■病気 ベーチェット病 [病気(へ)]
多彩な症状を示す膠原病類縁疾患
ベーチェット病とは、原因不明の膠原(こうげん)病類縁疾患。目のぶどう膜炎に加えて、口腔(こうくう)粘膜のアフタ性潰瘍(かいよう)、皮膚症状、外陰部潰瘍を主症状とし、血管、神経、消化器などの病変を副症状として、急性炎症性発作を繰り返すことを特徴とします。
疾患名は、トルコの医師フルス・ベーチェットが1936年、初めて報告したことに由来しています。日本では現在、厚生労働省の特定疾患医療に認定されている難病の一つで、平成19年3月末現在、ベーチェット病の特定疾患医療受給者数は16638人を数えます。
地域的には、中近東諸国や地中海沿岸諸国、日本、韓国、中国に多くみられるため、シルクロード病ともいわれています。日本においては北海道、東北に多くて、北高南低の分布を示し、男女比は1対1、20歳代後半から40歳代にかけての働き盛りに、多く発症しています。
疾患の原因は、現在も不明です。しかし、遺伝因子など何らかの内因と、感染病原体やそのほかの環境因子など何らかの外因が関与して、白血球の異常が生じるために発症すると考えられています。単純な遺伝性疾患と捕らえるのは、妥当ではありません。
内因中の遺伝因子で一番重要視されているのは、ヒトの組織適合性抗原であるヒト白血球抗原(HLA)のHLA-B51というタイプです。HLAのうちB51を持っている日本人の一般的割合は10~15パーセントですが、べーチェット病の発症者では50~60パーセントと非常に高い割合になっています。
また、そのほかの遺伝因子についても、発症や病状に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
外因としては、ある種の工業汚染物質の影響を考える説もありますが、虫歯菌を含む細菌やウイルスなどの微生物が関わっているのではないかという考え方が有力です。
ベーチェット病の主な症状は、以下の4症状です。
●目の症状
この疾患で最も重要な症状が目のぶどう膜炎で、ほとんど両目が侵されます。ぶどう膜とは、虹彩(こうさい)、毛様体、脈絡膜の総称です。
目に最初に出現する自覚症状として最も多いのは、目のかすみや視力低下。医師が細隙燈(さいげきとう)顕微鏡で見ると、角膜と虹彩とに囲まれた前眼房が混濁し、ベーチェット病のぶどう膜炎特有の白色の蓄積物が認められます。これを前眼房蓄膿(ちくのう)といいます。
再発を繰り返しながら、徐々に視力低下を来しますが、発症者本人がその再発を直接的に自覚する場合が多く、眼発作と呼ばれています。障害が蓄積され、網膜脈絡膜炎に進む例では、失明に至ることもあります。
●口腔粘膜のアフタ性潰瘍
頬(きょう)粘膜、舌、口唇、歯肉に白く、痛みのある、アフタという円形の潰瘍ができます。初発症状として最も頻度の高い症状ですが、経過を通じて繰り返しできることも特徴です。
●皮膚の症状
皮膚に結節性紅斑(こうはん)や、にきびのような発疹(はっしん)がみられます。結節性紅斑は、隆起性で圧痛を伴う紅斑が手足に現れます。にきびのような発疹は、前胸部、背部、頸部(けいぶ)などに現れます。
皮膚は過敏になり、かみそり負けを起こしやすかったり、針反応といって、注射や採血で針を刺した後、赤く腫(は)れたりすることがあります。
●外陰部の潰瘍
男性では陰嚢(いんのう)、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、膣(ちつ)粘膜に有痛性の潰瘍がみられます。外見は口腔粘膜のアフタ性潰瘍に似ていますが、深掘れになることもあり、傷跡を残すこともあります。ベーチェット病に特徴的な症状で、しばしば発症者が自らの病気を自覚するきっかけになります。
4つの主症状以外に、以下の副症状があります。後期に起こる症状であり、生命や予後に影響を及ぼします。
●関節炎
膝(ひざ)、足首、手首、肘(ひじ)、肩などの大関節が侵され、一般的には、むくみがみられます。急性、亜急性で繰り返す場合と、慢性に持続する場合があります。非対称性で、変形や剛直を残さず、手指などの小関節が侵されない点で、関節リウマチとは異なります。
●血管病変
この疾患で大きな血管に病変がみられた時、血管型ベーチェット病といい、圧倒的に男性に多い病型です。動脈、静脈ともに侵されますが、静脈病変が多く、深部静脈血栓症などの原因となることがあります。深部静脈血栓症は下肢に多くみられ、皮下静脈に沿った発赤、圧痛と周囲のむくみが主な症状です。
動脈病変は少ないのですが、大動脈炎を起こしたり、肺動脈炎から大量喀血(かっけつ)を来すことがあります。血管病変に伴う脳血管障害や心筋梗塞(こうそく)を起こす場合もあります。
●消化器病変
腸管の潰瘍を起こした時、腸管型ベーチェット病といいます。主症状は、腹痛、下痢、下血など。部位は右下腹部に当たる回盲部が圧倒的に多く、上行結腸、横行結腸にもみられます。潰瘍は深く下掘れし、消化管出血や腸管穿孔(せんこう)により、緊急手術を必要とすることもあります。
●神経病変
神経症状が前面に出た時、神経型ベーチェット病といいます。難治性で、男性に多い病型です。髄膜(ずいまく)炎、脳幹脳炎として急性に発症するタイプと、片まひ、小脳症状などの神経症状に加えて認知症などの精神症状を来し、慢性的に進行するタイプに大別されます。慢性的に進行するタイプは特に予後不良で、あまり治療も効きません。
