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■国産手術支援ロボット「ヒノトリ」で11歳男児の腫瘍摘出に成功 出血はごく少なく経過良好 [健康ダイジェスト]

 神戸大病院は17日、国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を使って、小学生男児(11)の副腎腫瘍を摘出する手術に成功したと発表しました。ヒノトリで15歳未満の小児を対象に手術を行ったのは初めて。経過は良好といいます。
 発表によると、男児は関西在住。6月にけいれんなどを発症して別の病院に入院し、腎臓の上にある副腎にできる希少な腫瘍「褐色細胞腫」と診断されました。
 ヒノトリは、川崎重工業とシスメックスが共同出資するメディカロイド(神戸市)が開発しました。ロボット支援手術は患者の出血量が少ないのが利点で、2020年に製造販売が承認され、今年6月末現在、全国の医療機関に61台導入されています。
 手術器具を取り付けるアームが比較的細く、先行するアメリカ製の手術支援ロボットよりもアームの関節数が多いことから小回りが利き、体の小さな患者でも操作しやすいのが特長といいます。
 手術は9月18日に行われ、左右にある副腎のうち、腫瘍が見付かった右側を摘出しました。4本あるアームのうち3本を使用してごく少ない出血ですみ、男児は同月下旬に退院し、通学できるほどまで回復しています。
 執刀した神戸大病院小児外科の大片祐一・特命准教授は、「小児外科の手術で、日本製ロボットの選択肢を加えることができた。質の高いロボット手術を提供する体制を整えていきたい」としています。

 2024年10月18日(金)

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■東京大学、夢に連動して体が動く脳回路を特定 [健康ダイジェスト]

 東京大学の林悠教授(筑波大学客員教授兼務)らは、睡眠時に見る夢と連動して体が動いてしまう現象にかかわる脳回路を特定しました。この回路は夢を見ることが多い「レム睡眠」を引き起こすスイッチの役割も担い、起きているマウスで人為的に働かせると睡眠を誘導できました。
 成果をまとめた論文は、アメリカの科学誌「セル」に掲載されました。睡眠は眼球がキョロキョロと動く「レム睡眠」と、動かない「ノンレム睡眠」を周期的に繰り返します。夢はレム睡眠時に見ることが多く、脳が活発に活動しています。脳には神経細胞が互いに接続した複雑な回路が存在し、生命機能の管理のほか、知性といった高度な機能を作り出します。これまで、レム睡眠にかかわる回路は脳の根元付近の「脳幹」に存在するとされていましたが、詳細な回路や仕組みは不明でした。
 研究チームは脳幹のうち、「橋(きょう)」と「延髄」と呼ばれる部位に、レム睡眠を開始させるスイッチの役割を担う「レム睡眠誘導神経細胞」を発見しました。この細胞を活性化させると起きていたマウスが眠り、レム睡眠状態となりました。逆に働きを抑えるとレム睡眠が減少し、睡眠中に体が動き出しました。
 詳細に調べたところ、橋と延髄にあるレム睡眠誘導神経細胞は互いに接続し、筋肉の脱力や眼球運動にかかわる脳部位などにつながっていました。夢を見る時には大脳が活発に活動し、海馬から特殊な脳波が出る特徴がありますが、発見した神経細胞はこれらの活動を制御する脳部位にも接続していました。
 睡眠時に体が動く現象は「レム睡眠行動障害」と呼ばれ、夢と連動して腕や足が動いたり、声を発したりします。近年ではパーキンソン病の発症前に現れる症状として注目されます。研究者は関連性を調べるため、亡くなった患者の脳を解析したところ、レム睡眠誘導神経細胞が減少していることも突き止めました。
 周期的に発生するレム睡眠は深いノンレム睡眠を誘導し、睡眠の質を高めることがわかっています。レム睡眠が減少すると認知症の発症リスクや、心臓などの病気による死亡リスクが高まるとされます。今回特定した脳回路を刺激する技術が開発できれば、睡眠の質を高める医薬品などの開発につながる可能性があります。
 研究チームは今後、レム睡眠の量を増減させた時に脳や体にどのような影響を与えるか検証します。「レム睡眠を人工的に引き起こす技術が登場したことで、間接的に夢を誘発させることも可能となった」(林氏)。夢がもたらす影響やその仕組みの研究にも追い風が吹く可能性があります。
 林氏は「今後5年をメドにレム睡眠の機能、さらには夢が担う役割の解明を目指したい」と意気込んでいます。

