■旧優生保護法下の強制不妊手術の被害者らへの補償法が成立 手術を受けた本人に1500万円 [健康ダイジェスト]
旧優生保護法に基づく強制不妊手術の被害者らへの補償法が8日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。前文に国を主体とする謝罪を明記。手術を受けた本人に1500万円、配偶者に500万円を補償し、人工妊娠中絶の被害者には一時金200万円を支給します。公布日の3カ月後から施行します。
補償法は、旧法の規定を違憲とし、国の賠償責任を認めた7月の最高裁判決を受け、訴訟に参加していない被害者についても救済を目指す超党派の議員連盟が臨時国会への提出を目指し議論を進めていました。会期が短く、提出見送りの可能性もあったものの、成立にこぎ着けました。
2029年に成立した救済法は、前文で「我々」が反省とおわびをするとし、謝罪の主体を国と明記していませんでした。救済法の改正となる今回の補償法では、「国会および政府は、憲法に違反する立法行為を行い、これを執行してきたことについて、深刻にその責任を認め、心から深く謝罪する」とし、国の責任を明確化しました。
2024年10月8日(火)
補償法は、旧法の規定を違憲とし、国の賠償責任を認めた7月の最高裁判決を受け、訴訟に参加していない被害者についても救済を目指す超党派の議員連盟が臨時国会への提出を目指し議論を進めていました。会期が短く、提出見送りの可能性もあったものの、成立にこぎ着けました。
2029年に成立した救済法は、前文で「我々」が反省とおわびをするとし、謝罪の主体を国と明記していませんでした。救済法の改正となる今回の補償法では、「国会および政府は、憲法に違反する立法行為を行い、これを執行してきたことについて、深刻にその責任を認め、心から深く謝罪する」とし、国の責任を明確化しました。
2024年10月8日(火)
■ノーベル生理学・医学賞にアメリカの2氏 マイクロRNA発見で「遺伝子制御の新たな一面が解き明かされた」 [健康ダイジェスト]
スウェーデンのカロリンスカ研究所は7日、2024年のノーベル生理学・医学賞を、アメリカのマサチューセッツ大のビクター・アンブロス教授(70)と、アメリカのハーバード大のゲイリー・ラブカン教授(72)の、2氏に授与すると発表しました。細胞内の物質「マイクロRNA」が遺伝子の活動を調整する仕組みを発見し、病気の早期診断や治療への活用が期待されています。
生命に不可欠なタンパク質は、DNAを基にした遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」の情報から作られます。しかし、すべての細胞内に同じDNAが入っているにもかかわらず、どのようにして筋肉や神経などさまざまな種類の細胞として働くのか不明でした。
2人は1993年、線虫を使った実験で、マイクロRNAがmRNAに結合するとタンパク質ができなくなると発表しました。
その後、研究が進み、人でも1000種類を超えるマイクロRNAが存在していることがわかりました。マイクロRNAは遺伝子の働きを制御し、細胞などを正しく働かせる役割があります。その調節がうまくいかなくなることが病気の原因になり、難聴や目の障害、骨格障害などを引き起こすことも明らかになりました。
マイクロRNAを活用したがんの治療法開発に取り組む名古屋大の近藤豊教授(腫瘍生物学)は、「人を含む、ほぼすべての生物に共通する重要な物質を発見した、素晴らしい功績だ。がんの診断法や治療法の開発につながる可能性が高い」と話しています。
同賞の選考委員会は2人の業績について「彼らの独創性に富んだ発見によって、すべての複雑な生命体にとって欠かせない遺伝子制御の新たな一面が解き明かされた」と称賛しました。
アンブロス教授と、マイクロRNAについて意見交換してきたという東京大・塩見美喜子教授(RNA生物学)は、「ノーベル賞に匹敵する発見だと確信し、『今年こそは』と受賞を心待ちにしていた」と話しています。
塩見教授によれば、1993年の論文を発表した当時、研究者の中でも懐疑的な意見があったといいます。「なかなか世間に受け入れられず、苦しい思いをした時期もあったと思う。落ち着いたころに、お祝いの言葉を伝えたい」と喜びました。
