■臓器移植の病院、待機患者が複数登録可能に 第1希望施設の受け入れ断念に備え [健康ダイジェスト]
脳死者から提供された臓器の移植を担う病院が、人員や病床の不足などで臓器の受け入れを断念している問題を巡り、厚生労働省が検討している移植医療体制改革の最終案が1日、明らかになりました。移植希望者が移植手術を受ける施設を複数登録できるよう、新たな仕組みを今年度中に整備するほか、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が単独で担っている臓器のあっせん業務のうち、家族への対応や臓器摘出手術の管理などを切り離し、新法人に委ねます。
最終案は5日、専門家などでつくる厚労省の臓器移植委員会で提示される見通しです。
移植希望者は現在、移植を受ける施設を原則1カ所JOTに登録しています。登録した施設が臓器の受け入れを断念した場合、別の施設のより優先度の低い患者に移植されます。公平性の観点から問題視されてきました。
この問題を改善するため、移植施設を複数登録できるようにし、第1希望の施設で移植を見送られても、第2希望の施設で受けられるようにします。
移植施設を選ぶ手掛かりとして、施設ごとの待機患者数や移植実施数も公表します。移植を受けた患者の生存率などの情報公開は、移植成績の低下を懸念する施設がむずかしい手術を避ける可能性があるとして、関連学会で今後検討するとしました。
あっせん業務の見直しでは、JOTからドナー家族への臓器提供の説明と同意取得、臓器摘出手術の進行管理などを分離し、地域ごとに設置する新法人に委譲します。臓器提供数の増加に伴うJOTの業務負担を軽減するとともに、臓器提供施設の近くにある法人がドナー家族への対応などに当たることで迅速化も図ります。JOTは移植希望者の登録と移植を受ける患者の選定を引き続き担います。
移植待機中に亡くなる患者を減らすため、心臓の移植を受ける患者を選ぶ基準について、命の危険が迫り、緊急性が高い患者を優先するルールを採り入れます。
臓器提供の経験が浅い施設を支援する拠点施設も拡充します。
移植医療体制の大幅な見直しは、1997年の臓器移植法施行後、初めてで、7月から臓器移植委員会で検討を進めてきました。
2024年12月2日(月)
最終案は5日、専門家などでつくる厚労省の臓器移植委員会で提示される見通しです。
移植希望者は現在、移植を受ける施設を原則1カ所JOTに登録しています。登録した施設が臓器の受け入れを断念した場合、別の施設のより優先度の低い患者に移植されます。公平性の観点から問題視されてきました。
この問題を改善するため、移植施設を複数登録できるようにし、第1希望の施設で移植を見送られても、第2希望の施設で受けられるようにします。
移植施設を選ぶ手掛かりとして、施設ごとの待機患者数や移植実施数も公表します。移植を受けた患者の生存率などの情報公開は、移植成績の低下を懸念する施設がむずかしい手術を避ける可能性があるとして、関連学会で今後検討するとしました。
あっせん業務の見直しでは、JOTからドナー家族への臓器提供の説明と同意取得、臓器摘出手術の進行管理などを分離し、地域ごとに設置する新法人に委譲します。臓器提供数の増加に伴うJOTの業務負担を軽減するとともに、臓器提供施設の近くにある法人がドナー家族への対応などに当たることで迅速化も図ります。JOTは移植希望者の登録と移植を受ける患者の選定を引き続き担います。
移植待機中に亡くなる患者を減らすため、心臓の移植を受ける患者を選ぶ基準について、命の危険が迫り、緊急性が高い患者を優先するルールを採り入れます。
臓器提供の経験が浅い施設を支援する拠点施設も拡充します。
移植医療体制の大幅な見直しは、1997年の臓器移植法施行後、初めてで、7月から臓器移植委員会で検討を進めてきました。
2024年12月2日(月)
■動物実験が難しいB型肝炎、マウスでの再現成功 感染マウスを使った実験で新薬候補も見付かる [健康ダイジェスト]
根治が難しいB型肝炎について、マウスでこの病気を再現することに成功したと、大阪大と国立国際医療研究センターなどのチームが発表しました。原因ウイルスを減らす新薬候補も見付けており、現在、治験も計画中です。論文が国際科学誌に掲載されました。
