■蛍光灯、2028年1月までに製造禁止 水銀規制改正を閣議決定 [健康ダイジェスト]
政府は24日、蛍光灯の製造や輸出入を2028年1月までに禁止する水銀規制の政令改正を閣議決定しました。蛍光灯には微量の水銀が含まれており、水俣病の原因となった水銀を包括的に規制する「水銀に関する水俣条約」の締約国会議で2023年までに合意した内容を踏まえた措置をとります。
政令は2026年1月から順次施行します。環境省によると、2026年1月から電球型の蛍光灯、2027年1月からコンパクト型の蛍光灯、2028年1月から家庭などで多く普及する棒状の直管型や円状型の蛍光灯を禁止対象に加えていきます。水銀が含まれるボタン型電池も2026年1月から禁止対象となります。いずれも在庫品の流通・販売、購入、使用については禁止の対象となりません。
武藤容治経済産業相は24日の閣議後の記者会見で、「省エネ効果の高い発光ダイオード(LED)照明への計画的な変更をお願いしたい」と述べました。
水俣条約は2013年10月に熊本市・水俣市で開催された会議で採択されました。国連によると現在は151カ国・地域が加盟しています。2023年にスイスで開かれた第5回締約国会議の会議で直管型の蛍光灯も製造禁止することで合意し、すべての一般照明用蛍光灯の製造を終えることが決まりました。
2024年12月24日(火)
政令は2026年1月から順次施行します。環境省によると、2026年1月から電球型の蛍光灯、2027年1月からコンパクト型の蛍光灯、2028年1月から家庭などで多く普及する棒状の直管型や円状型の蛍光灯を禁止対象に加えていきます。水銀が含まれるボタン型電池も2026年1月から禁止対象となります。いずれも在庫品の流通・販売、購入、使用については禁止の対象となりません。
武藤容治経済産業相は24日の閣議後の記者会見で、「省エネ効果の高い発光ダイオード(LED)照明への計画的な変更をお願いしたい」と述べました。
水俣条約は2013年10月に熊本市・水俣市で開催された会議で採択されました。国連によると現在は151カ国・地域が加盟しています。2023年にスイスで開かれた第5回締約国会議の会議で直管型の蛍光灯も製造禁止することで合意し、すべての一般照明用蛍光灯の製造を終えることが決まりました。
2024年12月24日(火)
■睡眠や運動を改善するとメンタルヘルス関連の欠勤や離職が減少 日本企業の従業員分析 [健康ダイジェスト]
日本企業の従業員の生活習慣とメンタルヘルス(心の健康)関連の欠勤や離職との関連を調べたところ、睡眠と運動、喫煙習慣が欠勤率や離職率と関連していることがわかったと、順天堂大や健康長寿産業連合会のチームが専門誌に発表しました。
チームは、経済産業省が毎年実施している「健康経営度調査」のデータを利用し、喫煙、運動、飲酒、睡眠などの生活習慣と、メンタルヘルスに関連する欠勤率や離職率との関係を分析しました。今回の分析対象は2020年度の調査で回答した国内約1700社の従業員約420万人のデータで、メンタルヘルスに関連する病気で連続1カ月以上長期欠勤または休職した人の割合(欠勤率)は1・1%、離職した人の割合(離職率)は5・0%でした。
分析の結果、睡眠により休養が取れている人の割合が1%増加すると、欠勤率が0・005%、離職率は0・02%、それぞれ減少しました。定期的な運動習慣のある人の割合が1%増えると、欠勤率のみ0・005%減りました。
喫煙者の割合が1%増えると、欠勤率が0・013%減りました。チームによると喫煙がストレスを軽減するという研究報告はあるものの、喫煙がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすとの報告もあり、喫煙と欠勤率の関連についての評価は難しいといいます。
研究をまとめた順天堂大医学部総合診療科学の矢野裕一朗教授は、「企業は、睡眠改善セミナーや運動促進プログラムなど、従業員の健康的なライフスタイルを支援する制度を積極的に導入することで、メンタルヘルス関連の欠勤や離職を減少させる効果が期待できる」と指摘しています。
2024年12月24日(火)
チームは、経済産業省が毎年実施している「健康経営度調査」のデータを利用し、喫煙、運動、飲酒、睡眠などの生活習慣と、メンタルヘルスに関連する欠勤率や離職率との関係を分析しました。今回の分析対象は2020年度の調査で回答した国内約1700社の従業員約420万人のデータで、メンタルヘルスに関連する病気で連続1カ月以上長期欠勤または休職した人の割合(欠勤率)は1・1%、離職した人の割合(離職率)は5・0%でした。
分析の結果、睡眠により休養が取れている人の割合が1%増加すると、欠勤率が0・005%、離職率は0・02%、それぞれ減少しました。定期的な運動習慣のある人の割合が1%増えると、欠勤率のみ0・005%減りました。
