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■病気 副鼻腔がん [病気(は行)]

[蟹座]ほとんどが最も大きい副鼻腔の上顎洞から発生
 副鼻腔(びくう)がんとは、鼻の周囲にあって骨で囲まれた空洞である副鼻腔より、発生するがん。
 副鼻腔の空洞は、ほおの奥の上顎洞(じょうがくどう)、鼻の両わきの篩骨洞(しこつどう)、まゆ毛の部分の前頭洞、篩骨洞の奥のほうの蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4種類があります。がんのほとんどは、最も大きい空洞である上顎洞の粘膜から発生しますので、上顎洞がんと呼ばれることもあります。次いで多いのは、篩骨洞に発生するがんです。
 耳鼻咽喉(いんこう)科関係のがんとしては、咽頭がんに次いで多くみられるものです。女性に比べて男性にやや多く発生するものの、その差はそれほど大きくはありません。年齢的には、40〜60歳代に多くみられます。
 原因は、明らかではありません。ある種の木材や金属の微細な粉を日常的に吸いこんでいる人に多くみられる傾向は、認められています。慢性副鼻腔炎が副鼻腔がんの原因になるとは、考えられていません。
 副鼻腔は空洞になっているために、がんが増殖できる空間があり、まだ周囲が圧迫されていない初期においては、ほとんどの人ははっきりした症状がありません。これより進んで、周囲の組織や骨を破壊するようになると、 がんらしい症状が出てきます。
 例えば、上顎洞がんが下のほうに発生して空洞のほうへ広がると歯肉がはれてきたり、歯がぐらぐらしてきたり、痛んだりします。歯科医に抜歯してもらった傷跡がいつまでも治らないなどということから、発見されることもあります。
 上顎洞の鼻腔に近い所から発生すると、鼻腔の中にがんが出てきて、片側の鼻詰まりが生じたり、鼻汁に血が混じったりします。上方に進めば、目の症状が現れ、ものが二重に見えたり、片方の目から涙があふれたり、眼球が前方へ突き出たり、側方に押されたりします。
 最もよくみられる症状に、ほおがはれてくることがあります。この場合は上顎洞の前のほうにがんが広がってきています。上顎洞の後ろのほうから発生すると、口が開きにくくなったり、ほおや目の奥が痛んだり、逆に感覚が鈍くなったりと、三叉(さんさ)神経痛のような症状になります。
[蟹座]副鼻腔がんの検査と診断と治療
 副鼻腔がんが疑われる症状があれば、耳鼻咽喉(いんこう)科を受診します。
 医師は、鼻腔や口腔を観察するほか、ほおのはれの範囲や骨破壊の状況を指で探って調べます。X線検査やCT検査(コンピューター断層撮影)、MRI検査(磁気共鳴画像撮影法)で副鼻腔がんらしい組織が見付かれば、その小片を切除して顕微鏡検査を行います。
 がんが外に出ていないのに症状があったり、X線検査やCT検査、MRI検査でがんの疑いがあれば、試験的に上顎洞に小さな穴をあけてみることもあります。
 治療では、放射線治療、抗がん剤の動脈内注入法(化学療法)、手術療法の三者併用療法が行われます。この方法が行われるようになってから、以前のように大きな顔面欠損や、眼球摘出を伴うような手術を行うことは少なくなりました。
 しかしながら、非常に進行したがんや、放射線治療後に再発した場合には、やむなく眼球や顔面の皮膚を含めて大きく切除します。切除後の変形は、再建外科の進歩により修復可能となりました。
 例えば、顔面の皮膚や上顎骨を切除した欠陥部分には、肋骨(ろっこつ)や背中の皮膚を移植したり、胸の筋肉を使用して再建形成します。
 治療開始が早いほど、予後は良好です。5年間再発しないで健康である率は、約50〜60パーセント。

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■病気 破傷風 [病気(は行)]

