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■用語 労作性狭心症 [用語(ろ)]

[位置情報]冠動脈が狭くなっている際の運動などが誘因となって起こる狭心症
 労作(ろうさ)性狭心症とは、主に階段を上るなどの運動時に、激しい痛みが心臓部に生じる疾患。
 人間の心臓は、筋肉でできた袋のような臓器で、1日に約10万回収縮し、全身に血液を循環させて、酸素や栄養を送り届けています。もちろん、心臓の拍動にも多くの酸素や栄養が必要ですが、心臓自身は心臓の中を通る血液からではなく、表面を取り巻く冠動脈から、血液を受け取っているのです。
 この冠動脈に、動脈硬化などによってプラークという固まりができて、血液の通り道が狭くなったり、詰まったりすると、心筋が酸欠状態に陥ってしまい、狭心症や心筋梗塞(こうそく)を招くのです。心筋梗塞のほうは、冠動脈が完全に閉塞、ないし著しく狭まり、心筋が壊死してしまった状態です。
 狭心症にはいろいろなタイプがありますが、よく知られているタイプは、労作性狭心症と安静時狭心症の二つです。
 労作性狭心症は、動脈硬化などで冠動脈が狭くなっている際に、過度のストレス、精神的興奮、階段や坂道の昇降運動といった一定の強さの運動や動作が誘因となって心臓の負担が増すことで、心臓の筋肉である心筋に十分な血液が送られなくなり、心筋が一時的な酸素欠乏になって起こります。
 安静狭心症は、就寝中や早朝など、比較的安静にしている際に起こるものです。心不全などを合併することも多く、労作性狭心症よりも重症です。
 40歳以上の男性に狭心症は多く、女性では閉経期以後や卵巣摘出術を受けた人に多くみられます。誘因として考えられるのは、高血圧、高脂血症、肥満、高尿酸血症、ストレス、性格など。
 症状としては、狭心痛という発作を繰り返す特徴があります。典型的な狭心痛は突然、胸の中央部に締め付けられるような痛みが起こり、痛みは左肩、左手に広がります。まれに、下あご、のどに痛みが出ることもあります。
 発作の時間は数分から数十分で治まりますが、発作中は顔面蒼白(そうはく)、胸部圧迫感、息苦しさ、冷汗、動悸(どうき)、頻脈、血圧上昇、頭痛、嘔吐(おうと)のみられるものもあります。
 初めての発作は見過ごしがちですが、症状を放置した場合、一週間以内に心筋梗塞、心室細動などを引き起こす可能性もあります。治まったことで安心せずに、病院へ行くべきです。特に高齢者や、発作が頻発に起こる人は、注意が必要となります。
[位置情報]労作性狭心症の検査と診断と治療
 循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓外科などの医師による診断では、症状が典型的な場合、狭心症を疑うのは比較的容易で、問診で詳しく伝えてもらいます。
 さらに、運動負荷心電図(トレッドミル検査)、ホルター心電図、心臓超音波検査(心エコー)、心臓核医学検査(心筋シンチグラム)、冠動脈CT検査、冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)などを行い、診断を進めます。
 運動負荷心電図では、無症状時の心電図からは狭心症であるかどうかわからないため、フェベルトコンベアー上を歩いてもらうトレッドミルなどにより負荷をかけ、心電図に現れる変化から狭心症らしいかどうか、またどの程度運動が可能かを評価します。
 ホルター心電図では、携帯式の小型の心電計を付けたまま帰宅してもらい、長時間の記録から、体を動かしている時や、寝ている時に心電図がどう変化するかをみます。
 心臓超音波検査では、心臓の大きさ、心筋の動き、弁の機能などを評価します。
 心臓核医学検査では、微量の放射性物質で標識した薬剤を静脈に注射し、心筋の血流の様子などを評価します。運動負荷や薬物負荷試験と組み合わせることによって、心筋虚血があるかどうかを判断するだけでなく、その広がりの範囲や心筋障害の程度などもわかります。
 冠動脈CT検査では、造影剤を静脈に点滴し、心電図と同期させながらCT(コンピュータ断層撮影)をとることで、冠動脈の狭窄の有無を調べます。画像診断装置の進歩により、体に負担を与えずに冠動脈全体の性状を評価できるようになりました。
 これらの検査の結果、狭心症が強く疑われる場合には、通常、心臓カテーテル検査を行います。
 心臓カテーテル検査では、カテーテルという細長いチューブを手首や肘(ひじ)、足の付け根の血管を通して心臓まで挿入し、造影剤を注射して冠動脈のX線撮影を行います。冠動脈の狭窄の程度、部位、病変数などを詳細に評価でき、狭心症の確定診断、重症度の評価、治療方針の最終決定ができます。
 循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓外科などの医師による治療では、すべてのタイプに共通して、血栓ができるのを防ぐために、アスピリンなどの抗血小板剤の投与による治療が行われます。
 発作を止めるために、ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなどの硝酸薬、発作を予防するために、硝酸薬、β(ベータ)遮断薬、カルシウム拮抗(きっこう)薬が投与されるほか、経皮的冠動脈形成術、冠動脈大動脈バイパス移植術などの外科的治療も行われます。
 いずれの治療法を選択した場合でも、動脈硬化の危険因子を修正するための生活習慣の改善は、並行して実践しなければなりません。




