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■用語 リトルリーグ肩 [用語(り)]

[野球]少年期の野球のピッチャーに最も多くみられる肩の障害
 リトルリーグ肩とは、少年期の野球のピッチャーに最も多くみられる肩の障害の総称。リトルリーガーズショルダーと呼ばれます。
 特に、満9歳から12歳までの少年少女たちを対象とした野球組織であるリトルリーグに所属していたりする、小学生高学年から中学生の野球のピッチャーなどが、利き腕を後方に引き上げてから力を入れて前方に振り下ろす動作を繰り返すことで、肩を酷使して発症することが多くみられます。バレーボールやバドミントンの選手が発症することもあります。
 15歳未満の成長期では、骨や関節、筋肉がまだ未発達なため、繰り返すボールの投球動作などでストレスを繰り返し受けることによって、利き腕の上腕骨上端部の成長軟骨に障害が起こり、肩の痛みを発生します。
 まず、上腕骨骨頭の成長軟骨である骨端(こったん)線に損傷が起こり、投球動作をした時や肩周辺を押した際に痛みを感じます。放置したまま投球動作を続けると、骨端線が離開して骨折のような状態になることがあります。
 初めは、投球動作をした時だけの痛みであることが多く、肩の付け根の前方に鈍い痛みがあって速いボールを投げることができなくなります。そのほかの日常動作ではほとんど痛みが出ないのですが、損傷や離開が進行していくと日常の動作でも痛みを訴えるようになります。痛みの範囲は、肩関節を中心に肩甲骨や鎖骨周囲、上腕外側にみられ、前腕に至る場合もあります。
 肩にだるさを感じ、腕が上がらないこともあります。発症初期はみられませんが、症状が進行するとともに、肩周囲の筋肉の委縮を起こす場合があります。
 骨端線は骨を成長させる重要な部分なため、治療せずに放置すると上腕骨の成長障害を起こすことがあり、腕の長さが短くなったり、肩の動きが悪くなったりすることがあります。
 リトルリーグ肩の症状としては、まず一球の投球動作で急に痛みが出ることは少ないので、徐々に痛みがある時は要注意です。
[野球]リトルリーグ肩の検査と診断と治療
 整形外科の医師による診断では、問診をしたり、上腕の内旋運動と外旋運動を強制して関節の動きを調べ、上腕上端部の成長軟骨に沿って圧痛がある場合に、リトルリーグ肩を疑います。
 X線(レントゲン)検査を行い、成長軟骨やその隣接する骨に損傷がみられれば骨端線損傷、いわゆるひびや骨折状態であれば、完全な離断がなくても骨端線離開と確定します。
 整形外科の医師による治療では、安静が基本となります。従って、投球動作の禁止を指示した上で、除痛や消炎目的で消炎鎮痛剤を処方したり、三角巾による固定を行います。また、転位のある骨端線離開では、整復処置とギプス固定などを行う場合もあります。
 固定後約3週間が経過したら、自動運動による運動療法を開始します。骨端線の修復が完成されるのに要する期間は、その損傷の程度により3カ月から6カ月と見なされています。
 修復の完成後にキャッチボールを許可し、完全復帰までは早くても6カ月、場合によっては1年以上を要することもあります。また、スポーツに復帰する場合には、再発防止のために投球フォームなどのスポーツ動作のチェックや指導を行い改善していくことがあります。

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■用語 リトルリーグ肘 [用語(り)]

