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■用語 内因性真菌性眼内炎 [用語(な)]

[目]体のほかの部分に感染していた真菌が目の中に入り、眼球の内部が炎症を起こす感染症
 内因性真菌性眼内炎とは、体のほかの部分に感染していた真菌が血流に乗って目に波及し、眼球の内部が炎症を起こす感染症。
 真菌は、カビ、酵母(イースト)、キノコなどからなる微生物の総称であり、菌類に含まれる一部門で、細菌と変形菌を除くものに相当します。葉緑素を持たない真核生物で、単細胞あるいは連なって糸状体をなし、胞子で増えます。
 この真菌が全身感染により、血行性に目の中に入って起こるのが、内因性真菌性眼内炎。そのほとんどは、糖尿病を患っている、抗がん剤投与を受けている、肝臓や心臓に感染症を起こしている、体が弱り免疫力が落ちている、血管内カテーテル(栄養のチューブ)が挿入されているなどで起こります。
 原因となる真菌は、皮膚や腸管に普通に存在しているカンジダが多く、次いでアスペルギルス、クリプトコックス、フサリウムなどが続きます。
 内因性真菌性眼内炎を発症すると、目の症状が出る前に、発熱することが多く認められます。発熱のほかに全身症状が出ることもあります。
 続いて1週間前後で、目の前に蚊など小さい物が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症や、視界に霧がかかっているように見える霧視などの症状が出ます。
 眼内の炎症が悪化すると、ひどい目の痛み、明るい光の非常なまぶしさ、充血、目やに、視力低下を自覚するようになり、さらに進行すると、視力の部分的な欠損があり、視力の完全な欠損によって失明を起こすこともあります。
 一般的に、内因性の真菌性眼内炎は程度の差こそあれ、両目に生じることが多いのが特徴です。片目のみに生じ、視力低下が軽度の場合には、ほとんど自覚症状がないため、発症に気付くのが遅れがちになります。
 飛蚊症が出た時期に眼科を受診し、適切な治療を受ければ、ほとんどのケースで治癒します。しかし、数日から数週間の単位で進行し、重症になった場合は、最大限の治療を施しても目を救えないこともあります。
[目]内因性真菌性眼内炎の検査と診断と治療
 眼科の医師による診断では、内因性真菌性眼内炎が疑われる場合には、問診で全身的な要因の有無や、血管内カテーテルの使用有無、発熱の有無を確認します。
 確定するためには、目の表面を拡大して見る細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を用いて眼球を丹念に調べ、瞳孔(どうこう)を開いた散瞳下の精密眼底検査を行います。
 続いて、分泌液の培養検査を行います。場合によっては、抗体検査やDNA検査も行います。
 分泌液の培養検査では、眼球内の前方にある液体である房水や、眼球後部の内部にあるゼリー状の組織である硝子体(しょうしたい)から採取し、感染の原因となっている真菌を早急に特定するとともに、どの薬剤が最も有効かを調べます。
 眼科の医師による治療では通常、視力を守るために、抗真菌剤による治療を直ちに開始します。極端な場合、数時間の遅れが、回復不可能な視力の低下につながることがあります。
 原因となる真菌はカンジダがほとんどですので、第1選択の抗真菌剤としてトリアゾール系薬剤のジフルカンを用います。
 後に、内因性真菌性眼内炎の原因であると判明した真菌に応じて、抗真菌剤の選択を調整することがあります。ジフルカンが無効な場合は、ほかのファンギゾン、アンコチル、フロリード、イトリゾールなどの抗真菌剤を選択します。
 抗真菌剤は、眼内注射、あるいは静脈内注射、または経口で投与します。抗真菌剤を眼内に注射した後、数日間にわたって痛みを和らげるコルチコステロイド剤を経口で投与することもあります。
 感染を食い止める確率を上げるため、眼球内部の感染組織を取り除く手術を行うこともあります。




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■用語 内因性眼内炎 [用語(な)]

