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■高濃度乳房の女性への通知体制を整備 乳がん検診で厚労省方針 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は、自治体が行う乳がん検診のマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)で異常が見えにくい「高濃度乳房」の女性への通知体制を整備します。現在は国の規定がなく、多くの自治体は診断結果を「異常なし」とだけ通知しています。
 厚労省は自治体に対して、がんを見落とすリスクや別の検査の案内などを記した通知を出すように促し、地域によって受診者が得られる情報に差が出ないようにします。
 神奈川県川崎市の会社員、風間沙織さん(52歳)は3年前、初期の乳がんと診断されて衝撃を受けたといいます。それまで約20年間、マンモグラフィーを受け、毎年「異常なし」と通知されていたからです。しかし、妹の乳がん発覚を機に超音波検査を受けたところ、自分にも乳がんが見付かり、その後に参加した講演会で、自分がマンモグラフィーではがんが判別しにくい高濃度乳房で、異常が見落とされてきたと知りました。
 女性の乳房は乳腺の密度によって4分類あり、1~2番目に高い高濃度乳房はマンモグラフィーの画像で乳房全体が白く写ります。がんのしこりも白く写るため異常が見落とされやすいといい、一部自治体のデータでは40歳以上の女性の約4割が高濃度乳房に該当すると推定されています。
 ただ、国は自治体に乳房の4分類を受診者に伝えるよう定めていません。厚労省によると、本人に分類を通知している自治体は全体の13%。マンモグラフィー以外の検査を勧めるなど通知を受けた後の対応を決めている自治体は、その半分にとどまっています。
 がん見落としのリスクなどを知り、自らの分類を気にする女性は少なくありません。聖マリアンナ医科大ブレスト&イメージングセンター(川崎市)が2016~2017年に検診受診者約1000人に行った調査で、「自分の乳腺密度を知りたい」と答えた女性は85%に上りました。
 昨年10月には、乳がん患者団体などが厚労省に通知体制の整備を要望。今年3月には、日本乳癌(がん)検診学会が、国に適切な通知の在り方を検討するよう求めました。
 厚労省は6月の有識者検討会で、受診者に通知する場合の標準的な内容を市町村に提示する方針を表明しました。地域によって対応に差が出ないよう「マンモグラフィーですべてのがんが見付かるわけではない」といった説明や超音波検査の案内などを盛り込み、今年度にも示すといいます。
 医師や患者らで構成するNPO法人「乳がん画像診断ネットワーク」(東京都中央区)の増田美加副理事長は、「マンモグラフィーは意味がないと誤解を招いたり、乳がんが見落とされたりしないよう、正しい通知内容を早急にまとめてほしい」と求めています。

 2017年7月4日(火)

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