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■病気 肛門掻痒症 [病気(こ)]

[ふらふら]肛門周辺に強いかゆみが出てくる疾患の総称
 肛門瘙痒(こうもんそうよう)症 とは、肛門周辺を中心に強いかゆみが出てくる疾患の総称。原因がわからない特発性肛門掻痒症と、何らかの原因が存在する続発性肛門掻痒症とがあります。
 続発性肛門掻痒症の原因には、まず排便によって分泌された粘液が挙げられ、粘液によって肛門周辺の皮膚に炎症が起こり、強いかゆみが起きます。痔核(じかく)、痔瘻(じろう)、裂肛、肛門ポリープ、直腸脱などの疾患、下痢や便秘などによっても、肛門周辺の皮膚に炎症が起こり、かゆみが起こります。
 そのほか、最近では少なくなった蟯虫(ぎょうちゅう)などの寄生虫の影響、女性では膣(ちつ)炎の影響、薬品によるかぶれの影響、糖尿病や肝硬変、まれに肛門に発生した皮膚がんで、かゆみが起こることもあります。 精神的な問題が原因となることもあります。
 かゆみが強い場合は、かくことでさらに炎症が強くなり、雑菌や真菌(かび)、カンジダ菌、糸状菌などの細菌などの感染により症状が悪化します。
 最近では、排便後にトイレットペーパーで強くふきすぎたり、温水トイレの使用で肛門の奥まで洗いすぎたり、入浴時に石けんで肛門を洗いすぎたりすることで発生するケースも増えています。洗いすぎるなどの行為で、皮膚は乾燥し、かゆみはさらにひどくなります。
 初期のころは入浴後から就寝後、体が温まるとかゆみが増強するケースが多いのですが、 ひどくなると寝ている間に無意識にかくようになったり、 夜だけではなく一日中かゆみを感じるようになります。
 急性期では、肛門周囲のただれ、発赤やはれが強く、べとべとして出血することもあります。慢性期では、皮膚が厚く硬くなり、色素沈着で黒ずんできます。
[ふらふら]肛門掻痒症の検査と診断と治療
 1カ月以上たっても肛門周辺の炎症、かゆみが治まらなかったり、 症状が悪化するようでしたら一度、肛門科の専門医か皮膚科の専門医を受診します。
 医師はまず肛門を診察し、痔核、痔瘻、裂肛、肛門ポリープ、直腸脱、過敏性腸症候群など、大腸肛門病の有無を検査します。真菌類の検索は治療法の選択の上で重要なため、肛門部から分泌物を取って培養します。
 女性の場合、腟から肛門にかけて垂れたようにただれている時は腟炎が考えられます。幼児、学童では蟯虫症を疑い、セロファンテープ法で検査します。
 治療においては、局所の病変と原因となる疾患を同時に治療します。局所の病変に対しては、肛門周辺を清潔に保ち、ステロイド軟こう、抗真菌薬軟こう、抗生剤入り軟こう、抗ヒスタミン軟こう、亜鉛華軟こうなどの塗布と内服薬を用います。
 原因となる痔核、痔瘻、裂肛、肛門ポリープ、直腸脱、過敏性腸症候群などに対しては、薬物療法や手術療法で治療します。
 日常生活では、香辛料やコーヒー、アルコールなどの刺激物を避けて、安静を保ち、睡眠を十分にとります。肛門部の清潔保持は重要ですが、排便後の過度な肛門洗浄、石けんの使用は控えます。炎症が起きている時は、消毒薬、薬局で売っている肛門のスプレー、 ウエットティッシュなどの使用も一切控えます。

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■病気 肛門神経症 [病気(こ)]