[目]体のほかの部位に感染していた細菌や真菌が目の中に転移して、炎症を引き起こす眼病
 内因性眼内炎とは、目以外の体の部位に感染していた細菌や真菌(カビなど)が血流に乗って目に波及し、炎症を引き起こす眼病。転移性眼内炎とも呼ばれます。
 内因性眼内炎のほとんどは、糖尿病を患っている、抗がん剤投与を受けている、肝臓や心臓に感染症を起こしている、体が弱り免疫力が落ちている、血管内カテーテル(栄養のチューブ)が挿入されているなどで起こります。
 症状としては、 ひどい目の痛み、明るい光の非常なまぶしさ、充血、目やに、急な視力低下、視力の部分的な欠損があり、視力の完全な欠損によって失明を起こすこともあります。
 真菌の転移による内因性眼内炎の場合は、目の症状が出る前に発熱することが多く認められます。発熱のほかに全身症状が出ることもあります。続いて1週間前後で、目の前に蚊など小さい物が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症や、視界に霧がかかっているように見える霧視などの症状が出ます。
 症状が出たら、早めに眼科を受診します。真菌によるものは、飛蚊症が出た時期に眼科的な検査を行い適切な薬剤を使用すると、ほとんどのケースで治癒します。
 しかし、細菌によるものは数時間から数日の単位で、真菌によるものは数日から数週間の単位で進行し、重症になった場合は、最大限の治療を施しても目を救えないこともあります。
[目]内因性眼内炎の検査と診断と治療
 眼科の医師による診断では、眼球の検査の前に、問診で全身的な要因の有無や、血管内カテーテルの使用有無、発熱の有無を確認します。
 続いて、目の表面を拡大して見る細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を用いて眼球を丹念に調べます。さらに、分泌液の培養検査を行います。場合によっては、抗体検査やDNA検査も行います。
 分泌液の培養検査では、眼球内の前方にある液体である房水や、眼球後部の内部にあるゼリー状の組織である硝子体(しょうしたい)から採取し、感染の原因菌を早急に特定するとともに、どの薬剤が最も有効かを調べます。
 眼科の医師による治療では通常、視力を守るために、抗菌剤または抗真菌剤による治療を直ちに開始します。極端な場合、数時間の遅れが、回復不可能な視力の低下につながることがあります。
 眼内炎の原因であると判明した菌に応じて、抗菌剤や抗真菌剤の選択を調整することがあります。抗菌剤や抗真菌剤は、眼内注射、あるいは静脈内注射、または経口で投与します。
 抗菌剤や抗真菌剤を眼内に注射した後、数日間にわたって痛みを和らげるコルチコステロイド剤を経口で投与することもあります。感染を食い止める確率を上げるため、眼球内部の感染組織を取り除く手術を行うこともあります。




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■用語 内側側副靭帯損傷 [用語(な)]

