■塩野義のインフルエンザ飲み薬「ゾフルーザ」、周囲への感染抑制に効果確認 抗ウイルス薬で世界初 [健康ダイジェスト]
塩野義製薬は19日、同社のインフルエンザの飲み薬「ゾフルーザ」について、世界規模の臨床試験(治験)の結果、周囲への感染抑制につながる効果が確認できたと発表しました。同社によると、呼吸器感染症で治療に使われる抗ウイルス薬で、感染を抑えるデータが治験で明確に示されたのは世界初。感染から早期の投与が進めば、インフルエンザの流行を防ぐ可能性があります。
治験は2019年から世界272カ所の施設でインフルエンザに感染した12~64歳の患者4000人以上を対象に実施し、患者の同居家族らへの感染割合を調べました。
ゾフルーザを服用した場合、プラセボ(偽薬)を服用した患者群に比べ、5日以内に陽性となった同居者の割合が低く、感染リスクの減少効果が示されたといいます。安全性についての新たな懸念は確認されませんでした。
ゾフルーザは、細胞内のウイルス増殖を抑制する作用があり、インフルエンザの症状を緩和することができます。周囲への感染リスクを減らす効果については、統計学的に裏付ける検証結果が示されていませんでした。
塩野義は感染症分野に注力しており、ゾフルーザは国内のインフルエンザ治療薬でトップクラスのシェアを誇ります。新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」も国内で販売を伸ばしています。コロナ治療薬などでも同様の効果がある可能性が高いとしています。
治験結果の詳細は、9月29日からオーストラリアで開催される学会で発表する予定です。
塩野義の手代木功会長兼社長は、「感染はウイルスが体に入るところからスタートする。まず体内のウイルスを取り除くことが重要だ」と説明しました。
インフルエンザに詳しい廣津医院(川崎市)の廣津伸夫院長は、「抗ウイルス薬による感染抑制効果の証明は、(ウイルス感染症の)新型コロナウイルスにおいても、抗ウイルス薬が家族内感染を抑制する可能性を示唆する。公衆衛生上の意義は大きい」と分析しています。
2024年9月20日(金)
治験は2019年から世界272カ所の施設でインフルエンザに感染した12~64歳の患者4000人以上を対象に実施し、患者の同居家族らへの感染割合を調べました。
ゾフルーザを服用した場合、プラセボ(偽薬)を服用した患者群に比べ、5日以内に陽性となった同居者の割合が低く、感染リスクの減少効果が示されたといいます。安全性についての新たな懸念は確認されませんでした。
ゾフルーザは、細胞内のウイルス増殖を抑制する作用があり、インフルエンザの症状を緩和することができます。周囲への感染リスクを減らす効果については、統計学的に裏付ける検証結果が示されていませんでした。
塩野義は感染症分野に注力しており、ゾフルーザは国内のインフルエンザ治療薬でトップクラスのシェアを誇ります。新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」も国内で販売を伸ばしています。コロナ治療薬などでも同様の効果がある可能性が高いとしています。
治験結果の詳細は、9月29日からオーストラリアで開催される学会で発表する予定です。
塩野義の手代木功会長兼社長は、「感染はウイルスが体に入るところからスタートする。まず体内のウイルスを取り除くことが重要だ」と説明しました。
インフルエンザに詳しい廣津医院(川崎市)の廣津伸夫院長は、「抗ウイルス薬による感染抑制効果の証明は、(ウイルス感染症の)新型コロナウイルスにおいても、抗ウイルス薬が家族内感染を抑制する可能性を示唆する。公衆衛生上の意義は大きい」と分析しています。
2024年9月20日(金)
■スポーツ選手の遺伝子研究 、「差別や選別につながりかねない」の指摘受け中断 国立スポーツ科学センター [健康ダイジェスト]
国立スポーツ科学センターは、スポーツ選手の遺伝子と種目の適性などとの関係を調べる研究を進めていたものの、「差別や選別につながりかねない」といった指摘を受けて中断し、ドーピング検査にかかわる遺伝子研究に限って進める方針を明らかにしました。
国立スポーツ科学センターは、2017年からスポーツ選手の遺伝子と種目の適性や効果的なトレーニング方法、そしてけがのリスクなどとの関係を調べるため、2000人以上の国内のトップ選手の血液と競技歴やけがにかかわるデータを本人の同意を得て集め、一部を論文として発表していました。