2024年10月8日(火)
生命に不可欠なタンパク質は、DNAを基にした遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」の情報から作られます。しかし、すべての細胞内に同じDNAが入っているにもかかわらず、どのようにして筋肉や神経などさまざまな種類の細胞として働くのか不明でした。
2人は1993年、線虫を使った実験で、マイクロRNAがmRNAに結合するとタンパク質ができなくなると発表しました。
その後、研究が進み、人でも1000種類を超えるマイクロRNAが存在していることがわかりました。マイクロRNAは遺伝子の働きを制御し、細胞などを正しく働かせる役割があります。その調節がうまくいかなくなることが病気の原因になり、難聴や目の障害、骨格障害などを引き起こすことも明らかになりました。
マイクロRNAを活用したがんの治療法開発に取り組む名古屋大の近藤豊教授(腫瘍生物学)は、「人を含む、ほぼすべての生物に共通する重要な物質を発見した、素晴らしい功績だ。がんの診断法や治療法の開発につながる可能性が高い」と話しています。
同賞の選考委員会は2人の業績について「彼らの独創性に富んだ発見によって、すべての複雑な生命体にとって欠かせない遺伝子制御の新たな一面が解き明かされた」と称賛しました。
アンブロス教授と、マイクロRNAについて意見交換してきたという東京大・塩見美喜子教授(RNA生物学)は、「ノーベル賞に匹敵する発見だと確信し、『今年こそは』と受賞を心待ちにしていた」と話しています。
塩見教授によれば、1993年の論文を発表した当時、研究者の中でも懐疑的な意見があったといいます。「なかなか世間に受け入れられず、苦しい思いをした時期もあったと思う。落ち着いたころに、お祝いの言葉を伝えたい」と喜びました。
2024年10月8日(火)
■ジャパン・ティッシュエンジニアリング、白斑向けの培養表皮発売 シートで色素を再生 [健康ダイジェスト]
再生医療を手掛けるジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)は7日、肌がまだらに白くなる白斑を治療するための培養表皮を発表しました。製品名は「ジャスミン」で11日から発売します。従来の移植治療よりも少量の皮膚の採取で済み、患者の負担を減らせます。
新製品は患者の正常な皮膚から少量の皮膚組織を採取して表皮細胞と一緒に培養し、シート状にします。患者の白斑患部の表皮部分を薄く削ってシートを貼り付けることで、色素を再生する仕組み。
2023年3月に厚労省から再生医療製品として承認を得ました。医療費の自己負担を一定額に抑える高額療養費制度の対象で、患者の自己負担額は月額6万〜25万円です。
白斑は皮膚の色素細胞が減ったり、消えたりすることで皮膚の色がまだらに白くなる疾患で、国内に約15万人の患者がいるといいます。軟こうの塗布や光線を照射する治療法が一般的ですが、効果が出ない場合は患者の正常な皮膚を患部に移植する外科治療で対応します。
ジャパン・ティッシュエンジニアリングはこれまでに表皮や軟骨、角膜上皮などの再生医療製品を発売しています。2021年に帝人が子会社化しました。
2024年10月8日(火)
新製品は患者の正常な皮膚から少量の皮膚組織を採取して表皮細胞と一緒に培養し、シート状にします。患者の白斑患部の表皮部分を薄く削ってシートを貼り付けることで、色素を再生する仕組み。
2023年3月に厚労省から再生医療製品として承認を得ました。医療費の自己負担を一定額に抑える高額療養費制度の対象で、患者の自己負担額は月額6万〜25万円です。
白斑は皮膚の色素細胞が減ったり、消えたりすることで皮膚の色がまだらに白くなる疾患で、国内に約15万人の患者がいるといいます。軟こうの塗布や光線を照射する治療法が一般的ですが、効果が出ない場合は患者の正常な皮膚を患部に移植する外科治療で対応します。
ジャパン・ティッシュエンジニアリングはこれまでに表皮や軟骨、角膜上皮などの再生医療製品を発売しています。2021年に帝人が子会社化しました。
2024年10月8日(火)
