存すれば子供を持つ選択肢を残すことにつながるものの、トランス当事者の生殖医療を支える医療機関は少ないのが現状です。
 トランスジェンダーを巡っては、最高裁が6月、性別適合手術前に保存した凍結精子を使って女性パートナーとの間に子をもうけたトランス女性を「父」と認める初判断を示しました。
 診察には電話予約が必要で、当面は月1回、土曜午前に受け付けます。問い合わせは埼玉医療センター代表、電話048(965)1111。

 2024年9月7日(土)

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■マイコプラズマ肺炎流行入り、静岡県内で5年ぶり 14歳以下が7割 [健康ダイジェスト]

 静岡県は6日、呼吸器感染症「マイコプラズマ肺炎」について、直近1週間(8月26日~9月1日)のデータを踏まえて流行入りを発表しました。定点医療機関1カ所当たりの患者数は1・10人となり、県が流行入りの目安に定める「1人」を上回りました。流行入りするのは2019年12月以来、5年ぶり。県は換気や手洗い、人混みでのマスク着用などを呼び掛けています。
 県によると、1日までの1週間で定点医療機関10施設から11人の報告がありました。1週間の報告数は、6月後半から5人を超えて増え始めました。今年に入ってからは99人の報告があり、年齢別では5~9歳が34人と最も多く、14歳以下が7割を占めます。患者は全国的にも増加しています。
 マイコプラズマ肺炎は、細菌「肺炎マイコプラズマ」に感染することで起こります。飛沫(ひまつ)や接触で感染します。症状は発熱や全身の倦怠(けんたい)感、頭痛、せきなどで、解熱後もせきが長期にわたって続くのが特徴。肺炎にならずに上気道炎や気管支炎になることも多く、重症化するケースもあります。

 2024年9月7日(土)

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■慢性心不全の治療薬、「急性」にも効果 佐賀大が日本人で確認 [健康ダイジェスト]

 心臓の動きが鈍り、徐々に血液を全身に送れなくなる「慢性心不全」の治療薬として広く使用されている「エンレスト」と呼ばれる薬が、突発的に起きる「急性心不全」の日本人の患者にも有効だとする研究結果を佐賀大学の研究チームが発表しました。新たな治療法の開発につながる成果だとしています。
 これは、佐賀大学医学部長の野出孝一教授の研究チームがヨーロッパ心臓病学会の学会誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル」に発表しました。
 「エンレスト」はノバルティスファーマが販売する薬で、血管拡張などの作用を通して治療効果を発揮します。国内では2020年に慢性心不全向けに承認されたものの、急性心不全への効果は不明でした。
 「エンレスト」が急性心不全にも有効だとする研究結果は、これまでにアメリカなどでは報告されており、今回、研究チームは、国内で治療を受けている急性心不全の日本人の患者、約400人を対象に「エンレスト」を投与した場合の有効性を調べました。
 その結果、心不全が重症化するほど多く分泌されるホルモン「NT−proBNP」の濃度が、「エンレスト」を投与した患者では従来の薬を投与した患者に比べて低くなり、日本人でも有効であることが初めて確認されたということです。
 研究チームは、急性心不全の新たな治療法の開発につながることが期待されるとしています。
 野出教授は、「アジア人、特に日本人で初めて急性心不全にも有効だと証明できたのは大きな成果だ。患者の予後を改善するという意味では非常に価値があるのではないか」と話しています。

 2024年9月7日(土)

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■PFOS含む泡消火薬剤、アメリカ軍が使用と回答 東広島市の井戸水から基準超え検出 [健康ダイジェスト]

 広島県は6日、国の暫定目標値を超える有害な有機フッ素化合物の1つ「PFOS(ピーフォス)」が検出された同県東広島市に関し、アメリカ軍側からアメリカ軍川上弾薬庫でPFOSを含む泡消火薬剤が使用された記録が確認されたとの回答が中国四国防衛局経由であったと発表しました。これまでアメリカ軍は「県内にある基地では、泡消火薬剤を使用したことがない」と説明していましたが、一転して使用を認めました。
 県が発表した回答内容によると、アメリカ側が過去の記録の調査を進め、1991年から2009年に、PFOSを含む泡消火薬剤を使用した消防車の点検や訓練を敷地内北東部のヘリ発着場周辺でしていました。
 同市を流れる瀬野川上流部の水路近くの井戸水から高濃度で検出するなどし、上流近くにある弾薬庫に関し、県と市が防衛省を通じて、アメリカ軍に使用履歴や処分方法の公表を求めていました。
 訓練の回数や使用した泡消火薬剤の量などについては回答がなく、市環境先進都市推進課の水戸明課長は、「アメリカ軍側が使用を認めたことで、汚染の原因である可能性が高まった。今後も県と連携し、さらに詳細な数値の公表と敷地内の土壌調査などを求めていく」と話しました。

 2024年9月7日(土)

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