■用語 無頭蓋症 [用語(む)]
胎児の頭蓋骨半球、大脳半球が正常に発達しない奇形症
無頭蓋症(むとうがいしょう)とは、脳の先天的な発育不全により、頭蓋骨半球、大脳半球、小脳の欠如を伴う奇形症。無脳症とも呼ばれます。
人間の脳は、脊髄(せきずい)の先端が膨らんで発達してきたものです。脊髄の上には、延髄、中脳、間脳があり、その上には両側に大脳半球が存在しています。延髄の後方には小脳があり、後頭部に位置しています。
脊髄や脳は、胎児の神経管と呼ばれる管状の細胞から形成されます。無頭蓋症の症状が現れた胎児では、妊娠4週間程度までの超初期の段階で、神経管前部の閉鎖不全などが起こって神経管の発達が阻害されることで、後々の脊髄や脳の成長が妨げられます。妊娠4カ月ころまでは脳のある程度の発育がみられるものの、妊娠5カ月ころから一度は形成されたはずの大脳、小脳のほか、生命の維持に重要な役割を果たす延髄などの脳幹が突然退化したり、発育が止まったります。
原因については、詳しく解明されていません。人種によって発現の頻度に差があるため遺伝的な要因が関係すると考えられているほか、妊娠初期における母体の栄養摂取の不足との因果関係も指摘され、飲酒や喫煙、薬剤、放射能被曝(ひばく)、ダイオキシなどが関与しているとも考えられています。
発現の頻度は、国によって異なり、アメリカでは出産1000人当たり1人程度、日本では出産10000人当たり10人程度となっています。
無頭蓋症の胎児が母胎内で死亡して流産となるケースは少なく、脳以外の臓器には異常がない場合がほとんどなので、出産の時までは生命を維持します。しかし、脳幹も欠損して死産となる確率が約75パーセントで、残る新生児も出生直後に死亡し、ある程度脳が残存している場合は生後数日間生存します。
部分的に大脳皮質が形成されて機能し脳波が測定される場合は、生後1週間~2週間程度生存するものの、まれです。海外では、奇跡的に1年以上生存しているケースもありますが、日本では、そのようなケースはありません。
無頭蓋症の新生児では、大脳半球は通常欠如して全くないか、小さな塊に縮小しているため、頭で帽子をかぶる部分に相当する頭蓋骨や頭頂部が欠如し、頭蓋の基底面が露出するとともに、基底面に付着するように変性し、表面が薄い皮膜で覆われた脳の一部が露出しています。
顔貌(がんぼう)は特徴的で、前から見ると蛙(かえる)状です。そのほか、眼球の突出や欠如、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)を合併していることもあります。口唇口蓋裂は三つ口と俗称され、唇に部分的な裂け目が現れたり、口腔(こうくう)と鼻腔が直接つながっていたりします。
嚥下(えんげ)、唾液、呼吸、循環、消化の中枢を担っている延髄の下半分が存在していれば、嚥下や啼泣(ていきゅう)がみられ、音刺激、痛覚に反応を示します。正常な幼児が特有の刺激に応えて示す原始反射は、存在しており、腱(けん)反射は高進しています。
無頭蓋症の胎児を身ごもった妊婦に関しては、妊娠中期までは母体に自覚症状があることはほとんどありませんが、妊娠後期に入ると羊水過多になる傾向があります。これは無頭蓋症により脳幹にまで障害があり、嚥下運動ができなくなるためといわれています。
羊水は胎児にとって絶対に必要なものですが、多すぎると母体への負担が多くなります。ひどい場合は、腹が異常に膨らみ、呼吸器が圧迫されて呼吸困難にるケースもあります。妊娠後期の羊水過多症は早産の原因にもなるため、母体への負担を考えて、多くの場合で人工的に出産を誘発する措置が行われます。
無頭蓋症の検査と診断と治療
産科、産婦人科の医師による診断は通常、分娩(ぶんべん)の前に超音波断層法を用いて行われます。胎児の超音波検査により、妊娠4カ月以降であれば、出生前診断が可能となります。また、羊水あるいは母体の血清から血清蛋白(たんぱく)α-フェトプロテインが検出されます。
胎児が無頭蓋症と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはごくまれな状況となっています。
また、診断が確実に可能となる妊娠4カ月以前でも、胎児の頭が丸くない場合には無頭蓋症が疑われ、人工中絶は早い時期であるほうが母体への負担も少なく、妊娠3カ月までに選択されることも多いようです。
産科、産婦人科の医師による治療に関しては、残念ながら無頭蓋症を母体の中で治療する方法はなく、自然治癒したケースもありません。
予防に関しては、原因に多因性があることと、遺伝子研究がその段階に至っていないことから、確実なものは発見されていません。
