■病気 膿腎症 [病気(の)]
腎盂および腎実質の中に膿がたまる疾患
膿腎(のうじん)症とは、水腎症に細菌の感染が加わって腎盂(じんう)や腎杯が強い炎症を起こし、腎盂および腎実質の中に膿(うみ)がたまる疾患。
膿腎症が高度になると、敗血症を起こし死に至ることもあります。しかし、重度の尿路感染症は減少の傾向にあり、膿腎症はまれな疾患となっています。
症状として、40度以上の高熱が続き、腎臓部の痛み、背部痛があるほか、倦怠(けんたい)感、食欲不振、貧血などの全身症状が伴い、膿による尿の濁りが現れます。最も多い原因は、水腎症や腎結石、尿管結石が原因となり、腎盂や腎杯が感染することです。以前は、肺結核などの結核菌が血液の中に入り、腎臓の中に運ばれることが原因で、膿腎症が起こることが多くみられましたが、最近では抗結核剤の出現でほとんどみられません。急性の腎盂炎から起こることも、ほとんどありません。
膿腎症の検査と診断と治療
膿腎症が軽症の場合は、強力な抗生物質を長期間服用する治療が行われます。しかし、一般的には効果が少ないため、重症の場合は、他方の腎臓の状態を検査して、腎臓の摘出手術を行う場合もあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
膿腎(のうじん)症とは、水腎症に細菌の感染が加わって腎盂(じんう)や腎杯が強い炎症を起こし、腎盂および腎実質の中に膿(うみ)がたまる疾患。
膿腎症が高度になると、敗血症を起こし死に至ることもあります。しかし、重度の尿路感染症は減少の傾向にあり、膿腎症はまれな疾患となっています。
症状として、40度以上の高熱が続き、腎臓部の痛み、背部痛があるほか、倦怠(けんたい)感、食欲不振、貧血などの全身症状が伴い、膿による尿の濁りが現れます。最も多い原因は、水腎症や腎結石、尿管結石が原因となり、腎盂や腎杯が感染することです。以前は、肺結核などの結核菌が血液の中に入り、腎臓の中に運ばれることが原因で、膿腎症が起こることが多くみられましたが、最近では抗結核剤の出現でほとんどみられません。急性の腎盂炎から起こることも、ほとんどありません。
膿腎症の検査と診断と治療
膿腎症が軽症の場合は、強力な抗生物質を長期間服用する治療が行われます。しかし、一般的には効果が少ないため、重症の場合は、他方の腎臓の状態を検査して、腎臓の摘出手術を行う場合もあります。
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タグ:病気(の) 膀胱炎 腎炎 慢性腎不全 急性腎炎 慢性腎炎 夜尿症 尿路結石 アルポート症候群 前立腺炎 低カリウム血症 尿道下裂 腎盂腎炎 腎臓がん 血尿 夜間頻尿 多尿 頻尿 尿道結石 尿毒症 排尿困難 尿管結石 膿腎症 腎不全 尿毒症性ニューロパチー 慢性副腎皮質機能低下症 遊走腎 腎性網膜症 腎下垂 急性出血性膀胱炎 腎芽腫 痛風腎 メープルシロップ尿症 ホモシスチン尿症 フェニルケトン尿症 アルカプトン尿症 黒尿症 排尿痛 膀胱頸部硬化症 赤血球尿 尿閉 特発性腎出血 本態性腎出血 ナットクラッカー症候群 腎臓くるみ割り症候群 左腎静脈捕捉症候群 尿細管間質性腎炎 細菌性尿路感染症 小児尿路感染症 尿路憩室 尿道憩室 膀胱憩室 先天性膀胱憩室 後天性膀胱憩室 重複尿道 膀胱尿管逆流症 糸球体腎炎 過活動膀胱 尿路感染症 尿膜管遺残 間質性膀胱炎 腎盂がん ウイルムス腫瘍 クッシング症候群 前立腺結石 過敏性膀胱 出血性膀胱炎 溶血性尿毒症症候群 睡眠時遺尿症 成人夜尿症 上部尿路結石 下部尿路結石 高カリウム血症 尿崩症 遺尿症 腎性糖尿 先天性腎性尿崩症 後天性腎性尿崩症 遺伝性腎性尿崩症 家族性腎性尿崩症 バソプレシン感受性尿崩症 下垂体性尿崩症 中枢性尿崩症
■病気 脳卒中 [病気(の)]
脳出血と脳梗塞に分類