[野球]野球の投球動作の繰り返しによって、肘関節の内側を支える靱帯に生じる障害
 内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)損傷とは、野球の投球動作の繰り返しによって肘(ちゅう)関節の内側を支える靱帯に生じる障害。肘尺側側副靭帯損傷とも呼ばれます。
 肘関節は、上腕骨と橈(とう)骨と尺骨という3骨の間に生じた複関節であり、その周りは靭帯や腱(けん)などによって支えられています。
 野球の投球動作では、テークバックからの加速期には、腕が前方に振り出される際に肘を外側に広げ、さらにその後のボールリリース期からフォロースルー期には、手首を手のひら側に曲げ、前腕を内側にひねるため、手首を曲げる作用をする屈筋と、前腕をひねる作用をする回内筋が付着している上腕骨内側上顆(ないそくじょうか)という、肘関節の内側にある骨性の隆起に牽引(けんいん)力が働きます。
 この投球動作の長年にわたる繰り返しにより、肘関節の内側にあって上腕骨と尺骨をつなぎ、肘関節の横ぶれを防ぐ役目をしている内側側副靱帯が損傷します。回内・屈筋群筋筋膜炎を起こしたり、上腕骨内側上顆炎を起こすこともあります。
 野球の投球動作での内側側副靭帯損傷では、繰り返す牽引により内側側副靱帯が伸びた状態になっていることがほとんどです。これは、小さな断裂の繰り返しや靭帯組織の劣化によるもので、投球歴の長いピッチャーに多く発症します。
 バランスのとれたフォームでの投球動作ならば、投球歴の長いピッチャーでも肘関節への負担は少なくなりますが、フォームのバランスが悪かったり、変化球を多投したりすると、内側側副靭帯損傷を発症する可能性が高くなります。
 投球時の肘関節内側痛が、主な症状です。特に、テークバックからの加速期に痛みが起こります。通常、徐々に痛みが起こりますが、急に痛みが起こり投球が不能になることもあります。
 日常動作では無症状のことがほとんどなものの、重症例では日常動作で肘がぐらつくような不安定性が生じたり、痛みが起こることもあります。
 また、頻度は低いものの、不安定性により肘の内側の表面近くを走行する尺骨神経が損傷され、手の小指側(尺側)にしびれや感覚障害、握力が落ちるなどの運動動障害が生じることもあります。
 野球によって内側側副靭帯損傷が生じるほか、転落などで手を突いて肘に外力が加わった時、スキーで転倒して肘に外力が加わった時、柔道などで肘の固め技を受けた時、アームレスリングで肘に強い外力が加わった時など、1回の外力で内側側副靱帯が損傷したり、完全に断裂することもあります。
 外傷性の内側側副靭帯損傷では、受傷後すぐに肘が痛くなり、はれが生じ、痛みのため肘関節の運動が制限されます。
 投球時に肘の内側が痛む場合は、内側側副靭帯損傷が疑われます。適切な治療を受けないと、競技生活を引退しても変形性肘関節症により肘の可動域が低下したり、尺骨神経遅発性まひを起こし、日常生活にも支障を来すことがありますので、早期に整形外科を受診することが勧められます。
[野球]内側側副靭帯損傷の検査と診断と治療
 整形外科の医師による診断では、投球時の痛みに加え、肘関節の内側にある骨性の隆起である上腕骨内側上顆の下端前方に圧痛があり、肘を外側に開くように力を加えると痛みが誘発される場合に、内側側副靭帯損傷を疑います。
 X線(レントゲン)検査を行うと、靭帯付着部から剥離(はくり)した小さな骨片を認めることもありますが、正常な場合もあります。肘を外側に開くように力を加えて行うストレスX線(レントゲン)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査により、靭帯付着部に異常が認められることもあります。
 整形外科の医師による治療では、投球禁止をした上、テーピングやギプスによる外固定を行って局所安静を図り、その後の筋力トレーニングで、手首を動かす屈筋と、前腕を内側にひねる回内筋の強化を行います。
 ハイレベルの競技活動の継続を希望する野球選手などの場合や、不安定性により肘の内側を走行する尺骨神経に障害を来す場合、強い痛みと不安定性により日常生活に支障を来す場合には、膝(ひざ)や爪先(つまさき)の靱帯、腱、あるいは長掌(ちょうしょう)筋という前腕の筋肉にある腱を移植し、靱帯を再建する手術を行うことがあります。
 スキーでの転倒、柔道などの固め技による外傷性の内側側副靭帯損傷の場合は、軽度から中等度の損傷であれば、テーピングやギプスによる外固定を2〜3週間行い、その後、徐々に筋力トレーニングを始めます。

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■用語 夏型過敏性肺炎 [用語(な)]

