SSブログ

■病気 結膜下出血 [病気(け)]

[フリーダイヤル]突然、目の白目に赤い出血斑が現れる状態
 結膜下出血とは、突然、目の白目に赤い出血斑(はん)現れる状態。白目の一部分がわずかに赤く見えるもの、黒目の回りが真っ赤になるものなどがあります。
 目をぶつけたり、強くこすったりした時、または、そのような原因が思い当たらない場合にも起こります。通常は痛み、かゆみなどの自覚症状はないため、朝起きて鏡を見て見付けたり、周囲の人に指摘されたりして気が付くこともよくあります。
 赤い出血斑は、白目の表面を覆っている眼球結膜に存在する大小の血管が破れて、結膜の下に広がったものです。小さな点状のものから、斑状、時に眼球結膜全体を覆う広範なものもあります。また、血腫(けっしゅ)を作ることもあります。
 通常の出血では多少、目がごろごろする程度で、ほとんど痛み、かゆみ、目やになどの症状は伴いません。また、眼球内部に血液が入ることはないため、目が見えにくくなったり、視野が狭くなったりすることもありません。
 普通は、1~2週間で自然に吸収されてきれいな白目に戻ります。出血斑の状態は、赤色、茶褐色、黄色、白色と変化することになります。まれに、茶褐色が比較的長期間残ることがあります。
 中には、出血が自然に吸収されてきれいな白目に戻るまで、2~3カ月かかるものもあります。時間はかかりますが、出血は吸収されますので心配はいりません。
 多くの場合、結膜下出血は特別な治療の必要はなく、放置しておいてもかまいませんが、目に外傷を受けた場合、痛みやかゆみ、目やにを伴う場合、頻繁に繰り返す場合、熱を伴う場合は、自分の症状をしっかりと眼科医に伝えアドバイスを受けます。
 なお、出血と充血の違いを挙げると、出血は血管が破れて血液が出たもので、血管の走行が見えません。一方、充血は細い血管が拡張した状態で、血管の走行が見えます。充血の場合は、血管収縮剤を使うと赤みが少なくなります。
[フリーダイヤル]結膜下出血の検査と診断と治療
 結膜下出血で痛みやかゆみ、目やにを伴う場合、頻繁に繰り返す場合には、高血圧症や動脈硬化症、出血しやすくなる疾患などの有無を検査します。
 医師の治療では、目の疾患や全身性疾患が要因になっている場合は、原因疾患の治療を行います。目に外傷を受けている場合は、感染の予防などのため直ちに穿孔(せんこう)部を閉じる必要があります。隠れた目の外傷があって結膜下出血がなかなか消えない場合も、穿孔部を閉じる必要があります。
 出血が止まっても赤目が広範で長引いているひどい場合は、吸収促進のために血栓溶解剤などを結膜下注射することもあります。
 ほとんどの場合、結膜下出血が起こった後に眼底出血が起こることはありません。しかし、動脈硬化、高血圧、糖尿病、出血性素因(貧血、白血病、紫斑病など)、腎炎(じんえん)に伴って起こるような疾患が原因の場合は、眼底出血が起こり、失明することもありますので注意が必要です。

ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。




タグ:病気(け) 結膜下出血 結膜炎 家族性角膜変性 網膜硝子体出血(眼底出血) 網膜色素変性症 角膜ジストロフィー 疲れ目 杆体錐体ジストロフィー 角膜変性 視力障害 眼瞼縁炎(ただれ目) 正常眼圧緑内障 オカルト黄斑ジストロフィー 結膜結石 先天性黄斑変性症 はやり目 霰粒腫 眼精疲労 白内障 飛蚊症 一過性黒内障 加齢黄斑変性 家族性ドルーゼン 優性遺伝性ドルーゼン 中心性網膜症 黄斑変性症 結膜弛緩症 ドライアイ 角膜炎 巨大乳頭結膜炎 慢性結膜炎 単性緑内障 先天性緑内障(牛眼) 老眼(老視) 硝子体混濁 近目 近視 眼瞼外反症 シェーグレン症候群 スタルガルト病 斑状網膜症候群 黄色斑眼底 黄斑ジストロフィー やぶにらみ 眼瞼下垂 遠視 弱視 斜視 乱視 色盲、色弱(色覚異常) 視神経症 網膜前膜 水疱性角膜症 滲出性網膜炎 コーツ病 レーベル先天性黒内障 光誘発角膜炎 先天性進行性夜盲 腎性網膜症 水晶体嚢性緑内障 続発性緑内障 雪眼炎(雪目) 雪目(雪眼炎) 虹彩炎(虹彩毛様体炎) 急性結膜炎 糖尿病性網膜症 ビタミン欠乏症 ビタミンB2欠乏症 眼部帯状疱疹 閉塞隅角緑内障 緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障) 網膜芽細胞腫 急性閉塞隅角緑内障(緑内障発作) 慢性閉塞隅角緑内障 開放隅角緑内障 視神経委縮 網膜静脈閉塞症 ぶどう膜炎 緑内障 アレルギー性結膜炎 円錐角膜 若年網膜分離症 先天性停止性夜盲 X染色体若年網膜分離症 先天網膜分離症 小口病 夜盲症 原田病 ただれ目(眼瞼縁炎) 春季カタル 眼底出血 細菌性角膜炎 角膜潰瘍 角膜びらん 蜂巣炎(眼窩蜂窩織炎) 突き目(匐行性角膜潰瘍) 翼状片 圧迫性視神経症 アポロ病 外傷性視神経症 角膜ヘルペス 仮性近視 偽近視 調節緊張性近視 眼瞼内反症 急性出血性結膜炎 強膜炎、上強膜炎 桐沢型ぶどう膜炎 急性網膜壊死 交感性眼炎 流行性角結膜炎 レーベル病 虚血性視神経症 腫瘍性視神経症 遺伝性視神経症 優性遺伝性若年性視神経委縮症 網膜動脈硬化症 高血圧性網膜症 逆さまつげ 睫毛乱生症 光視症 網膜剥離 黄斑前膜 うっ血乳頭 トラコーマ(トラホーム) 顆粒性結膜炎 視神経炎 特発性視神経炎 封入体結膜炎 フリクテン性結膜炎 クラミジア結膜炎 へルペス性角膜炎
nice!(13)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

■病気 血管腫 [病気(け)]