動脈硬化などで血液の流れが悪くなり、脳内の血管や中枢神経が障害を受けると、突然手足が動かなくなったり意識がなくなる発作が起こります。これが脳卒中です。
治療技術の進歩により、年々死亡率は低下していますが、逆に脳卒中にかかる人の数は増加しています。高齢化が進んだり、食生活が欧米化することによって、動脈硬化の原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が増えてきたことに原因があると思われます。
脳卒中は、以下の2つに大きくわけられます。
脳出血(脳内出血、クモ膜下出血) 脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)
脳内出血は、長期間の高血圧状態により、脳内の動脈に強い圧力がかけられた結果、血管がもろくなり破れて出血するものです。
症状は出血した部位により異なりますが、出血によって脳内の圧力が高まるため頭痛や吐き気が見られ、時間の経過とともに半身が麻痺したり、意識がもうろうとすることもあります。
出血が少なければ症状は軽く薬物療法で対応することも可能ですが、根本的には高血圧体質を改善する必要があります。
日中に起こることが多く、仕事中や運動中、入浴時などに起こります。
クモ膜下出血は、脳の表面にある血管が破裂して、脳を覆っている柔らかい膜(クモ膜)の下に出血が広がった状態です。
原因は脳の表面を走る動脈にできたこぶが破裂するものが最も多く、中高年の人に多くみられます。
症状としては、前触れなしに突然激しい頭痛が起こり、「バットで殴られたような痛み」とも表現されます。嘔吐、痙攣が見られることもあります。
また、時間とともに後頭部から首の後ろが痛んで硬くなり、首が曲がらなくなり硬直してきます。出血が起こるのが脳の表面であるため、発作時に手足の麻痺が起こることは少ないものの、出血がひどくなると、時には言語障害や半身麻痺を引き起こします。
発作後2週間以内の再発率が高く、その場合は死亡の確率が非常に高くなるため、繰り返し頭痛が続くなどの兆候がある場合は、いつでも医療機関と連絡がとれるような体制をつくっておくことが必要です。
脳血栓は、脳の血管に動脈硬化などが起こり、細くなった部分に血栓が詰まった状態です。血圧が低下すると血流がさらに弱まるため、血圧の低い睡眠中や起床時に起こりやすい病気です。
突然、手足に力が入らなくなったりする症状が出たら要注意で、そこから少しずつ麻痺が進んでいくケースが一般的です。
症状は、動脈硬化とともに徐々に進行していきますが、発症の兆候としては頭痛、めまい、言語障害、半身麻痺などが見られます。
脳塞栓は、血栓が血液の流れに乗って脳の血管の中に入り、血流を止めてしまう状態です。
発作は突然起こり、手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らなくなるなどのほか、言葉が出ない、人の顔の判断がつかない、道がわからない、など痴呆に似た症状が出ることもあります。
私たち人間の脳には身体全体の約30%の血液が必要ですが、血流が不足して酸素が行きわたらなくなると、脳細胞は大きなダメージを受けます。
今までに脳卒中を起こしたことがある人や、高血圧、心臓病、糖尿病、高脂血症などの病気にかかったことがある人、オーバーウエイトの人は、特に注意が必要です。
脳卒中は、命はとりとめても言語や運動機能に大きな障害を残すことが多いため、早期発見と予防が何よりも大事です。
* 手足のまひ
* ろれつが回らない
* 激しい頭痛・めまい・吐き気がある
* 視野がせばまる
など脳卒中の前ぶれがあった時は、ただちに医療機関にかかるようにします。
血管は加齢とともに弾力性が落ちていきますから、年齢が上がると発症しやすくなります。また、心臓に障害がある場合に起こりやすくなるので、不整脈、弁膜症、心筋梗塞などの心配がある方は、特に注意が必要です。
食生活などに気を配り、ストレスをためないようにしましょう。定期的に脳ドックによる検査を受けることも、お勧めします。