喫煙者の割合が1%増えると、欠勤率が0・013%減りました。チームによると喫煙がストレスを軽減するという研究報告はあるものの、喫煙がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすとの報告もあり、喫煙と欠勤率の関連についての評価は難しいといいます。
研究をまとめた順天堂大医学部総合診療科学の矢野裕一朗教授は、「企業は、睡眠改善セミナーや運動促進プログラムなど、従業員の健康的なライフスタイルを支援する制度を積極的に導入することで、メンタルヘルス関連の欠勤や離職を減少させる効果が期待できる」と指摘しています。
2024年12月24日(火)
■AEDの使用は救命に効果、時間が鍵 市民の使用20年で実績 [健康ダイジェスト]
学校やオフィス、商業施設などあらゆるところで目にするようになった自動体外式除細動器(AED)は、一般市民の使用が認められて今年で20年を迎えました。この間のデータを分析した結果、心停止した多くの患者の救命につながった半面、使用率の低迷が依然として課題です。関係者は「救命には時間が鍵。近くにいる人が頼りだ。やり方を学んでためらわずに使って」と訴えています。
AEDは、心臓が小刻みに震えて血液を送り出せない状態(心室細動)になった患者の心臓に電気ショックを与えて心臓の拍動を再開させる装置。ショックが必要かどうかは、胸に貼ったパッドから装置自体が感知し、使用者にボタンを押すよう音声などで指示します。最近はボタンを押さなくてもショックを与えるタイプも登場しました。
この処置ができるのは医師に限られていましたが、国は2004年7月、一般市民が用いても違法ではないとして使用に道を開き、普及を促しました。
日本AED財団(東京都千代田区)などによると、当初は1台が90万円近くと高価で、救命実績も乏しかったために普及が遅れました。救命例は2004年にはなく、2005年も12人にとどまりました。
だが、徐々に価格が低下して認知度も向上。公共施設などを手始めに設置が拡大した結果、現場で市民によりAEDの電気ショックを受けた患者の1カ月後生存者数は、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年に年間で703例に達し、2020、2021年は減ったものの2022年末までに累計で7656例となりました
効果は人数だけではありません。総務省消防庁によると、2022年に一般市民が目撃した心肺停止の人の中で、胸骨圧迫やAEDなどの心肺蘇生を施された人の1カ月後の生存率は13%でしたが、心肺蘇生がないと7%。1カ月後の社会復帰率も蘇生ありで9%に対し、なしでは3%と大差がつきました。
同財団常務理事の武田聡東京慈恵会医大教授(救急医学)は、「いったん心停止すると蘇生率が1分ごとに7〜10%下がる。居合わせた人が直ちに始めなければ多くは間に合わない」と力説します。
心肺蘇生の方法も変わりました。目の前で倒れた心停止の場合、以前は求められていた口から息を吹き込む人工呼吸はせず、胸を押し続けただけで病状が回復することが研究で示されました。マウスツーマウスが不要になって実施のハードルは下がったとみられます。速やかに救急車を呼んで胸骨圧迫を開始。AEDを持ってきて装着し、AEDの指示に従うのが基本です。
ただ、ためらう人はまだ多く、総務省消防庁によると、2022年に目撃者のあった心停止事例約2万9000人のうち、AEDで電気ショックを受けたのは1229人。母数にはショック不要と判定された人も含まれるとはいえ、4%台に低迷しました。
武田さんは「勇気だけではなく、事前の知識が必要だ。学校では全員が講習を受けており、できる人が増える」と期待を寄せ、「胸骨圧迫は居合わせた誰かができればいい。できない人は救急車を呼んだり、AEDを持ってきたりしてほしい」としています
AEDは2022年末までに、約150万台が販売されました。リース契約での設置も増え、設置は全国で70万台近いと推計されます。所在がわかるように、同財団では現時点で6万台余りを登録した救命サポーターアプリ「team ASUKA」を無料で公開中。アプリ名は駅伝練習中に心臓突然死をした小学生の名前に由来します。蘇生の基本や胸の押し方が学べるほか、最寄りのAEDを地図で表示し、利用者が新しいAEDの所在情報を投稿することもできます。
2024年12月24日(火)
AEDは、心臓が小刻みに震えて血液を送り出せない状態(心室細動)になった患者の心臓に電気ショックを与えて心臓の拍動を再開させる装置。ショックが必要かどうかは、胸に貼ったパッドから装置自体が感知し、使用者にボタンを押すよう音声などで指示します。最近はボタンを押さなくてもショックを与えるタイプも登場しました。