●副睾丸(こうがん)炎
男性に頻度が高く、特徴的症状として挙げられています。睾丸部の圧痛と、むくみを伴います。
ベーチェット病の検査と診断と治療
ベーチェット病の主症状が2つ以上あれば、定期的な経過観察が重要となりますので、リウマチ・膠原病科、眼科、皮膚科の専門医を受診します。
診断のための特殊な検査はなく、これがあればベーチェット病だと診断できる特別な症状もありませんが、主症状と副症状から総合的に診断が行なわれます。HLA―B51陽性や針反応は、診断の参考になります。
主症状がすべて出現した時は診断はそれほど難しくはありませんが、副症状が主体になる時は診断が困難なことがあります。また、多彩な症状は一度に出てくるわけではなく、長い年月をかけて症状がそろい、初めてベーチェット病と診断される場合も少なくありません。
目、口、皮膚、外陰部の4主症状すべてがそろったものを完全型ベーチェット病、2~3主症状に加えて2副症状を示したものを不全型ベーチェット病と呼ぶこともあります。
ベーチェット病の症状は非常に多彩ですので、現在のところ、すべての症状に対応できる単一の治療はありません。急性炎症性発作を完全に食い止める治療法もなく、いかに発作を軽症化し、回数を減らすかが治療の最大の課題となっています。
現在の治療は、ステロイド剤(副じん皮質ホルモン)と免疫抑制剤が中心となっています。生命に影響を及ぼす臓器病変や、重篤な目の病変などでは、高用量のステロイド剤や免疫抑制剤を含む強力な治療が行なわれます。
一度臓器病変を起こした場合や、血管型、神経型、腸管型に分類される特殊型ベーチェット病の場合は、症状が軽減、解消した後も容易に再燃するのを防ぐため、少量のステロイドを飲み続けるケースが多くなります。
難治性の目の病変に対しては、抗腫瘍(しゅよう)壊死因子抗体のインフリキシマブを使用することもあります。インフリキシマブは世界に先駆けて2007年1月、日本で保険適用となったもので、まだ長期成績は出ていませんが、従来の治療薬にない効果が期待されています。
皮膚などの軽度の症状や、症状が軽減、解消した時期には、コルヒチン、サラゾピリンなども用いられます。
主症状に関しては、慢性的に繰り返し症状が出現するものの、一般に予後は悪くありません。10年くらい経つと疾患の勢いは下り坂となり、20年くらいを越えるとほぼ再燃しないと見なされています。ただし、目の病変については、治療が遅れるなどすると失明することもあり、若年者の失明の重大な原因の一つです。特殊型ベーチェット病も、いろいろな後遺症を残すことがあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
ベーチェット病とは、原因不明の膠原(こうげん)病類縁疾患。目のぶどう膜炎に加えて、口腔(こうくう)粘膜のアフタ性潰瘍(かいよう)、皮膚症状、外陰部潰瘍を主症状とし、血管、神経、消化器などの病変を副症状として、急性炎症性発作を繰り返すことを特徴とします。
疾患名は、トルコの医師フルス・ベーチェットが1936年、初めて報告したことに由来しています。日本では現在、厚生労働省の特定疾患医療に認定されている難病の一つで、平成19年3月末現在、ベーチェット病の特定疾患医療受給者数は16638人を数えます。
地域的には、中近東諸国や地中海沿岸諸国、日本、韓国、中国に多くみられるため、シルクロード病ともいわれています。日本においては北海道、東北に多くて、北高南低の分布を示し、男女比は1対1、20歳代後半から40歳代にかけての働き盛りに、多く発症しています。
疾患の原因は、現在も不明です。しかし、遺伝因子など何らかの内因と、感染病原体やそのほかの環境因子など何らかの外因が関与して、白血球の異常が生じるために発症すると考えられています。単純な遺伝性疾患と捕らえるのは、妥当ではありません。
内因中の遺伝因子で一番重要視されているのは、ヒトの組織適合性抗原であるヒト白血球抗原(HLA)のHLA-B51というタイプです。HLAのうちB51を持っている日本人の一般的割合は10~15パーセントですが、べーチェット病の発症者では50~60パーセントと非常に高い割合になっています。
また、そのほかの遺伝因子についても、発症や病状に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
外因としては、ある種の工業汚染物質の影響を考える説もありますが、虫歯菌を含む細菌やウイルスなどの微生物が関わっているのではないかという考え方が有力です。
ベーチェット病の主な症状は、以下の4症状です。
●目の症状
この疾患で最も重要な症状が目のぶどう膜炎で、ほとんど両目が侵されます。ぶどう膜とは、虹彩(こうさい)、毛様体、脈絡膜の総称です。
目に最初に出現する自覚症状として最も多いのは、目のかすみや視力低下。医師が細隙燈(さいげきとう)顕微鏡で見ると、角膜と虹彩とに囲まれた前眼房が混濁し、ベーチェット病のぶどう膜炎特有の白色の蓄積物が認められます。これを前眼房蓄膿(ちくのう)といいます。
再発を繰り返しながら、徐々に視力低下を来しますが、発症者本人がその再発を直接的に自覚する場合が多く、眼発作と呼ばれています。障害が蓄積され、網膜脈絡膜炎に進む例では、失明に至ることもあります。
●口腔粘膜のアフタ性潰瘍