■2023年は世界の河川が「最も乾燥」 世界気象機関が報告書 [健康ダイジェスト]
世界気象機関(WMO)は、2023年が過去およそ30年間で世界の河川が「最も乾燥した」1年だったとする報告書を発表しました。
WMOが7日に発表した報告書によりますと、2023年の世界の河川の流量が過去およそ30年間で最低で、「最も乾燥した1年」だったということです。
アメリカのミシシッピ川流域では地下水が3年連続で減少し、川の水位は最低を記録。南アメリカのアマゾン川流域でも、ブラジル北部マナウスの港の水位が1902年以降で最低となりました。
2023年は観測史上最も暑い1年となり、気温の上昇が長期にわたる干ばつの一因になったと指摘しています。
また、報告書では、氷河の消失が進んでいることも指摘されています。氷河がある世界のすべての地域で、2年連続で消失が確認されたということです。
WMOは、「生活や生態系に代償を伴う形でさまざまな警告を受けている」として緊急対策の必要性を訴えました。
2024年10月8日(火)
WMOが7日に発表した報告書によりますと、2023年の世界の河川の流量が過去およそ30年間で最低で、「最も乾燥した1年」だったということです。
アメリカのミシシッピ川流域では地下水が3年連続で減少し、川の水位は最低を記録。南アメリカのアマゾン川流域でも、ブラジル北部マナウスの港の水位が1902年以降で最低となりました。
2023年は観測史上最も暑い1年となり、気温の上昇が長期にわたる干ばつの一因になったと指摘しています。
また、報告書では、氷河の消失が進んでいることも指摘されています。氷河がある世界のすべての地域で、2年連続で消失が確認されたということです。
WMOは、「生活や生態系に代償を伴う形でさまざまな警告を受けている」として緊急対策の必要性を訴えました。
2024年10月8日(火)
■「人生100年」時代は来ない、日本など長寿国で寿命の延び鈍化 アメリカの研究 [健康ダイジェスト]
日本を含む長寿の国でこの30年、平均寿命の延びは鈍化しており、今世紀中に100歳まで生きる人の割合が女性で15%、男性で5%を超えることはないとの予測を、アメリカのイリノイ大などのチームが7日、アメリカの科学誌「ネイチャーエイジング」に発表しました。
今後は老化を遅らせる画期的な技術が登場しない限り、急速な寿命延長は望めないとしています。
日本や韓国、スイスなど長寿の9カ国・地域の人口データを解析すると、1990年~2019年の約30年で寿命が平均6・5歳延びたことがわかりました。20世紀には衛生状態の改善や医療の進歩で幼児の死亡率が低下、続いて中高年の健康も向上し、10年につき3歳のペースで寿命が延びましたが、最近30年はこの水準を下回っています。
世界各国の年齢別・男女別死亡率から最も低い値をかき集めた「理想的な長寿国家」の寿命を算出すると、2019年生まれの女性で88・68歳、男性が83・17歳。100歳まで生きる確率は女性が13・9%、男性は4・5%となりました。
平均寿命が110歳の社会では、女性は70%が100歳まで生きます。ただ、そのためには今ある死亡の原因のほとんどを克服しなければならないといいます。
厚生労働省によると、日本人の2023年の平均寿命は女性が87・14歳、男性は81・09歳。
2024年10月8日(火)
今後は老化を遅らせる画期的な技術が登場しない限り、急速な寿命延長は望めないとしています。
日本や韓国、スイスなど長寿の9カ国・地域の人口データを解析すると、1990年~2019年の約30年で寿命が平均6・5歳延びたことがわかりました。20世紀には衛生状態の改善や医療の進歩で幼児の死亡率が低下、続いて中高年の健康も向上し、10年につき3歳のペースで寿命が延びましたが、最近30年はこの水準を下回っています。
世界各国の年齢別・男女別死亡率から最も低い値をかき集めた「理想的な長寿国家」の寿命を算出すると、2019年生まれの女性で88・68歳、男性が83・17歳。100歳まで生きる確率は女性が13・9%、男性は4・5%となりました。
平均寿命が110歳の社会では、女性は70%が100歳まで生きます。ただ、そのためには今ある死亡の原因のほとんどを克服しなければならないといいます。