日本では、ビタミンB群の一種である葉酸が遺伝子の合成や細胞分裂に不可欠で、その摂取が無頭蓋症や二分脊椎(せきつい)症などの神経管閉鎖障害という先天性異常になるリスクを低減するとして、厚生労働省が2000年に、妊娠を希望している女性に対して、1日当たり0・4ミリグラム以上摂取することを推奨しています。
ホウレン草などの緑黄色野菜、果物、レバー、卵黄、胚芽(はいが)、牛乳などに多く含まれる葉酸は、水溶性ビタミンで熱に弱く、5割が調理でなくなってしまうので、サプリメントなどから摂取するのが効率的です。
ただ、葉酸の不足だけが原因ではないため、理想的に摂取していたとしても絶対に無頭蓋症にならないというわけではありません。妊娠前から妊娠初期に、ピル(経口避妊薬)やアスピリン(解熱鎮痛剤)、抗炎症薬、抗生物質、抗てんかん薬、睡眠薬、抗がん剤の服用があっても、葉酸が不足してしまうこともあります。
無頭蓋症(むとうがいしょう)とは、脳の先天的な発育不全により、頭蓋骨半球、大脳半球、小脳の欠如を伴う奇形症。無脳症とも呼ばれます。
人間の脳は、脊髄(せきずい)の先端が膨らんで発達してきたものです。脊髄の上には、延髄、中脳、間脳があり、その上には両側に大脳半球が存在しています。延髄の後方には小脳があり、後頭部に位置しています。
脊髄や脳は、胎児の神経管と呼ばれる管状の細胞から形成されます。無頭蓋症の症状が現れた胎児では、妊娠4週間程度までの超初期の段階で、神経管前部の閉鎖不全などが起こって神経管の発達が阻害されることで、後々の脊髄や脳の成長が妨げられます。妊娠4カ月ころまでは脳のある程度の発育がみられるものの、妊娠5カ月ころから一度は形成されたはずの大脳、小脳のほか、生命の維持に重要な役割を果たす延髄などの脳幹が突然退化したり、発育が止まったります。
原因については、詳しく解明されていません。人種によって発現の頻度に差があるため遺伝的な要因が関係すると考えられているほか、妊娠初期における母体の栄養摂取の不足との因果関係も指摘され、飲酒や喫煙、薬剤、放射能被曝(ひばく)、ダイオキシなどが関与しているとも考えられています。
発現の頻度は、国によって異なり、アメリカでは出産1000人当たり1人程度、日本では出産10000人当たり10人程度となっています。
無頭蓋症の胎児が母胎内で死亡して流産となるケースは少なく、脳以外の臓器には異常がない場合がほとんどなので、出産の時までは生命を維持します。しかし、脳幹も欠損して死産となる確率が約75パーセントで、残る新生児も出生直後に死亡し、ある程度脳が残存している場合は生後数日間生存します。
部分的に大脳皮質が形成されて機能し脳波が測定される場合は、生後1週間~2週間程度生存するものの、まれです。海外では、奇跡的に1年以上生存しているケースもありますが、日本では、そのようなケースはありません。
無頭蓋症の新生児では、大脳半球は通常欠如して全くないか、小さな塊に縮小しているため、頭で帽子をかぶる部分に相当する頭蓋骨や頭頂部が欠如し、頭蓋の基底面が露出するとともに、基底面に付着するように変性し、表面が薄い皮膜で覆われた脳の一部が露出しています。
顔貌(がんぼう)は特徴的で、前から見ると蛙(かえる)状です。そのほか、眼球の突出や欠如、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)を合併していることもあります。口唇口蓋裂は三つ口と俗称され、唇に部分的な裂け目が現れたり、口腔(こうくう)と鼻腔が直接つながっていたりします。
嚥下(えんげ)、唾液、呼吸、循環、消化の中枢を担っている延髄の下半分が存在していれば、嚥下や啼泣(ていきゅう)がみられ、音刺激、痛覚に反応を示します。正常な幼児が特有の刺激に応えて示す原始反射は、存在しており、腱(けん)反射は高進しています。
無頭蓋症の胎児を身ごもった妊婦に関しては、妊娠中期までは母体に自覚症状があることはほとんどありませんが、妊娠後期に入ると羊水過多になる傾向があります。これは無頭蓋症により脳幹にまで障害があり、嚥下運動ができなくなるためといわれています。
羊水は胎児にとって絶対に必要なものですが、多すぎると母体への負担が多くなります。ひどい場合は、腹が異常に膨らみ、呼吸器が圧迫されて呼吸困難にるケースもあります。妊娠後期の羊水過多症は早産の原因にもなるため、母体への負担を考えて、多くの場合で人工的に出産を誘発する措置が行われます。
無頭蓋症の検査と診断と治療
産科、産婦人科の医師による診断は通常、分娩(ぶんべん)の前に超音波断層法を用いて行われます。胎児の超音波検査により、妊娠4カ月以降であれば、出生前診断が可能となります。また、羊水あるいは母体の血清から血清蛋白(たんぱく)α-フェトプロテインが検出されます。
