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■参天製薬、小児の近視の進行抑制薬を承認申請 承認されれば国内初の治療薬に [健康ダイジェスト]

 参天製薬は28日、近視の進行抑制を目的とした点眼薬「DEー127」を承認申請したと発表しました。投与対象は近視が進行している小児で、具体的な投与対象年齢は今後の審査次第となります。なお、今回の申請に用いた臨床試験(治験)の最終段階は5~15歳を対象に実施しました。同社は2024年度中の承認取得を想定しており、承認されれば、国内初の近視進行抑制を効能・効果とする治療薬となります。
 「DEー127」は、近視の進行抑制を目的として、参天製薬とシンガポールの国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュートが共同開発した点眼薬で、アトロピン硫酸塩水和物を0・025%含有しています。アトロピンは、ムスカリン受容体の可逆的拮抗薬で、ムスカリン受容体の活性化を阻害することにより、網膜または強膜に直接的もしくは間接的に作用し、強膜の菲薄(ひはく)化または伸長を阻害することで、眼軸の伸長を抑制すると考えられています。
 近視は眼球が前後方向に伸長することが主な原因と考えられています。治験では近視の小児に点眼薬を投与し、24カ月後に眼球の前後の長さを比べたところ、偽薬(プラセボ)に比べて眼球の伸長を抑える効果が認められ、有効性は3年続いたといいます。
 参天製薬によると、海外の一部の国では近視の進行を抑えるための点眼薬などが治療法としてあるものの、日本では承認されていません。参天製薬は中国などでも承認申請を予定しています。
 2024年2月29日(木)

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■HIV治療薬「ツルバダ」、感染予防でも公知申請 承認国では「適切な服用で99%予防」 [健康ダイジェスト]

 アメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズは28日、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症の治療薬「ツルバダ」を、感染予防でも承認するよう厚生労働省に公知申請しました。予防投与を認める国では新規感染者が減少しており、HIV流行を終結させる切り札として期待されます。
 公知申請は、国内の臨床試験を省略し、医薬品の製造販売を承認申請できる制度で、海外での十分な使用実績などの条件があります。予防投与は、世界保健機関(WHO)が推奨し、欧米のほか中国、台湾、韓国などで承認されています。
 ツルバダは飲み薬で、HIV感染症のパートナーがいるなどして、医師が性行為でHIVに感染するリスクが高いと判断した人らが対象となります。適切な服用で感染を99%防げるとする海外の報告があります。
 厚労省は、予防投与については、公的医療保険を適用しない方針です。
 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)エイズ治療・研究開発センターの水島大輔治療開発室長は、「承認されれば、医師らが予防法として情報提供しやすくなる。感染リスクが高い人が確実に服用するには、公費助成の仕組みも必要だ」と話しています。
 国立感染症研究所によると、2023年に新たにHIV感染が判明した人は943人(速報値)でした。

 2024年2月29日(木)

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■花王とアース、東南アジアで蚊よけ殺虫剤を販売へ デング熱感染防止 [健康ダイジェスト]

 花王とアース製薬は29日、東南アジア向けに蚊よけの殺虫剤を共同で商品化したと発表しました。花王独自の界面活性剤の技術を活用し、蚊の羽の表面をぬらして飛べなくする製品を開発しました。まずタイで7月から販売します。蚊が媒介するデング熱の感染拡大の防止につなげます。
 商品名は「アース モスシューター」。花王が開発した特殊な界面活性剤は、水をはじきやすい蚊の羽の表面をぬらすことができるといいます。最終的に「気門」と呼ばれる酸素を取り込む体の表面の穴を液剤で覆い、窒息させることで駆除します。
 花王のタイの工場で製造し、主にアース製薬の持つ販路を通じて、スーパーや個人経営の商店など5万店で販売し、年間数億円の売上高を目指します。販売状況を見ながら段階的に取扱店舗や商品数を増やすほか、周辺国での販売も検討します。
 東南アジアでは温暖化の影響もあり、重症化すると死亡する恐れもあるデング熱の感染が急速に拡大しています。世界保健機関(WHO)の推計によると、世界で年間3億9000万人が感染しており、タイやベトナム、マレーシアの感染者は2023年に前年の数倍に増えたもようです。
 花王とアース製薬は、入浴剤やトイレ用洗剤などでは競合するライバル。花王の長谷部佳宏社長は29日の発表会で、「自社だけでの開発も検討したが、少しでも早く商品を出すために虫の研究に強いアース製薬と組むことにした」と説明しました。花王は2023年12月期まで5期連続で最終減益となりました。独自技術を生かした商品の開発に力を入れます。
 レモングラス由来の殺虫成分を使ったのも新商品の特徴です。化学合成の殺虫成分の健康への影響を懸念して、東南アジアでは殺虫剤の使用を控える消費者もいるといいます。
 アース製薬の川端克宜社長は、「小さな子を持つ家庭など化学成分を使わない殺虫剤へのニーズは高い」と話しています。タイは同社にとって東南アジアでの主戦場で、2023年の売上高は51億円、殺虫剤のシェアは2割弱の2位です。
 デング熱対策では日本企業が存在感を示しており、武田薬品工業はインドでワクチン製造を始めます。

 2024年2月29日(木)

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■アレルギー治療の副作用を大幅に軽減、原因タンパク質を膜で包み服用 九州大などが手法開発 [健康ダイジェスト]

 花粉症などのアレルギーの治療に伴う副作用を大幅に軽減する方法を開発したと、九州大大学院などの研究チームが発表しました。アレルギーの原因タンパク質を特殊な膜で包んで服用することで、免疫細胞のディフェンスを上手にかわして副作用を防ぎます。治療にかかる期間も短縮できると期待されます。
 花粉症などの治療には長年、点鼻薬などで症状を抑える対症療法が採られてきました。2010年ころには、原因タンパク質を少量ずつ服用し、体を慣れさせる免疫療法が実用化。体内に入った異物の情報を「学習」する樹状細胞が、原因タンパク質を繰り返し取り込むうちにアレルギーを根治するもので、2014年には花粉症の薬剤が保険適用されました。
 だが、原因タンパク質はわずかな量でも免疫細胞を刺激し、舌下から服用する場合なら、のどのはれやかゆみなどの副作用を招くことがあります。そのため、副作用のつらさから治療を途中で断念するケースも多くみられます。
 九州大大学院と同大病院、慶応義塾大でつくる研究チームは、免疫細胞を刺激せずに原因タンパク質を服用できる方法を模索。寒天やセルロースなどと同じ多糖類の「マンナン」で原因タンパク質を包んだ直径約100ナノ・メートル(1ナノ・メートルは10億分の1メートル)の粒子をマウスに投与したところ、副作用を起こさずに体に慣れさせることができたといいます。
 マンナンは樹状細胞にとりつきやすい性質を持つ一方、免疫細胞は反応が鈍いため、原因タンパク質をマンナンで包んで服用すると、副作用をほとんど起こさず、治療の負担が大きく軽減されるといいます。
 原因タンパク質を効率的に服用できることで、花粉症なら3年以上かかる治療期間を短縮できることも期待されます。研究チームは昨年11月、国際電子版科学誌「Biomaterials」に論文を掲載。10年以内の実用化に向け、人での臨床研究を行う方針です。
 卵や小麦などの食物アレルギーの治療にも応用できる可能性があり、チームの中心メンバーの森健・九州大大学院工学研究院准教授は「さまざまなアレルギーに悩む人々によい知らせを届けられるよう、研究や治験を急ぎたい」としています。

 2024年2月29日(木)

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