このほか、夏は脱水症状にならないよう適度な水分補給を心掛けましょう。夏は発汗のために血液が濃くなり、血栓ができやすくなるからです。
また、冬は気温が下がり、血管が収縮して血圧が高くなる傾向にあるので、入浴や外出時など急激な温度差には十分注意して、心臓や血管に過度の負担をかけないようにしましょう。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
動脈硬化などで血液の流れが悪くなり、脳内の血管や中枢神経が障害を受けると、突然手足が動かなくなったり意識がなくなる発作が起こります。これが脳卒中です。
治療技術の進歩により、年々死亡率は低下していますが、逆に脳卒中にかかる人の数は増加しています。高齢化が進んだり、食生活が欧米化することによって、動脈硬化の原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が増えてきたことに原因があると思われます。
脳卒中は、以下の2つに大きくわけられます。
脳出血(脳内出血、クモ膜下出血) 脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)
脳内出血は、長期間の高血圧状態により、脳内の動脈に強い圧力がかけられた結果、血管がもろくなり破れて出血するものです。
症状は出血した部位により異なりますが、出血によって脳内の圧力が高まるため頭痛や吐き気が見られ、時間の経過とともに半身が麻痺したり、意識がもうろうとすることもあります。
出血が少なければ症状は軽く薬物療法で対応することも可能ですが、根本的には高血圧体質を改善する必要があります。
日中に起こることが多く、仕事中や運動中、入浴時などに起こります。
クモ膜下出血は、脳の表面にある血管が破裂して、脳を覆っている柔らかい膜(クモ膜)の下に出血が広がった状態です。
原因は脳の表面を走る動脈にできたこぶが破裂するものが最も多く、中高年の人に多くみられます。
症状としては、前触れなしに突然激しい頭痛が起こり、「バットで殴られたような痛み」とも表現されます。嘔吐、痙攣が見られることもあります。
また、時間とともに後頭部から首の後ろが痛んで硬くなり、首が曲がらなくなり硬直してきます。出血が起こるのが脳の表面であるため、発作時に手足の麻痺が起こることは少ないものの、出血がひどくなると、時には言語障害や半身麻痺を引き起こします。
発作後2週間以内の再発率が高く、その場合は死亡の確率が非常に高くなるため、繰り返し頭痛が続くなどの兆候がある場合は、いつでも医療機関と連絡がとれるような体制をつくっておくことが必要です。
脳血栓は、脳の血管に動脈硬化などが起こり、細くなった部分に血栓が詰まった状態です。血圧が低下すると血流がさらに弱まるため、血圧の低い睡眠中や起床時に起こりやすい病気です。
突然、手足に力が入らなくなったりする症状が出たら要注意で、そこから少しずつ麻痺が進んでいくケースが一般的です。
症状は、動脈硬化とともに徐々に進行していきますが、発症の兆候としては頭痛、めまい、言語障害、半身麻痺などが見られます。
脳塞栓は、血栓が血液の流れに乗って脳の血管の中に入り、血流を止めてしまう状態です。
発作は突然起こり、手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らなくなるなどのほか、言葉が出ない、人の顔の判断がつかない、道がわからない、など痴呆に似た症状が出ることもあります。
私たち人間の脳には身体全体の約30%の血液が必要ですが、血流が不足して酸素が行きわたらなくなると、脳細胞は大きなダメージを受けます。
今までに脳卒中を起こしたことがある人や、高血圧、心臓病、糖尿病、高脂血症などの病気にかかったことがある人、オーバーウエイトの人は、特に注意が必要です。