この処置ができるのは医師に限られていましたが、国は2004年7月、一般市民が用いても違法ではないとして使用に道を開き、普及を促しました。
日本AED財団(東京都千代田区)などによると、当初は1台が90万円近くと高価で、救命実績も乏しかったために普及が遅れました。救命例は2004年にはなく、2005年も12人にとどまりました。
だが、徐々に価格が低下して認知度も向上。公共施設などを手始めに設置が拡大した結果、現場で市民によりAEDの電気ショックを受けた患者の1カ月後生存者数は、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年に年間で703例に達し、2020、2021年は減ったものの2022年末までに累計で7656例となりました
効果は人数だけではありません。総務省消防庁によると、2022年に一般市民が目撃した心肺停止の人の中で、胸骨圧迫やAEDなどの心肺蘇生を施された人の1カ月後の生存率は13%でしたが、心肺蘇生がないと7%。1カ月後の社会復帰率も蘇生ありで9%に対し、なしでは3%と大差がつきました。
同財団常務理事の武田聡東京慈恵会医大教授(救急医学)は、「いったん心停止すると蘇生率が1分ごとに7〜10%下がる。居合わせた人が直ちに始めなければ多くは間に合わない」と力説します。
心肺蘇生の方法も変わりました。目の前で倒れた心停止の場合、以前は求められていた口から息を吹き込む人工呼吸はせず、胸を押し続けただけで病状が回復することが研究で示されました。マウスツーマウスが不要になって実施のハードルは下がったとみられます。速やかに救急車を呼んで胸骨圧迫を開始。AEDを持ってきて装着し、AEDの指示に従うのが基本です。
ただ、ためらう人はまだ多く、総務省消防庁によると、2022年に目撃者のあった心停止事例約2万9000人のうち、AEDで電気ショックを受けたのは1229人。母数にはショック不要と判定された人も含まれるとはいえ、4%台に低迷しました。
武田さんは「勇気だけではなく、事前の知識が必要だ。学校では全員が講習を受けており、できる人が増える」と期待を寄せ、「胸骨圧迫は居合わせた誰かができればいい。できない人は救急車を呼んだり、AEDを持ってきたりしてほしい」としています
AEDは2022年末までに、約150万台が販売されました。リース契約での設置も増え、設置は全国で70万台近いと推計されます。所在がわかるように、同財団では現時点で6万台余りを登録した救命サポーターアプリ「team ASUKA」を無料で公開中。アプリ名は駅伝練習中に心臓突然死をした小学生の名前に由来します。蘇生の基本や胸の押し方が学べるほか、最寄りのAEDを地図で表示し、利用者が新しいAEDの所在情報を投稿することもできます。
2024年12月24日(火)
■温室効果ガス目標、2035年度に60%減 2013年度比で改定案、上積み見送り [健康ダイジェスト]
日本の新たな温室効果ガスの排出削減目標を議論する環境省と経済産業省の合同会合が24日、開かれ、政府が示した「2035年度に2013年度比60%減、2040年度に同73%減」を盛り込んだ地球温暖化対策計画の改定案を大筋で取りまとめました。これまでの会合で委員から不十分との指摘が出ていたものの、政府は上積みを見送りました。閣僚らによる地球温暖化対策推進本部での了承とパブリックコメント(意見公募)を経て、2025年2月までに国連に提出します。
会合で政府は、目標を実現するために、2040年度の排出量を業務部門で74〜83%、運輸部門で64〜82%、家庭部門で71〜81%、産業部門で57〜61%、2013年度比でそれぞれ減らす案を示しました。計画の改定案には取るべき対策も盛り込みました。
会合での議論は6月に始まりました。産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えることを目指す国際枠組み「パリ協定」の目標実現には2035年度に2013年度比で66%減が必要との試算があります。そのため一部の有識者委員から政府の案は「低すぎる」との意見が以前から出ていました。
2024年12月24日(火)
会合で政府は、目標を実現するために、2040年度の排出量を業務部門で74〜83%、運輸部門で64〜82%、家庭部門で71〜81%、産業部門で57〜61%、2013年度比でそれぞれ減らす案を示しました。計画の改定案には取るべき対策も盛り込みました。
会合での議論は6月に始まりました。産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えることを目指す国際枠組み「パリ協定」の目標実現には2035年度に2013年度比で66%減が必要との試算があります。そのため一部の有識者委員から政府の案は「低すぎる」との意見が以前から出ていました。
2024年12月24日(火)
