■病気 薬疹 [病気(や行)]
注射や内服の形で入った薬剤が影響してできた発疹
薬疹(やくしん)とは、注射や内服、坐薬の形で体の中に入っ薬剤が、皮膚に何らかの好ましくない影響を与えてできた発疹。薬剤が皮膚に直接接触して起こる発疹は接触皮膚炎(かぶれ)で、薬疹とは区別して扱います。
注射や内服などの形で体内に入っ薬剤は、全身的に血液を介して皮膚に作用し、副作用として皮膚症状を起こします。原則的には、内服または注射直後、あるいは1〜2週間以内に薬疹が出た時は、アレルギー性の可能性が強くなります。数週間以上も治療を続けている間に、薬疹が出た時は、アレルギー以外の原因を考えるのが順当です。しかし、例外も多く、一概にはいえません。
その薬疹の症状は、さまざまです。肝臓障害や腎臓(じんぞう)障害、血液障害などを伴い、生命に危険を及ぼす場合もあります。
最も多いタイプは、はしか(麻疹)に似たもの。そのほか、じんましん、紫斑(しはん)、日光疹、湿疹、口内炎などの形で現れることもあります。全身の皮膚がむけて、びらんとなったり、口腔(こうくう)粘膜や眼結膜が同時に侵されるものは、重症です。
特異的なタイプとして、固定薬疹があります。原因薬剤を内服する度に、皮膚粘膜の同じ部位が赤くなり、鶏卵大までの水膨れになる薬疹で、治まると黒色の色素斑になります。これは、口の回りや手指、外陰部などにできやすいものです。
原因となる薬剤は、よく使われている抗生物質、鎮痛剤、解熱剤などが多いのですが、どんな薬剤でも薬疹を起こす可能性があります。
すべての薬剤は、人間にとっては異物です。薬剤として使用されている物質は、その異物の中から、人体にはなるべく無害で、疾患にのみ有効な物質を選び出して使われているのですが、効果の強い薬剤ほど副作用が強くなるのは当然のことです。
薬疹の検査と診断と治療
薬疹が現れたら、原因になったと思われる薬剤を中止し、医師の診察を受けます。
医師の側では、問診により、今までに同じ薬剤を飲んだ時に薬疹と考えられる症状があったかどうかを、聞き出します。薬疹ではあらゆる皮膚の病変がみられ、その症状から薬疹と確実に診断することは困難ですが、薬剤によっては、ある程度は一定の型の薬疹を生じることもあり、使用した薬剤の推定ができる場合もあります。
治療としては、疑わしい薬剤を早期に中止することが重要です。大多数の薬疹は、原因薬剤の摂取を中止すれば自然に治ります。治療を行うとしても、抗アレルギー剤の内服と、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤を塗る程度で十分です。中等度~高度の場合は、輸液に加えて副腎皮質ステロイド剤を早期に内服、ないし注射で用いることが必要です。
かなり重症型でも、薬剤の摂取を中止して副腎皮質ステロイド剤をうまく使えば、多くは治癒します。しかし現実には、疾患が元来あるから薬剤を使用しているわけで、その薬剤を中止すると疾患が悪化することがわかっている場合は、すべての薬剤を中止するわけにはいきません。また、全身の皮膚に水膨れができ、肝臓や腎臓にも障害を起こす場合には、元の疾患を無視しても、薬疹の治療に全力を注ぎます。
原因薬剤が明らかになった場合は、自分の体に合わない薬剤の名称を正確に覚えておくことが第一で、アレルギー証明書を身に着け、再投与が行われないように注意することは重要です。また、原因薬剤の代わりに他の薬剤が必要な状況が生じた場合は、構造が近い薬剤は同じようにアレルギーを起こす可能性があるので、できる限り構造の似ていない薬剤を使用することが原則です。
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薬疹(やくしん)とは、注射や内服、坐薬の形で体の中に入っ薬剤が、皮膚に何らかの好ましくない影響を与えてできた発疹。薬剤が皮膚に直接接触して起こる発疹は接触皮膚炎(かぶれ)で、薬疹とは区別して扱います。
注射や内服などの形で体内に入っ薬剤は、全身的に血液を介して皮膚に作用し、副作用として皮膚症状を起こします。原則的には、内服または注射直後、あるいは1〜2週間以内に薬疹が出た時は、アレルギー性の可能性が強くなります。数週間以上も治療を続けている間に、薬疹が出た時は、アレルギー以外の原因を考えるのが順当です。しかし、例外も多く、一概にはいえません。
その薬疹の症状は、さまざまです。肝臓障害や腎臓(じんぞう)障害、血液障害などを伴い、生命に危険を及ぼす場合もあります。
最も多いタイプは、はしか(麻疹)に似たもの。そのほか、じんましん、紫斑(しはん)、日光疹、湿疹、口内炎などの形で現れることもあります。全身の皮膚がむけて、びらんとなったり、口腔(こうくう)粘膜や眼結膜が同時に侵されるものは、重症です。