[野球]少年期の野球のピッチャーに多く、肘の酷使によって発生する疾患
 リトルリーグ肘(ひじ)とは、小児期の野球のピッチャーなどが肘を酷使すると発生し、肘の外側にある上腕骨小頭の骨軟骨が壊死(えし)する疾患。
 少年野球肘、野球肘、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎、上腕骨小頭骨軟骨障害、肘離断性骨軟骨炎、離断性骨軟骨炎とも呼ばれます。
 特に、満9歳から12歳までの少年少女たちを対象とした野球組織であるリトルリーグに所属していたりする、小学校高学年から中学校低学年の野球のピッチャー、あるいはキャッチャーなどが肘を酷使して発症することが多く、外側(がいそく)型野球肘の代表的なものに相当します。
 小学校高学年から中学校低学年では、骨と関節軟骨の結合がまだ不完全なため、繰り返すボールの投球動作における微小な外反ストレスの蓄積により、利き腕の上腕骨小頭の骨軟骨、すなわち肘関節を形成する上腕骨の遠位端の外側部にある球状の部位に変性、壊死が生じます。
 症状として、肘関節を伸ばしたり、曲げたりする時に痛みが出たり、動きが悪くなったりします。この初期の段階では、投球動作を中止することのみで、自然治癒が促されることがあります。
 実際は、練習や試合での投球動作の終了後は速やかに痛みが消失するために、単なる使いすぎによる痛みと勘違いされることが多く見受けられます。
 放置して投球動作を続けると症状が進行し、壊死を起こした骨軟骨片が肘の関節面から遊離して関節内遊離体となり、関節の中をあちらこちらと移動することになります。
 この関節遊離体に最も特有な症状が、嵌頓(かんとん)症状。肘関節の運動の最中に、突然、遊離体が関節の透き間に挟まってしまい、激しい痛みを起こして関節の運動が不能となる状態です。何かの拍子に遊離体が外れれば、急速に痛みは治まりますが、嵌頓症状を繰り返していると、滑膜炎と呼ばれる関節内の炎症や変形性関節症を起こしやすくなります。しかし、遊離体があっても、嵌頓症状が必す起こるわけでもありません。
 そのほか、関節遊離体の症状として、関節の痛みや、だるさ、はれを感じたり、肘の曲げ伸ばしができなくなったり、関節に水がたまったりすることもあります。
 リトルリーグ肘が進行してしまうと、投球動作にかかわるスポーツが十分できなくなるどころか、遊離したことで生じた上腕骨小頭の骨軟骨の欠損は成人期以降も肘の変形性関節症を発症し、痛みが出たり、動きが悪くなったりする後遺障害を残しやすくなります。
 早期発見、早期治療を行う必要がある典型的な疾患が、リトルリーグ肘です。野球少年が投球時に肘の痛みを訴える場合は、早めに整形外科を受診することが勧められます。
[野球]リトルリーグ肘の検査と診断と治療
 整形外科の医師による診断では、問診をしたり、関節の動きを調べ、上腕骨小頭部の圧痛がある場合にリトルリーグ肘を疑います。
 確定診断は、X線(レントゲン)検査により行います。病巣は、初期には骨の陰が薄くなった状態として、進行すると病巣部の骨軟骨片が上腕骨小頭から分離、遊離した状態として撮影されます。しかし、初期には病変を認識することが難しいこともあります。また、正面と側面からの肘関節2方向撮影法、肘関節を45度屈曲した位置で正面像を撮影する撮影法が有用です。
 そのほか、CT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像)検査は、骨軟骨がはがれやすい状態であるかどうか確認するなど病態を調べるのに有効です。
 整形外科の医師による治療では、初期の場合、局所安静、投球禁止により病巣の修復、治癒が期待できます。しかし、実際には6カ月から1年間、場合によっては1年以上の長期にわたり投球動作を禁止することもあり、投球の再開により再発するケースもあります。
 従って、初期の場合であっても長期の投球禁止を望まないケースや、再発例では、手術を行うこともあります。
 進行した場合では、再び投球を可能にし、将来的な障害を残さないために、手術を行うことになります。具体的な手術法としては、壊死した骨軟骨を切除し関節遊離体を取り除く方法を基本として、遊離しかけた骨軟骨片を再固定し、病巣部に新たな骨ができることを促す方法、遊離した骨軟骨片の再固定が困難な場合に、欠損した肘の関節面に体の他の部位から骨軟骨を移植し、関節面を形成する方法などがあります。
 手術後のリハビリテーション、投球再開の時期は病期、手術法により異なりますが、おおむね6カ月程度で全力投球が可能になります。
 リトルリーグ肘の発生の予防には、基本的には肘関節の使いすぎによるところが大きいため、練習日数と時間、投球数の制限が重要です。また、投球フォームにより肘に負担がかかりすぎるケースも多くあり、適切な筋力トレーニングと投球フォームの指導、正しいスケジュール決定も必要です。