[足]破傷風菌が傷口などから入って感染し、筋肉のけいれんを起こす疾患
 破傷風とは、破傷風菌が傷口などから入って感染し、菌が作り出す毒素が神経を侵し、強い筋肉のけいれんを起こす疾患。
 この破傷風菌は芽胞という硬い膜を有する細菌で、芽胞は乾燥状態では十数年生存可能で、抵抗力の強い性質を有します。酸素のない状態を好む嫌気性菌であり、地表から数センチ付近の世界中の土壌に広く分布しているので、砂粒や泥のついた古くぎ、木片などによる傷から侵入してきます。
 皮下などの組織で増殖して、放出する毒素は、人の神経の一部に接合して神経の興奮を持続的に引き起こすため、全身や顔面の筋肉のけいれんを引き起こします。
 一般的には傷口から感染しますが、まれに出産時の不適切な臍帯(さいたい)処理により感染し、新生児破傷風あるいは妊婦の産褥(さんじょく)性破傷風として発症するケースや、消化管などの手術時に感染するケースもあります。
 傷口から感染する破傷風は、特にアフリカ、東南アジア、中南米などの途上国で、不適切な傷の手当や予防ワクチンの不足などが原因となって、多くの発症者が出ています。
 日本では、1953年から破傷風トキソイドワクチンの任意接種が開始され、現在では三種混合ワクチン(ジフテリア、百日ぜき、破傷風)と二種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風)の定期接種が実施されていますので、1950年ころは年間数千人いた発症者は年間50〜100人程度にまで減少しています。
 現在の発症者は、予防接種を受けている若年層では少なく、予防接種を受けていない人や、予防接種による免疫が消失した高齢者で多くなっています。前回の接種から10年以上経過している人には、1回の追加接種が勧められます。
 潜伏期間は3日〜3週間で、通常10日前後で発症します。一般に頭部、顔面の傷で起こる場合は、下肢の傷に比べて潜伏期が短い傾向があります。
 症状は頭痛、全身倦怠(けんたい)感で始まり、やがて口が開けにくい、首筋が張る、寝汗をかくなどの症状が現れます。次いで口が開かなくなり、手足にもこの硬直感が広がります。そして顔面の筋肉がけいれんして、泣き笑いのような表情である痙笑(けいしょう)を示します。
 けいれんが首や背中の筋肉に及ぶと、体が後ろへ弓なりに曲がる後弓反張(こうきゅうはんちょう)を起こします。筋肉のけいれんはわずかな刺激によって誘発され、頻回に起こると心臓が衰弱します。また、呼吸筋のけいれんが起こると、呼吸ができなくなって危険です。
 発症後の治療は難しく、死亡率は一般に30パーセント以上で、高齢者ほど重くなります。また、一般的に感染から発症までの時間が短いほど、開口障害から全身けいれんまでの時間が短いほど、高い死亡率を示します。
[足]破傷風の検査と診断と治療
 破傷風は治療が遅れると全身けいれんを引き起こし死に至る感染症ですので、すぐに病院の救急部門、あるいは外科、内科を受診します。全身的な筋肉のけいれんが認められる場合は、救急車を呼びます。
 開口障害や痙笑の症状から、歯科や耳鼻科を受診するケースが多く、顎(がく)関節症などと誤診されることもありますので、注意が必要です。
 診断は症状からつけられるもので、傷口からの破傷風菌の検出によるものは30パーセントにすぎません。
 治療では、速やかに破傷風ヒト免疫グロブリン(抗毒素血清)を注射して毒素を中和し、ペニシリンを注射して残っている破傷風菌を減らします。さらに、傷口の消毒、壊死(えし)組織の切除、砂粒や金属片などの異物の除去、気道確保、抗けいれん剤の投与を行います。
 呼吸筋のけいれんにより呼吸ができない場合は、静かで暗い病室に入れて酸素吸入をします。なるべく強化看護病棟(ICU)での呼吸、血圧の管理が望まれます。神経に結合した毒素の作用が低下すると、回復に向かいます。
 予防、あるいは外傷に際しての破傷風予防には、破傷風トキソイドワクチンによる予防接種をしますが、外傷の場合は破傷風免疫グロブリンの投与も考慮されます。
 発展途上国など海外の流行地に滞在する際には、けがをしないように心掛けます。裸足で川遊びなどをしたり、誤って物を踏んだ時に足に傷を負ったり、運動中や交通事故、動物にかまれてけがを負った時などに、感染が多くみられるからです。
 万一、けがをした場合は、まず水で傷口を洗い流し消毒します。次いで、破傷風菌は空気に触れない状態を好む嫌気性菌であり、傷口がふさがると増殖しますので、不用意に傷を閉じたりせずに、早めに医師に相談します。
 発展途上国の不衛生な医療施設では、抜歯や出産、手術などの医療行為で感染することもあります。長期に滞在する場合は、安心できる医療機関を確認しておきます。

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■病気 包虫症(エキノコックス症) [病気(は行)]