特異的なタイプとして、固定薬疹があります。原因薬剤を内服する度に、皮膚粘膜の同じ部位が赤くなり、鶏卵大までの水膨れになる薬疹で、治まると黒色の色素斑になります。これは、口の回りや手指、外陰部などにできやすいものです。
原因となる薬剤は、よく使われている抗生物質、鎮痛剤、解熱剤などが多いのですが、どんな薬剤でも薬疹を起こす可能性があります。
すべての薬剤は、人間にとっては異物です。薬剤として使用されている物質は、その異物の中から、人体にはなるべく無害で、疾患にのみ有効な物質を選び出して使われているのですが、効果の強い薬剤ほど副作用が強くなるのは当然のことです。
薬疹の検査と診断と治療
薬疹が現れたら、原因になったと思われる薬剤を中止し、医師の診察を受けます。
医師の側では、問診により、今までに同じ薬剤を飲んだ時に薬疹と考えられる症状があったかどうかを、聞き出します。薬疹ではあらゆる皮膚の病変がみられ、その症状から薬疹と確実に診断することは困難ですが、薬剤によっては、ある程度は一定の型の薬疹を生じることもあり、使用した薬剤の推定ができる場合もあります。
治療としては、疑わしい薬剤を早期に中止することが重要です。大多数の薬疹は、原因薬剤の摂取を中止すれば自然に治ります。治療を行うとしても、抗アレルギー剤の内服と、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤を塗る程度で十分です。中等度~高度の場合は、輸液に加えて副腎皮質ステロイド剤を早期に内服、ないし注射で用いることが必要です。
かなり重症型でも、薬剤の摂取を中止して副腎皮質ステロイド剤をうまく使えば、多くは治癒します。しかし現実には、疾患が元来あるから薬剤を使用しているわけで、その薬剤を中止すると疾患が悪化することがわかっている場合は、すべての薬剤を中止するわけにはいきません。また、全身の皮膚に水膨れができ、肝臓や腎臓にも障害を起こす場合には、元の疾患を無視しても、薬疹の治療に全力を注ぎます。
原因薬剤が明らかになった場合は、自分の体に合わない薬剤の名称を正確に覚えておくことが第一で、アレルギー証明書を身に着け、再投与が行われないように注意することは重要です。また、原因薬剤の代わりに他の薬剤が必要な状況が生じた場合は、構造が近い薬剤は同じようにアレルギーを起こす可能性があるので、できる限り構造の似ていない薬剤を使用することが原則です。
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■病気 痒疹 [病気(や行)]
赤い発疹が体に散在し、非常にかゆい皮膚病
痒疹(ようしん)とは、非常にかゆい赤い発疹が、体のいろいろなところに、離ればなれにできる皮膚病。
体のいろいろなところに、一つひとつの硬いはっきりしたボツボツができますが、お互いにくっつくことなく、いつまでも独立したままです。かくと病状が悪化し、強いかゆみのために眠れなくなることもあります。移る疾患ではありません。
原因は人によって異なり、虫刺されで起こるもの、アトピー性皮膚炎に伴うもの、内臓の疾患などと関係のあるもの、妊娠に伴うもの、原因不明のものなどがあります。
虫刺されの場合は、刺された跡をかいている間に、いわゆるストロフルスと呼ばれる水っぽい丘疹となり、さらにかいている間に、硬い結節になる型と、虫刺されが一度治ってから、数カ月から半年後に再びかゆくなってくる型があります。前者を急性痒疹、後者を慢性痒疹、結節性痒疹、固定じんましんとも呼びます。急性痒疹は、主として5歳以下の乳幼児に起こります。
アトピー性皮膚炎に伴うものは、小児や成人に多く、湿疹病変を長期間かいている間に、胴体や四肢に大豆大までの暗赤褐色の、硬い、いぼ状の小結節が多発します。これをベニエ痒疹とも呼びます。
内臓の疾患などと関係のあるものには、中年以後の人の腰や下腹部を中心に、小さい丘疹状の痒疹が多発するものがあります。胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患などに伴って現れると見なされています。
妊娠に伴うものは、妊娠3〜4カ月以降に主として四肢に激しい発作性のかゆみが生じ、かゆみを伴う丘疹が四肢、腹部、背部に多発します。初回妊娠で発症することもありますが、ほとんど2回目以降の妊娠で発症するという特徴があります。一般に、出産の度に再発を繰り返すことが多く、出産後は軽快するのも特徴です。これを妊娠性痒疹とも呼びます。
痒疹の検査と診断と治療
診断は、特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査で、診断は確定します。胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患に伴って現れることもあるため、血液検査を行うこともあります。