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■用語 両側性遅発性太田母斑様色素斑 [用語(り)]

[パンチ]顔面に青みがかった茶褐色の色素斑がいくつかまとまって出現する皮膚疾患
 両側性遅発性太田母斑様色素斑(りょうそくせいちはつせいおおたぼはんようしきそはん)とは、顔面に青みがかった茶褐色の色素斑がいくつかまとまって出現する皮膚疾患。後天性真皮メラノサイトーシスとも、ADM(Acquired Dermal Melanocytosis)とも呼ばれます。
 従来は、両側性太田母斑の亜型とされていましたが、現在は、独立疾患として扱うのが標準的になってきています。
 幼少期よりできるそばかす(雀卵〔じゃくらん〕斑)と似ていることもありますが、顔に発生する後天性皮膚疾患の一つで、20〜30歳代から中年の女性に多く見られ、特に日本人や中国人に多いといわれています。
 通常は表皮にあって、メラニン(メラニン色素)という皮膚の色を濃くする色素を作り出すメラノサイト(メラニン細胞、メラニン形成細胞、色素細胞)が、表皮に出ていけずに顔の皮膚の深い位置にある真皮にとどまって増殖しているために、色素斑が出現します。
 遺伝性も高いとされるものの、加齢、日焼け、ホルモンバランスの崩れなどの影響が考えられています。
 額の両端、頬骨(ほおぼね)部、鼻翼部などに、直径1〜3ミリのおよそ茶褐色の色素斑が、いくつかまとまって出現します。顔面の両側に左右対称に多発することもよくあります。
 小さな点の集合であるために染みのようにも見えますが、実際はあざの一種として分類されます。
 真皮に存在するメラノサイトの深さの程度により、茶褐色から灰色、さらに青色へと進行変化するため、色素斑の色はさまざまです。
[パンチ]両側性遅発性太田母斑様色素斑の検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、部位や色素斑の様子から視診で判断します。患部に、染みの一種である肝斑(かんぱん)や、老人性色素斑(日光性黒子)、そばかすなどが混在していると判別が難しいものの、多くは左右対称に出現することなどから判断します。
 色素斑をほんの少し切り取って病理組織検査を行うと、真皮層に色素含有メラノサイトが認められます。
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、悪性化の心配はないため、見た目の問題で気になるならQスイッチレーザー治療により、色素斑を除去します。
 Qスイッチレーザー治療は、レーザー光線を皮膚に当てるもので、皮膚の表面にはダメージを与えず、その下の真皮層にあるメラノサイトを選択的に焼灼(しょうしゃく)することができます。ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザー、フラクショナルレーザーなどがあり、レーザーの種類により多少の効果や経過の違いがみられます。
 いずれのQスイッチレーザー治療も痛みを伴うため、麻酔シール、注射などを使用して痛みの緩和を行い、2〜3カ月の間隔で、少なくとも3~5回の照射を行います。まれに軽い色素沈着を残したり、白色に変化する色素脱出を来すこともありますが、外用剤を使用すると、1・5〜3カ月程度でレーザーの跡が薄くなります。
 色素斑の消失率はほぼ70パーセントとされ、消えた色素斑は再発しません。
 液体窒素で色素斑の凍結、融解を繰り返す凍結治療や、外科的に切除し他の部位から皮膚を移植する方法もあります。




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■用語 離人症性障害 [用語(り)]

