■厚労省、移植医療体制の大幅見直しへ改革案 希望者は手術病院の複数登録可能に、あっせん業務は分散 [健康ダイジェスト]
脳死移植を行う病院が病床不足などで臓器の受け入れを相次ぎ断念している問題で、厚生労働省の移植医療体制の改革案の概要が明らかになりました。移植希望者が移植手術を受ける病院を複数登録できるようにするほか、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が単独で担っている臓器のあっせん業務の分散が柱です。脳死移植の拡大が目的で、体制の大幅な見直しは、臓器移植法が施行された1997年以降で初となります。
改革案は、18日に開かれる厚生科学審議会の臓器移植委員会で提示され、導入に向けた議論を始めます。
移植希望者は現在、手術を受ける病院を原則1カ所選び、登録しておきます。だが、病院が病床や人員の不足を理由に、脳死者から提供された臓器の移植を断念する事例が相次いでいます。この場合、臓器は別の病院に登録している、より優先度の低い希望者に移植されます。移植医療の公平性の観点から問題視されていました。
改革案では、移植希望者が手術を受ける病院について複数登録を可能にします。1つの病院が移植を断念した場合でも、希望者は別の病院で移植を受けられます。移植時に希望者をスムーズに引き継げるよう登録した病院同士が病状などのデータを共有し、連携を深めます。移植希望者が登録する病院を選ぶ際の参考情報として、病院ごとに移植の待機者数や移植件数、移植後の生存率なども公表します。
臓器のあっせん業務は、脳死者の家族に臓器提供の説明と同意取得を経て、希望者から移植患者を選定して臓器をつなぎます。現在、JOTが一貫して担っているものの、臓器提供の増加に伴い、業務が逼迫(ひっぱく)し、あっせん対応に遅れが生じているとの指摘が出ていました。
また、提供の同意取得と移植患者の選定を1つの組織が行う現状では、移植希望者と関係のある職員がいる場合、提供の同意を脳死者家族に迫る恐れへの懸念もあります。アメリカでは、脳死者家族への説明と移植患者の選定を別々の組織が行っています。
そこで、厚労省は新たな機関を設置し、脳死者家族への説明や同意取得を担当させます。JOTには移植患者の選定に集中させる案を盛り込みます。地域ごとにあっせん機関を複数置く案も示される見通しです。
あっせん業務を複数の機関が行うことで負担の軽減と効率化を図り、臓器提供のさらなる増加に対応できるようにします。
2024年9月17日(火)
改革案は、18日に開かれる厚生科学審議会の臓器移植委員会で提示され、導入に向けた議論を始めます。
移植希望者は現在、手術を受ける病院を原則1カ所選び、登録しておきます。だが、病院が病床や人員の不足を理由に、脳死者から提供された臓器の移植を断念する事例が相次いでいます。この場合、臓器は別の病院に登録している、より優先度の低い希望者に移植されます。移植医療の公平性の観点から問題視されていました。
改革案では、移植希望者が手術を受ける病院について複数登録を可能にします。1つの病院が移植を断念した場合でも、希望者は別の病院で移植を受けられます。移植時に希望者をスムーズに引き継げるよう登録した病院同士が病状などのデータを共有し、連携を深めます。移植希望者が登録する病院を選ぶ際の参考情報として、病院ごとに移植の待機者数や移植件数、移植後の生存率なども公表します。
臓器のあっせん業務は、脳死者の家族に臓器提供の説明と同意取得を経て、希望者から移植患者を選定して臓器をつなぎます。現在、JOTが一貫して担っているものの、臓器提供の増加に伴い、業務が逼迫(ひっぱく)し、あっせん対応に遅れが生じているとの指摘が出ていました。
また、提供の同意取得と移植患者の選定を1つの組織が行う現状では、移植希望者と関係のある職員がいる場合、提供の同意を脳死者家族に迫る恐れへの懸念もあります。アメリカでは、脳死者家族への説明と移植患者の選定を別々の組織が行っています。
そこで、厚労省は新たな機関を設置し、脳死者家族への説明や同意取得を担当させます。JOTには移植患者の選定に集中させる案を盛り込みます。地域ごとにあっせん機関を複数置く案も示される見通しです。
あっせん業務を複数の機関が行うことで負担の軽減と効率化を図り、臓器提供のさらなる増加に対応できるようにします。
2024年9月17日(火)
■エムポックスワクチン提供で日本が最大支援 WHO発表 [健康ダイジェスト]
世界保健機関(WHO)は16日までに、アフリカを中心に感染が拡大するエムポックス(サル痘)について、日本や欧米が計360万回分以上のワクチン提供を申し出たと明らかにしました。うち約300万回分は日本からで、WHOによると、これまでで最大の支援といいます。