中年以後の人では、内臓の疾患などとの関係を見付けることが治療につながる重要な点です。原因を発見できない時には慢性となり、長年に渡って続くことがあります。
治療としては、発疹にはステロイド外用剤が使われます。かゆみが強い場合は、抗アレルギー剤の内服が行われます。治りにくい場合は、発疹部にステロイド含有テープを張ったり、ステロイド注射液を直接注射することもあります。紫外線療法や液体窒素を使った冷凍療法、シクロスポリンの内服が効果的な場合もあります。なお、妊娠性の場合は胎児への影響も考え、内服は控えることが多くなります。
胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患などに伴ってみられる場合は、こうした疾患を治療することも必要です。
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痒疹(ようしん)とは、非常にかゆい赤い発疹が、体のいろいろなところに、離ればなれにできる皮膚病。
体のいろいろなところに、一つひとつの硬いはっきりしたボツボツができますが、お互いにくっつくことなく、いつまでも独立したままです。かくと病状が悪化し、強いかゆみのために眠れなくなることもあります。移る疾患ではありません。
原因は人によって異なり、虫刺されで起こるもの、アトピー性皮膚炎に伴うもの、内臓の疾患などと関係のあるもの、妊娠に伴うもの、原因不明のものなどがあります。
虫刺されの場合は、刺された跡をかいている間に、いわゆるストロフルスと呼ばれる水っぽい丘疹となり、さらにかいている間に、硬い結節になる型と、虫刺されが一度治ってから、数カ月から半年後に再びかゆくなってくる型があります。前者を急性痒疹、後者を慢性痒疹、結節性痒疹、固定じんましんとも呼びます。急性痒疹は、主として5歳以下の乳幼児に起こります。
アトピー性皮膚炎に伴うものは、小児や成人に多く、湿疹病変を長期間かいている間に、胴体や四肢に大豆大までの暗赤褐色の、硬い、いぼ状の小結節が多発します。これをベニエ痒疹とも呼びます。
内臓の疾患などと関係のあるものには、中年以後の人の腰や下腹部を中心に、小さい丘疹状の痒疹が多発するものがあります。胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患などに伴って現れると見なされています。
妊娠に伴うものは、妊娠3〜4カ月以降に主として四肢に激しい発作性のかゆみが生じ、かゆみを伴う丘疹が四肢、腹部、背部に多発します。初回妊娠で発症することもありますが、ほとんど2回目以降の妊娠で発症するという特徴があります。一般に、出産の度に再発を繰り返すことが多く、出産後は軽快するのも特徴です。これを妊娠性痒疹とも呼びます。
痒疹の検査と診断と治療
診断は、特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査で、診断は確定します。胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患に伴って現れることもあるため、血液検査を行うこともあります。
中年以後の人では、内臓の疾患などとの関係を見付けることが治療につながる重要な点です。原因を発見できない時には慢性となり、長年に渡って続くことがあります。
治療としては、発疹にはステロイド外用剤が使われます。かゆみが強い場合は、抗アレルギー剤の内服が行われます。治りにくい場合は、発疹部にステロイド含有テープを張ったり、ステロイド注射液を直接注射することもあります。紫外線療法や液体窒素を使った冷凍療法、シクロスポリンの内服が効果的な場合もあります。なお、妊娠性の場合は胎児への影響も考え、内服は控えることが多くなります。
胃腸障害、肝臓病、糖尿病、血液疾患などに伴ってみられる場合は、こうした疾患を治療することも必要です。
ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
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タグ:痒疹 皮膚の病気 病気(や行) 病気 健康創造塾 酒さ様皮膚炎(口囲皮膚炎) 爪甲横溝 掌蹠膿疱症 せつ、よう 爪甲剥離症 蜂窩織炎、丹毒 爪甲軟化症 白皮症 白板症 乾皮症 陥入爪 あせも(汗疹) とびひ(伝染性膿痂疹) ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSS症候群) 虫刺され(虫刺症) シラミ症 ミルメシア マラセチア毛包炎 乾性脂漏 頭部粃糠疹 進行性指掌角皮症 紅色陰癬 エリトラスマ 色素性母斑 リール黒皮症 ボーエン病 ページェット病 癜風(黒なまず) 虫刺症(虫刺され) 伝染性膿痂疹(とびひ) 老人性角化腫(日光角化症) 赤あざ(血管腫) 足白癬(水虫) 頭部白癬(しらくも) 白子症(白皮症) 手湿疹(主婦湿疹) 尋常性白斑 熱傷(やけど) 毛嚢炎 尋常性乾癬
