■無痛分娩の件数・料金、東京都が出産施設150カ所で初調査へ 公的医療保険適用外で高額費用 [健康ダイジェスト]
東京都は今月にも、助産所を除く都内すべての出産施設計約150カ所を対象に、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩(ぶんべん)に関する初の実態調査に乗り出す方針を固めました。各施設に無痛分娩の件数や料金などをアンケートで尋ねます。データを収集し、無痛分娩の助成制度の設計に役立てる狙いがあります。
都の関係者によると、実態調査は1カ月ほどかけ、産科のある病院約90カ所と診療所約60カ所の計約150カ所に書面で行います。出産に対応する医師・看護師の数や無痛分娩の実施件数、1件当たりの料金のほか、未実施の場合はその理由を尋ねます。
日本産婦人科医会が2023年に実施した調査によると、無痛分娩を利用した人は8万9044人と、5年前より約4万人増えました。利用者の割合は出産全体の11・6%ですが、都道府県別では、東京都が3割弱と最も高くなっています。無痛分娩は公的医療保険の適用外で、3万~15万円の追加費用がかかり、都市部ほど高額化する傾向にあるといいます。都が都内在住の妊婦や出産経験者らに実施したアンケートでも、無痛分娩を断念した人の2割が、高額な費用を理由に挙げました。
小池百合子知事は7月の都知事選で、少子化対策の一つとして、無痛分娩費用の助成を公約に掲げ、3選を果たしました。都によると、無痛分娩の費用助成制度を設けている都道府県はなく、実態調査の結果から課題を把握し、制度設計に着手したい考えです。
妊婦の負担軽減策を巡っては、政府の有識者検討会が、無痛分娩を含む出産費用を保険適用の対象にするかどうか議論を進めています。
2024年9月8日(日)
都の関係者によると、実態調査は1カ月ほどかけ、産科のある病院約90カ所と診療所約60カ所の計約150カ所に書面で行います。出産に対応する医師・看護師の数や無痛分娩の実施件数、1件当たりの料金のほか、未実施の場合はその理由を尋ねます。
日本産婦人科医会が2023年に実施した調査によると、無痛分娩を利用した人は8万9044人と、5年前より約4万人増えました。利用者の割合は出産全体の11・6%ですが、都道府県別では、東京都が3割弱と最も高くなっています。無痛分娩は公的医療保険の適用外で、3万~15万円の追加費用がかかり、都市部ほど高額化する傾向にあるといいます。都が都内在住の妊婦や出産経験者らに実施したアンケートでも、無痛分娩を断念した人の2割が、高額な費用を理由に挙げました。
小池百合子知事は7月の都知事選で、少子化対策の一つとして、無痛分娩費用の助成を公約に掲げ、3選を果たしました。都によると、無痛分娩の費用助成制度を設けている都道府県はなく、実態調査の結果から課題を把握し、制度設計に着手したい考えです。
妊婦の負担軽減策を巡っては、政府の有識者検討会が、無痛分娩を含む出産費用を保険適用の対象にするかどうか議論を進めています。
2024年9月8日(日)
■アルツハイマー病の原因物質、既存薬で分解 理研が動物実験 [健康ダイジェスト]
理化学研究所の綿村直人客員研究員らは、アルツハイマー病の原因物質である「アミロイドベータ」を分解する新たな仕組みを発見しました。マウスを使った実験で特定の神経細胞の活動を高める既存薬を投与すると、大脳に蓄積していたアミロイドベータが減少しました。治療薬の開発につながる可能性があります。
アルツハイマー病は脳内にアミロイドベータとタウという2つの原因物質が蓄積する病気で、進行すると神経細胞が障害され、認知機能の低下や記憶障害を引き起こすとされます。
研究チームはこれまでの研究で、アミロイドベータを分解する酵素「ネプリライシン」を発見しており、この酵素の働きを制御する成分を調べました。培養した神経細胞にドーパミンと呼ばれる成分を与えたところ、ネプリライシンの働きが高まり、アミロイドベータが分解されていました。
生体内でも同じ現象が起きるかどうかについてアルツハイマー病を再現したモデルマウスで調べたところ、ドーパミンによって活動する特定の神経細胞を刺激すると大脳でネプリライシンの働きが高まることがわかりました。アミロイドベータの分解が促され、量が減少しました。
ドーパミンの機能を補う作用を持つ既存薬をマウスに投与したところ、大脳のアミロイドベータの量が減少し、認知機能の回復もみられました。理研の綿村客員研究員は「広く使われる既存薬を応用できれば、治療費を安く抑えられ、経済的な効果も大きい」といいます。今後は大脳以外の領域でもアミロイドベータを減らす効果があるか調べる計画です。
