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■「光遺伝学」で網膜色素変性症の視覚再生 慶応大など、国内初の治験 [健康ダイジェスト]

 慶応大と名古屋工業大などのチームは13日、神経細胞の働きを光で制御する「光遺伝学」という手法を使い、光を受け取る網膜の視細胞が徐々に機能を失い失明につながる目の難病「網膜色素変性症」で失われた視覚を再生する遺伝子治療薬の臨床試験(治験)を始め、1例目の患者への投与を終えたと発表しました。光遺伝学の臨床応用は国内初といいます。
 チームの栗原俊英慶応大准教授は、「治療法がない病気のため、患者から大きな期待を受けている。実用化に向け一歩一歩前進していきたい」と述べました。数年以内の実用化を目指すといいます。
 対象は、すでに視細胞の機能が失われた重症の6〜15人。治験では、光に反応する「ロドプシン」というタンパク質を作る遺伝子が入った薬を患者の目に注射し、網膜にある双極細胞と呼ばれる神経細胞に遺伝子を届け、視細胞の代わりに光の検知を担わせます。半年間経過を観察し、安全性や有効性を確認します。
 薬は慶大発スタートアップのレストアビジョン(東京都港区)が開発。2月6日に慶応大病院で1例目を実施しました。投与後に重い合併症はなく、すでに患者は退院したといいます。

 2025年2月14日(金)

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■自傷や自殺未遂、20歳代が最多 救急搬送の1987件中28・7%、運用団体報告書 [健康ダイジェスト]

 自殺未遂などの救急搬送症例を登録するシステム「自傷・自殺未遂レジストリ」が始まった2022年12月から2023年末までに集積された1987件のうち、年代別は20歳代が570件(28・7%)と最多だったことが15日、運用団体がまとめた2024年報告書でわかりました。救命救急センターからの退出時も「死にたい」という気持ちがあったケースが全体の2割に上りました。
 報告書によると、登録症例は男性733件、女性1254件。年代別では、20歳代以外では30歳代334件(16・8%)、50歳代269件(13・5%)の順に多くなりました。10〜20歳代は女性が男性の2倍以上で、60歳代以降は男女差がほぼありませんでした。
 時間帯は午後6〜11時台が目立ち、少ないのは午前3〜8時台。救命救急センター来院時に死にたい気持ちがあったのは694件、なかったのは356件で、ほかは不明でした。救命救急センター退出時に死にたい気持ちがあったのは400件でした。

 2025年2月16日(日)

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■2型糖尿病薬、肥満度が高い人ほど腎臓への効果高い 東大分析 [健康ダイジェスト]

 東京大学の金子英弘特任准教授らは、2型糖尿病の治療薬の一種「SGLT2阻害薬」は肥満度の高い人ほど腎臓の機能悪化を抑える効果が高いことを突き止めました。2型糖尿病の薬は多くの種類があり患者によって使い分けますが、研究成果は医師が治療薬を選ぶ際の参考になります。
 2型糖尿病は血糖を下げる物質のインスリンが出にくくなったり効きにくくなったりして血糖値が高くなる病気で、長く続くと腎臓病や心筋梗塞などにつながります。食事や運動習慣を見直し、血糖が十分下がらなければ治療薬を使います。約10種類の薬があり、患者の状態に合わせて最適な薬を選ぶための研究が進んでいます。
 SGLT2阻害薬は2014年に国内で初めて承認された薬で、尿中に糖を出やすくして血糖値を下げます。体重を減らす効果や腎臓や心臓の病気を防ぐ効果もあります。研究チームは国内の2型糖尿病患者でSGLT2阻害薬を使った約2200人と、同様によく投与される「DPPー4阻害薬」を使った約4300人を調べました。
 腎臓が老廃物をどのくらい尿に出せるかを示す推算糸球体濾過(ろか)量の変化量を比べると、SGLT2阻害薬を使った人のほうが減りにくく、腎臓の機能が保たれていました。肥満度を示す体格指数(BMI)の高い人ほど、SGLT2阻害薬のほうが高い効果がありました。
 腎臓の機能低下を抑えられれば、患者の負担の大きい透析の開始を遅らせることにつながります。東京大医学博士課程の神馬崇宏氏らとの共同研究で、ヨーロッパ心臓病学会の学術誌に論文が掲載されました。

 2025年2月16日(日)

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