脳卒中は、命はとりとめても言語や運動機能に大きな障害を残すことが多いため、早期発見と予防が何よりも大事です。
* 手足のまひ
* ろれつが回らない
* 激しい頭痛・めまい・吐き気がある
* 視野がせばまる
など脳卒中の前ぶれがあった時は、ただちに医療機関にかかるようにします。
血管は加齢とともに弾力性が落ちていきますから、年齢が上がると発症しやすくなります。また、心臓に障害がある場合に起こりやすくなるので、不整脈、弁膜症、心筋梗塞などの心配がある方は、特に注意が必要です。
食生活などに気を配り、ストレスをためないようにしましょう。定期的に脳ドックによる検査を受けることも、お勧めします。
このほか、夏は脱水症状にならないよう適度な水分補給を心掛けましょう。夏は発汗のために血液が濃くなり、血栓ができやすくなるからです。
また、冬は気温が下がり、血管が収縮して血圧が高くなる傾向にあるので、入浴や外出時など急激な温度差には十分注意して、心臓や血管に過度の負担をかけないようにしましょう。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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■病気 脳膿瘍 [病気(の)]
脳に化膿菌が入って炎症を起こし、うみがたまった状態
脳膿瘍(のうよう)とは、脳に化膿菌が入って炎症を起こし、組織が壊されて、うみの塊ができる疾患。
膿瘍の形成過程は、まず、うみがたまっていない巣(そう)状の急性炎症が、脳のある部分に生じます。次に、明らかな化膿性の炎症が起こり、うみがみられるようになります。さらに、膿瘍周囲に被膜が形成され、限局性に膿瘍が完成します。膿瘍周囲の浮腫(ふしゅ)は、頭蓋(ずがい)内圧を高進させることがあります。
脳膿瘍の原因としては、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎双球菌、インフルエンザ菌、大腸菌などが血液の流れに乗って、あるいは、周囲の炎症、例えば中耳炎、蓄膿症などから直接侵入して起こってきます。そのほか、頭部の外傷、脳の手術に際して化膿菌が直接侵入することもあります。
症状としては、化膿に伴う発熱のほかに、化膿巣の生じた脳の部分の機能障害が現れます。けいれんや手足のまひなどの刺激症状、意識の障害、半盲、失語症、運動まひなど、脳の機能の脱落症状が起こってきます。
化膿巣が大きくなると、脳腫瘍と同じように脳圧の高進が著しくなり、頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、視神経のうっ血、項部(こうぶ)強直などが現れてきます。
脳膿瘍の検査と診断と治療
抗生剤治療と外科的アプローチの進歩によって治癒し得るケースが増えていますが、診断の遅れによって予後が不良になることもあります。頭痛や発熱が持続する時には、すぐに脳神経外科や神経内科などの専門医の診察を受けます。
医師の側は、炎症症状と脳や脊髄(せきずい)の症状から、ある程度推定はできますが、脳脊髄膜に炎症が及ばないと確かめられないこともあります。ことに慢性の場合には、初期に気付かずに、多少性格が変わったといった程度で見過ごされてしまうことがあります。
検査法としては、脳脊髄液検査や脳の血管撮影などがありますが、頭部CT検査が診断に有力です。膿瘍の大きさや部位を正確に判定できますし、造影剤によって被膜はリング状に増強されるのが特徴です。また、中耳や副鼻腔(びくう)などの病変の有無をも、同時に観察することができます。
化学療法として、いろいろな抗生剤が用いられます。脳膿瘍はこれらの化学療法に比較的よく反応するので、診断が付き、原因となった菌さえ確かめることができれば、十分な治療ができ、完全に治癒することが多いものです。発病初期には原因となった菌が不明なことが多いので、広い範囲の細菌に有効な抗生剤が投与されますが、菌が確定した際には最もよく効く抗生剤に変更されます。