■病気 夜間高血圧 [病気(や行)]
夜間高血圧とは、夜の間から早朝にかけて、寝ている間も血圧が高い状態が続く病態ことです。血圧が上がりっぱなしで、下がらないことから、「ノン・ディッパー(血圧が沈まない人)」という呼び方もされます。
原因の一つに、動脈硬化が疑われます。健康な状態であれば、夜の就寝時は交感神経から副交感神経へ切り替わり、血管が自然に拡張します。血圧は昼よりも、10~20パーセント下がります。しかし、動脈硬化が進行していると、自律神経が切り替わった程度では血管が広がらず、血圧が高いままの状態になるのです。
1日の約3分の1を占める夜間、ゆっくり体を休ませるべき時間帯において、本来なら下降すべき血圧が十分下降しないか、上昇し、血管も心臓も酷使されるわけですから、動脈硬化や心肥大が進行しやすくなります。
その危険度は、正常な血圧の人の4倍以上だということがわかっています。また、昼間の行動力や思考力が低下するという研究結果もありました。
つまり、夜間高血圧は、死のリスクを高め、生活の質を著しく下げるのです。ほかの生活習慣病との合併も多く、腎臓病や糖尿病の人がなりやすいといわれています。
この「夜間持続型」タイプには、長時間持続タイプの降圧薬が医師から処方されます。
原因の一つに、動脈硬化が疑われます。健康な状態であれば、夜の就寝時は交感神経から副交感神経へ切り替わり、血管が自然に拡張します。血圧は昼よりも、10~20パーセント下がります。しかし、動脈硬化が進行していると、自律神経が切り替わった程度では血管が広がらず、血圧が高いままの状態になるのです。
1日の約3分の1を占める夜間、ゆっくり体を休ませるべき時間帯において、本来なら下降すべき血圧が十分下降しないか、上昇し、血管も心臓も酷使されるわけですから、動脈硬化や心肥大が進行しやすくなります。
その危険度は、正常な血圧の人の4倍以上だということがわかっています。また、昼間の行動力や思考力が低下するという研究結果もありました。
つまり、夜間高血圧は、死のリスクを高め、生活の質を著しく下げるのです。ほかの生活習慣病との合併も多く、腎臓病や糖尿病の人がなりやすいといわれています。
この「夜間持続型」タイプには、長時間持続タイプの降圧薬が医師から処方されます。
■病気 夜間頻尿 [病気(や行)]
頻尿のうち、就寝後に排尿回数の増加がある状態を、夜間頻尿といいます。
頻尿とは、尿をした後、一定の時間の経過を待たずに、すぐまた尿意を感じ、排尿回数が増加した状態のことです。この頻尿では、膀胱(ぼうこう)が敏感になり、尿が少したまると不快感を覚えて尿をしたくなる場合と、病気などの原因で膀胱そのものの容量が普通より小さくなり、すぐに尿をしたくなる場合とがあります。
夜間頻尿では、睡眠が妨げられるのでQOL(生活の質)の低下を招き、高齢者の場合では夜起きた時に転倒して、骨折の原因にもなります。
六十歳以上の男性に起こる老人病として代表的な前立腺肥大症では、この夜間頻尿が最初の症状として現れます。尿がそれほどたまっていないのに、何回も目覚めます。排尿しても、50~150ミリリットルほど残るために、相対的に膀胱容量が小さくなったのと同じになって、頻尿が起こってくるのです。
同様の夜間頻尿は、前立腺がん、慢性腎(じん)不全、膀胱頸部(けいぶ)硬化症でもみられます。
頻尿とは、尿をした後、一定の時間の経過を待たずに、すぐまた尿意を感じ、排尿回数が増加した状態のことです。この頻尿では、膀胱(ぼうこう)が敏感になり、尿が少したまると不快感を覚えて尿をしたくなる場合と、病気などの原因で膀胱そのものの容量が普通より小さくなり、すぐに尿をしたくなる場合とがあります。
夜間頻尿では、睡眠が妨げられるのでQOL(生活の質)の低下を招き、高齢者の場合では夜起きた時に転倒して、骨折の原因にもなります。
六十歳以上の男性に起こる老人病として代表的な前立腺肥大症では、この夜間頻尿が最初の症状として現れます。尿がそれほどたまっていないのに、何回も目覚めます。排尿しても、50~150ミリリットルほど残るために、相対的に膀胱容量が小さくなったのと同じになって、頻尿が起こってくるのです。
同様の夜間頻尿は、前立腺がん、慢性腎(じん)不全、膀胱頸部(けいぶ)硬化症でもみられます。