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■安楽死カプセルでアメリカ人女性死亡 スイス当局、関係者数人逮捕 [健康ダイジェスト]

 スイスで23日、安楽死を可能にするポータブル型カプセルを使用してアメリカ人女性が死亡した事案を巡り、地元警察は24日、自殺教唆および自殺ほう助の疑いで数人を逮捕したと発表しました。
 安楽死に使用された機器は、棺桶と同程度の大きさ、宇宙船を思わせるカプセル形で、「サルコ」と呼ばれます。志願者が中に入ってふたを閉じると、自動音声で「ボタンを押すと、何が起こるかわかっているか?」などと質問し、意思確認した後にボタンを押すと内部は窒素で満たされ、低酸素症によって死に至ります。
 警察の発表によると、23日にスイス北部シャフハウゼン州の森に安楽死カプセルが持ち込まれたという通報がありました。捜査当局はカプセルを押収し、遺体を解剖して調べるとしています。
 スイスでは積極的安楽死は禁止されているものの、ほう助自死は一般的に合法化されています。しかし、サルコを巡っては、国内でさまざまな法的・倫理的問題が提起され、物議を醸していました。
 エリザベト・ボームシュナイダー内相は23日、議会で「サルコは法令を順守しておらず」「違法」との見方を示しました。
 一方、スイスでほう助自死の権利を訴える団体「ザ・ラスト・リゾート」は、サルコを使用した女性は「長年、免疫不全に関連する深刻な問題を多数抱えていた」とし、「私有森の木陰」で亡くなったと説明。
 フローリアン・ウィレット最高経営責任者は、「穏やかで、あっという間の尊厳のある死だった」と評しています。
 地元メディアによると、捜査当局は窒素使用が化学薬品使用の規制に抵触する疑いもあるとしています。死亡した女性は64歳だったとされます。
 安楽死カプセルは、安楽死運動の指導者として知られ、「死の権利」を訴えるオーストラリア人、フィリップ・ニチキ医師がオランダで開発しました。今年7月、スイスの「ザ・ラスト・リゾート」が装置を公開し、実用化への意欲を表明。医師の処方する薬物なしに数分で苦痛なく死ねると主張していました。

 2024年9月25日(水)

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■武田薬品工業、大腸がん治療薬の承認取得 厚労省から [健康ダイジェスト]

 武田藥品工業は24日、経口の大腸がん治療薬「フルキンチニブ(製品名フリュザクラ)」の製造販売承認を厚生労働省から取得したと発表しました。既存の抗がん剤での治療後に悪化した転移性の大腸がん患者に使えます。
 フルキンチニブは中国のバイオ企業のハッチメッドが開発し、武田薬品が中国や香港などを除く全世界での開発・商業化権を取得しました。国際共同臨床試験(治験)を進め、これまでアメリカ、ヨーロッパで承認を得て販売しています。
 大腸がんは日本で最も罹患(りかん)数が多く、国立がん研究センターによると、2023年の予測罹患数は16・1万人、死亡数は5・4万人と推定されます。

 2024年9月25日(水)

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■大塚製薬の抗精神病薬、認知症関連でも承認 国内で初 [健康ダイジェスト]

 大塚ホールディングス傘下の大塚製薬は24日、抗精神病薬「レキサルティ」が認知症関連薬として承認されたと発表しました。統合失調症とうつ病の治療薬として承認されており、今回が3つ目の効能。患者の不安緩和や介護者の負担減につなげ、販売を広げます。
 アルツハイマー型認知症の行動障害の治療薬として国内で初めて承認されました。攻撃的言動や同じ動作の反復といった「アジテーション」と呼ぶ症状が対象です。アジテーションは日常生活に支障を来し、介護者の負担を大きくする一因となっています。
 レキサルティは大塚製薬の業績のけん引役となっています。同社は日本に先駆けてアメリカやカナダなどでアジテーション治療薬としての承認を得ています。

 2024年9月25日(水)


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■ダイドーファーマ、希少疾病薬の製造販売承認を取得 [健康ダイジェスト]

