■緑内障患者の約6割、運転中の視野異常を自覚せず 眼科などの調査で判明 [健康ダイジェスト]
目の視野に異常が出る病気「緑内障」と診断されても、約6割の患者が運転中の視野の異常を自覚していなかったことが、東京都内の眼科などの調査で判明しました。
症状が進み視野が大幅に狭くなっていても異常に気付かない人もいて、調査した医師は「そのまま運転を続けると事故を起こすリスクが高まる。車を運転する人は眼科で検査を受けて目の状態を確認してほしい」と呼び掛けています。
緑内障は目の神経が傷んで視野が狭くなったり、欠けたりする病気で、症状が進行しても自分では異常を自覚しにくいとされています。
東京都江戸川区の「西葛西・井上眼科病院」や新潟大学などのグループは、視野の異常を自覚せず車の運転を続ける緑内障の患者がどの程度いるのか、専門の外来を受診した227人の問診の記録を分析して調べました。
その結果、64%に当たる145人が運転中に信号や標識が見えづらいなどの自覚症状が「ない」と答えていたことがわかりました。
このうち、視野が大幅に狭くなっている後期の患者では108人中63人、58%の人が「自覚症状がない」と答えていたということです。
調査を行った國松志保医師は視野の異常を自覚しないまま、運転を続けると、事故のリスクが高まるとした上で「緑内障と診断される前の患者を含めると視野の異常を自覚せずに運転している人はさらに多いと考えられる。車を運転する人は眼科を積極的に受診し、視野に異常がないか確認してほしい」と話しています。
緑内障の患者は、40歳以上の日本人では20人に1人いると推計され、目の内部の圧力の「眼圧」が高いと、緑内障の発症のリスクが高まるとされています。
緑内障になると、徐々に視野の異常が進み、放置すると失明に至るとされていますが、國松医師によりますと、異常がある部分は黒く欠けて見えるわけではなく、20年から30年かけて周りの景色に溶け込むように見えなくなっていくということです。
緑内障の場合、視野が大幅に狭まる後期の段階でも物を細かく見分ける「視力」に関わる中心部は、見えるケースが多いため、異常に気付きにくいということで、日本緑内障学会の調査では、患者の9割が症状に気付いていないとみられているということです。
視野に異常があるかどうかは、一般的な「視力検査」ではわからず、眼科で目の状態を調べる「眼底検査」をしたり、視野の検査をしたりする必要があります。
國松医師は「緑内障の後期の患者でも視力検査では両目で1・0を超える場合がある。『視力』の数値がよければ運転免許の更新や取得も可能だが、視力がよくても視野に異常がある状態で漫然と運転すると事故につながる恐れは大いにある。『視力がいいから大丈夫』と思っていても視野に異常がある場合があるので、注意をしてほしい」と話しています。
調査を行った東京都江戸川区の「西葛西・井上眼科病院」は緑内障などで視野に異常があると診断された患者が、安全に運転ができるかどうか医師などが診察し、助言する「運転外来」を設けています。
この外来では、車の運転席からの視界を映したドライビングシミュレーターで、信号機や一時停止などの標識、左右からの飛び出しに対応できるかどうかなどを調べています。
患者の運転は専用の機器で記録され、アクセルやブレーキといった操作だけでなく視線の動きも見返すことができ、運転中に視野のどこが見えていないのかを確認することができます。
運転外来を担当している國松医師は「運転外来を受診して初めて、『見え方が人と異なる』と気付く患者も多い。異常が早くわかれば治療によって病気の進行を抑えられ、運転中に注意すべき場面もわかり、事故を起こすことなく長く運転できるようになる。ドライバーの皆さんは、40歳をすぎていれば1度は眼科を受診し、眼底検査を受けるなどして自分の見え方を正確に知ってもらいたい」と話していました。
2025年1月27日(月)
症状が進み視野が大幅に狭くなっていても異常に気付かない人もいて、調査した医師は「そのまま運転を続けると事故を起こすリスクが高まる。車を運転する人は眼科で検査を受けて目の状態を確認してほしい」と呼び掛けています。
緑内障は目の神経が傷んで視野が狭くなったり、欠けたりする病気で、症状が進行しても自分では異常を自覚しにくいとされています。
東京都江戸川区の「西葛西・井上眼科病院」や新潟大学などのグループは、視野の異常を自覚せず車の運転を続ける緑内障の患者がどの程度いるのか、専門の外来を受診した227人の問診の記録を分析して調べました。
その結果、64%に当たる145人が運転中に信号や標識が見えづらいなどの自覚症状が「ない」と答えていたことがわかりました。