日本が提供するのは、明治グループの製薬会社KMバイオロジクス(熊本市)の天然痘ワクチン「LC16」。アメリカやヨーロッパ連合(EU)は、デンマークのバイオ企業、ババリアン・ノルディックのエムポックスワクチンを約62万回分提供します。
KMバイオロジクスはすでにLC16の緊急使用許可をWHOに申請、審査が進められています。
2024年9月17日(火)
日本が提供するのは、明治グループの製薬会社KMバイオロジクス(熊本市)の天然痘ワクチン「LC16」。アメリカやヨーロッパ連合(EU)は、デンマークのバイオ企業、ババリアン・ノルディックのエムポックスワクチンを約62万回分提供します。
KMバイオロジクスはすでにLC16の緊急使用許可をWHOに申請、審査が進められています。
2024年9月17日(火)
■がん死者、膵臓3位に 胃がんは年4万人切り4位 [健康ダイジェスト]
国内のがんの種類別による年間の死者数で、1位の肺がん、2位の大腸がんに次いで、膵臓(すいぞう)がんが胃がんを抜いて3位になったことが2023年の国の人口動態統計で明らかになりました。
膵臓がんは原因がはっきりしない上、早期発見や治療が難しく、今後も増加が見込まれるとして、専門家は国に対策の検討を求めています。
6月に厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2023年の1年間に国内で膵臓がんで死亡した日本人は4万174人で前年の3万9468人から増加。一方、胃がんは前年の4万711人から3万8767人に減少し、1957年以降、初めて4万人を切りました。
かつてはがん死の1位だった胃がんは2010年ごろまで約40年間にわたり年間5万人前後で推移していたものの、原因とされるピロリ菌の除菌が幅広く健康保険の適用になった2023年以降、着実に減少し、10年間で20%の大幅減となりました。
5位に位置する肝臓がんは、原因となる肝炎ウイルスの対策が進んだこともあり、2005年以降、減少傾向にあります。
2023年の肺がんの死者は7万5762人、大腸がんの死者は5万3130人で、漸増ないし高止まりの傾向にあります。
がんの予防に詳しい浅香正博北海道大名誉教授(臨床腫瘍学)は、「胃がんの減少はピロリ菌の除菌で義務付けられた内視鏡検診による早期発見が大きく寄与したと考えられ、日本の胃がん対策の大きな成果だ。検診が困難な膵臓がんの増加をどのように食い止めるか、課題を突き付けられている」と話しています。
202年9月17日(火)
膵臓がんは原因がはっきりしない上、早期発見や治療が難しく、今後も増加が見込まれるとして、専門家は国に対策の検討を求めています。
6月に厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2023年の1年間に国内で膵臓がんで死亡した日本人は4万174人で前年の3万9468人から増加。一方、胃がんは前年の4万711人から3万8767人に減少し、1957年以降、初めて4万人を切りました。
かつてはがん死の1位だった胃がんは2010年ごろまで約40年間にわたり年間5万人前後で推移していたものの、原因とされるピロリ菌の除菌が幅広く健康保険の適用になった2023年以降、着実に減少し、10年間で20%の大幅減となりました。
5位に位置する肝臓がんは、原因となる肝炎ウイルスの対策が進んだこともあり、2005年以降、減少傾向にあります。
2023年の肺がんの死者は7万5762人、大腸がんの死者は5万3130人で、漸増ないし高止まりの傾向にあります。
がんの予防に詳しい浅香正博北海道大名誉教授(臨床腫瘍学)は、「胃がんの減少はピロリ菌の除菌で義務付けられた内視鏡検診による早期発見が大きく寄与したと考えられ、日本の胃がん対策の大きな成果だ。検診が困難な膵臓がんの増加をどのように食い止めるか、課題を突き付けられている」と話しています。
202年9月17日(火)
■薬剤耐性菌の死者、2050年までに3900万人超 抗生物質の適切使用を [健康ダイジェスト]
抗菌薬(抗生物質)の効かない薬剤耐性菌による死者は、2050年までの25年間で世界で3900万人を超えるとの推計を、アメリカのワシントン大などの国際チームが17日、イギリスの医学誌「ランセット」に発表しました。急速な高齢化が原因で、チームは「(免疫力の弱い)高齢者への脅威は今後増大する一方だ」と警鐘を鳴らしています。感染対策や抗生物質の適切な使用が進めば、多くの死亡を防げる可能性があると指摘しています。
