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■用語 流行性耳下腺炎(おたふく風邪) [用語(り)]

[トイレ]耳下腺が腫れる合併症の多い感染症
 流行性耳下腺(じかせん)炎とは、ムンプスウイルスによる急性ウイルス感染症で、耳の前から下にかけての腫(は)れを特徴とします。しっかり腫れると、おたふくのお面のように、下膨れします。おたふく風邪、ウイルスの名前をとってムンプスとも呼ばれます。
 感染者の唾液(だえき)から、飛沫(ひまつ)感染します。流行に周期性はなく、季節性も明確ではありませんが、春先から夏にかけて比較的多く発生します。かかりやすい年齢は1~9歳、とりわけ3~4歳。感染しても発病しない不顕性感染が、30~40パーセントの乳幼児、学童にみられます。
 耳の下の唾液腺の一種である耳下腺が腫れることで知られますが、ムンプスウイルスは、体中を回って、ほかのいくつかの臓器にも症状を起こします。
 突然、37~38℃の発熱が1~2日続いた後に、耳の下に痛みを訴え、片側の耳下腺が腫れてきます。子供は口を開けたり、触ったりすると痛がります。発熱せず、最初から耳下腺が腫れてくるケースもあります。
 一般的に、1~3日して、もう片方の耳下腺が腫れてきますが、4人に1人は片方の耳下腺しか腫れません。腫れは3日めぐらいがもっともひどく、その後、徐々にひいて、5~7日で消えていきます。
 発熱がある間は、水分を十分に与え、静かに過ごさせましょう。耳下腺の腫れたところは、冷湿布などで冷やして痛みを和らげます。食事は流動食、ないし軟らかい物とし、刺激物は避けましょう。特に酸っぱい物や香辛料は、耳下腺からの唾液の分泌を増加させ、痛みが強くなります。
 一度下がった熱が再発し、腹痛、嘔吐(おうと)、頭痛、精巣の腫れなどを生じた場合、無菌性髄膜炎、膵(すい)炎、精巣炎などの合併症が起きた可能性がありますので、医療機関を受診しましょう。
 ムンプスウイルスに効く薬はありませんが、精巣炎を起こしていれば副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬を使ったり、頭痛や耳下腺の痛みに対して鎮痛薬を使うことがあります。
 流行性耳下腺炎は合併症の多い感染症ですから、全身状態がよくても安静、保温、栄養など、乳幼児、学童に対する基本的な看護が大切です。




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■用語 理学療法士 [用語(り)]

[病院]「理学療法士及び作業療法士法」に基づく国家資格。国家試験に合格した者が厚生労働大臣から免許を受けます。
 何らかの病気や障害によって身体機能が低下した人などに対して、歩行、立ち上がり、起き上がりなどの基本的な動作能力の回復を目指した治療や訓練、指導などを行う専門職です。
 具体的には、体操や運動によって筋力や関節の動きを回復させたり、電気や温熱、光線などの物理的な刺激によって痛みを軽減させたり、食事や排せつ、入浴など日常生活動作の訓練などを行います。

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■用語 罹患率 [用語(り)]

[病院]罹患とは病気にかかることで、罹患率とは一定の期間内において、ある集団の中で新たに特定の病気にかかる危険度を意味します。
 通常、人口10万人当たりの数値で示し、例えば「2010年における結核罹患率(人口10万人対)」のように表します。
 観察対象となる集団は、観察期間中に特定の病気にかかる可能性のある人達に限られ、すでに病気にかかっている人や、特定の病気に体する免疫を持つ人などは対象から外されます。


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■用語 リグナン [用語(り)]

