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■第一三共の肺がん候補薬、一部疾患で有意な改善みられず [健康ダイジェスト]

 第一三共は10日、肺がんの治療薬候補「ダトポタマブ デルクステカン」の臨床試験(治験)の詳細結果を公表しました。最終段階の治験では、主要評価項目として設けた死亡までの期間を示す「全生存期間」について、統計的に有意な改善が認められなかったとしました。結果を踏まえて適応拡大するかなど検討し、開発を継続します。
 治験は治療歴のある進行性または転移性の非小細胞肺がんを対象としました。ただ、並行して調べた「非扁平(へんぺい)上皮」の非小細胞肺がん患者468人における全生存期間は、他の抗がん剤を投与したグループと比べ臨床的に意義のある改善を示しました。アメリカやヨーロッパでは、この疾患領域で承認申請中にあります。
 「ダトポタマブ デルクステカン」はイギリスのアストラゼネカと共同で開発しています。がん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)の一種です。がん細胞を直接攻撃するため、副作用のリスクを減らせるとみられます。

 2024年9月10日(火)

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■アメリカで世界初の眼球・顔移植手術を実施 事故で顔にけが、1年経過も視力回復せず [健康ダイジェスト]

 アメリカのニューヨーク大の医療チームは9日、事故で顔に大けがをし、左目も失った40歳代男性に、眼球と顔の大半を移植する世界初の手術を実施したとアメリカ医師会雑誌で報告しました。1年余り経過を見守ったものの、物が見えるようにはなりませんでした。ただ免疫拒絶はなく、正常な眼圧や血流は維持されています。チームは視力回復も可能な移植法の開発に向けた一歩になったと評価しました。
 黒目の部分にある透明な角膜の移植は、多数実施されてきました。だが眼球となると複雑な組織を維持し、脳への情報伝達も回復させる必要があり、難度は格段に上がります。
 患者はアーロン・ジェームズさん。2021年、電線工事中に高圧線が顔に接触し、鼻や唇、皮膚や表情筋など顔の広範囲が損傷。左目も摘出しました。傷口を閉じ、皮膚を移植する治療を受けたものの生活に支障が多く、顔と目の移植を決めました。
 2023年5月、脳死の30歳代男性が提供者となり、右目の周り以外の顔面から胸元までを血管や神経ごと縫い合わせる手術を受けました。左目と周辺の組織もはめ込み、目と脳を結ぶ神経を接続。回復を促すため、接続部に骨髄由来の幹細胞も注入しました。

 2024年9月10日(火)

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■健康保険証12月に予定通り廃止へ 厚労相「閣内方針は揺るぎない」 [健康ダイジェスト]

 健康保険証の廃止を巡って、自民党総裁選挙に立候補を表明した議員から、廃止時期の見直しに言及があったことについて、武見敬三厚生労働相は、予定通り、今年12月に廃止する考えを強調しました。
 政府は、マイナンバーカードと保険証の一体化に伴って、今の健康保険証を今年12月に廃止する方針ですが、自民党総裁選挙への立候補を表明した林芳正官房長官は、廃止時期の見直しも含めて検討する考えを示しました。
 これについて、武見厚労相は10日の閣議後の記者会見で、「林氏の発言は、総裁選挙に向けた個人の考えだと自身でも説明しており、閣内における方針は全く揺るぎないものだ」と述べました。
 その上で、「『マイナ保険証』の利用促進を図っていくことが極めて重要で、政府としては、12月2日に保険証の新規発行を終了する方針に変わりはない。発行終了の際に現場で混乱することがないように、丁寧な対策を事前にしっかりと講じていきたい」と述べました。

 2024年9月10日(火)

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■東京都内で梅毒感染者が2460人 過去最多の昨年に迫る勢い [健康ダイジェスト]

 東京都内の梅毒感染者数が、過去最多だった昨年とほぼ同水準で増加し、今年1月から9月1日までの累計が2400人(速報値)を超えたことが、東京都感染症情報センターの集計でわかりました。東京都では「2021年以降、梅毒感染者は増加傾向にあり、予防を心掛けてほしい」と注意を呼び掛けています。
 東京都感染症情報センターによると、今年に入って梅毒感染者は、年始から35週目に当たる9月1日までに累計2460人。感染者数が過去最多だった昨年は、1年間で3701人に上りましたが、すでにその7割に迫る勢いで、同センターでは「過去最多だった昨年同時期(2526人)には及ばないものの、今年もハイペースで増えている」と感染の広がりを懸念しています。
 感染者の内訳をみると、7割が男性で、年代は20~50歳代、女性は20歳代で増加が目立ちます。都内の梅毒感染者は2020年まで抑制傾向にあったものの、2021年から増加に転じ、2023年に過去最多を更新しました。全国的にも2023年は感染者数が1万4906人と今の制度で統計を取り始めてから最多になり、特に東京都が突出しています。
 梅毒は主に性的接触により感染し、体にしこりや発疹などさまざまな症状が出ます。ただし、感染しても無症状の場合もあり、無自覚のまま他人にうつすことも多くなっています。治療が遅れると、脳や心臓などに重い症状が出ることもあります。妊娠中の女性が感染すると胎児に感染し、早産や新生児死亡の原因になる恐れがあります。
 同センターでは、「梅毒は昔の病気と思われがちだが、近年は感染者が増えている。パートナー同士で感染の有無を確認し、また感染が疑われる場合は、早めに保健所や医療機関で検査をしてほしい」としています。

 2024年9月10日(火)

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