[晴れ]高温多湿な夏季をピークに、家屋内に増殖するカビの一種を吸入して起こるアレルギー性の肺炎
 夏型過敏性肺炎とは、梅雨時から秋口にかけて、家屋内に増殖するカビの一種の真菌が原因で起きるアレルギー性の肺炎。日本独特の肺炎で、過敏性肺炎の一種です。
 一口に肺炎といっても、そのタイプはさまざまです。呼吸の際に吸い込んだ感染源の種類によっては、細菌性肺炎やウイルス性肺炎などの感染性の肺炎と、薬剤性肺炎やアレルギー性肺炎などの非感染性の肺炎に分類されます。
 感染性の肺炎の場合、例えば風邪やインフルエンザにかかって気管支の粘膜に炎症が起きたため、ふだんなら、たんとともに出ていくような菌が残り、この菌によって起こされた炎症が肺の奥にある小さな袋状の肺胞まで達すると、細菌性肺炎を起こします。
 片や、非感染性の肺炎は、例えばエアコンのカビや加湿器の水に繁殖した真菌など、アレルギーを起こす原因物質である抗原(アレルゲン)が肺胞に入って反応し、アレルギー性肺炎を起こします。
 夏型過敏性肺炎は、アレルギー性肺炎の一種で、梅雨の後の高温多湿な夏季をピークにして、風通しや日当たりが悪く、湿気が多く、古い家屋内に増殖するトリコスポロンというカビの一種の真菌が抗原となって起こります。
 トリコスポロンを吸い込んだからといって、すべての人が肺炎になるわけではありませんが、アレルギーとして症状が出る場合は、少量のトリコスポロンに接しただけでも重篤な症状を呈する可能性があります。
 急性のものと慢性のものとがあり、急性のものでは、3~10ミクロンと極めて小さく、飛散しやすいトリコスポロンの胞子を吸入してから、肺胞でアレルギー反応が起こり、8〜13時間で症状が現れます。
 症状は軽いせきや、たん、頭痛程度のこともありますが、悪寒、全身倦怠(けんたい)感、体重減少、発熱、著しい呼吸困難、さらに血液中の酸素が減少し、皮膚や粘膜の色が青紫色になるチアノーゼなど重篤な症状になることもあります。
 トリコスポロンは、家屋内の台所、洗面所、風呂場、便所、あるいは畳の下の腐った木の部分などを栄養源として繁殖するほか、エアコン内部にも繁殖しやすく、エアコン使用時に室内に広がるとせきなどの症状が出ることがあります。エアコンが原因の場合、使用期間に相当する5月から10月の間だけ症状が現れることもあります。
 急性のものでは、旅行や里帰りなどで家を空け、原因となるトリコスポロンから離れることにより回復しますが、慢性になると、病変と症状は続き、進行することがあります。
 夏型過敏性肺炎は、梅雨の後の高温多湿な夏季をピークに、6月から10月ころにわたって、秋田県、岩手県以南の地域にみられ、冬季はみられません。東北よりも西日本に多い傾向があり、高温多湿な地域環境がトリコスポロンの増殖を促すためと見なされます。
 好発年齢は、30〜50歳代の女性。女性に多い理由は、家屋内の滞在時間が長く、トリコスポロンとの接触時間がほかの家族より長いためと見なされます。夏に発症して秋には症状が治まり、翌年の夏になるとまた発症するというように、数年間繰り返す傾向もあります。
 同じ症状が夏季をピークに繰り返し起こっている場合には、夏型過敏性肺炎ではないかと疑うことが大切で、内科、呼吸器科を受診します。
[晴れ]夏型過敏性肺炎の検査と診断と治療
 内科、呼吸器科の医師による診断では、胸部聴診で、髪の毛を指でつまんでこすり合わせた時の音に似た、チリチリとした捻髪(ねんぱつ)音が認められます。一般血液検査で、末梢(まっしょう)白血球数の上昇、CRP(C反応性タンパク)の上昇などの炎症反応が認められ、低酸素血症を示し、胸部X線像で両肺にすりガラス状や粒状の陰影が認められます。
 ほかに、気管支鏡と呼ばれる細い肺カメラを使って、肺内の組織を採取する経気管支肺生検が行われることがあります。この検査は他の疾患を否定する意味もあります。夏型過敏性肺炎の特徴的な病理組織像は、器質化肺炎、リンパ球性胞隔炎、肉芽腫(にくげしゅ)などです。
 気管支鏡を使って、肺内に生理食塩水を注入して肺を洗った後、回収した液を検査する気管支肺胞洗浄(BAL、バル)が行われることもあります。回収した液の中には、リンパ球が多くみられ、リンパ球のCD4とCD8の比率が低下する特徴があります。
 また、血清中に原因となる抗原に対する抗体の存在を検索することも重要です。しかし、疾患を起こしていない健常者でも陽性になることがあるので、この検査だけでは確定診断とはなりません。
 家の中に存在するカビの一種の真菌であるトリコスポロンが原因であれば、帰宅すると抗原を吸入することになるので、診断できることもあります。
 内科、呼吸器科の医師による治療では、原因となっているトリコスポロンの吸入を避けるようにすることが重要です。
 薬物療法については、軽度の症状で日常生活に影響しない場合、無治療で経過をみることがあります。中等症、重症では、発熱、呼吸困難、低酸素血症などがあるため、炎症を抑える作用のある副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を服用するか、静脈注射します。そのほか、息苦しさには酸素吸入など対症療法を行います。
 急性の場合では、入院することなどにより原因抗原のトリコスポロンから離れると回復することがほとんどです。しかし、慢性の場合では進行することがあり、肺に線維組織が増えて硬くなる肺線維症や、呼吸不全になりますから、予防が大切です。
 家などの環境が原因の夏型過敏性肺炎の予防では、家の中の掃除や消毒、台所・洗面所・風呂場の腐った木の部分の除去、畳替え、こまめな換気で風通しをよくする、年に1度のエアコンクリーニング、2週間ごとのフィルター洗浄などの工夫が重要です。
 場合によっては、住居の建て替えや、古い個所の改修、転居なども考えるべきでしょう。




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