胎児が無頭蓋症と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはごくまれな状況となっています。
また、診断が確実に可能となる妊娠4カ月以前でも、胎児の頭が丸くない場合には無頭蓋症が疑われ、人工中絶は早い時期であるほうが母体への負担も少なく、妊娠3カ月までに選択されることも多いようです。
産科、産婦人科の医師による治療に関しては、残念ながら無頭蓋症を母体の中で治療する方法はなく、自然治癒したケースもありません。
予防に関しては、原因に多因性があることと、遺伝子研究がその段階に至っていないことから、確実なものは発見されていません。
日本では、ビタミンB群の一種である葉酸が遺伝子の合成や細胞分裂に不可欠で、その摂取が無頭蓋症や二分脊椎(せきつい)症などの神経管閉鎖障害という先天性異常になるリスクを低減するとして、厚生労働省が2000年に、妊娠を希望している女性に対して、1日当たり0・4ミリグラム以上摂取することを推奨しています。
ホウレン草などの緑黄色野菜、果物、レバー、卵黄、胚芽(はいが)、牛乳などに多く含まれる葉酸は、水溶性ビタミンで熱に弱く、5割が調理でなくなってしまうので、サプリメントなどから摂取するのが効率的です。
ただ、葉酸の不足だけが原因ではないため、理想的に摂取していたとしても絶対に無頭蓋症にならないというわけではありません。妊娠前から妊娠初期に、ピル(経口避妊薬)やアスピリン(解熱鎮痛剤)、抗炎症薬、抗生物質、抗てんかん薬、睡眠薬、抗がん剤の服用があっても、葉酸が不足してしまうこともあります。
■用語 無脳症 [用語(む)]
胎児の頭蓋骨半球、大脳半球が正常に発達しない奇形症
無脳症とは、脳の先天的な発育不全により、頭蓋骨(とうがいこつ)半球、大脳半球、小脳の欠如を伴う奇形症。無頭蓋症とも呼ばれます。
人間の脳は、脊髄(せきずい)の先端が膨らんで発達してきたものです。脊髄の上には、延髄、中脳、間脳があり、その上には両側に大脳半球が存在しています。延髄の後方には小脳があり、後頭部に位置しています。
脊髄や脳は、胎児の神経管から形成されます。無脳症の症状が現れた胎児である無脳児は、妊娠4週間程度までの超初期の段階で、神経管前部の閉鎖不全などが起こって神経管の発達が阻害されることで、後々の脊髄や脳の成長が妨げられます。妊娠4カ月ころまでは脳のある程度の発育がみられるものの、妊娠5カ月ころから一度は形成されたはずの大脳、小脳のほか、生命の維持に重要な役割を果たす延髄などの脳幹が突然退化したり、発育が止まったります。
原因については、詳しく解明されていません。人種によって発現の頻度に差があるため遺伝的な要因が関係すると考えられているほか、妊娠初期における母体の栄養摂取の不足との因果関係も指摘され、飲酒や喫煙、薬剤、放射能被曝(ひばく)、ダイオキシなどが関与しているとも考えられています。
発現の頻度は、国によって異なり、アメリカでは出産1000人当たり1人程度、日本では出産10000人当たり10人程度となっています。
無脳児が母胎内で死亡して流産となるケースは少なく、出産の時までは生命を維持します。しかし、脳幹も欠損して死産となる確率が約75パーセントで、残る新生児も出生直後に死亡し、ある程度脳が残存している場合は生後数日間生存します。部分的に大脳皮質が形成されて機能し脳波が測定される場合は、生後1週間~2週間程度生存するものの、まれです。海外では、奇跡的に1年以上生存しているケースもありますが、日本ではそのようなケースはありません。
無脳児では、大脳半球は通常欠如して全くないか、小さな塊に縮小しているため、頭で帽子をかぶる部分に相当する頭蓋骨や頭頂部が欠如し、頭蓋の基底面が露出するとともに、基底面に付着するように変性し、表面が薄い皮膜で覆われた脳の一部が露出しています。
顔貌(がんぼう)は特徴的で、前から見ると蛙(かえる)状です。そのほか、眼球の突出や欠如、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)を合併していることもあります。
延髄の下半分が存在していれば、嚥下(えんげ)や啼泣(ていきゅう)がみられ、音刺激、痛覚に反応を示します。正常な幼児が特有の刺激に応えて示す原始反射は、存在しており、腱(けん)反射は高進しています。
無脳児を身ごもった妊婦に関しては、妊娠中期までは母体に自覚症状があることはほとんどありませんが、後期に入ると羊水過多になる傾向があります。ひどい場合は、腹が異常に膨らみ、呼吸器が圧迫されて呼吸困難になるケースもあります。
無脳症の検査と診断と治療
産科、産婦人科の医師による診断は通常、分娩(ぶんべん)の前に超音波断層法を用いて行われます。胎児の超音波検査により、妊娠4カ月以降であれば、出生前診断が可能となります。また、羊水または母体の血清から血清蛋白(たんぱく)α-フェトプロテインが検出されます。