[人影]外の世界や自分自身に対する現実感が薄れる症状が強く出てくる神経症性障害
 離人症性障害とは、自分の外の世界や自分自身に対する現実感が薄れる離人症の症状が前面に、強く出てくる神経症性障害。離人神経症とも呼ばれます。
 離人症性障害の症状としては、離人症と現実感消失が中心となります。離人症は、自分が自分から離れて外部の観察者となったように感じることです。自分の行動を離れた所から自分が観察するという感覚がしばしば起こり、これは自分の体から自分が抜け出す体外離脱体験として感じられることもあります。
 現実感消失は、自分を取り巻く外の世界や自分自身に対する現実感が薄れ、大きく分けて3つの意識が変化することです。1つは自分の外の世界に対する意識の変化で、「自分の周囲の世界が生き生きと感じられない」、「自分と外の世界との間にベールがあるようで実感がない」などと感じます。
 2つめは、自分の内界の意識の変化で、「喜怒哀楽の感情がなくなって、何を見ても感動しない」、「自分が自分でないような感じがする」、「自分が存在する実感がない」、「自分が見知らぬ人間であるように感じる」、「自分が生きている感じがしない」などと感じます。
 3つめは、自分の身体意識の変化で、「自分の手足が自分のものではないような感じがする」、「鏡で自分の顔を見ても、自分のものという実感がない」、「自分の体が死体やロボットのように感じる」、「自分の体が大きく、あるいは小さく感じる」 などと感じます。
 離人症状しかない示さない離人症性障害の場合もありますが、軽い生理的な離人症の症状というものは、疲労の極限状態、見知らぬ土地への旅行、宗教的瞑想(めいそう)などによって、正常な状態でも出現することがあります。そして、精神発達過程の青年期では70パーセント以上の人に離人症が出現するといわれ、必ずしも病的な現象ではありません。
 一方、離人症も現実感消失も、いくつかの精神的な疾患や脳の疾患に関連して出現することもあります。例えば、パニック障害、統合失調症、境界性人格障害、強迫神経症、薬物乱用、てんかんなどに認められます。
 従って、離人症性障害は、発症者の著しい苦痛を引き起こしている場合や、日常生活や社会生活に障害を引き起こしている場合に適用されます。
 生理的な離人症の出現には、男女差はないといわれています。病的な離人症の出現は、少なくとも男性より女性に2倍以上多いといわれています。離人症性障害の発症の平均年齢は16歳で、40歳以上に出現することはほとんどありません。
 離人症性障害についてはあまり研究が行われていないため、その原因や発症率は今のところ不明です。
 事故、暴行、重大な疾患、けがなど、生命を脅かす危険な事態を経験した後にしばしば起こり、強烈な精神的葛藤(かっとう)、強度の不安、欲求不満、急激な感情変動、持続的な感情緊張などが、発症の誘因として挙げられます。
 症状の始まりは通常突然であり、睡眠からの覚醒途中で起こることもあります。症状は一過性のこともあれば、何年間にもわたって継続したり、あるいは休止期を挟んで繰り返し生じる場合もあります。症状が消える時は、数日かかって徐々に消える傾向があります。
 中には自分の障害に適応し、その影響を押しとどめることができる人もいます。一方、自分の精神状態についての不安に絶えず苦しめられ、正気を失うのではないかと心配し、自分の体についてのゆがんだ認識や、自分自身と周囲からの現実感の消失について思い悩む人もいます。
 精神的苦悩が高じたために、何もできなくなる場合もあります。症状の持続や再発に悩む発症者には、自傷行為、自殺行為がしばしば随伴します。
 一過性のものは軽微で、心配ありません。症状が気になる時は、続いている期間などにかかわりなく、精神科、神経科、心療内科を受診しましょう。他の障害が原因となっていることもあります。
[人影]離人症性障害の検査と診断と治療
 精神科、神経科、心療内科の医師による診断は、主に症状に基づいて行われます。まず各種の検査を行って、体の異常、薬物の乱用、ほかの精神的な疾患がないかどうかを確認します。心理検査や特殊な面接法を行うこともあります。
 精神科、神経科、心療内科の医師による治療は、本人の苦痛を伴っている場合や、症状が持続したり再発して日常生活や社会生活に支障を来している場合に行います。
 支持的精神療法や認知行動療法などの精神療法、催眠療法が、効果を示すこともあります。抗うつ剤や抗不安剤も、有効な場合があります。
 離人症性障害は、ほかの精神的な疾患に伴って生じたり、ほかの精神的な疾患が引き金となって起こる場合も多く、このような場合も治療が必要です。何らかのストレスが発症にかかわっている場合には、その対処も必要となります。
 治療により、通常はある程度の効果が得られます。多くの人が完全に回復し、特に発症に関連するストレスの要因が治療中に突き止められた場合には、ほぼ確実に回復します。
 治療を行ってもあまり効果がみられない人もいますが、やがて自然に快方へ向かう場合もあります。どんな治療でも効果がみられず、症状が慢性化し、その程度もあまり変化しない人も存在します。




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