頬(きょう)粘膜、舌、口唇、歯肉に白く、痛みのある、アフタという円形の潰瘍ができます。初発症状として最も頻度の高い症状ですが、経過を通じて繰り返しできることも特徴です。
●皮膚の症状
皮膚に結節性紅斑(こうはん)や、にきびのような発疹(はっしん)がみられます。結節性紅斑は、隆起性で圧痛を伴う紅斑が手足に現れます。にきびのような発疹は、前胸部、背部、頸部(けいぶ)などに現れます。
皮膚は過敏になり、かみそり負けを起こしやすかったり、針反応といって、注射や採血で針を刺した後、赤く腫(は)れたりすることがあります。
●外陰部の潰瘍
男性では陰嚢(いんのう)、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、膣(ちつ)粘膜に有痛性の潰瘍がみられます。外見は口腔粘膜のアフタ性潰瘍に似ていますが、深掘れになることもあり、傷跡を残すこともあります。ベーチェット病に特徴的な症状で、しばしば発症者が自らの病気を自覚するきっかけになります。
4つの主症状以外に、以下の副症状があります。後期に起こる症状であり、生命や予後に影響を及ぼします。
●関節炎
膝(ひざ)、足首、手首、肘(ひじ)、肩などの大関節が侵され、一般的には、むくみがみられます。急性、亜急性で繰り返す場合と、慢性に持続する場合があります。非対称性で、変形や剛直を残さず、手指などの小関節が侵されない点で、関節リウマチとは異なります。
●血管病変
この疾患で大きな血管に病変がみられた時、血管型ベーチェット病といい、圧倒的に男性に多い病型です。動脈、静脈ともに侵されますが、静脈病変が多く、深部静脈血栓症などの原因となることがあります。深部静脈血栓症は下肢に多くみられ、皮下静脈に沿った発赤、圧痛と周囲のむくみが主な症状です。
動脈病変は少ないのですが、大動脈炎を起こしたり、肺動脈炎から大量喀血(かっけつ)を来すことがあります。血管病変に伴う脳血管障害や心筋梗塞(こうそく)を起こす場合もあります。
●消化器病変
腸管の潰瘍を起こした時、腸管型ベーチェット病といいます。主症状は、腹痛、下痢、下血など。部位は右下腹部に当たる回盲部が圧倒的に多く、上行結腸、横行結腸にもみられます。潰瘍は深く下掘れし、消化管出血や腸管穿孔(せんこう)により、緊急手術を必要とすることもあります。
●神経病変
神経症状が前面に出た時、神経型ベーチェット病といいます。難治性で、男性に多い病型です。髄膜(ずいまく)炎、脳幹脳炎として急性に発症するタイプと、片まひ、小脳症状などの神経症状に加えて認知症などの精神症状を来し、慢性的に進行するタイプに大別されます。慢性的に進行するタイプは特に予後不良で、あまり治療も効きません。
●副睾丸(こうがん)炎
男性に頻度が高く、特徴的症状として挙げられています。睾丸部の圧痛と、むくみを伴います。
ベーチェット病の検査と診断と治療
ベーチェット病の主症状が2つ以上あれば、定期的な経過観察が重要となりますので、リウマチ・膠原病科、眼科、皮膚科の専門医を受診します。
診断のための特殊な検査はなく、これがあればベーチェット病だと診断できる特別な症状もありませんが、主症状と副症状から総合的に診断が行なわれます。HLA―B51陽性や針反応は、診断の参考になります。
主症状がすべて出現した時は診断はそれほど難しくはありませんが、副症状が主体になる時は診断が困難なことがあります。また、多彩な症状は一度に出てくるわけではなく、長い年月をかけて症状がそろい、初めてベーチェット病と診断される場合も少なくありません。
目、口、皮膚、外陰部の4主症状すべてがそろったものを完全型ベーチェット病、2~3主症状に加えて2副症状を示したものを不全型ベーチェット病と呼ぶこともあります。
ベーチェット病の症状は非常に多彩ですので、現在のところ、すべての症状に対応できる単一の治療はありません。急性炎症性発作を完全に食い止める治療法もなく、いかに発作を軽症化し、回数を減らすかが治療の最大の課題となっています。
現在の治療は、ステロイド剤(副じん皮質ホルモン)と免疫抑制剤が中心となっています。生命に影響を及ぼす臓器病変や、重篤な目の病変などでは、高用量のステロイド剤や免疫抑制剤を含む強力な治療が行なわれます。
一度臓器病変を起こした場合や、血管型、神経型、腸管型に分類される特殊型ベーチェット病の場合は、症状が軽減、解消した後も容易に再燃するのを防ぐため、少量のステロイドを飲み続けるケースが多くなります。
難治性の目の病変に対しては、抗腫瘍(しゅよう)壊死因子抗体のインフリキシマブを使用することもあります。インフリキシマブは世界に先駆けて2007年1月、日本で保険適用となったもので、まだ長期成績は出ていませんが、従来の治療薬にない効果が期待されています。
皮膚などの軽度の症状や、症状が軽減、解消した時期には、コルヒチン、サラゾピリンなども用いられます。