胎児が無脳症と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはごくまれな状況となっています。
産科、産婦人科の医師による治療に関しては、残念ながら無脳児を母体の中で治療する方法はなく、自然治癒したケースもありません。
予防に関しては、原因に多因性があることと、遺伝子研究がその段階に至っていないことから、確実なものは発見されていません。
日本では、ビタミンB群の一種である葉酸が遺伝子の合成や細胞分裂に不可欠で、その摂取が無脳症や二分脊椎(せきつい)症などの神経管閉鎖障害という先天性異常になるリスクを低減するとして、厚生労働省が2000年に、妊娠を希望している女性に対して、1日当たり0・4ミリグラム以上の摂取を推奨しています。
ホウレン草などの緑黄色野菜、果物、レバー、卵黄、胚芽(はいが)、牛乳などに多く含まれる葉酸は、水溶性ビタミンで熱に弱く5割が調理でなくなってしまうので、サプリメントなどから摂取するのが効率的です。
無脳症とは、脳の先天的な発育不全により、頭蓋骨(とうがいこつ)半球、大脳半球、小脳の欠如を伴う奇形症。無頭蓋症とも呼ばれます。
人間の脳は、脊髄(せきずい)の先端が膨らんで発達してきたものです。脊髄の上には、延髄、中脳、間脳があり、その上には両側に大脳半球が存在しています。延髄の後方には小脳があり、後頭部に位置しています。
脊髄や脳は、胎児の神経管から形成されます。無脳症の症状が現れた胎児である無脳児は、妊娠4週間程度までの超初期の段階で、神経管前部の閉鎖不全などが起こって神経管の発達が阻害されることで、後々の脊髄や脳の成長が妨げられます。妊娠4カ月ころまでは脳のある程度の発育がみられるものの、妊娠5カ月ころから一度は形成されたはずの大脳、小脳のほか、生命の維持に重要な役割を果たす延髄などの脳幹が突然退化したり、発育が止まったります。
原因については、詳しく解明されていません。人種によって発現の頻度に差があるため遺伝的な要因が関係すると考えられているほか、妊娠初期における母体の栄養摂取の不足との因果関係も指摘され、飲酒や喫煙、薬剤、放射能被曝(ひばく)、ダイオキシなどが関与しているとも考えられています。
発現の頻度は、国によって異なり、アメリカでは出産1000人当たり1人程度、日本では出産10000人当たり10人程度となっています。
無脳児が母胎内で死亡して流産となるケースは少なく、出産の時までは生命を維持します。しかし、脳幹も欠損して死産となる確率が約75パーセントで、残る新生児も出生直後に死亡し、ある程度脳が残存している場合は生後数日間生存します。部分的に大脳皮質が形成されて機能し脳波が測定される場合は、生後1週間~2週間程度生存するものの、まれです。海外では、奇跡的に1年以上生存しているケースもありますが、日本ではそのようなケースはありません。
無脳児では、大脳半球は通常欠如して全くないか、小さな塊に縮小しているため、頭で帽子をかぶる部分に相当する頭蓋骨や頭頂部が欠如し、頭蓋の基底面が露出するとともに、基底面に付着するように変性し、表面が薄い皮膜で覆われた脳の一部が露出しています。
顔貌(がんぼう)は特徴的で、前から見ると蛙(かえる)状です。そのほか、眼球の突出や欠如、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)を合併していることもあります。
延髄の下半分が存在していれば、嚥下(えんげ)や啼泣(ていきゅう)がみられ、音刺激、痛覚に反応を示します。正常な幼児が特有の刺激に応えて示す原始反射は、存在しており、腱(けん)反射は高進しています。
無脳児を身ごもった妊婦に関しては、妊娠中期までは母体に自覚症状があることはほとんどありませんが、後期に入ると羊水過多になる傾向があります。ひどい場合は、腹が異常に膨らみ、呼吸器が圧迫されて呼吸困難になるケースもあります。
無脳症の検査と診断と治療
産科、産婦人科の医師による診断は通常、分娩(ぶんべん)の前に超音波断層法を用いて行われます。胎児の超音波検査により、妊娠4カ月以降であれば、出生前診断が可能となります。また、羊水または母体の血清から血清蛋白(たんぱく)α-フェトプロテインが検出されます。
胎児が無脳症と確定した場合、多くはその時点で妊娠を継続するかどうかを選択することになります。その致死性の高さから、人工中絶を選択する妊婦が多く、出産まで進むケースはごくまれな状況となっています。
産科、産婦人科の医師による治療に関しては、残念ながら無脳児を母体の中で治療する方法はなく、自然治癒したケースもありません。