[トイレ]肛門には病変がないのに、肛門に対して思い悩む疾患
 肛門(こうもん)神経症とは、いかなる検査をしても肛門には何も病変がないのに、肛門に対して異常な感覚や関心を持ち、思い悩み、精神的に不安定な状態になる疾患。自己臭妄想症とも呼ばれます。
 清潔志向の強い20〜30歳代の若い世代に多く、性別は問いません。原因ははっきりしません。神経症的素質のある人が、他人に肉体的なことで嫌なことをいわれたことが切っ掛けになって、発症することがあります。
 症状としては、肛門から大便の臭いがする、自分の肛門の臭いが他人を不快にさせている、肛門に締まりがない感じがしてガスや便が漏れる気がする、肛門に不潔感を抱いて何度ふいても気がすまぬ、などと思い悩んでいます。重症になると、外出もできなくなり社会生活に支障を来します。
[トイレ]肛門神経症の検査と診断と治療
 基本的に肛門神経症の治療を行う科は心療内科、神経内科になりますが、まず器質的疾患がないかどうかを確認するために肛門科を受診します。ただし、肛門科をもうけている医療機関は少ないため、消化器外科、外科を受診してもよいでしょう。
 医師は肛門の診察や胃腸の精密検査をして、本当に悪い部位がないかを調べます。しかし、まず病変は見付かりません。
 肛門科などの医師は、心療内科、神経内科、精神科を紹介して、カウンセリングを受けるように勧めます。
 心療内科などの医師による治療では、心身の衛生を心掛け、便通を整え、バランスのよい食事と睡眠を十分に取ることが基本となります。
 腹部ガスの発生を抑えるような消化管機能改善剤を始め、ベンゾジアゼピン系などの抗不安剤、フルボキサンに代表されるSSRIなどの抗うつ剤などで反応をみます。ベンゾジアゼピン系の抗不安剤は長期間服用した場合、精神的依存や眠気などの副作用があります。
 治療には、周囲の共感的理解も必要となります。

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■病気 虹彩炎(虹彩毛様体炎) [病気(こ)]

[フリーダイヤル]瞳孔を囲む茶褐色の膜である虹彩に、炎症が起こる眼疾
 虹彩(こうさい)炎とは、瞳孔(どうこう)を取り囲む茶褐色の膜である虹彩に、炎症が起こる疾患。正面からドーナツ状にみえる虹彩は、目に入る光の量を調節しています。
 虹彩炎の多くは、隣接する毛様体といわれる組織の炎症を合併するため、虹彩毛様体炎とも呼ばれます。
 サルコイドーシス、ベーチェット病、ぶどう膜炎の一つの型である原田病、リウマチなどの全身疾患の一症状として出現する場合のほかに、外傷、局所的な感染症も原因となります。原因不明の場合も数多くあります。
 症状としては、目に強い痛みがあり、光が当たるとまぶしく、茶褐色の虹彩の周囲の白い部分に充血がみられます。視力が低下したり、目がかすんだり、涙が出たり、瞳孔が小さくなるなどの症状が起こることもあります。
 失明することはまれですが、白内障や緑内障を合併して重大な視力障害が起こることもあります。逆に、白内障や緑内障による視力低下や視野欠損で、眼痛や充血などの自覚症状がない虹彩炎が見付かることもあります。
[フリーダイヤル]虹彩炎の検査と診断と治療
 虹彩炎(虹彩毛様体炎)の症状があれば、すぐに眼科医を受診します。経過が長引くと、白内障や緑内障が起きたり、脈絡膜、硝子体(しょうしたい)、まれに視神経、網膜にまで変化が及ぶので、注意します。
 医師は細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査を行い、前房内に炎症細胞が認められることにより診断します。重症な虹彩炎では、前房内にフィブリンが認められたり、水晶体と虹彩の癒着を認めることがあります。フィブリンとは、血液の凝固にかかわる蛋白(たんぱく)質で、長時間血管に存在すると血流障害を起こします。
 眼圧や眼底の異常の有無の確認も、検査で行います。
 虹彩炎(虹彩毛様体炎)の治療としては、まず第一に、瞳孔を大きく開かせる散瞳という処置を行います。散瞳には、硫酸アトロピンやトロピカミドなどの点服薬を用います。この処置を怠ると、瞳孔が水晶体に癒着した状態になり、これに白内障や緑内障を合併すれば、視力障害の最大の原因にもなります。
 もう一つの治療は、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)や非ステロイド系の消炎剤の点眼や内服で、一時的に炎症を鎮めることが可能。これを早期より積極的に行えば、自然治癒と相まって、白内障、続発性緑内障などの後遺症を残さずにすみます。
 そのほか、炎症の強さや原因によって、全身の治療が必要な場合がありますし、サルコイドーシス、リウマチなどの原因疾患の治療も大事です。