 ダイドーグループホールディングスの連結子会社で希少疾病向けの医薬品事業を手掛けるダイドーファーマ(大阪市)は24日、筋力低下などをもたらすランバート・イートン筋無力症候群への効果が見込める医薬品「アミファンプリジンリン酸塩」の製造販売が厚生労働省に承認されたと発表しました。薬事法上の成人となる15歳以上を対象に商用化を目指します。
 販売名は「ファダプス」。厚労省が希少疾病用医薬品と指定する薬剤で、ヨーロッパやアメリカではすでに承認されています。国内では同社が初めて製造、販売する医薬品となります。
 同社は2021年にアメリカの製薬会社のカタリスト社とライセンス契約を結び、日本での開発を手掛けてきました。2023年の12月に厚労省に承認を申請していました。

 2024年9月25日(水)

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■ALSの新薬9年ぶり承認 治験で生存期間500日超延長、エーザイ開発の「メコバラミン」 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は24日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新薬「メコバラミン(商品名ロゼバラミン)」の製造販売を承認しました。発症後1年以内の患者を対象とした医師主導の臨床試験(治験)では、既存薬を大きく上回る500日以上の生存期間の延長を確認。国内のALS治療薬としては約9年ぶり、3例目の承認となり、患者らの期待が高まっています。
 ALSは、全身の筋肉が徐々に動かなくなる神経難病。国内に約1万人の患者がいるとされ、症状が進行すると自力で呼吸できなくなり、人工呼吸器が必要になります。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた創薬の研究開発が進むものの、根本的な治療法は確立されていません。
 メコバラミンはビタミンB12の一種で、末梢(まっしょう)神経障害などの治療薬として販売。製薬大手エーザイが治験を実施し一定の効果を認めたことから、2015年に治療薬の承認を申請しました。ただ、追加試験が必要とされ申請を取り下げたため、徳島大などの研究チームが医師主導で治験を実施していました。
 治験は発症後1年以内の患者を対象に全国25施設で実施。4カ月早くメコバラミンを投与したグループと4カ月遅れて始めたグループを比較したところ、早期投与群では500日以上の生存期間の延長が確認されました。平均余命を約90日延長する治療薬「リルゾール」の効果を大きく上回り、9月18日に会見した研究チームの梶龍兒・徳島大特任教授は「非常に驚いている。既存薬を投与した群では相乗効果も確認され、有力な薬が積み重なることで病気の進行を止められるのではないか」と話しました。
 エーザイは今年1月に再申請を行い、厚労省専門部会が8月下旬に承認を了承していました。研究チームによると、生存期間の延長は申請後の解析で判明したといいます。会見に同席したALS患者の三保浩一郎さん(57)は、「新たな進行抑制薬の登場に患者は大いに期待している。治療可能な病気になることを信じている」と述べていました。

 2024年9月25日(水)

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■ 「手足口病」が再増加で異例の流行 前年同時期の5倍超える感染者数、過去10年で最多 [健康ダイジェスト]

 子供を中心に夏場に感染が広がる「手足口病」が、異例の流行状況にあります。この時期は例年、減少傾向に入りますが、今年は9月から再び増加しています。1医療機関当たりの感染者数は過去10年で最多で、東京都など36都道府県で警報レベルに達しています。厚生労働省などは手洗いなど基本的な対策の徹底を呼び掛けています。
 国立感染症研究所が24日に発表した集計(速報値)によると、15日までの1週間に、調査の対象となっている全国約3000の医療機関から報告された患者数は2万5143人。1医療機関当たりでは8・03人で、この時期としては過去10年で最多でした。昨年同時期は1・49人で、5倍超の水準です。
 東京都(9・1人)や神奈川県(10・81人)、愛知県(10・45人)、長崎県(9・07人)など全国36の都道府県で国の基準の5人を超えて警報レベルとなっており、最多は富山県の21・41人。
 厚労省によると、手足口病は手や足、口の中などに水膨れのような発疹ができるウイルス性の感染症。まれに脳炎などを起こして重症化することもあります。毎年夏を中心に流行し、5歳以下の乳幼児が感染者の約9割を占めます。
 今年は全国的に感染が多い状況が続いていて、7月は1医療機関当たり12人前後で推移。同月をピークにいったん減少したものの、8月下旬から再び増加に転じ、9月に入っても増え続けています。
 今後も感染者数の増加傾向は続く可能性があり、厚労省は「アルコール消毒が効きにくいので、せっけんで手洗いし、タオルの共有は避けてほしい」などと呼び掛けています。