予防に関しては、原因に多因性があることと、遺伝子研究がその段階に至っていないことから、確実なものは発見されていません。
日本では、ビタミンB群の一種である葉酸が遺伝子の合成や細胞分裂に不可欠で、その摂取が無脳症や二分脊椎(せきつい)症などの神経管閉鎖障害という先天性異常になるリスクを低減するとして、厚生労働省が2000年に、妊娠を希望している女性に対して、1日当たり0・4ミリグラム以上の摂取を推奨しています。
ホウレン草などの緑黄色野菜、果物、レバー、卵黄、胚芽(はいが)、牛乳などに多く含まれる葉酸は、水溶性ビタミンで熱に弱く5割が調理でなくなってしまうので、サプリメントなどから摂取するのが効率的です。
■用語 無βリポ蛋白血症 [用語(む)]
深刻な結果を招くほど脂質濃度が低下する遺伝性疾患
無βリポ蛋白(たんぱく)血症とは、血液に含まれる脂質濃度が低下して著しい低脂血症を示す、まれな常染色体劣性遺伝疾患。バッセン・コルンツヴァイク症候群、MTP(ミクロソームトリグリセライド〔中性脂肪〕転送蛋白)欠損症とも呼ばれます。
アポB含有リポ蛋白であるカイロミクロン、VLDL(超低比重リポ蛋白)、LDL(低比重リポ蛋白)が血液中に欠損しており、乳児期から著しい低コレステロール血症、および低トリグリセライド(中性脂肪)血症を来します。
原因は、MTP(ミクロソームトリグリセライド〔中性脂肪〕転送蛋白)遺伝子の変異です。
MTPは、肝臓と小腸で合成されたアポ B 蛋白にトリグリセライド(中性脂肪)が転送され、VLDL(超低比重リポ蛋白)とカイロミクロン粒子が形成される過程に不可欠。肝臓での VLDL(超低比重リポ蛋白)の産生により末梢(まっしょう)組織に必要なコレステロールの輸送がなされ、小腸でのカイロミクロンの形成により脂肪が吸収されます。MTPの欠損により、トリグリセライド(中性脂肪)と結合しないアポ B蛋白は速やかに分解されて、血液中に分泌されません。
本来なら、トリグリセライド(中性脂肪)と結合したアポB蛋白は、LDL(低比重リポ蛋白)と略されるβリポ蛋白、VLDL(超低比重リポ蛋白)と略されるプレβリポ蛋白として血液中に分泌され、脂溶性の物質を吸収したり、運搬したりします。従って、血液中にβリポ蛋白、プレβリポ蛋白がないと、脂肪やビタミンEを始めとした脂溶性ビタミンなど多くの栄養素が臓器や組織に運ばれず、さまざまな症状が起こってきます。
無βリポ蛋白血症の症状はまず乳児期に現れ、発育不全がみられます。脂肪吸収の障害により、授乳開始とともに便に過度の脂肪が含まれる脂肪便という状態になり、便は脂っぽく、悪臭があり、水に浮かびやすくなります。慢性下痢、嘔吐(おうと)も生じます。
また、ビタミンEを始めとした脂溶性ビタミンの吸収障害により、思春期までに網膜色素変性による夜盲、視野狭窄(きょうさく)、視力低下などの目の症状が生じ、失明する可能性もあります。中枢神経系の損傷による運動失調症や精神遅滞、末梢神経系の損傷による知覚低下や腱(けん)反射消失などが起きる可能性もあります。
未治療のケースでは、30歳前後までに中枢神経系の損傷により、歩行など通常の日常生活に必要な基本的な活動が著しく障害されることもあります。
無βリポ蛋白血症の検査と診断と治療
内科、内分泌・代謝科の医師による診断では、血液検査で血中のコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)の値を測定します。朝食前の空腹時に採血します。
血中の総コレステロールの値が50mg/dl未満、血中のトリグリセライド(中性脂肪)の値が15mg/dl 未満で、特徴的な脂肪便、神経症状、目の症状が認められる場合に、無βリポ蛋白血症と確定します。
鑑別する疾患には、家族性低βリポ蛋白血症、カイロミクロン停滞病(アンダーソン病)、甲状腺(せん)機能高進症があります。
内科、内分泌・代謝科の医師による治療では、脂溶性ビタミン、特にビタミンEのサプリメントを使用し、多量に補充します。
無βリポ蛋白血症は遺伝子異常を背景とし、代謝異常が生涯持続するために治癒しませんが、幼児には1日1000〜2000mg、成人には5000〜10000mgの脂溶性ビタミンを長期にわたって大量に補充することによって、中枢神経系の損傷の発生と進行を遅らせることができます。
消化器症状に対しては、脂肪の摂取、特に長鎖脂肪酸の摂取を制限します。栄養障害に対しては、カイロミクロンを経ずに吸収される中鎖脂肪酸を補充することもあります。
無βリポ蛋白(たんぱく)血症とは、血液に含まれる脂質濃度が低下して著しい低脂血症を示す、まれな常染色体劣性遺伝疾患。バッセン・コルンツヴァイク症候群、MTP(ミクロソームトリグリセライド〔中性脂肪〕転送蛋白)欠損症とも呼ばれます。