これに対して、センターの内外の専門家から「アスリートの差別や選別につながりかねない」とか「遺伝子情報だけで適性などは判断できない」といった指摘があったことから、一昨年、研究を中断したということです。
その上で、遺伝子研究の方向性について「不当な遺伝情報の利用は排斥し適切に扱うことが重要だ」とする声明をまとめたということです。
具体的には、選手の発掘・育成・強化などにかかわる遺伝子研究は行わず、ドーピング検査で禁止薬物を摂取していないのに陽性となる「偽陽性」との関係を調べることに限るとしています。
国立スポーツ科学センターの久木留毅所長は、「最も大事だと考えているのはアスリートの権利を守ることなので、声明に基づき範囲を限定して研究を進めていきたい」と話していました。
2024年9月20日(金)
国立スポーツ科学センターは、2017年からスポーツ選手の遺伝子と種目の適性や効果的なトレーニング方法、そしてけがのリスクなどとの関係を調べるため、2000人以上の国内のトップ選手の血液と競技歴やけがにかかわるデータを本人の同意を得て集め、一部を論文として発表していました。
これに対して、センターの内外の専門家から「アスリートの差別や選別につながりかねない」とか「遺伝子情報だけで適性などは判断できない」といった指摘があったことから、一昨年、研究を中断したということです。
その上で、遺伝子研究の方向性について「不当な遺伝情報の利用は排斥し適切に扱うことが重要だ」とする声明をまとめたということです。
具体的には、選手の発掘・育成・強化などにかかわる遺伝子研究は行わず、ドーピング検査で禁止薬物を摂取していないのに陽性となる「偽陽性」との関係を調べることに限るとしています。
国立スポーツ科学センターの久木留毅所長は、「最も大事だと考えているのはアスリートの権利を守ることなので、声明に基づき範囲を限定して研究を進めていきたい」と話していました。
2024年9月20日(金)
■大阪公立大、ネコのiPS細胞作製に成功 病気の解明に期待 [健康ダイジェスト]
細胞の情報を初期化し、さまざまな臓器や組織になれる能力(多能性)を持たせたiPS細胞(人工多能性幹細胞)を巡り、ネコでも高品質の細胞作製に成功したと、20日までに大阪公立大などのチームが発表しました。病気のネコから細胞を作ることで、疾患を再現して調べたり、薬の効きを確かめたりすることに応用できるといいます。
チームによると、さまざまな細胞に分化する能力などiPS細胞の特徴がすべて確かめられたものをネコで作製したのは世界初といいます。世界的に動物実験を避ける流れがある中で、鳩谷晋吾・大阪公立大教授(獣医学)は、「iPS細胞が代わりを果たせるのではないか。難しい病気の解明に期待したい」と話しました。
チームは昨年、イヌのiPS細胞作製に成功。その際に活用した遺伝子と同様のものがネコにもあり、それらをネコの線維芽細胞に入れたところ、作り出すことができました。ただ、初期化しなかった線維芽細胞が多く増殖し、iPS細胞がうまく増えないという問題がありました。
チームは初期化する際、薬剤に耐性を持たせる遺伝子を導入。初期化していない細胞だけが死ぬように薬剤で処理したところ、iPS細胞だけを効率よく増やすことができました。
また、採取に麻酔などが必要となる線維芽細胞だけでなく、多くのネコが受ける避妊手術で取り出される子宮由来の細胞でもiPS細胞を作製できたといいます。細胞は研究機関の要望に応じて提供する予定。
2024年9月20日(金)
チームによると、さまざまな細胞に分化する能力などiPS細胞の特徴がすべて確かめられたものをネコで作製したのは世界初といいます。世界的に動物実験を避ける流れがある中で、鳩谷晋吾・大阪公立大教授(獣医学)は、「iPS細胞が代わりを果たせるのではないか。難しい病気の解明に期待したい」と話しました。
チームは昨年、イヌのiPS細胞作製に成功。その際に活用した遺伝子と同様のものがネコにもあり、それらをネコの線維芽細胞に入れたところ、作り出すことができました。ただ、初期化しなかった線維芽細胞が多く増殖し、iPS細胞がうまく増えないという問題がありました。