主症状に関しては、慢性的に繰り返し症状が出現するものの、一般に予後は悪くありません。10年くらい経つと疾患の勢いは下り坂となり、20年くらいを越えるとほぼ再燃しないと見なされています。ただし、目の病変については、治療が遅れるなどすると失明することもあり、若年者の失明の重大な原因の一つです。特殊型ベーチェット病も、いろいろな後遺症を残すことがあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:円板状エリテマトーデス 病気(へ) 亜急性皮膚エリテマトーデス 慢性円板状エリテマトーデス 血管脂肪腫 多発性血管脂肪腫 ベーチェット病 シルクロード病(ベーチェット病) 先天性白皮症 皮膚結核 接触皮膚炎(かぶれ) 主婦湿疹(手湿疹) じんましん(蕁麻疹) 痒疹 多形滲出性紅斑 紅皮症(剥脱性皮膚炎) 紫斑病 せつ、よう やけど(熱傷) いんきんたむし(股部白癬) 単純性疱疹(単純性ヘルペス) しらくも(頭部白癬) 口腔カンジダ症(鵞口瘡) 匙状づめ 時計ガラスつめ(ヒポクラテスつめ) 酒さ様皮膚炎(口囲皮膚炎) 掌蹠膿疱症 蜂窩織炎、丹毒 爪甲横溝 爪甲軟化症 白皮症 白板症 乾皮症 陥入爪 あせも(汗疹) とびひ(伝染性膿痂疹) ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSS症候群) 虫刺され(虫刺症) シラミ症 色素性母斑 リール黒皮症 ボーエン病 青あざ 尋常性疣贅 ミルメシア 母斑細胞性母斑 悪性黒色腫 スピッツ母斑 ウンナ母斑 正中部母斑 黒あざ ひょうそ 皮膚カンジダ症 水虫(足白癬) 白癬(はくせん) カポジ肉腫 乾癬(かんせん) 疥癬(かいせん) 白なまず(白斑) 黒なまず(癜風) 脂漏性皮膚炎
■病気 変形性股関節症 [病気(へ)]
関節の老化変性などで、股関節が痛み、動きも悪化
変形性股(こ)関節症とは、関節軟骨の変性や摩耗に始まり、さまざまな関節変化が進行する疾患。
年を取っていくに従って、骨や関節にも老化が現れてきて、関節軟骨は次第に消耗して擦り切れ、軟骨の下の骨が現れ、関節の端のほうでは骨のとげが出てきて関節が変形してきます。このように変形性関節症は老化変性を基盤とする疾患ですが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨変性が加速されて、必ずしも老人でなくても同様な変化が生じてきます。
日本では、変形性股関節症の大多数が、先天性股関節脱臼(だっきゅう)後に生じる二次性のものです。もちろん、先天性股関節脱臼がほぼ完全に治癒すれば、変形性股関節症にはなりませんが、往々、程度の差こそあれ関節不適合を残して治ります。このような場合には、年月の経過とともに、次第に変形性股関節症へと進展していきます。
この先天性股関節脱臼や臼蓋(きゅうがい)形成不全に起因する変形性股関節症がほとんどで、その大部分が女性に起こります。このほか、ペルテス病、大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)、大腿骨頭すべり症、外傷などに起因するものもあります。
臼蓋(きゅうがい)形成不全は、股関節の屋根の作りが浅いものです。股関節で大腿骨頭を受け入れる部分を股臼といい、骨頭にかぶさり体重を支える部分の股臼が、この臼蓋です。
変形性股関節症の症状としては、初めのころは歩きすぎたり、スポーツ後などに股関節部の痛みや疲れやすさを感じます。休息すればよくなりますが、繰り返すうちに痛みが強くなり、遠距離を歩かなくても、あるいは少し歩いただけでも痛みが起こり、足を引きずるようになってきます。股関節の動きも悪くなって、靴下の着脱や足のつめ切りなどが不自由になります。
痛みは股関節部に限らず、臀部(でんぶ)、大腿部、あるいは膝上部に起こることもあり、注意が必要です。
変形性股関節症の検査と診断と治療
X線検査を行うと、大腿骨頭は変形し、関節の透き間が狭くなり、骨頭や臼蓋の骨に丸く、薄くなって抜けている部分や、関節端のほうでは骨の出っ張りなどがみられ、変形性股関節症の診断がつけられます。
変形性股関節症にはつえの使用が有効で、1本のつえを使うと、股関節への荷重が約4分の1から5分の1くらいに減ります。比較的安静をとり、薬で痛みが抑えられる間はよいのですが、痛みが抑えられなかったり、次第に痛みが強くなっていく場合には、手術的手段が行われます。
手術方法にはいくつもの種類があり、個人に最も適していると思われる方法がとられます。
股関節周辺の筋肉を切り離し、関節に加わる力の軽減を図る簡単な筋離開術から、荷重面積の増加を目的とする骨切り術、股関節形成術や股関節を全部人工のものと置き換える人工関節置換術などがとられます。また、片側のみを発症した比較的若い人で、立ち仕事や重労働をしなければならない場合には、股関節をよい角度で固定する関節固定術もとられます。
疾患の本態から考えてみても、進行を食い止めることはできません。しかし、股関節にかかる負担を軽くすることで、進行のスピードを遅らせたり、痛みなどの症状の改善を得ることができます。つえを使うほか、筋力を強化すること、太っている人は管理栄養士による食事指導と運動処方によって体重を減らすことが、やはり股関節への負担を軽減することになります。
たとえ自覚症状には変化がなくても、数カ月から半年くらいに1度は、必ず医師の診察を受け、病態を把握しておくことも必要です。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
変形性股(こ)関節症とは、関節軟骨の変性や摩耗に始まり、さまざまな関節変化が進行する疾患。