B型肝炎ウイルスは血液や体液を通じて感染。肝炎を発症させ、慢性化すると肝硬変や肝がんにつながります。国内では110万〜140万人の感染者がいるとされます。
根治を目指せるインターフェロン注射薬はあるものの、副作用が強い上、一部の患者にしか効きません。また、症状を抑える内服薬はあるものの、ウイルスが肝細胞の核の中に入り込んで居座るため、一生飲み続ける必要がありました。
よりよい新薬の開発が求められていますが、このウイルスは人以外にほとんど感染しないため動物実験がむずかしいという課題がありました。
大阪大の小玉尚宏助教、竹原徹郎教授らは遺伝子操作の技術を駆使し、B型肝炎ウイルスが持続感染した状態をマウスで再現することに成功。このマウスの免疫状態を調べると、免疫細胞の機能が低下してウイルスの増加を抑えられず、肝炎が慢性化していることがわかりました。
チームは住友ファーマなどが開発中の、免疫を活性化する薬剤に着目。マウスで効果を検証すると、免疫細胞の機能が回復して数が増え、血液中のウイルス量が4日間で10分の1に減りました。人に応用できれば、一定期間の投薬で根治に持ち込める可能性があるといいます。
2024年12月2日(月)
B型肝炎ウイルスは血液や体液を通じて感染。肝炎を発症させ、慢性化すると肝硬変や肝がんにつながります。国内では110万〜140万人の感染者がいるとされます。
根治を目指せるインターフェロン注射薬はあるものの、副作用が強い上、一部の患者にしか効きません。また、症状を抑える内服薬はあるものの、ウイルスが肝細胞の核の中に入り込んで居座るため、一生飲み続ける必要がありました。
よりよい新薬の開発が求められていますが、このウイルスは人以外にほとんど感染しないため動物実験がむずかしいという課題がありました。
大阪大の小玉尚宏助教、竹原徹郎教授らは遺伝子操作の技術を駆使し、B型肝炎ウイルスが持続感染した状態をマウスで再現することに成功。このマウスの免疫状態を調べると、免疫細胞の機能が低下してウイルスの増加を抑えられず、肝炎が慢性化していることがわかりました。
チームは住友ファーマなどが開発中の、免疫を活性化する薬剤に着目。マウスで効果を検証すると、免疫細胞の機能が回復して数が増え、血液中のウイルス量が4日間で10分の1に減りました。人に応用できれば、一定期間の投薬で根治に持ち込める可能性があるといいます。
2024年12月2日(月)
■茨城県で緊急性認められない救急搬送での選定療養費徴収始まる 「微熱のみ」「擦り傷」など医師が判断 [健康ダイジェスト]
微熱や切り傷といった緊急性がないか低い症状で救急搬送された場合、病院が患者から「選定療養費」として原則7700円以上を徴収する取り組みが2日、茨城県で始まりました。都道府県単位で制度として適用するのは初めて。軽症患者の搬送による救急業務の逼迫(ひっぱく)は全国的な課題になっており、現場の負担軽減につながるかが注目されます。
軽症患者の救急搬送が多くなると、救急車の運用や病院の受け入れ体制が逼迫し、重篤患者の救急搬送が遅れて命を落とすことになりかねません。
県内の救急搬送は2023年に14万3046件(速報値)と過去最多を更新しましたが、このうち47・9%が軽症でした。県は制度の導入により、搬送患者数が「2割ほど減る」とみます。
選定療養費は、200床以上の大規模な病院で紹介状なしに受診した初診患者から徴収する特別料金で、2016年の健康保険法改正で導入されました。料金は医療機関に支払われます。茨城県は今回、制度の対象を救急搬送患者に拡大しました。医療機関の医師が緊急性がないと判断した場合に徴収し、県内22の病院が適用します。
同県つくば市の筑波メディカルセンター病院では、年間で6000人近い救急搬送患者を受け入れます。阿竹茂・救命救急センター長(62)は、「このままでは重症患者の受け入れができなくなる。現状が改善される」と新制度に期待しています。