チームは初期化する際、薬剤に耐性を持たせる遺伝子を導入。初期化していない細胞だけが死ぬように薬剤で処理したところ、iPS細胞だけを効率よく増やすことができました。
また、採取に麻酔などが必要となる線維芽細胞だけでなく、多くのネコが受ける避妊手術で取り出される子宮由来の細胞でもiPS細胞を作製できたといいます。細胞は研究機関の要望に応じて提供する予定。
2024年9月20日(金)
■「性同一性障害」から「性別不合」に 政府、WHOの「国際疾病分類」最新版和訳で [健康ダイジェスト]
心と体の性が一致しないトランスジェンダーが障害ではないとの考えの広がりを巡り、政府が2027年の施行を目指す世界保健機関(WHO)の「国際疾病分類」最新版の和訳で、「性同一性障害」ではなく「性別不合」を採用したことが19日、わかりました。「ゲーム障害」として知られる症状は、「ゲーム行動症」と訳しました。同日の厚生労働省の専門部会で、和訳案がおおむね了承されmあした。
国際疾病分類は疾病、傷害および死因の国際的な基準で、診断や統計調査などに用いられます。現在の分類は1995年に、国内で適用されました。最新の11版は2018年に公表され、2022年に発効。国内で和訳作業を進めていました。
性別不合に関しては、3月に関連学会が名称を「GID(性同一性障害)学会」から「日本GI(性別不合)学会」に改名すると発表していました。
ゲーム行動症はオンラインゲームなどのやり過ぎで日常生活が困難になる状態で、最新版で新たに加わりました。
2024年9月20日(金)
国際疾病分類は疾病、傷害および死因の国際的な基準で、診断や統計調査などに用いられます。現在の分類は1995年に、国内で適用されました。最新の11版は2018年に公表され、2022年に発効。国内で和訳作業を進めていました。
性別不合に関しては、3月に関連学会が名称を「GID(性同一性障害)学会」から「日本GI(性別不合)学会」に改名すると発表していました。
ゲーム行動症はオンラインゲームなどのやり過ぎで日常生活が困難になる状態で、最新版で新たに加わりました。
2024年9月20日(金)
■15日までの1週間の熱中症搬送、全国で4157人 今後も対策を [健康ダイジェスト]
総務省消防庁によりますと、9月9日から15日までの1週間に熱中症で病院に救急搬送された人は、全国で合わせて4157人で、前の1週間より1000人余り多くなり、2週連続で増加しました。
初診時の傷病程度別では、外来診療のみの軽症が2823人。短期間の入院が必要な中等症が1216人で、軽症と合わせて全体の97・2%を占めました。3週間以上の入院が必要な重症が79人、死亡が3人、その他が36人でした。
都道府県別の搬送者数は、大阪府が370人で最も多く、次いで東京都(317人)、埼玉県(259人)、兵庫県・福岡県(226人)、愛知県(205人)、千葉県(185人)などが続きました。
年代別では、65歳以上の高齢者が2195人と5割強を占めたほか、18歳以上65歳未満が1515人、7歳以上18歳未満が430人、7歳未満が17人でした。
熱中症の発生場所に関しては、住居(1136人)が最多で、道路(895人)、屋外の競技場や駐車場(630人)などとなっています。
総務省消防庁は、「引き続き暑さが見込まれるため、水分補給やエアコンの使用など熱中症への基本的な対策は今後も続けてほしい」と呼び掛けています。
2024年9月20日(金)
初診時の傷病程度別では、外来診療のみの軽症が2823人。短期間の入院が必要な中等症が1216人で、軽症と合わせて全体の97・2%を占めました。3週間以上の入院が必要な重症が79人、死亡が3人、その他が36人でした。
都道府県別の搬送者数は、大阪府が370人で最も多く、次いで東京都(317人)、埼玉県(259人)、兵庫県・福岡県(226人)、愛知県(205人)、千葉県(185人)などが続きました。
年代別では、65歳以上の高齢者が2195人と5割強を占めたほか、18歳以上65歳未満が1515人、7歳以上18歳未満が430人、7歳未満が17人でした。
熱中症の発生場所に関しては、住居(1136人)が最多で、道路(895人)、屋外の競技場や駐車場(630人)などとなっています。
総務省消防庁は、「引き続き暑さが見込まれるため、水分補給やエアコンの使用など熱中症への基本的な対策は今後も続けてほしい」と呼び掛けています。
2024年9月20日(金)