このうち、視野が大幅に狭くなっている後期の患者では108人中63人、58%の人が「自覚症状がない」と答えていたということです。
調査を行った國松志保医師は視野の異常を自覚しないまま、運転を続けると、事故のリスクが高まるとした上で「緑内障と診断される前の患者を含めると視野の異常を自覚せずに運転している人はさらに多いと考えられる。車を運転する人は眼科を積極的に受診し、視野に異常がないか確認してほしい」と話しています。
緑内障の患者は、40歳以上の日本人では20人に1人いると推計され、目の内部の圧力の「眼圧」が高いと、緑内障の発症のリスクが高まるとされています。
緑内障になると、徐々に視野の異常が進み、放置すると失明に至るとされていますが、國松医師によりますと、異常がある部分は黒く欠けて見えるわけではなく、20年から30年かけて周りの景色に溶け込むように見えなくなっていくということです。
緑内障の場合、視野が大幅に狭まる後期の段階でも物を細かく見分ける「視力」に関わる中心部は、見えるケースが多いため、異常に気付きにくいということで、日本緑内障学会の調査では、患者の9割が症状に気付いていないとみられているということです。
視野に異常があるかどうかは、一般的な「視力検査」ではわからず、眼科で目の状態を調べる「眼底検査」をしたり、視野の検査をしたりする必要があります。
國松医師は「緑内障の後期の患者でも視力検査では両目で1・0を超える場合がある。『視力』の数値がよければ運転免許の更新や取得も可能だが、視力がよくても視野に異常がある状態で漫然と運転すると事故につながる恐れは大いにある。『視力がいいから大丈夫』と思っていても視野に異常がある場合があるので、注意をしてほしい」と話しています。
調査を行った東京都江戸川区の「西葛西・井上眼科病院」は緑内障などで視野に異常があると診断された患者が、安全に運転ができるかどうか医師などが診察し、助言する「運転外来」を設けています。
この外来では、車の運転席からの視界を映したドライビングシミュレーターで、信号機や一時停止などの標識、左右からの飛び出しに対応できるかどうかなどを調べています。
患者の運転は専用の機器で記録され、アクセルやブレーキといった操作だけでなく視線の動きも見返すことができ、運転中に視野のどこが見えていないのかを確認することができます。
運転外来を担当している國松医師は「運転外来を受診して初めて、『見え方が人と異なる』と気付く患者も多い。異常が早くわかれば治療によって病気の進行を抑えられ、運転中に注意すべき場面もわかり、事故を起こすことなく長く運転できるようになる。ドライバーの皆さんは、40歳をすぎていれば1度は眼科を受診し、眼底検査を受けるなどして自分の見え方を正確に知ってもらいたい」と話していました。
2025年1月27日(月)
■エーザイ認知症薬「レカネマブ」、投与頻度半分に 患者の通院負担減 [健康ダイジェスト]
エーザイとアメリカのバイオジェンは27日、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ(製品名:レケンビ)」について、継続して治療した後は投与頻度を減らせる治療法の承認をアメリカ食品医薬品局(FDA)から取得したと発表しました。現在の2週間に1回の投与頻度を4週間に1回に移行できます。患者や家族の通院負担を減らせます。
アメリカで隔週投与の治療を1年半続けた後が対象になります。レカネマブは脳内にたまった原因物質の1つ「アミロイド」を取り除きます。2週間に1度、1年半投与することで症状の進行を27%抑えます。
だが治療を中止すると、症状の進行速度が薬を使わなかった場合と同等に戻ることが確認されています。継続して投与することで、治療効果が持続するとしています。
似た作用の薬で、日本とアメリカで承認されたアメリカのイーライリリーの「ドナネマブ(製品名:キスンラ)」は、アミロイドが十分除去できれば投薬を終えられると想定しており、2つの薬の長期的な費用対効果が注目されています。
2025年1月27日(月)
アメリカで隔週投与の治療を1年半続けた後が対象になります。レカネマブは脳内にたまった原因物質の1つ「アミロイド」を取り除きます。2週間に1度、1年半投与することで症状の進行を27%抑えます。
だが治療を中止すると、症状の進行速度が薬を使わなかった場合と同等に戻ることが確認されています。継続して投与することで、治療効果が持続するとしています。
似た作用の薬で、日本とアメリカで承認されたアメリカのイーライリリーの「ドナネマブ(製品名:キスンラ)」は、アミロイドが十分除去できれば投薬を終えられると想定しており、2つの薬の長期的な費用対効果が注目されています。
2025年1月27日(月)