■専用水道のPFAS濃度、10都府県42カ所で目標値超過 [健康ダイジェスト]
発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が全国で検出されている問題で、環境省と国土交通省は24日、社宅や病院など特定の居住者へ給水する「専用水道」の調査結果を公表しました。2020年度から2024年度の調査で、回答を得た1929件のうち、10都府県の42件で国の暫定目標値を超える値が検出されました。東京都と岐阜県の自衛隊施設で目標値を上回る高い数値が出ました。
具体的な数値が示されたのは一部の国施設だけで、民間施設の詳細や具体的な値は示されませんでした。また調査期間後の水質検査では、航空自衛隊芦屋基地(福岡県)で目標値の30倍となる1リットル当たり1500ナノグラム(ナノは10億分の1)が検出されていました。
PFASはフライパンのコーティングや食品包装、泡消火剤などに使われてきました。
2024年12月24日(火)
具体的な数値が示されたのは一部の国施設だけで、民間施設の詳細や具体的な値は示されませんでした。また調査期間後の水質検査では、航空自衛隊芦屋基地(福岡県)で目標値の30倍となる1リットル当たり1500ナノグラム(ナノは10億分の1)が検出されていました。
PFASはフライパンのコーティングや食品包装、泡消火剤などに使われてきました。
2024年12月24日(火)
■「がん予防」うたう再生医療で敗血症、厚労省がクリニック運営法人などに改善命令 [健康ダイジェスト]
医療法人輝鳳(きほう)会(東京都豊島区)が運営する医療機関で自由診療の再生医療を受けた2人が敗血症となった事案で、厚生労働省は24日、再生医療安全性確保法に基づき、輝鳳会と都内の医療機関代表2人に対し、再発防止策の策定などを求める改善命令を出しました。調査では複数の法令違反や、不適切な衛生管理体制が確認されたといいます。
発表などによると、輝鳳会の医療機関「THE K CLINIC」(同中央区)で今年9月30日、がんの予防をうたった再生医療で細胞の投与を受けた2人が帰宅中に緊急搬送され、集中治療室(ICU)に入院。敗血症と診断され、その後回復しました。
この医療機関では、希望者の血液から培養した免疫細胞を自分の体に戻す再生医療を提供しており、2人は同法人「池袋クリニック」(同豊島区)で別々に血液を採取されていました。血液は同法人の培養センター(同所)で、細胞の培養と処理が行われたといいます。
厚労省は10月25日付で、培養センターでの細胞の加工などを一時停止する緊急命令を発出し、同29日から同センターなどに立ち入り調査しました。その結果、2人の細胞加工物の残液から細菌が確認され、同省はいずれかの工程で混入した可能性が高いと結論付けました。
培養センターでは、点検整備の記録の作成が行われないなど複数の法令違反があり、無菌試験の一部を目視で行うなど不適切な体制もあったといいます。このため同省は改善命令で、衛生管理体制の再検討や、改善計画の提出などを求めました。
藤田医科大の八代嘉美教授(幹細胞生物学)は、 「がんの『予防』をうたう再生医療は一般的に科学的根拠に乏しい。再生医療の提供には高度な衛生管理が求められ、混入防止の教育体制や緊急時の安全確保策など、国や学会が連携して対策を考える必要がある」と話しています。
2024年12月24日(火)
発表などによると、輝鳳会の医療機関「THE K CLINIC」(同中央区)で今年9月30日、がんの予防をうたった再生医療で細胞の投与を受けた2人が帰宅中に緊急搬送され、集中治療室(ICU)に入院。敗血症と診断され、その後回復しました。
この医療機関では、希望者の血液から培養した免疫細胞を自分の体に戻す再生医療を提供しており、2人は同法人「池袋クリニック」(同豊島区)で別々に血液を採取されていました。血液は同法人の培養センター(同所)で、細胞の培養と処理が行われたといいます。
厚労省は10月25日付で、培養センターでの細胞の加工などを一時停止する緊急命令を発出し、同29日から同センターなどに立ち入り調査しました。その結果、2人の細胞加工物の残液から細菌が確認され、同省はいずれかの工程で混入した可能性が高いと結論付けました。
培養センターでは、点検整備の記録の作成が行われないなど複数の法令違反があり、無菌試験の一部を目視で行うなど不適切な体制もあったといいます。このため同省は改善命令で、衛生管理体制の再検討や、改善計画の提出などを求めました。
藤田医科大の八代嘉美教授(幹細胞生物学)は、 「がんの『予防』をうたう再生医療は一般的に科学的根拠に乏しい。再生医療の提供には高度な衛生管理が求められ、混入防止の教育体制や緊急時の安全確保策など、国や学会が連携して対策を考える必要がある」と話しています。
2024年12月24日(火)