[眠い(睡眠)]皮膚の毛細血管の増殖、拡張でできる赤あざ
 血管腫(しゅ)とは、真皮および皮下組織の中にある毛細血管の増殖、拡張を主としてできる母斑。内部の血液によって皮膚表面は赤く見えるので、赤あざとも呼ばれます。
 異常を示す血管のある部位と、血管の構造の違いにより、いろいろの型があります。代表的なものは、ポートワイン母斑(単純性血管腫)、正中線母斑(サーモンパッチ)・ウンナ母斑、苺(いちご)状血管腫(ストロベリーマーク)です。
 ポートワイン母斑(単純性血管腫)は、赤ブドウ酒色をした皮膚と同じ高さの平らで、境界が鮮明な斑です。 普通は出生時からあって、その後、拡大することも、自然に消えることもありません。加齢とともに少し膨らみ、いぼ様の隆起が出現することもあります。
 この母斑は、真皮の上の部分の毛細血管の拡張、充血の結果できるものです。多くは、美容的な問題があるだけであり、放置してもかまいません。
 ただし、この型の大きな血管腫が顔の片側にある時は、スタージ・ウェーバー症候群といって、眼球や脳の中に血管腫が合併することがあります。
 また、片側の腕や下肢に大きな血管腫がある時は、クリッペル・ウェーバー症候群といって、その部分の筋肉や骨の肥大などの合併症がある場合があるので、注意が必要です。
 正中線母斑(サーモンパッチ)・ウンナ母斑は、乳幼児の顔、後頭部の正中線に沿ってみられる、淡紅色ないし暗赤色の毛細血管の拡張した赤い斑点です。額、眉間(みけん)、上まぶたにあるものを正中線母斑、またはサーモンパッチといい、1歳から3歳までの間に自然に消退するものの、完全ではありません。
 また、うなじから後頭部にみられるものをウンナ母斑といい、消退するのに時間がややかかり、また一生消えない場合もあります。
 苺状血管腫(ストロベリーマーク)は、出生時より、または生後間もなく出現する赤色、ないし暗赤色の軟らかい小腫瘤(しゅりゅう)で、表面が苺の実のように粒々しています。
 出生後、半年から2年までは急速に増大して、大きいものでは鶏卵大以上の大きなしこりになることもあるものの、5~6歳ころまでには完全に消失します。このあざは、真皮内に未熟な血管がたくさん増殖するためにできるものです。
 自然に治るので慌てて治療する必要はありませんが、未熟な血管の集団があるため、外傷を受けるとなかなか出血が止まらないことがあるので、注意が必要です。
 出血した時には、清潔なタオルかガーゼで十分に圧迫して、出血が止まるまで押さえておく必要があります。
[乙女座]血管腫の検査と診断と治療
 血管腫を早期に的確に診断することは、必ずしも簡単ではありません。皮膚科専門医を受診して、診断を確定するとともに治療法についても相談します。
 医師は通常、見た目と経過から診断します。スタージ・ウェーバー症候群やクリッペル・ウェーバー症候群が疑われる場合には、画像検査などが必要になります。
 ポートワイン母斑(単純性血管腫)に対しては、パルス色素レーザー治療が第一選択です。うすいあざなので、手術をすると残った傷が目立つためです。レーザー治療の効果の程度は病変の深さによって違いますが、傷を残さずにほとんどの赤あざを消退させることができます。乳幼児期から開始する早期治療が、有効です。
 カバーマークによる化粧で色を隠すのも、選択肢の一つです。
 顔面の正中線母斑(サーモンパッチ)は、自然に消えていく場合が多いので、治療せずに経過をみます。完全に消えない場合には、露出部位のあざなので、パルス色素レーザー治療が勧められます。ウンナ母斑は、髪に隠れて目立たない部位に生じるので、ほとんど治療しません。
 苺状血管腫(ストロベリーマーク)は自然に消えていくので、特に合併症の危険がない大部分のものは無治療で経過をみて差し支えありません。ただし、まぶたに生じ、目をふさいでしまうようになったものや気道をふさぐものなどは早急な治療が必要です。
 即効的な治療として、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の大量投与が行われます。効果が不十分な場合には、インターフェロンαの連日皮下注射が行われる場合もあります。これらの治療は効果的ですが、いずれも重い副作用を生じる可能性があります。
 単に色調だけを自然経過よりも早期に淡くしたい場合には、パルス色素レーザー治療を行います。この治療は副作用が少ないのですが、こぶを小さくする効果は期待できません。こぶを縮小するためには、内部にヤグレーザーを照射します。

ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。




nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

■病気 頸肩腕症候群 [病気(け)]