アポB含有リポ蛋白であるカイロミクロン、VLDL(超低比重リポ蛋白)、LDL(低比重リポ蛋白)が血液中に欠損しており、乳児期から著しい低コレステロール血症、および低トリグリセライド(中性脂肪)血症を来します。
原因は、MTP(ミクロソームトリグリセライド〔中性脂肪〕転送蛋白)遺伝子の変異です。
MTPは、肝臓と小腸で合成されたアポ B 蛋白にトリグリセライド(中性脂肪)が転送され、VLDL(超低比重リポ蛋白)とカイロミクロン粒子が形成される過程に不可欠。肝臓での VLDL(超低比重リポ蛋白)の産生により末梢(まっしょう)組織に必要なコレステロールの輸送がなされ、小腸でのカイロミクロンの形成により脂肪が吸収されます。MTPの欠損により、トリグリセライド(中性脂肪)と結合しないアポ B蛋白は速やかに分解されて、血液中に分泌されません。
本来なら、トリグリセライド(中性脂肪)と結合したアポB蛋白は、LDL(低比重リポ蛋白)と略されるβリポ蛋白、VLDL(超低比重リポ蛋白)と略されるプレβリポ蛋白として血液中に分泌され、脂溶性の物質を吸収したり、運搬したりします。従って、血液中にβリポ蛋白、プレβリポ蛋白がないと、脂肪やビタミンEを始めとした脂溶性ビタミンなど多くの栄養素が臓器や組織に運ばれず、さまざまな症状が起こってきます。
無βリポ蛋白血症の症状はまず乳児期に現れ、発育不全がみられます。脂肪吸収の障害により、授乳開始とともに便に過度の脂肪が含まれる脂肪便という状態になり、便は脂っぽく、悪臭があり、水に浮かびやすくなります。慢性下痢、嘔吐(おうと)も生じます。
また、ビタミンEを始めとした脂溶性ビタミンの吸収障害により、思春期までに網膜色素変性による夜盲、視野狭窄(きょうさく)、視力低下などの目の症状が生じ、失明する可能性もあります。中枢神経系の損傷による運動失調症や精神遅滞、末梢神経系の損傷による知覚低下や腱(けん)反射消失などが起きる可能性もあります。
未治療のケースでは、30歳前後までに中枢神経系の損傷により、歩行など通常の日常生活に必要な基本的な活動が著しく障害されることもあります。
無βリポ蛋白血症の検査と診断と治療
内科、内分泌・代謝科の医師による診断では、血液検査で血中のコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)の値を測定します。朝食前の空腹時に採血します。
血中の総コレステロールの値が50mg/dl未満、血中のトリグリセライド(中性脂肪)の値が15mg/dl 未満で、特徴的な脂肪便、神経症状、目の症状が認められる場合に、無βリポ蛋白血症と確定します。
鑑別する疾患には、家族性低βリポ蛋白血症、カイロミクロン停滞病(アンダーソン病)、甲状腺(せん)機能高進症があります。
内科、内分泌・代謝科の医師による治療では、脂溶性ビタミン、特にビタミンEのサプリメントを使用し、多量に補充します。
無βリポ蛋白血症は遺伝子異常を背景とし、代謝異常が生涯持続するために治癒しませんが、幼児には1日1000〜2000mg、成人には5000〜10000mgの脂溶性ビタミンを長期にわたって大量に補充することによって、中枢神経系の損傷の発生と進行を遅らせることができます。
消化器症状に対しては、脂肪の摂取、特に長鎖脂肪酸の摂取を制限します。栄養障害に対しては、カイロミクロンを経ずに吸収される中鎖脂肪酸を補充することもあります。
■用語 無菌性髄膜炎 [用語(む)]
脳を取り巻く髄膜に細菌以外の病原体が感染し、炎症が起こる疾患
無菌性髄膜炎とは、脳を取り巻き、内側から軟膜、くも膜、硬膜の三層からなる髄膜に、細菌以外の病原体が感染し、炎症が起こる疾患。
その病原体には、ウイルスやマイコプラズマ、真菌、寄生虫などがあり、膠原(こうげん)病、悪性疾患、薬剤、造影剤などによっても発生します。小児に多くみられ、細菌由来の髄膜炎に比較すると病変は軽度で通常、予後は良好となります。
無菌性髄膜炎の一部を占める疾患であるウイルス性髄膜炎を起こす原因ウイルスは、エンテロウイルス属(コクサッキーウイルスA、コクサッキーウイルスB、エコーウイルス、エンテロウイルス)が最多で、次いでムンプスウイルスです。エンテロウイルス属、ムンプスウイルスによるウイルス性髄膜炎は、春から夏にかけて多くみられます。
また、原因ウイルスには、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘・帯状疱疹(ほうしん)ウイルス、日本脳炎ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスなどもあります。