[スペード]条虫の一種である包虫によって引き起こされる寄生虫病
 包虫症とは、条虫の一種である包虫によって、引き起こされる寄生虫病。エキノコックス症、エキノコッカス症とも呼ばれます。
 この包虫症には、単包虫(単包条虫)による単包虫症(単包性エキノコックス症)と、多包虫(多包条虫)による多包虫症(多包性エキノコックス症)の2つがあります。単包虫症はシベリア、南米、地中海地域、中東、中央アジア、アフリカ、アメリカ、およびカナダに発生し、日本では輸入感染症とされています。一方、多包虫症は20世紀以降に北海道に定着したと考えられ、現在、北海道全域で流行しています。
 北海道ではキタキツネが最も重要な感染源で、約60パーセントのキタキツネが感染していると報告されています。北海道で飼育されているイヌでも、1パーセント以上が感染していると報告されています。最近、本州でも多包虫症が報告されていますが、その感染ルートは不明です。
 包虫の成虫は体長1センチ以下と小さく、キタキツネやイヌの小腸に寄生しています。虫卵はそれらの動物の糞便(ふんべん)と一緒に排出され、虫卵が混じった水や食物を人が摂取したり、成虫が寄生しているイヌとの接触によって虫卵を経口摂取すると、感染が成立します。虫卵から放出された幼虫は腸壁に侵入し、血流あるいはリンパ流に運ばれて主に肝臓に寄生し、そこで成虫になって増殖します。
 包虫の増殖は遅く、感染してから小児では5年以上、成人では10年以上の長期に渡って無症状ですが、包虫が増殖してスポンジ状の大きな病巣を形成するようになります。肝臓に寄生している場合、肝臓がはれて上腹部に痛みを感じるようになり、黄疸(おうだん)の症状が出て、皮膚の激しいかゆみ、腹水をもたらすことがあります。
 また、包虫は脳や肺などの臓器や骨に転移することがあり、脳転移では神経症状が現れます。症状が現れてから治療せずにいると、5年後で70パーセント、10年後で90パーセント以上のの発症者が死亡します。
[スペード]包虫症の検査と診断と治療
 包虫症を放置した場合の生存率は低いため、発症前の診断と治療開始が重要です。医師による診断は、血清検査と画像検査を併用して行われます。
 治療においては、外科的な手術で病巣を切り取るのが有効です。しかし、自覚症状が出現した時点では、もはや切り取れないことが多く、病巣の位置と発症者の状態から切り取るのが困難な場合もあります。手術が困難な場合には、アルベンダゾールなどを駆虫剤として投与します。
 感染初期には無症状なので、予防が最も大切です。北海道の各市町村の保健所では、住民の包虫(エキノコックス)血清検査を無料で実施していますので、キタキツネや感染犬と接触のある人は血清検査を受けます。
 北海道への旅行者は、キタキツネと接触しないことが大切です。キタキツネのすんでいる地域では、土や草木などに触れたら手を十分に洗ったり、沢水や井戸水を生で飲まないなど、虫卵が口に入らないように気を付けます。 包虫は熱には弱く、60度10分間の加熱で死滅するため、現地で採った山菜などはよく洗うか火を通して食べるなどの予防法もあります。

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■病気 肺吸虫症 [病気(は行)]

[iモード]肺吸虫の寄生によって引き起こされる寄生虫病
 肺吸虫症とは、肺吸虫の幼虫が人体に入って肺やその周辺に寄生するために、引き起こされる寄生虫病。
 この肺吸虫症の主な流行地域は極東で、日本、朝鮮半島、台湾、中国の山岳地帯、およびフィリピンで発生しています。また、アフリカ西部、中南米の一部にも流行地域があります。
 肺吸虫は30種ほどが確認されていますが、日本ではウエステルマン肺吸虫と宮崎肺吸虫の2種がよく知られていて、主にウエステルマン肺吸虫は淡水産のモクズガニ、宮崎肺吸虫は淡水産のサワガニを生や加熱調理不完全の状態で食べて、その幼虫が感染します。また、肺吸虫の幼虫が寄生した野生のイノシシ肉を生で食べて感染することもあります。
 肺吸虫の幼虫は、人の腸壁を突き破って腹膜へ侵入し、横隔膜を経て胸膜腔(くう)へ移行、さらに肺組織へ侵入して雌雄同体の成虫となります。幼虫は、脳、肝臓、リンパ節、皮膚、脊髄(せきずい)で、成虫に発育することもあります。成虫は、体長1センチ前後のレモン型をしていて、20〜25年間生存することができます。
 肺に寄生した場合の主な症状は、せきと血たん。胸の痛み、発熱、全身の倦怠(けんたい)感、胸に水がたまる自然気胸、胸膜炎、膿胸(のうきょう)などを起こすこともあります。
 脳に寄生した場合には、てんかん発作や半身まひ、視覚障害など脳腫瘍(しゅよう)に似た症状を起こし、重症になります。アレルギー性皮膚反応を起こすこともあります。
[iモード]肺吸虫症の検査と診断と治療
 血たんが出たら、肺吸虫症の可能性と同時に結核の可能性もあるため、医療機関を受診します。
 肺吸虫症は、胸部X線検査で肺の影として映り、結核や肺がんと間違われることがありますが、たんや便の中から虫卵を検出することで診断します。時には、胸水や腹水の中から虫卵を検出することもあります。また、肺吸虫症では白血球の一種の好酸球が増加することが多く、胸部X線検査で異常があり、好酸球が増えていたら肺吸虫症を疑います。
 肺に病変があるのに虫卵が見付からない場合や、肺以外の場所に寄生している場合には、血清検査で診断します。
 治療では、プラジカンテル、ビチオノールなどの駆虫剤の内服が行われます。胸水がたまっている場合には、胸水を抜いてから治療します。アレルギー性皮膚病変、まれに脳内に形成されたシストという、休眠状態に近い多数の肺吸虫が被っている厚い膜を切除するために、手術が行われることもあります。
 予防としては、モクズガニやサワガニ、イノシシ肉などを生や加熱調理不完全の状態で食べないようにします。同時に、それらを調理した包丁やまな板はよく洗うようにします。

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