 2024年9月25日(水)

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■アルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」正式承認 国内で2例目 [健康ダイジェスト]

 アメリカの製薬大手が開発したアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ(商品名ケサンラ)」について、厚生労働省は、国内での製造販売を正式に承認しました。
 アルツハイマー病の原因物質に直接働き掛ける薬としては国内で2例目となります。
 承認されたのは、アメリカの製薬大手「イーライリリー」が開発したアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」です。
 アルツハイマー病になった患者の脳には「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なタンパク質がたまり、これによって神経細胞が壊れると考えられています。
 「ドナネマブ」は、人工的に作った抗体を「アミロイドベータ」に結合させることで取り除き、症状の進行を抑えることが期待されています。
 8月に開かれた厚労省の専門家部会で国内での製造販売を認めることが了承され、24日、厚労省が正式に承認しました。11月にも保険適用される見通し。
 投与の対象はアルツハイマー病の患者のうち、認知症を発症する前の「軽度認知障害」の人や軽度の認知症の人となっています。
 アルツハイマー病の原因物質に直接働き掛けて取り除く薬としては、エーザイなどが開発して昨年実用化した「レカネマブ」に続いて国内で2例目となります。
 「ドナネマブ」が7月に承認されたアメリカでは1年分の費用は3万2000ドル(約460万円)で、日本でも高額となることが予想されます。
 承認を受け、イーライリリーの日本法人は「新たな選択肢として当事者の方々にお届けできることを、大変うれしく思う」とのコメントを出しました。

 2024年9月25日(水)

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■旧優生保護法の下で強制不妊手術、宮城県内の男女4人の和解が成立 [健康ダイジェスト]

 旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして、国に賠償を求めていた宮城県内の5人の裁判で、このうち4人については国側が謝罪した上で、慰謝料を含む約1650万円をそれぞれに支払うことで24日、和解が成立しました。一方、原告団の共同代表の女性は、現段階では和解できないとして引き続き、協議が続けられることになりました。
 旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして国を訴えている各地の原告や弁護団は、9月13日、国が慰謝料を支払うことなどで和解するとした合意書に調印しました。
 宮城県内では5人の原告が国に賠償を求めていましたが、弁護団によりますと、このうち7月の最高裁判所の判決で仙台高等裁判所で審理をやり直すことになった佐藤由美さん(仮名、60歳代)を含む男女4人については、24日に行われた協議で国側が謝罪し、慰謝料を含む約1650万円をそれぞれに支払うことで和解が成立しました。
 一方、最高裁の判決で佐藤さんとともに審理をやり直すことになった原告団の共同代表の飯塚淳子(仮名、70歳代)さんは、現段階では和解できないとして引き続き、協議が続けられることになりました。
 優生保護法被害全国弁護団の新里宏二弁護士は、「すぐに納得できないという気持ちは弁護団として理解できる。お金の問題ではないので、時間をかける必要がある」と話していました。
 24日、和解が成立した佐藤由美さんは、一連の裁判で全国で初めて訴えを起こしていました。
 協議の後の会見で、裁判に参加することが難しい由美さんを支え、代わりに裁判に参加してきた義理の姉の佐藤路子さん(仮名)は、「裁判が始まってから弁護団始め、いろんな方に支えられてここまできました。裁判が始まったことから、世の中が変わっていくのが肌で感じるようにわかり、声を上げやすくなった」と話していました。

 2024年9月25日(水)

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