通常の感染症よりも抗生剤の投与量は多く、投与期間も長くなります。脳浮腫に対して脳圧降下剤、けいれんに対して抗けいれん剤なども用いられます。
外科的治療は、穿刺(せんし)吸引および排膿、ドレナージが一般的です。最近では、CTまたはMRIガイド下に、比較的安全に穿刺および排膿できるようになりました。
予防法としては、中耳炎や蓄膿症、気管支炎、骨髄炎などにかかったら、完全に治しておくことが大切です。ことに幼小児では、この点の注意が重要です。また、先天性の心臓病を持っている子供は、感染症にかかると脳膿瘍にかかりやすいため、注意が必要です。
脳膿瘍(のうよう)とは、脳に化膿菌が入って炎症を起こし、組織が壊されて、うみの塊ができる疾患。
膿瘍の形成過程は、まず、うみがたまっていない巣(そう)状の急性炎症が、脳のある部分に生じます。次に、明らかな化膿性の炎症が起こり、うみがみられるようになります。さらに、膿瘍周囲に被膜が形成され、限局性に膿瘍が完成します。膿瘍周囲の浮腫(ふしゅ)は、頭蓋(ずがい)内圧を高進させることがあります。
脳膿瘍の原因としては、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎双球菌、インフルエンザ菌、大腸菌などが血液の流れに乗って、あるいは、周囲の炎症、例えば中耳炎、蓄膿症などから直接侵入して起こってきます。そのほか、頭部の外傷、脳の手術に際して化膿菌が直接侵入することもあります。
症状としては、化膿に伴う発熱のほかに、化膿巣の生じた脳の部分の機能障害が現れます。けいれんや手足のまひなどの刺激症状、意識の障害、半盲、失語症、運動まひなど、脳の機能の脱落症状が起こってきます。
化膿巣が大きくなると、脳腫瘍と同じように脳圧の高進が著しくなり、頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、視神経のうっ血、項部(こうぶ)強直などが現れてきます。
脳膿瘍の検査と診断と治療
抗生剤治療と外科的アプローチの進歩によって治癒し得るケースが増えていますが、診断の遅れによって予後が不良になることもあります。頭痛や発熱が持続する時には、すぐに脳神経外科や神経内科などの専門医の診察を受けます。
医師の側は、炎症症状と脳や脊髄(せきずい)の症状から、ある程度推定はできますが、脳脊髄膜に炎症が及ばないと確かめられないこともあります。ことに慢性の場合には、初期に気付かずに、多少性格が変わったといった程度で見過ごされてしまうことがあります。
検査法としては、脳脊髄液検査や脳の血管撮影などがありますが、頭部CT検査が診断に有力です。膿瘍の大きさや部位を正確に判定できますし、造影剤によって被膜はリング状に増強されるのが特徴です。また、中耳や副鼻腔(びくう)などの病変の有無をも、同時に観察することができます。
化学療法として、いろいろな抗生剤が用いられます。脳膿瘍はこれらの化学療法に比較的よく反応するので、診断が付き、原因となった菌さえ確かめることができれば、十分な治療ができ、完全に治癒することが多いものです。発病初期には原因となった菌が不明なことが多いので、広い範囲の細菌に有効な抗生剤が投与されますが、菌が確定した際には最もよく効く抗生剤に変更されます。
通常の感染症よりも抗生剤の投与量は多く、投与期間も長くなります。脳浮腫に対して脳圧降下剤、けいれんに対して抗けいれん剤なども用いられます。
外科的治療は、穿刺(せんし)吸引および排膿、ドレナージが一般的です。最近では、CTまたはMRIガイド下に、比較的安全に穿刺および排膿できるようになりました。
予防法としては、中耳炎や蓄膿症、気管支炎、骨髄炎などにかかったら、完全に治しておくことが大切です。ことに幼小児では、この点の注意が重要です。また、先天性の心臓病を持っている子供は、感染症にかかると脳膿瘍にかかりやすいため、注意が必要です。