[野球]首、肩、腕の痛みや凝りを起こす疾患の総称
 頸肩腕(けいけんわん)症候群とは、首、肩、腕、手指の痛みや凝り、しびれなどを来すいくつかの疾患の総称。最近では、この頸肩腕症候群からさらに詳しくするために、胸郭出口症候群や腕の神経絞扼(こうやく)症候群などの疾患名が独立して、名付けられるようにもなってきました。
 頸肩腕症候群の原因については、さまざまなことが考えられます。筋肉の過労や姿勢の異常でも起こりますが、頸椎(けいつい)のクッション役を果たしている椎間板が薄くなる椎間板変性症、椎体に骨のとげができる変形性頸椎症、椎体の後ろを縦に走っている靭帯(じんたい)に骨化が起こる後縦(こうじゅう)靭帯骨化症といった中年すぎの疾患などでも起きます。むち打ち症の後遺症や、内臓疾患、精神的なストレスでも起きます。
 このように原因はさまざまですが、いずれも骨、筋肉、血管、神経の何らかの異常が原因です。普通、首筋や肩が凝って、腕がしびれるような場合は、この頸肩腕症候群によることが多いといえます。
 筋肉の過労で起きるケースは、一定の筋肉ばかりに負担がかかるパソコン作業者などでみられます。腕を上げる筋肉は頸椎についているものが多いので、腕を宙に浮かしてする仕事に従事する人は、これらの筋肉の凝りや痛みを起こしがちです。姿勢の異常、例えば前かがみの悪い姿勢では、頭の重心が前に出るので、この頭を支えるために首や肩の筋肉が疲れ、これが痛みに変わることもあります。
 また、頚肩腕症候群の症状もさまざまあり、首、肩、腕、手指の痛みや凝り、しびれ、脱力感、冷感のほか、背部の痛み、肩甲骨の凝りやこわばり、めまいや頭痛を伴う場合もあります。
[サッカー]頸肩腕症候群の検査と診断と治療
 頸肩腕症候群の治療法としては、まず安静にすることが求められます。特に、筋肉の過労からくる場合は、2、3日安静にすることで治ることもあります。次に、適度な運動やストレッチをして筋肉を使うことで、筋肉を疲労しにくくさせます。このことで、次に頸肩腕症候群になる可能性が低くなるといわれています。
 症状が軽く、安静と運動でよくなるようであれば、特に病院に行く必要はないかと思われます。痛みや凝りを取り除くための身近な治療薬としては、湿布などもあります。
 そのほか、パソコンの長時間の使用や、同じ姿勢を続けるなどの日常生活を見直し、作業の途中に適当な休息時間を挟む、体操をして筋肉の凝りをほぐすことをふだんから心掛けます。また、過労や睡眠不足とあいまって、精神的なストレスが首、肩、腕の凝りを招くこともありますので、できるだけ睡眠をよくとり、過労にならないように心掛け、努めて精神を平静に保つようにします。
 しかし、頸肩腕症候群の症状が頑固な場合には、病院で受診して原因をはっきりさせることが大切です。ひどい症状を何度も体験していたり、肩凝りの症状のほかにめまいやしびれがひどい場合は整形外科や神経内科、頭痛がひどい場合には脳神経外科などを受診するとよいでしょう。病院では、原因となる疾患を明らかにした上で、その治療を最優先します。鎮痛剤や筋弛緩(しかん)剤を使用することもあります。

[ハート]詳しい病気の解説は四百四病の事典http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ[ハート]




タグ:病気(け)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

■病気 劇症肝炎 [病気(け)]