[レストラン]リグナンとは、植物の根、茎、種子に含まれている食物繊維の一種。リグナンがたくさん結合するとリグニンになり、木の幹や種子の皮など植物の細胞壁を構成する成分の一つとなります。
 リグナンは幅広い植物に分布していますが、特にゴマ(胡麻)とアマ(亜麻)の種子に多く含まれており、ゴマリグナン、アマリグナンとして知られています。このゴマリグナン、アマリグナンは老化、がん、動脈硬化などを予防する抗酸化物質として働いたり、更年期障害を改善するエストロゲン様作用を示したりします。
 揚げ物などに使った食用油を放置しておくと、時間が経つにつれて黒く変色し、悪臭を放つようになります。油の不飽和脂肪酸が空気にさらされて酸化し、過酸化脂質という有害物質に変化するからです。ところが、ゴマ油ではこのような変化が起きないことが知られています。ゴマの成分の半分以上は脂質で、特に不飽和脂肪酸が約85パーセントと多く含まれているにもかかわらず、ゴマ油が変化しにくいのはゴマリグナンやビタミンEといった抗酸化物質が含まれているからだと考えられています。
 ゴマリグナンは、セサミンを始め、セサミノール、 セサモリン、セサモールなどの成分から構成されています。これらのゴマリグナンの中でも、セサミンが強い抗酸化力を持っており、細胞のがん化や老化の促進因子と考えられている過酸化脂質の生成を抑制し、がんを予防したり、老化のスピードを緩やかにする効果が認められています。
 セサミンには、悪玉のコレステロールや血液中の中性脂肪を減少させ、動脈硬化を防ぐ効果が高脂質血症の改善薬並みにあることも、臨床試験で確認されています。さらに、肝機能を活発にして肝臓の負担を軽くする作用もあり、肝臓病や二日酔いにも有効です。
 このセサミンは、そのままの状態では効果がなく、体内に吸収された後、肝臓に運ばれて初めて効果を発揮するといわれています。セサミン以外の抗酸化力を持つポリフェノールなどの成分は水溶性の抗酸化物質が多く、血液中に溶け出して肝臓まで届かないものが多いといわれている中で、セサミンはきちんと肝臓まで届くといわれています。
 セサミンなどのゴマリグナンの主な供給源は、ゴマの種子とゴマ油です。ゴマは皮が硬く粒のままだと有効成分が吸収されないことがありますので、するなどして、消化のよい形にしたほうがよいでしょう。
 ただし、ゴマそのもののセサミンなどのゴマリグナン含有量はごく少量で、ゴマ油のほうが豊富に含まれています。ゴマリグナンを摂取したい場合はゴマの種子よりゴマ油、同じゴマでも色の濃いものより無色に近いものが効果的といえるでしょう。ゴマ油については、エネルギー過剰にならないように摂取量に注意が必要。
 セサミンなどのゴマリグナンの1日の摂取量の目安は、約10mg といわれています。ゴマの種子そのものに換算した場合、約3000 粒ぐらいの量になるようです。そのため、セサミンを効率よく摂取しようとした場合、健康食品やサプリメントを上手に利用するのもよいでしょう。
 アマ(亜麻)の種子(亜麻仁)に多く含まれアマリグナンも、抗酸化作用が強く、老化、がん、動脈硬化などいろいろな病気や不調への効果が期待されますが、とりわけ、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることで注目されています。
 アマリグナンそのものにエストロゲン様物質としての役割はないのですが、アマリグナンを摂取して消化管内に達した時、そこに存在する菌によってエンテロラクトンというエストロゲン様物質に変換されます。
 更年期障害は、女性ホルモンの不足が引き金となります。女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つアマリグナンは、大いに有効です。更年期障害の治療法としてエストロゲンを投与する方法がありますが、自然に存在する成分であり薬ではないアマリグナンは、エストロゲンに比べると効果は落ちても、副作用がないのが利点といえます。
 骨粗鬆(こつそしょう)症は、閉経後の女性に多い病気です。閉経後に起こりやすくなるのは、エストロゲンの不足によります。エストロゲンは、骨から溶け出すカルシウム量を抑えて、骨を保護する役目をしています。アマリグナンは、その女性ホルモンの激減を緩和します。
 女性ホルモンの欠乏を補うと同時に、女性ホルモンの分泌過剰に対しては、それを抑える方向にアマリグナンは働きますので、女性ホルモン過剰が引き金となる乳がんの予防にも役立ちます。乳がんと同じようにホルモン依存型である子宮がんや、一部の男性の前立腺(せん)がんに対しても、効果的に働くと考えられています。
 日本を含めたアジア諸国ではエストロゲン様物質としては大豆イソフラボンに注目が集まりますが、北欧では亜麻仁や、ライムギ、コムギ、エンバク、オオムギなどの穀類、ナッツに含まれるリグナンによる女性ホルモン様物質がよく知られているようです。
 アマリグナンを効率よく摂取しようとする場合には、食用油として厚生労働省の健康推奨食品となっているアマニ油(亜麻仁油、アマニン油、リンシードオイル)や、市販されている栄養サプリメントを上手に利用するのもよいでしょう。

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