薬剤耐性菌を巡る過去の傾向を踏まえた世界的影響の詳細な予測は初めてといいます。薬剤耐性菌は、ひそかに広がる「サイレントパンデミック」と呼ばれ、日本でも喫緊の課題。政府は昨年、新たな「行動計画」を策定し、抗生物質使用量を2027年までに2020年比で15%減らすとの目標を掲げています。
チームは204の国と地域を対象に抗生物質の使用量や死亡記録、診療データなどから、薬剤耐性菌による死者を推計。1990~2021年の死者は毎年、100万人を超えていました。70歳以上は80%超増加、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による死亡が最多でした。
2024年9月17日(火)
薬剤耐性菌を巡る過去の傾向を踏まえた世界的影響の詳細な予測は初めてといいます。薬剤耐性菌は、ひそかに広がる「サイレントパンデミック」と呼ばれ、日本でも喫緊の課題。政府は昨年、新たな「行動計画」を策定し、抗生物質使用量を2027年までに2020年比で15%減らすとの目標を掲げています。
チームは204の国と地域を対象に抗生物質の使用量や死亡記録、診療データなどから、薬剤耐性菌による死者を推計。1990~2021年の死者は毎年、100万人を超えていました。70歳以上は80%超増加、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による死亡が最多でした。
2024年9月17日(火)
■全国の100歳以上は9万5119人に 54年連続増、女性が88% [健康ダイジェスト]
全国の100歳以上の高齢者は、2023年から3000人近く増えて9万5000人あまりで、54年連続で過去最多となったことが、厚生労働省のまとめでわかりました。
厚労省が公表した9月1日時点の住民基本台帳を基にした国内に住む100歳以上の高齢者の数は、2023年から2980人増えて9万5119人で、1970年以降54年連続で、過去最多となりました。
性別でみると、女性が8万3958人で全体の88%あまりを占め、男性が1万1161人となっています。
国内の最高齢は1908年(明治41年)生まれの116歳で、兵庫県芦屋市に住む糸岡富子さんです。今年8月、ギネスワールドレコーズ(イギリス)から世界最高齢に認定されました。
また男性の最高齢は、1914年(大正3年)生まれの110歳で、静岡県磐田市に住む水野清隆さんです。
人口10万人当たりの100歳以上の人数は、全国平均で76・49人。都道府県別でみると、島根県が159・54人と12年連続で最も多く、次いで、高知県が154・20人、鹿児島県が130・73人でした。
一方、最も少なかったのは35年連続で埼玉県で45・81人、次いで愛知県が48・80人、千葉県が52・60人でした。
100歳以上の高齢者の数は1963年(昭和38年)には全国で153人でしたが、1981年(昭和56年)に1000人を超え、そして1998年(平成10年)に1万人を超えたということです。
今年度中に新たに100歳となる見込みの人は、9月1日時点で海外在住者や永住外国人を含めて4万7888人。前年度から781人増え、過去最多を更新しました。女性は4万900人、男性は6988人でした。
2024年9月17日(火)
厚労省が公表した9月1日時点の住民基本台帳を基にした国内に住む100歳以上の高齢者の数は、2023年から2980人増えて9万5119人で、1970年以降54年連続で、過去最多となりました。
性別でみると、女性が8万3958人で全体の88%あまりを占め、男性が1万1161人となっています。
国内の最高齢は1908年(明治41年)生まれの116歳で、兵庫県芦屋市に住む糸岡富子さんです。今年8月、ギネスワールドレコーズ(イギリス)から世界最高齢に認定されました。
また男性の最高齢は、1914年(大正3年)生まれの110歳で、静岡県磐田市に住む水野清隆さんです。
人口10万人当たりの100歳以上の人数は、全国平均で76・49人。都道府県別でみると、島根県が159・54人と12年連続で最も多く、次いで、高知県が154・20人、鹿児島県が130・73人でした。
一方、最も少なかったのは35年連続で埼玉県で45・81人、次いで愛知県が48・80人、千葉県が52・60人でした。
100歳以上の高齢者の数は1963年(昭和38年)には全国で153人でしたが、1981年(昭和56年)に1000人を超え、そして1998年(平成10年)に1万人を超えたということです。
今年度中に新たに100歳となる見込みの人は、9月1日時点で海外在住者や永住外国人を含めて4万7888人。前年度から781人増え、過去最多を更新しました。女性は4万900人、男性は6988人でした。
2024年9月17日(火)