感染経路は病原体によってさまざまで、潜伏期、症状にも違いはありますが、主な病原体であるウイルスでみると一般的に、年長児と成人では、急激な発熱、頭痛、嘔吐(おうと)を主症状とします。首が強く突っ張る項部強直などの髄膜刺激症状も多く認められます。
乳児では、発熱、不機嫌、授乳不良など非定型的な症状で発症し、髄膜刺激症状を認めないことも多くあります。新生児では、発熱、授乳不良に加えて、重篤な全身症状を引き起こす敗血症のような症状を示すことがあります。
原因ウイルスがエンテロウイルス属の場合は胃腸病変や発疹(はっしん)がみられ、ムンプスウイルスの場合は耳下腺(せん)のはれがみられ、単純ヘルペス1型と単純ヘルペス2型の場合は発疹がみられ、何度も再燃することがあります。水痘・帯状疱疹ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスの場合も、発疹がみられます。
さらに、炎症が髄膜から脳そのものまでに及ぶと髄膜脳炎、脳炎を合併し、意識障害や手足のけいれんを起こすこともあります。
成人で発熱、頭痛、嘔吐をもって急性に発病した場合は、無菌性髄膜炎の一部を占めるウイルス性髄膜炎の疑いがあるので、内科、神経内科を受診します。乳幼児で発熱、授乳不良、何となく元気がないなど普段と様子が違う場合は、早めに小児科を受診することが重要です。
無菌性髄膜炎の検査と診断と治療
内科、神経内科、小児科の医師による診断では通常、症状や病歴だけでは無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎との鑑別が困難であるため、脊髄(せきずい)液を腰椎(ようつい)から穿刺(せんし)する髄液検査を行い、細菌以外のさまざまな病原体の中から、原因となっている病原体を明らかにします。
また、特に成人の場合は膠原病、悪性疾患、薬剤などでも無菌性髄膜炎を起こすことを考慮し、判断します。
無菌性髄膜炎の主な病原体であるウイルスでみると、髄液検査の所見では、単核球(リンパ球)を主とする細胞の増加が認められます。髄膜炎を疑わせる症状がなくても、髄液検査を行うと髄液中の細胞が増えていることもあります。
また、髄液からのウイルス分離で、原因ウイルスを証明します。あるいは、RT‐PCR法(逆転写酵素ーポリメラーゼ連鎖反応法)を用いて、ウイルス遺伝子(RNA)を検出します。最近の分子生物学的手法により、ウイルスがワクチン株(ワクチン由来)か野生株かの判定が可能になりました。
髄膜炎や、合併した髄膜脳炎、脳炎の程度をみるために、CT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(核磁気共鳴画像)検査を行うこともあります。周囲でのウイルス性髄膜炎の流行状況、その年に多く分離されているウイルスの動向なども、診断の参考にします。
内科、神経内科、小児科の医師による治療では、ウイルス性髄膜炎の場合には、ほとんどのウイルスに特異的な治療法がないため、発熱や痛みに対する対症療法を行います。単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘・帯状疱疹ウイルスによる髄膜炎に対しては、アシクロビルなどの抗ウイルス剤の点滴投与を行います。
ムンプスウイルスによる髄膜炎の場合は、髄液検査において穿刺をすると、頭痛や嘔吐がある程度改善します。脱水症状を示している場合は、輸液(点滴)を行います。
一般的にウイルス性髄膜炎は早期に発見して早期に治療すれば、予後は良好で数週間の安静で自然治癒し、後遺症を残すことはほとんどありません。髄膜脳炎を合併した場合でも、ほかの原因による髄膜脳炎に比べると予後は良好です。
ウイルス以外の病原体による無菌性髄膜炎の場合には、病原体に特異的な治療を行います。予後は、原因病原体や全身状態に依存します。
例えば、真菌性髄膜炎の場合には、一般に抗真菌剤を用いて静脈内投与するか、髄液の中に直接注射します。真菌性髄膜炎を引き起こしたもとになる基礎疾患があれば、その治療も並行して行います。予後は、基礎疾患に左右されます。
無菌性髄膜炎とは、脳を取り巻き、内側から軟膜、くも膜、硬膜の三層からなる髄膜に、細菌以外の病原体が感染し、炎症が起こる疾患。
その病原体には、ウイルスやマイコプラズマ、真菌、寄生虫などがあり、膠原(こうげん)病、悪性疾患、薬剤、造影剤などによっても発生します。小児に多くみられ、細菌由来の髄膜炎に比較すると病変は軽度で通常、予後は良好となります。
無菌性髄膜炎の一部を占める疾患であるウイルス性髄膜炎を起こす原因ウイルスは、エンテロウイルス属(コクサッキーウイルスA、コクサッキーウイルスB、エコーウイルス、エンテロウイルス)が最多で、次いでムンプスウイルスです。エンテロウイルス属、ムンプスウイルスによるウイルス性髄膜炎は、春から夏にかけて多くみられます。