ただ、県議会からは「緊急性の高い患者も119番を躊躇(ちゅうちょ)するのでは」との懸念も出ています。このため県は10月、「微熱のみ」「軽い擦り傷」など、徴収の可能性がある12の例を記した指針を公表しました。県民に対しては、救急車を呼ぶべきか迷う際には「#7119」や「#8000」などの電話相談を活用するよう呼び掛けます。
総務省消防庁によると、全国の救急出動数は増加傾向にあり、救急搬送の適正化が課題になっています。2023年は763万7967件(前年比40万8395件増)と過去最多を記録しましたが、このうち軽症のケースが48・4%を占めました。
三重県松阪市では6月、選定療養費の徴収制度を基幹3病院で導入しました。市は8月末までの3カ月間で、救急車の出動件数が前年同期比で21・9%減ったとする調査結果を10月に公表。帰宅した軽症者2056人のうち、徴収された人は278人(13・5%)でした。
日本体育大の横田裕行教授(救急医学)は、「制度の導入は理解できるが、一人暮らしの高齢者などの医療弱者にしわ寄せが出ないよう、問題点が見付かれば改善する必要がある」と指摘しています。
2024年12月2日(月)
軽症患者の救急搬送が多くなると、救急車の運用や病院の受け入れ体制が逼迫し、重篤患者の救急搬送が遅れて命を落とすことになりかねません。
県内の救急搬送は2023年に14万3046件(速報値)と過去最多を更新しましたが、このうち47・9%が軽症でした。県は制度の導入により、搬送患者数が「2割ほど減る」とみます。
選定療養費は、200床以上の大規模な病院で紹介状なしに受診した初診患者から徴収する特別料金で、2016年の健康保険法改正で導入されました。料金は医療機関に支払われます。茨城県は今回、制度の対象を救急搬送患者に拡大しました。医療機関の医師が緊急性がないと判断した場合に徴収し、県内22の病院が適用します。
同県つくば市の筑波メディカルセンター病院では、年間で6000人近い救急搬送患者を受け入れます。阿竹茂・救命救急センター長(62)は、「このままでは重症患者の受け入れができなくなる。現状が改善される」と新制度に期待しています。
ただ、県議会からは「緊急性の高い患者も119番を躊躇(ちゅうちょ)するのでは」との懸念も出ています。このため県は10月、「微熱のみ」「軽い擦り傷」など、徴収の可能性がある12の例を記した指針を公表しました。県民に対しては、救急車を呼ぶべきか迷う際には「#7119」や「#8000」などの電話相談を活用するよう呼び掛けます。
総務省消防庁によると、全国の救急出動数は増加傾向にあり、救急搬送の適正化が課題になっています。2023年は763万7967件(前年比40万8395件増)と過去最多を記録しましたが、このうち軽症のケースが48・4%を占めました。
三重県松阪市では6月、選定療養費の徴収制度を基幹3病院で導入しました。市は8月末までの3カ月間で、救急車の出動件数が前年同期比で21・9%減ったとする調査結果を10月に公表。帰宅した軽症者2056人のうち、徴収された人は278人(13・5%)でした。
日本体育大の横田裕行教授(救急医学)は、「制度の導入は理解できるが、一人暮らしの高齢者などの医療弱者にしわ寄せが出ないよう、問題点が見付かれば改善する必要がある」と指摘しています。
2024年12月2日(月)
■ワタミ、食事療法に本格参入 糖尿病対応の弁当を宅配 [健康ダイジェスト]
居酒屋などを手掛けるワタミは29日、ITを活用したヘルスケア事業会社「おいしい健康」と協業した調理ずみ宅配弁当「ワタミdeおいしい健康」を、12月2日から本格販売すると発表しました。ワタミとしては糖尿病などの食事管理に対応した初の商品で、宅配料込み1食690円(税込み)。食事療法に本格参入し、10年後に1日当たり10万食の販売を目指します。
厚生労働省の調査によると、全国で糖尿病が強く疑われる人は2022年現在で約1400万人おり、25年前と比べ約2倍に増えています。ワタミは、食事宅配サービス「ワタミの宅食」を運営し、毎日23万食の調理ずみ宅配弁当を製造・宅配していますが、糖尿病患者のような食事管理のニーズが高まっていることも踏まえ、今回の商品開発につなげました。