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■病気 光視症 [病気(こ)]

[フリーダイヤル]視線を移動した際に、目の中に光を感じる症状
 光視(こうし)症とは、視線を移動した際に、視野の中心に光が走ったように見えたり、視野の一部にキラキラした物が見えたりする症状。多くのケースでは、目の前に蚊など小さい物が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症と同時に発生します。
 光視症は飛蚊症と同様に、眼球の内部を満たす硝子体(しょうしたい)の収縮により、硝子体に癒着している網膜が刺激を受けて起こります。その背景には、硝子体の年齢による変化として後部硝子体剥離(はくり)が発生し、眼底で網膜と癒着している現象がみられます。後部硝子体剥離は、60歳代前半に好発します。
 網膜と硝子体の間に強い癒着があると、その部位はすぐには、はがれず、目を動かすたびに硝子体が揺れて網膜が引っ張られます。この時、網膜が刺激を受けて実際にはない光を感じるのです。網膜と硝子体の癒着がとれれば、光は見えなくなります。癒着が長く残ると、光視症が数週間から数年間持続することもあります。
 そのほかにも、過労や睡眠不足、脳の血管の疾患などが原因で、光視症が起こることもあります。片頭痛を伴う場合は、脳の血管が一時的にけいれんして起こる閃輝(せんき)暗点というものです。若い人に多く、光を感じる症状は数分から数十分で消えるものの、その後に片頭痛、悪心、吐き気が起こってきます。
 光視症の主な原因となる後部硝子体剥離は自体は疾患ではなく、硝子体の加齢による変化として起こるのですが、これが引き金となって網膜裂孔や網膜剥離を起こすことがあるので、注意が必要です。
 中で最も注意を要するのは、癒着部の網膜が引っ張られた結果、網膜に穴が開いてしまう網膜裂孔で、後部硝子体剥離の6~19パーセントに起こり、しばしば光視症や飛蚊症を自覚します。この網膜裂孔を放置しますと、裂孔から液体状になった硝子体が網膜の後に入り込んで、網膜がはがれる網膜剥離という怖い疾患につながります。
 また、頻度は少ないのですが、後部硝子体剥離に際して、網膜血管が引っ張られることで破れ、血が硝子体の中に流れ出て硝子体出血になることがあります。
[フリーダイヤル]光視症の検査と診断と治療
 光視症は必ずしも網膜剥離や、網膜裂孔の前兆としての症状ではありませんが、光視症と思われるような症状が数週間以上続くようでしたら、早めに眼科の専門医を受診して、詳細な眼底検査を受け、放置しておいてよいものかどうかを診てもらうことが大切です。
 特に60歳前後に突然、光視症を自覚した場合には、なるベく早く眼科医を訪ね、後部硝子体剥離の有無、後部硝子体剥離によって生じる可能性のある疾患、特に網膜裂孔の有無をチェックしてもらうことが大切となります。
 光視症は後部硝子体剥離が主な原因となって症状が出ますが、この段階では特別な治療方法はなく、基本的に治療の必要もありません。
 後部硝子体剥離の際に網膜裂孔ができた場合に、放置しておくと発症する網膜剥離に対しては、入院、手術しか治療方法がありません。しかし、網膜裂孔だけの時期に発見できますと、外来で行えるレーザー光凝固療法によって網膜剥離を予防することができます。従って、光視症を自覚したら、なるベく早く眼科を受診することが大切で、早いほどよいわけです。
 網膜裂孔以外のものでも、早期治療が大切です。例えば、硝子体出血の場合にも、出血の原因を調ベてもらうことによって、原因疾患に応じた適切な治療が受けられます。
 何も治療を必要とするような疾患のなかった場合には、光視症をあまり気にせず、眼科で時々チェックしてもらい、今まで通りの生活を続ければよいわけです。後部硝子体剥離による光視症は、硝子体を手術で切除することにより理論上消失しますが、病的ではない症状に対して手術を選択されることはありません。
 光視症に対して、ビタミンを含む緑黄色野菜、ルテインを含むホウレンソウやブロッコリーを多く摂取する食生活や、ブルーベリーなどのサプリメントの摂取で対応していく方法もあります。

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