また、原因ウイルスには、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘・帯状疱疹(ほうしん)ウイルス、日本脳炎ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスなどもあります。
感染経路は病原体によってさまざまで、潜伏期、症状にも違いはありますが、主な病原体であるウイルスでみると一般的に、年長児と成人では、急激な発熱、頭痛、嘔吐(おうと)を主症状とします。首が強く突っ張る項部強直などの髄膜刺激症状も多く認められます。
乳児では、発熱、不機嫌、授乳不良など非定型的な症状で発症し、髄膜刺激症状を認めないことも多くあります。新生児では、発熱、授乳不良に加えて、重篤な全身症状を引き起こす敗血症のような症状を示すことがあります。
原因ウイルスがエンテロウイルス属の場合は胃腸病変や発疹(はっしん)がみられ、ムンプスウイルスの場合は耳下腺(せん)のはれがみられ、単純ヘルペス1型と単純ヘルペス2型の場合は発疹がみられ、何度も再燃することがあります。水痘・帯状疱疹ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスの場合も、発疹がみられます。
さらに、炎症が髄膜から脳そのものまでに及ぶと髄膜脳炎、脳炎を合併し、意識障害や手足のけいれんを起こすこともあります。
成人で発熱、頭痛、嘔吐をもって急性に発病した場合は、無菌性髄膜炎の一部を占めるウイルス性髄膜炎の疑いがあるので、内科、神経内科を受診します。乳幼児で発熱、授乳不良、何となく元気がないなど普段と様子が違う場合は、早めに小児科を受診することが重要です。
無菌性髄膜炎の検査と診断と治療
内科、神経内科、小児科の医師による診断では通常、症状や病歴だけでは無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎との鑑別が困難であるため、脊髄(せきずい)液を腰椎(ようつい)から穿刺(せんし)する髄液検査を行い、細菌以外のさまざまな病原体の中から、原因となっている病原体を明らかにします。
また、特に成人の場合は膠原病、悪性疾患、薬剤などでも無菌性髄膜炎を起こすことを考慮し、判断します。
無菌性髄膜炎の主な病原体であるウイルスでみると、髄液検査の所見では、単核球(リンパ球)を主とする細胞の増加が認められます。髄膜炎を疑わせる症状がなくても、髄液検査を行うと髄液中の細胞が増えていることもあります。
また、髄液からのウイルス分離で、原因ウイルスを証明します。あるいは、RT‐PCR法(逆転写酵素ーポリメラーゼ連鎖反応法)を用いて、ウイルス遺伝子(RNA)を検出します。最近の分子生物学的手法により、ウイルスがワクチン株(ワクチン由来)か野生株かの判定が可能になりました。
髄膜炎や、合併した髄膜脳炎、脳炎の程度をみるために、CT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(核磁気共鳴画像)検査を行うこともあります。周囲でのウイルス性髄膜炎の流行状況、その年に多く分離されているウイルスの動向なども、診断の参考にします。
内科、神経内科、小児科の医師による治療では、ウイルス性髄膜炎の場合には、ほとんどのウイルスに特異的な治療法がないため、発熱や痛みに対する対症療法を行います。単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘・帯状疱疹ウイルスによる髄膜炎に対しては、アシクロビルなどの抗ウイルス剤の点滴投与を行います。
ムンプスウイルスによる髄膜炎の場合は、髄液検査において穿刺をすると、頭痛や嘔吐がある程度改善します。脱水症状を示している場合は、輸液(点滴)を行います。
一般的にウイルス性髄膜炎は早期に発見して早期に治療すれば、予後は良好で数週間の安静で自然治癒し、後遺症を残すことはほとんどありません。髄膜脳炎を合併した場合でも、ほかの原因による髄膜脳炎に比べると予後は良好です。
ウイルス以外の病原体による無菌性髄膜炎の場合には、病原体に特異的な治療を行います。予後は、原因病原体や全身状態に依存します。
例えば、真菌性髄膜炎の場合には、一般に抗真菌剤を用いて静脈内投与するか、髄液の中に直接注射します。真菌性髄膜炎を引き起こしたもとになる基礎疾患があれば、その治療も並行して行います。予後は、基礎疾患に左右されます。
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