弁当は糖尿病患者のほか、塩分や栄養バランスに配慮した食事を自分で調理し続けることが難しい人や、健康診断の数値が気になる40〜50歳代を想定。塩分を抑えつつ、20品目以上の食材を使うことで食物繊維が豊富に取れるようにしました。
献立は日替わりで、130万人が利用する「おいしい健康」のアプリで人気の高いメニューを採用します。毎日23万食以上を作るワタミの自社工場で製造し、月〜金曜まで担当スタッフが購入者の自宅まで届けます。11月25日からテスト販売を開始しており、すでに1万2000食を突破しているといいます。
今年度のワタミの中間決算で宅配事業の売り上げは202億円に上り、ワタミグループ連結売上の46%を占めています。
ワタミの渡辺美樹会長兼社長は東京都内で開いた記者会見で、「思った以上に評判がいい。世の中に求められている商品。多くの方に喜んでもらえる」と語りました。
2024年12月2日(月)
厚生労働省の調査によると、全国で糖尿病が強く疑われる人は2022年現在で約1400万人おり、25年前と比べ約2倍に増えています。ワタミは、食事宅配サービス「ワタミの宅食」を運営し、毎日23万食の調理ずみ宅配弁当を製造・宅配していますが、糖尿病患者のような食事管理のニーズが高まっていることも踏まえ、今回の商品開発につなげました。
弁当は糖尿病患者のほか、塩分や栄養バランスに配慮した食事を自分で調理し続けることが難しい人や、健康診断の数値が気になる40〜50歳代を想定。塩分を抑えつつ、20品目以上の食材を使うことで食物繊維が豊富に取れるようにしました。
献立は日替わりで、130万人が利用する「おいしい健康」のアプリで人気の高いメニューを採用します。毎日23万食以上を作るワタミの自社工場で製造し、月〜金曜まで担当スタッフが購入者の自宅まで届けます。11月25日からテスト販売を開始しており、すでに1万2000食を突破しているといいます。
今年度のワタミの中間決算で宅配事業の売り上げは202億円に上り、ワタミグループ連結売上の46%を占めています。
ワタミの渡辺美樹会長兼社長は東京都内で開いた記者会見で、「思った以上に評判がいい。世の中に求められている商品。多くの方に喜んでもらえる」と語りました。
2024年12月2日(月)
■プラスチック汚染対策の国際条約交渉、合意先送り 各国の意見対立埋まらず [健康ダイジェスト]
プラスチック汚染を抑制するための画期的な国際条約の策定に向けて韓国・釜山で開かれていた政府間交渉委員会の会合は1日、最終日になっても参加国間の意見の対立が埋まらず、合意を先送りにしました。
1週間にわたる会合には200カ国近くの代表が出席し、毎年何百万トンものプラスチック廃棄物が環境に流出するのをいかに阻止するかについて議論してきました。
プラスチック汚染は極めて広範囲におよんでおり、マイクロプラスチックは世界有数の高山の山頂や最深部の海溝、さらに人体のほぼすべての部位で発見されています。
2年前の国連環境総会で、各国は今年末までにこの危機に対処する方法を見付けることで合意しました。
しかし、会合では、生産を制限し有害な化学物質を段階的に廃止するための拘束力のある国際協定を求める「高い野心を持つ」国と、産油国を中心とした、廃棄物に焦点を合わせたい「志を同じくする」国の間の深い溝を埋めることができませんでした。
何度かの延期をへて1日午後に発表された条文の草案には、意見の相違を反映して、幅広い選択肢が盛り込まれていました。
ルイス・バジャス・バルディビエソ議長は同日夜、「いくつかの重要な問題が包括的な合意に達するのを妨げている」と認め、「これらの未解決の問題は依然として挑戦的であり、効果的に対処するためにはさらなる時間が必要だ」と説明。その上で、会合を後日再開し、妥結に至ることで大筋一致したと述べました。
2025年に再び会合を開くとみられますが、難航が予想されます。
2024年12月2日(月)
1週間にわたる会合には200カ国近くの代表が出席し、毎年何百万トンものプラスチック廃棄物が環境に流出するのをいかに阻止するかについて議論してきました。