厚生労働省によると、日本人の2023年の平均寿命は女性が87・14歳、男性は81・09歳。
2024年10月8日(火)
■埼玉県、今年2例目のはしか感染者を確認 1例目の感染者の接触者で10歳代男性 [健康ダイジェスト]
埼玉県は7日、3日に今年県内で初めて麻疹(はしか)と確認された10歳代男性患者の接触者が、はしかに感染したと発表しました。
県感染症対策課によると、患者は10歳代男性で、9月27日に発熱や発疹など、はしかの症状を発症。10月5日にPCR検査の結果が陽性とわかり、はしかと診断されました。入院せず自宅療養を続け、快方に向かっているといいます。
男性は1例目の男性患者の友人で、9月21~23日に男性の家で寝泊まりし、21日には越谷市の「イオンレイクタウンkaze」3階のゲームセンターを訪れていました。
同課は接触者の有無や行動経路を現在調査中とし、「はしかを疑う症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診し、体調管理に気を付けてほしい」と注意を呼び掛けています。
2024年10月8日(火)
県感染症対策課によると、患者は10歳代男性で、9月27日に発熱や発疹など、はしかの症状を発症。10月5日にPCR検査の結果が陽性とわかり、はしかと診断されました。入院せず自宅療養を続け、快方に向かっているといいます。
男性は1例目の男性患者の友人で、9月21~23日に男性の家で寝泊まりし、21日には越谷市の「イオンレイクタウンkaze」3階のゲームセンターを訪れていました。
同課は接触者の有無や行動経路を現在調査中とし、「はしかを疑う症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診し、体調管理に気を付けてほしい」と注意を呼び掛けています。
2024年10月8日(火)
■マイコプラズマ肺炎、患者数が過去最多タイ 患者の8割が14歳以下 [健康ダイジェスト]
発熱や長引くせきなどが特徴で、主に子供がかかるマイコプラズマ肺炎について、国立感染症研究所は8日、9月29日までの1週間に、全国約500の医療機関から報告があった患者数は、1医療機関当たり1・64人(速報値)で、現在の調査方法となった1999年以来、過去最多だった2016年10月の患者数に並びました。
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」と呼ばれる細菌に感染することで引き起こされます。せきによる飛沫(ひまつ)などからうつり、周期的な流行がみられるのが特徴です。発熱や全身のだるさなどが現れ、熱が下がった後も3~4週間せきが続きます。
患者の8割を14歳以下が占めています。多くは軽症ながら、一部は重症化したり、心筋炎などの合併症を生じたりすることがあります。
厚生労働省の担当者は、「手洗いをこまめに行い、感染した場合は、マスクをして家庭内でのタオルの共有を避けてほしい」と呼び掛けています。
厚生労働省の担当者は、「最近は学校や家庭での感染も目立っている。ふだんからせっけんで手洗いをすることに加え、せきの症状がある場合はマスクの着用を心掛け、家庭内でのタオルの共有を避けてほしい」と呼び掛けています。
2024年10月8日(火)
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」と呼ばれる細菌に感染することで引き起こされます。せきによる飛沫(ひまつ)などからうつり、周期的な流行がみられるのが特徴です。発熱や全身のだるさなどが現れ、熱が下がった後も3~4週間せきが続きます。
患者の8割を14歳以下が占めています。多くは軽症ながら、一部は重症化したり、心筋炎などの合併症を生じたりすることがあります。
厚生労働省の担当者は、「手洗いをこまめに行い、感染した場合は、マスクをして家庭内でのタオルの共有を避けてほしい」と呼び掛けています。
厚生労働省の担当者は、「最近は学校や家庭での感染も目立っている。ふだんからせっけんで手洗いをすることに加え、せきの症状がある場合はマスクの着用を心掛け、家庭内でのタオルの共有を避けてほしい」と呼び掛けています。
2024年10月8日(火)