スウェーデンのカロリンスカ研究所や名古屋市立大学などとの共同研究で、研究成果をまとめた論文はアメリカの科学誌「サイエンス・シグナリング」に掲載されました。
2024年9月8日(日)
アルツハイマー病は脳内にアミロイドベータとタウという2つの原因物質が蓄積する病気で、進行すると神経細胞が障害され、認知機能の低下や記憶障害を引き起こすとされます。
研究チームはこれまでの研究で、アミロイドベータを分解する酵素「ネプリライシン」を発見しており、この酵素の働きを制御する成分を調べました。培養した神経細胞にドーパミンと呼ばれる成分を与えたところ、ネプリライシンの働きが高まり、アミロイドベータが分解されていました。
生体内でも同じ現象が起きるかどうかについてアルツハイマー病を再現したモデルマウスで調べたところ、ドーパミンによって活動する特定の神経細胞を刺激すると大脳でネプリライシンの働きが高まることがわかりました。アミロイドベータの分解が促され、量が減少しました。
ドーパミンの機能を補う作用を持つ既存薬をマウスに投与したところ、大脳のアミロイドベータの量が減少し、認知機能の回復もみられました。理研の綿村客員研究員は「広く使われる既存薬を応用できれば、治療費を安く抑えられ、経済的な効果も大きい」といいます。今後は大脳以外の領域でもアミロイドベータを減らす効果があるか調べる計画です。
スウェーデンのカロリンスカ研究所や名古屋市立大学などとの共同研究で、研究成果をまとめた論文はアメリカの科学誌「サイエンス・シグナリング」に掲載されました。
2024年9月8日(日)
■アメリカ中西部で鳥インフル患者、感染動物と接触なしの国内初事例 [健康ダイジェスト]
アメリカ疾病対策センター(CDC)は6日、中西部ミズーリ州で1人の鳥インフルエンザ(H5)感染が判明したと発表しました。鶏の殺処分などで感染動物と接触した履歴がない国内初の事例で、州が感染経路を調査しています。今年判明した患者は14人になりました。
別の人への感染連鎖は起きておらず、CDCは現段階で一般の人へのリスクは引き続き低いと評価しています。
ミズーリ州では今年、鶏の感染が確認されています。患者は州による季節性インフルエンザ発生調査の過程で見付かりました。基礎疾患があり、一時入院して抗ウイルス薬で治療を受けた後、回復しました。
2024年9月8日(日)
別の人への感染連鎖は起きておらず、CDCは現段階で一般の人へのリスクは引き続き低いと評価しています。
ミズーリ州では今年、鶏の感染が確認されています。患者は州による季節性インフルエンザ発生調査の過程で見付かりました。基礎疾患があり、一時入院して抗ウイルス薬で治療を受けた後、回復しました。
2024年9月8日(日)
■医療保険の訪問看護費、10年間で5・4倍に増加 1人当たりも1・4倍に [健康ダイジェスト]
看護師らが利用者の自宅などに行きケアする訪問看護で、医療保険適用型と介護保険適用型の2種類のうち、医療型の費用が過去10年間で5・4倍に増えたことが7日、わかりました。介護型の2・3倍を大幅に上回っています。
利用者数の増加が主な理由で、1人当たりの費用も1・4倍に増え、押し上げ要因になっています。
訪問看護を巡っては、医療保険が適用される精神科や難病・末期の人向け老人ホームで不正、過剰な診療報酬の請求が指摘されています。利益を目的にした一部の事業者による制度の乱用も費用増加の一因とみられます。財務省は医療財政の圧迫要因として問題視しています。
厚生労働省の概算医療費データベースによると、訪問看護ステーションの医療保険適用の費用は今年2月の1カ月で約521億円。2014年2月は約97億円で、5・4倍に増えました。利用者数(今年2月で約53万人)が4倍近く増えたことに加え、1人当たりの平均額が月約7万2000円から約9万8000円に増えたことも影響しています。
2024年9月8日(日)
利用者数の増加が主な理由で、1人当たりの費用も1・4倍に増え、押し上げ要因になっています。
訪問看護を巡っては、医療保険が適用される精神科や難病・末期の人向け老人ホームで不正、過剰な診療報酬の請求が指摘されています。利益を目的にした一部の事業者による制度の乱用も費用増加の一因とみられます。財務省は医療財政の圧迫要因として問題視しています。
厚生労働省の概算医療費データベースによると、訪問看護ステーションの医療保険適用の費用は今年2月の1カ月で約521億円。2014年2月は約97億円で、5・4倍に増えました。利用者数(今年2月で約53万人)が4倍近く増えたことに加え、1人当たりの平均額が月約7万2000円から約9万8000円に増えたことも影響しています。
2024年9月8日(日)