年を取っていくに従って、骨や関節にも老化が現れてきて、関節軟骨は次第に消耗して擦り切れ、軟骨の下の骨が現れ、関節の端のほうでは骨のとげが出てきて関節が変形してきます。このように変形性関節症は老化変性を基盤とする疾患ですが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨変性が加速されて、必ずしも老人でなくても同様な変化が生じてきます。
日本では、変形性股関節症の大多数が、先天性股関節脱臼(だっきゅう)後に生じる二次性のものです。もちろん、先天性股関節脱臼がほぼ完全に治癒すれば、変形性股関節症にはなりませんが、往々、程度の差こそあれ関節不適合を残して治ります。このような場合には、年月の経過とともに、次第に変形性股関節症へと進展していきます。
この先天性股関節脱臼や臼蓋(きゅうがい)形成不全に起因する変形性股関節症がほとんどで、その大部分が女性に起こります。このほか、ペルテス病、大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)、大腿骨頭すべり症、外傷などに起因するものもあります。
臼蓋(きゅうがい)形成不全は、股関節の屋根の作りが浅いものです。股関節で大腿骨頭を受け入れる部分を股臼といい、骨頭にかぶさり体重を支える部分の股臼が、この臼蓋です。
変形性股関節症の症状としては、初めのころは歩きすぎたり、スポーツ後などに股関節部の痛みや疲れやすさを感じます。休息すればよくなりますが、繰り返すうちに痛みが強くなり、遠距離を歩かなくても、あるいは少し歩いただけでも痛みが起こり、足を引きずるようになってきます。股関節の動きも悪くなって、靴下の着脱や足のつめ切りなどが不自由になります。
痛みは股関節部に限らず、臀部(でんぶ)、大腿部、あるいは膝上部に起こることもあり、注意が必要です。
変形性股関節症の検査と診断と治療
X線検査を行うと、大腿骨頭は変形し、関節の透き間が狭くなり、骨頭や臼蓋の骨に丸く、薄くなって抜けている部分や、関節端のほうでは骨の出っ張りなどがみられ、変形性股関節症の診断がつけられます。
変形性股関節症にはつえの使用が有効で、1本のつえを使うと、股関節への荷重が約4分の1から5分の1くらいに減ります。比較的安静をとり、薬で痛みが抑えられる間はよいのですが、痛みが抑えられなかったり、次第に痛みが強くなっていく場合には、手術的手段が行われます。
手術方法にはいくつもの種類があり、個人に最も適していると思われる方法がとられます。
股関節周辺の筋肉を切り離し、関節に加わる力の軽減を図る簡単な筋離開術から、荷重面積の増加を目的とする骨切り術、股関節形成術や股関節を全部人工のものと置き換える人工関節置換術などがとられます。また、片側のみを発症した比較的若い人で、立ち仕事や重労働をしなければならない場合には、股関節をよい角度で固定する関節固定術もとられます。
疾患の本態から考えてみても、進行を食い止めることはできません。しかし、股関節にかかる負担を軽くすることで、進行のスピードを遅らせたり、痛みなどの症状の改善を得ることができます。つえを使うほか、筋力を強化すること、太っている人は管理栄養士による食事指導と運動処方によって体重を減らすことが、やはり股関節への負担を軽減することになります。
たとえ自覚症状には変化がなくても、数カ月から半年くらいに1度は、必ず医師の診察を受け、病態を把握しておくことも必要です。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:病気(へ)
■病気 変形性膝関節症 [病気(へ)]
膝関節の軟骨が擦り減り、歩くと痛む疾患
変形性膝(ひざ)関節症とは、関節の軟骨が傷んで擦り減り、歩く際に痛みが生じる疾患。老化変性を基盤として起こりますが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨の摩耗が加速されて、必ずしも中高年齢者でなくても発症します。
関節軟骨は、関節の骨の表面を覆っている厚さ2~7mm程度の層で、正常では透明感のある白色に輝いていて、表面は非常に滑らかですべすべしています。水を含んだスポンジのように、関節の水分を吸ったり出したりすることで、体重の負担を分散するクッションとして、その衝撃を軽くしています。また、関節軟骨同士の接触面は、摩擦による抵抗が非常に少なくなっています。関節軟骨の内容は、プロテオグリカン、コラーゲン、水からなっています。
しかし、中高年になると筋力が低下し、その筋力でカバーできない負担が継続的に掛かる仕事や、瞬間的に大きな負担がかかるスポーツなどで、関節軟骨が衝撃を吸収しきれなくなると傷んでしまいます。関節軟骨はその構造上、表面がいったん傷んでくると、元に戻りにくく、だんだん擦り減って悪くなる傾向があります。
変形性膝関節症は中高年齢者に多く、50歳代で発症し、65歳以上で急増します。また、男性に比べ2~4倍、女性に多いのも特徴です。肥満している人、O脚変形(いわゆる、がにまた)のある人にもよくみられ、O脚では内側に過度な体重、圧迫が加わることになり、内側の軟骨の摩耗が進んでいきます。
症状としては、膝関節のはれや、こわばっている感じがし、正座ができなくなります。歩き始めに膝が痛みますが、少し歩いているうちに楽になり、また歩きすぎると痛みが出てきます。