[soon]急性肝不全症状を呈する疾患
 劇症肝炎とは、急性肝炎の経過中、8週間以内に、精神神経症状である肝性脳症を始めとして、黄疸(おうだん)、出血傾向などの急性肝不全症状が出現する疾患です。
 急性肝炎の発病10日以内に肝性脳症が出現する急性型と、11日以後に出現する亜急性型とがあり、経過は急性型のほうが良好です。その肝性脳症は、肝臓の機能の低下に伴う老廃物の蓄積により出現します。
 劇症肝炎は死亡率が高く、運よく回復しても肝硬変になることが多く、非常に恐ろしい疾患。肝細胞は増殖する能力に富んでいるために、ほとんどの急性肝炎では肝細胞が壊されても自然に元の状態に戻りますが、劇症肝炎では破壊が広く及ぶために肝細胞の増殖が遅れ、適切な治療が行われないと高頻度に死に至るのです。
 日本では、推定で年間約1000人、急性肝炎の発病者の1~2パーセントが劇症化すると見なされています。新生児から高齢者までのあらゆる年齢層で、男女を問わず発症します。
 主な原因は肝炎ウイルスの感染で、薬物アレルギーと自己免疫性肝炎によるものもみられます。近年、もともと肝臓病以外の病気のために薬物治療を受けていた人が劇症肝炎になるケースが、増える傾向にあります。
 日本では、B型肝炎ウイルスの感染によることが最も多く、全体の約40パーセントを占めています。これには、B型肝炎ウイルスの保菌者が発症する場合と、他の保菌者から感染して発症する場合とがあります。
 A型肝炎ウイルスの感染によることもありますが、その発生頻度はA型肝炎ウイルス感染が流行する年によって異なります。C型肝炎ウイルス感染も頻度はわずかながら、劇症肝炎になる場合があります。E型肝炎の劇症化率は1~2パーセントですが、妊婦が発症すると、死亡率は10~20パーセントにも達すると報告されています。
 B型肝炎ウイルス感染に次いで多いのは、原因が確定できないもので、全体の約30パーセントを占めています。薬物アレルギーや自己免疫性肝炎が原因と確定されるものは、いずれも10パーセント以下を占めるにすぎません。
[on]肝性昏睡が劇症肝炎の特徴的な症状
 黄疸が出てから1週間以上たっても強い倦怠(けんたい)感、食欲不振、吐き気、頑固な頭痛、不眠などの症状がある場合には、劇症化の恐れがあります。発熱、筋肉痛、関節痛、腰痛などの全身症状や、肝性口臭と呼ばれる甘酸っぱい口臭のあるものは、注意が必要です。
 黄疸が次第に強くなり、やがて精神異常が現れ、昏睡(こんすい)に陥りますが、この状態を肝性昏睡といいます。
 肝性昏睡はかなり特徴的な症状で、劇症肝炎の重篤度の指標となります。初めは睡眠のリズムが逆転し、夜は眠れなくて、昼間に眠たがります。また、性格が変わったように投げやりになる、抑うつ状態になるなどの症状があります。
 この時期には、肝性昏睡と判定できないことが多いのですが、次第に日付や場所を間違う、簡単な計算ができない、金銭をばらまく、大事なものを捨てるなどの異常な行動を示します。
 間もなく、羽ばたき振戦(しんせん)と呼ばれる、鳥の羽ばたきに似た手の粗大な震えが現れ、外界の刺激に応じられなくなり、眠ったような嗜眠(しみん)状態となり、ついには意識が完全に消失します。
 そのほか、細菌の感染や腎(じん)臓、肺、心臓、消化管などの異常、血液凝固の異常など、全身の臓器に高頻度に障害が次第に起こるため、発熱、呼吸困難、むくみ、下血、口腔(こうくう)内や注射針で刺した部位からの出血など、いろいろな症状が次々と現れることになります。
[end]人工肝補助療法や肝移植による治療
 劇症肝炎は致命率が極めて高いので、発現が疑われたら、できる限り早期に適切な処置をすることが必要となります。
 治療においては、B型肝炎ウイルスの感染が原因の場合は、ラミブジンやインターフェロンと呼ばれる抗ウイルス療法が最も有効です。また、薬物アレルギーや自己免疫性肝炎が原因の場合は、副腎皮質ステロイドを大量に点滴するパルス療法が実施されます。これらの治療を肝性脳症が現れる前から行うことにより、劇症肝炎への進行を抑えることができることもあります。
 劇症肝炎となった場合には、原因のいかんにかかわらず、肝臓の働きを補うための人工肝補助療法が行われて、血液凝固因子など体に必要な物質を補充し、アンモニアなど体内にたまった中毒性物質を取り除きます。
 この人工肝補助療法には、血液から血球以外の成分である血漿(けっしょう)を取り除き、これを健康な人の血漿と交換する血漿交換と、腎臓が悪い人で行われている血液透析を応用した血液濾過(ろか)透析があります。通常は両方が併用されます。
 また、全身の臓器障害に対しても、適時に治療が行われて、肝臓の機能が低下している期間を乗り切れると、肝臓が再生してくるので救命されることが可能です。通常は、すべてに後遺症を残すことなく治癒します。
 各種の治療によっても肝臓の機能が回復しない場合は、肝移植が行われることになります。脳死者からの肝臓を移植する場合と、近親者の肝臓の一部分を移植する場合がありますが、日本では後者の生体部分肝移植が広く行われています。従来、生体部分肝移植は主に小児を対象に行われていましたが、近年は成人でも積極的に行われるようになりました。
 肝移植により救命された後は、移植された肝臓が他人のものであるので、体から拒絶反応によって排除されないように、免疫抑制薬を一生涯服用する必要があります。

[ハート]詳しい病気の解説は四百四病の事典http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ[ハート]




タグ:病気(け)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康