 2024年10月18日(金)

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■「線状降水帯」5割が予測できず、的中は1割にとどまる 気象庁 [健康ダイジェスト]

 集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」について、予測できなかったケースは約5割だった一方、予測が的中したのは1割にとどまったことが、気象庁のまとめでわかりました。
 線状降水帯は発達した積乱雲が帯状に連なって大雨をもたらす現象で、気象庁は、予測された場合に、半日程度前に情報を発表して警戒を呼び掛けています。
 気象庁は16日、線状降水帯が発生した事例は5〜9月に全国で15回あったと発表しました。うち、都道府県単位の事前の予測通りに発生した「的中」は、81回のうち8回(約10%)どまりで、事前の想定(25%)を下回りました。一方、予測できずに発生する「見逃し」は17回のうち9回(約53%)と、事前の想定(50%)とほぼ同じでした。
 大雨特別警報が発表された9月下旬の能登豪雨や、7月下旬の山形県での大雨では、事前に発生を予測することができませんでした。同庁の森隆志長官は16日の記者会見で、「九州と比べると、東北や北陸の事例は局所的で、水蒸気の流れ方も違うパターンがあるようだ。局地性の強いものはより予測がむずかしいので、今後検証していきたい」と話しました。
 気象庁はスーパーコンピューターの整備などを通して、線状降水帯の発生予測の精度向上を目指してきました。5月からは従来の地方単位(全国11ブロック)から、地域を絞り込んだ都道府県単位の発表に変更し、事前の注意を呼び掛けてきました。

 2024年10月18日(金)

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■女性の健康課題、職場の健診で質問追加の案取りまとめ 厚労省の検討会 [健康ダイジェスト]

 女性が安心して働き続けるために厚生労働省の検討会は、職場での健康診断に月経困難症や更年期障害など女性特有の健康課題で困っていることがないか尋ねる質問項目を新たに追加するべきだとする案を取りまとめました。
 女性の就業率が高まる折、経済産業省が6年前に公表した調査の結果では、女性特有の健康課題により職場で困った経験があると回答した人が51・5%に上っています。
 こうした中、専門家などによる厚労省の検討会は、女性が安心して働き続けられる環境をつくろうと、職場で行われる健康診断について見直しの議論を進めてきました。
 18日、取りまとめの案が示され、健康診断の質問項目に、月経に伴う下腹部や頭の痛みなどに悩まされる月経困難症や、更年期障害など、女性特有の健康課題で職場で困っていることがないか尋ねる項目を新たに設ける方針が盛り込まれました。
 そして「困っている」と回答した人には必要に応じて健康診断を担当した医師が専門医への早期の受診を促していくことや、こうした課題について専門的な知識を持たない医師が健康診断を行う可能性があるため研修の必要性なども示されました。
 厚労省はこの取りまとめ案について今年度中に労使などが参加する審議会で議論して、実施の時期などを決めることにしています。

 2024年10月18日(金)

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■モデルナ、日本でコロナ・インフル混合ワクチン生産へ [健康ダイジェスト]

 アメリカの製薬会社モデルナは17日、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)で記者会見を開き、同施設内でメッセンジャーRNA(mRNA)製品を製造することを明らかにしました。ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「複数のmRNA製品を日本で販売したい」と話しました。
 モデルナは2023年9月に、日本政府が主導するワクチンの国内生産体制整備事業の事業者に採択されました。経済産業省から補助金を受け、湘南アイパーク内にmRNAワクチンの製造施設を新設します。今回、改めて日本でのワクチン生産計画の詳細を明らかにしました。バンセルCEOは「今後、数年以内に生産を開始したい」と稼働時期についても示しました。
 同施設ではすでに国内で普及するmRNAのコロナワクチンに加え、RSウイルスワクチン、インフルエンザウイルスとコロナの混合ワクチンなどの新製品も製造する計画だといいます。
 モデルナは日本で呼吸器感染症やサイトメガロウイルス、希少疾患やがん治療など6つのワクチンの臨床試験(治験)を進めています。こうしたワクチン候補の開発が成功し製造販売承認を取得した場合、日本で製造する体制を整備することで日本のヘルスケアに貢献します。
 モデルナは売上高の多くをコロナワクチンが占めており、日本は同社にとってワクチン販売の重要な市場とみています。またワクチン販売以外にも東京大学といった研究機関と連携し、mRNA技術の応用を支援するといいます。

 2024年10月18日(金)

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