片側の膝だけに発症することもありますが、両側性のこともしばしばあります。症状が進行すると、関節内に水、すなわち増量した関節液がたまってくるようになり、関節のすきまから前内側膝蓋(しつがい)部にかけて押すと痛むところが現れます。さらに進行すると、膝関節を完全に伸ばすことができなくなり、屈曲も制限され、関節が側方にぐらつくようになることもあります。
変形性膝関節症の検査と診断と治療
X線写真では、関節の端に骨の出っ張りがみられ、関節の透き間が狭くなったり、軟骨下骨の組織が硬化している像などがみられます。膝関節が内側に反るように変形し、下腿(かたい)軸の異常が起こります。そのため、荷重した状態で下肢の全長正面像を撮影することが重要になります。
診断は年齢、臨床所見、X線所見から行います。さらに、関節造影や関節鏡を行うことで、より正確なものになります。鑑別診断で重要なものは、関節リウマチと膝関節結核との区別です。
治療上で注意することは、まず関節になるべく負担をかけないようにすることで、肥満を避けたり、無理な運動をしないようにします。やむを得ず比較的長距離を歩かなければならないような場合には、膝のサポーターも有用です。
しかし、膝が悪いからといって、ほとんど歩かないようにしては、かえって膝に悪影響を及ぼします。関節は動かすことによって、生理的な状態が維持されるので、体重負荷がかからないようにした膝関節の屈伸運動で、太ももの前面の大腿(だいたい)四頭筋の強化を図ります。
まず、いすに腰掛けて、片方の足を上げて、膝をピンと伸ばします。太ももの前面の特に膝の内側に力こぶができるように、しっかり力を入れます。そのまま、数秒間足を上げたまま止めます。 この一連の運動を左右交互に行なって1度に10回から20回、これを1日に2~3回を目安に行なうと効果的です。足首に抵抗となるおもりをつけて行えば、より効果的です。
筋力がかなり落ちている場合や、膝関節痛が強い場合は、かかとを床に着けたままで、太ももの前面に力こぶを作る運動をします。このような運動は頑張れば必ず効果が出て、膝関節の安定性と関節水腫(すいしゅ)の改善が期待できますので、少なくとも2、3カ月は続けてみましょう。
そのほか、自転車乗りや平泳ぎ以外の水泳、水中ウオーキングなども、膝に負担のかからない運動として適している上、減量にもつながります。
症状が強く、関節内に水がたまってくるような場合には、感染に対する厳重な注意の下で関節穿刺(せんし)が行われ水を吸引してから、炎症を抑えるためにヒアルロン酸、または副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を注入することもあります。
ヒアルロン酸は、軟骨の一成分で、関節液中にも存在する関節の潤滑油でもあります。変形性膝関節症ではヒアルロン酸の量が減るため、注射で補うことで、痛みを和らげ、炎症を抑え、関節の動きをよくするなどの効果があるといわれています。副腎皮質ホルモンには、強い炎症止めの効果と鎮痛効果がありますが、あまり頻繁に使用すると、副作用が多くなるといわれています。
また、膝の変形、特に片足で立った時にO脚変形が著明で、主に体重が関節の内側だけにかかるような場合には、O脚を改善させる足底板の装着が有効です。足底板の装着で治療が期待できない場合には、手術も行われます。まだ変形を起こしていない関節面が残っている場合に、脛骨(けいこつ)の骨切りを行って、体重が関節全体に均等にかかるようにします。
変形性の変化が重度である場合は、人工関節全置換術という手術も行われます。これらの手術で痛みは明らかに改善しますが、術後の合併症である血栓症による肺梗塞(こうそく)、脳梗塞、心筋梗塞の発生に十分注意を払う必要があります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
変形性膝(ひざ)関節症とは、関節の軟骨が傷んで擦り減り、歩く際に痛みが生じる疾患。老化変性を基盤として起こりますが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨の摩耗が加速されて、必ずしも中高年齢者でなくても発症します。
関節軟骨は、関節の骨の表面を覆っている厚さ2~7mm程度の層で、正常では透明感のある白色に輝いていて、表面は非常に滑らかですべすべしています。水を含んだスポンジのように、関節の水分を吸ったり出したりすることで、体重の負担を分散するクッションとして、その衝撃を軽くしています。また、関節軟骨同士の接触面は、摩擦による抵抗が非常に少なくなっています。関節軟骨の内容は、プロテオグリカン、コラーゲン、水からなっています。
しかし、中高年になると筋力が低下し、その筋力でカバーできない負担が継続的に掛かる仕事や、瞬間的に大きな負担がかかるスポーツなどで、関節軟骨が衝撃を吸収しきれなくなると傷んでしまいます。関節軟骨はその構造上、表面がいったん傷んでくると、元に戻りにくく、だんだん擦り減って悪くなる傾向があります。
変形性膝関節症は中高年齢者に多く、50歳代で発症し、65歳以上で急増します。また、男性に比べ2~4倍、女性に多いのも特徴です。肥満している人、O脚変形(いわゆる、がにまた)のある人にもよくみられ、O脚では内側に過度な体重、圧迫が加わることになり、内側の軟骨の摩耗が進んでいきます。
症状としては、膝関節のはれや、こわばっている感じがし、正座ができなくなります。歩き始めに膝が痛みますが、少し歩いているうちに楽になり、また歩きすぎると痛みが出てきます。