プラスチック汚染は極めて広範囲におよんでおり、マイクロプラスチックは世界有数の高山の山頂や最深部の海溝、さらに人体のほぼすべての部位で発見されています。
2年前の国連環境総会で、各国は今年末までにこの危機に対処する方法を見付けることで合意しました。
しかし、会合では、生産を制限し有害な化学物質を段階的に廃止するための拘束力のある国際協定を求める「高い野心を持つ」国と、産油国を中心とした、廃棄物に焦点を合わせたい「志を同じくする」国の間の深い溝を埋めることができませんでした。
何度かの延期をへて1日午後に発表された条文の草案には、意見の相違を反映して、幅広い選択肢が盛り込まれていました。
ルイス・バジャス・バルディビエソ議長は同日夜、「いくつかの重要な問題が包括的な合意に達するのを妨げている」と認め、「これらの未解決の問題は依然として挑戦的であり、効果的に対処するためにはさらなる時間が必要だ」と説明。その上で、会合を後日再開し、妥結に至ることで大筋一致したと述べました。
2025年に再び会合を開くとみられますが、難航が予想されます。
2024年12月2日(月)
■今日からマイナ保険証に「一本化」、従来の健康保険証も最長1年有効 [健康ダイジェスト]
現行の健康保険証は2日に新規発行が停止され、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に原則として移行します。混乱を回避するため、従来の健康保険証は2025年12月1日までの最長1年間使用できます。マイナ保険証の利用は低迷しており、円滑な移行には今後、利用の促進をどこまで図ることができるかが課題となります。
マイナ保険証の利用登録は、10月時点で7747万人が手続きをすませています。全国の医療機関や薬局の92%(9月時点)がマイナ保険証に対応します。
従来の保険証の使用は、市区町村が運営する国民健康保険と後期高齢者医療保険では来夏までが基本で、会社員らが入る健康保険組合や全国健康保険協会は最長の1年間になります。
従来の健康保険証の期限切れ前に、マイナ保険証を持っていない人や、マイナンバーカードを保険証として利用登録していない人には、申請しなくても健保組合などから「資格確認書」が交付されます。病院で提示すれば、従来の健康保険証と同じように保険診療を受けられます。
マイナ保険証を使った場合、本人が同意すれば、医師は病院の受診歴や処方薬の履歴を確認できます。従来は新規加入や転居・転職時に新たに健康保険証を発行してもらう必要がありましたが、マイナ保険証は継続して利用できるメリットもあります。
ただ、他人の情報がひも付けられたトラブルなどの影響で、マイナ保険証の利用率は10月時点で15%にとどまっています。高齢者を中心に不安を抱く人が多く、政府は国民の不安払拭(ふっしょく)に向け、利便性の理解につながる情報提供に力を入れる方針です。
2024年12月2日(月)
マイナ保険証の利用登録は、10月時点で7747万人が手続きをすませています。全国の医療機関や薬局の92%(9月時点)がマイナ保険証に対応します。
従来の保険証の使用は、市区町村が運営する国民健康保険と後期高齢者医療保険では来夏までが基本で、会社員らが入る健康保険組合や全国健康保険協会は最長の1年間になります。
従来の健康保険証の期限切れ前に、マイナ保険証を持っていない人や、マイナンバーカードを保険証として利用登録していない人には、申請しなくても健保組合などから「資格確認書」が交付されます。病院で提示すれば、従来の健康保険証と同じように保険診療を受けられます。
マイナ保険証を使った場合、本人が同意すれば、医師は病院の受診歴や処方薬の履歴を確認できます。従来は新規加入や転居・転職時に新たに健康保険証を発行してもらう必要がありましたが、マイナ保険証は継続して利用できるメリットもあります。
ただ、他人の情報がひも付けられたトラブルなどの影響で、マイナ保険証の利用率は10月時点で15%にとどまっています。高齢者を中心に不安を抱く人が多く、政府は国民の不安払拭(ふっしょく)に向け、利便性の理解につながる情報提供に力を入れる方針です。
2024年12月2日(月)