片側の膝だけに発症することもありますが、両側性のこともしばしばあります。症状が進行すると、関節内に水、すなわち増量した関節液がたまってくるようになり、関節のすきまから前内側膝蓋(しつがい)部にかけて押すと痛むところが現れます。さらに進行すると、膝関節を完全に伸ばすことができなくなり、屈曲も制限され、関節が側方にぐらつくようになることもあります。
変形性膝関節症の検査と診断と治療
X線写真では、関節の端に骨の出っ張りがみられ、関節の透き間が狭くなったり、軟骨下骨の組織が硬化している像などがみられます。膝関節が内側に反るように変形し、下腿(かたい)軸の異常が起こります。そのため、荷重した状態で下肢の全長正面像を撮影することが重要になります。
診断は年齢、臨床所見、X線所見から行います。さらに、関節造影や関節鏡を行うことで、より正確なものになります。鑑別診断で重要なものは、関節リウマチと膝関節結核との区別です。
治療上で注意することは、まず関節になるべく負担をかけないようにすることで、肥満を避けたり、無理な運動をしないようにします。やむを得ず比較的長距離を歩かなければならないような場合には、膝のサポーターも有用です。
しかし、膝が悪いからといって、ほとんど歩かないようにしては、かえって膝に悪影響を及ぼします。関節は動かすことによって、生理的な状態が維持されるので、体重負荷がかからないようにした膝関節の屈伸運動で、太ももの前面の大腿(だいたい)四頭筋の強化を図ります。
まず、いすに腰掛けて、片方の足を上げて、膝をピンと伸ばします。太ももの前面の特に膝の内側に力こぶができるように、しっかり力を入れます。そのまま、数秒間足を上げたまま止めます。 この一連の運動を左右交互に行なって1度に10回から20回、これを1日に2~3回を目安に行なうと効果的です。足首に抵抗となるおもりをつけて行えば、より効果的です。
筋力がかなり落ちている場合や、膝関節痛が強い場合は、かかとを床に着けたままで、太ももの前面に力こぶを作る運動をします。このような運動は頑張れば必ず効果が出て、膝関節の安定性と関節水腫(すいしゅ)の改善が期待できますので、少なくとも2、3カ月は続けてみましょう。
そのほか、自転車乗りや平泳ぎ以外の水泳、水中ウオーキングなども、膝に負担のかからない運動として適している上、減量にもつながります。
症状が強く、関節内に水がたまってくるような場合には、感染に対する厳重な注意の下で関節穿刺(せんし)が行われ水を吸引してから、炎症を抑えるためにヒアルロン酸、または副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を注入することもあります。
ヒアルロン酸は、軟骨の一成分で、関節液中にも存在する関節の潤滑油でもあります。変形性膝関節症ではヒアルロン酸の量が減るため、注射で補うことで、痛みを和らげ、炎症を抑え、関節の動きをよくするなどの効果があるといわれています。副腎皮質ホルモンには、強い炎症止めの効果と鎮痛効果がありますが、あまり頻繁に使用すると、副作用が多くなるといわれています。
また、膝の変形、特に片足で立った時にO脚変形が著明で、主に体重が関節の内側だけにかかるような場合には、O脚を改善させる足底板の装着が有効です。足底板の装着で治療が期待できない場合には、手術も行われます。まだ変形を起こしていない関節面が残っている場合に、脛骨(けいこつ)の骨切りを行って、体重が関節全体に均等にかかるようにします。
変形性の変化が重度である場合は、人工関節全置換術という手術も行われます。これらの手術で痛みは明らかに改善しますが、術後の合併症である血栓症による肺梗塞(こうそく)、脳梗塞、心筋梗塞の発生に十分注意を払う必要があります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:病気(へ)
■病気 片頭痛 [病気(へ)]
頭がズキズキして、何をする気にもなれない
片頭痛は、何らかの原因で頭蓋(とうがい)内外の血管が拡張することにより、血管を取り巻く神経が刺激されるために起こる頭痛です。なぜ血管が拡張するのか、その原因は不明です。比較的若い年代に多く、また女性に多いのが特徴です。
脈に合わせて「ズキンズキン」と激しく痛みます。徐々に痛み出すのではなく急に激しい痛みに襲われることも、緊張性頭痛との違いです。片頭痛といっても頭の片側だけが痛むとは限らず、両側が痛むこともよくあります。
数時間から2~3日続く痛みが、1カ月に数回繰り返されるのが特徴で、発作の前に気分や体調の変化、目のちらつきなどが起こることがあります。また、吐き気や嘔吐(おうと)を伴ったり、音や光に敏感になることもあります。
○片頭痛の予兆 (頭痛が起こる前触れ。頭痛が始まる2~3時間前に見られる)
* あくび
* イライラ
* 空腹感
* 甘いものが食べたくなる
* むくみ など
○片頭痛の前兆 (頭痛の始まるサイン。頭痛の始まる30分くらい前に起こる)
* 閃輝暗点:視界にチカチカした光(閃輝)が広がり、やがて中心部から見えにくくなる(暗点)。
片頭痛の原因の一つは心理的なストレス
片頭痛は、動脈を収縮させているセロトニンという物質が何らかの原因によって急激に減少してしまい、その結果動脈が拡張することが原因だとされています。また、脳幹から出ている三叉神経の末端から、何らかの原因によって「痛み物質」が大量に放出され、その刺激で脳の血管が拡張、炎症を起こすことが原因だとする説もあります。いずれにしてもその根本的な原因は不明です。しかし、片頭痛を引き起す誘因があることはわかっています。
○ストレスからの解放
ストレス中は血管が緊張しているために頭痛は起きませんが、ストレスから解放されると血管が拡張し、頭痛が起こります。仕事から解放された週末などに、片頭痛が現れることが多いのです。
○女性ホルモンの変化
生理の前後はホルモンが急激に変化するため、片頭痛が起こりやすくなります。逆に、妊娠中はホルモンが安定するため起こりにくいのです。
○人ごみや騒音、強い光などの物理的刺激
○特定の飲食物の取りすぎ
人によっては、チョコレートやワイン、チーズ、柑橘(かんきつ)類、ナッツなどによって、片頭痛が起こることがあります。
早めの薬の服用とリラックスを
痛みが軽い場合、市販の鎮痛剤の服用で痛みを抑えることができます。痛みが本格化してからでは効きが悪くなるので、なるべく早めに、できれば予兆や前兆が現れた段階で、飲むのがコツです。
市販の鎮痛薬が効かない場合は、医療機関に受診することをお勧めします。医療機関では、主にセロトニン作動薬(トリプタンやエルゴタミン製剤)を使います。また、あまりにも片頭痛が頻繁にある場合は予防薬(塩酸ロメリジン)などを処方します。
片頭痛が起きたら…
○安静を保つ
暗い静かな部屋で横になるとよいことがあります。
○冷やす
痛む部分を冷やすと血管が収縮し、痛みが和らぎます。
○一眠りする
適度な睡眠をとると、拡張した血管が正常に戻ります。ただし、寝すぎるとかえって血管が拡張することがあるので、要注意です。
○コーヒーを飲む
カフェインには血管を収縮させる作用があるので、人によっては痛みが和らぐことがあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
片頭痛は、何らかの原因で頭蓋(とうがい)内外の血管が拡張することにより、血管を取り巻く神経が刺激されるために起こる頭痛です。なぜ血管が拡張するのか、その原因は不明です。比較的若い年代に多く、また女性に多いのが特徴です。
脈に合わせて「ズキンズキン」と激しく痛みます。徐々に痛み出すのではなく急に激しい痛みに襲われることも、緊張性頭痛との違いです。片頭痛といっても頭の片側だけが痛むとは限らず、両側が痛むこともよくあります。
数時間から2~3日続く痛みが、1カ月に数回繰り返されるのが特徴で、発作の前に気分や体調の変化、目のちらつきなどが起こることがあります。また、吐き気や嘔吐(おうと)を伴ったり、音や光に敏感になることもあります。
○片頭痛の予兆 (頭痛が起こる前触れ。頭痛が始まる2~3時間前に見られる)
* あくび
* イライラ
* 空腹感
* 甘いものが食べたくなる
* むくみ など
○片頭痛の前兆 (頭痛の始まるサイン。頭痛の始まる30分くらい前に起こる)
* 閃輝暗点:視界にチカチカした光(閃輝)が広がり、やがて中心部から見えにくくなる(暗点)。
片頭痛の原因の一つは心理的なストレス
片頭痛は、動脈を収縮させているセロトニンという物質が何らかの原因によって急激に減少してしまい、その結果動脈が拡張することが原因だとされています。また、脳幹から出ている三叉神経の末端から、何らかの原因によって「痛み物質」が大量に放出され、その刺激で脳の血管が拡張、炎症を起こすことが原因だとする説もあります。いずれにしてもその根本的な原因は不明です。しかし、片頭痛を引き起す誘因があることはわかっています。
○ストレスからの解放
ストレス中は血管が緊張しているために頭痛は起きませんが、ストレスから解放されると血管が拡張し、頭痛が起こります。仕事から解放された週末などに、片頭痛が現れることが多いのです。
○女性ホルモンの変化
生理の前後はホルモンが急激に変化するため、片頭痛が起こりやすくなります。逆に、妊娠中はホルモンが安定するため起こりにくいのです。
○人ごみや騒音、強い光などの物理的刺激
○特定の飲食物の取りすぎ
人によっては、チョコレートやワイン、チーズ、柑橘(かんきつ)類、ナッツなどによって、片頭痛が起こることがあります。
早めの薬の服用とリラックスを
痛みが軽い場合、市販の鎮痛剤の服用で痛みを抑えることができます。痛みが本格化してからでは効きが悪くなるので、なるべく早めに、できれば予兆や前兆が現れた段階で、飲むのがコツです。
市販の鎮痛薬が効かない場合は、医療機関に受診することをお勧めします。医療機関では、主にセロトニン作動薬(トリプタンやエルゴタミン製剤)を使います。また、あまりにも片頭痛が頻繁にある場合は予防薬(塩酸ロメリジン)などを処方します。
片頭痛が起きたら…
○安静を保つ
暗い静かな部屋で横になるとよいことがあります。
○冷やす
痛む部分を冷やすと血管が収縮し、痛みが和らぎます。
○一眠りする
適度な睡眠をとると、拡張した血管が正常に戻ります。ただし、寝すぎるとかえって血管が拡張することがあるので、要注意です。
○コーヒーを飲む
カフェインには血管を収縮させる作用があるので、人によっては痛みが和らぐことがあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:病気(へ)