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■用語 老人性乾皮症 [用語(ろ)]

[位置情報]全身の皮膚が乾燥してカサカサし、細かくはがれ落ちてくる疾患
 老人性乾皮(かんぴ)症とは、加齢などが原因となって、全身の皮膚が乾燥してカサカサし、表面が細かくはがれ落ちてくる疾患。
 冬の寒い時期にできることが多く、中高年者に多くみられます。女性のほうが男性よりやや早い40〜50歳代から起こってきますが、強く出るのは60歳以降の男性です。
 初期の症状としては、手足、特に下肢の皮膚がカサカサして脂気がなくなり、表面にウロコ状の鱗屑(りんせつ)が付着し、はがれ落ちてきます。かゆみもわずかにあるため、何となくかかずにはいられなくなり、そのために症状が悪化するという状態になり、二次的に湿疹(しっしん)の症状がみられることも多くなります。
 進行すると、 亀(かめ)の甲羅のように皮膚がひび割れて、赤みが生じ、かゆみはかなり強くなります。さらに進行すると、乾燥性湿疹になり、夜中に目覚めるほどのかゆみが出ます。
 種々の環境因子が、老人性乾皮症を悪化させます。第一の因子が、日本の冬の低温、低湿という気象条件。そもそも、高齢者の皮膚は皮脂腺(せん)と汗腺の働きの低下のために、皮膚の表面の脂肪分が少なくなり、水分を保つことも困難になって乾燥を防止できず、カサカサしています。これが冬にはさらにひどくなるわけで、皮膚が非常に敏感になり、非常に弱い刺激でもかゆみの原因となってしまうのです。
 老人性乾皮症は、大気が乾燥する秋から冬に始まり、真冬になると症状はひどく、多くは春先まで続きます。しかし、高温、高湿で汗をかきやすい夏は、症状が軽くなり、自然に治ったりもします。
 第二の悪化因子が、入浴です。高齢者は一般的に入浴が好きで、1日2回入ったり、長湯をする人が多いようです。入浴そのものはかまわないのですが、脂肪分の少ない皮膚は入浴により、さらに皮膚の表面の脂肪分が流れ落ちてしまうのです。
 第三の悪化因子は、エアコンや電気毛布、電気シーツ、ホットカーペット。これらの電熱のために皮膚の水分が蒸発し、皮膚の乾燥化が進み、加温のために皮膚の表面の血行が促進されて、かゆみが増加します。
 第四の因子が、下着です。高齢者は保温のためにラクダの下着を使用している人が多いようですが、直接、下着の繊維が皮膚に触ると、その刺激でかゆみを感じることがあります。
 その他の悪化因子として、精神的な不安、イライラもかゆみに影響します。
[位置情報]老人性乾皮症の自己治療と医師による治療
 自分でできる老人性乾皮症への対処法として、かゆみの原因が皮膚のカサカサにあるため、皮膚の表面に脂肪と水分を補って、人工の保護膜を作る必要がありますので、市販の保湿剤を使います。
 保湿剤として、昔はワセリンとか硼酸(ほうさん)亜鉛華軟こうなどというベタベタした軟こうを塗ったのですが、最近は尿素軟こうを使うことが多くなっています。尿素は水分と結合する力が非常に強いので、尿素を含有した軟こうを皮膚の表面に塗っておけば、空気中の水分を吸収して皮膚の表面に薄い膜を作り、皮膚のカサカサを緩和してくれます。湯上がり、まだ肌に水気が残っているうちに塗ることが、効果的です。一日に、何回塗ってもかまいません。
 それでも治まらずに、かゆみや赤みがある時は、皮膚科の専門医を受診します。医師の治療では、外用剤として保湿剤を用い、かゆみの強い時に抗ヒスタミン剤の内服を併用したり、湿疹の炎症症状の強い時に副腎(ふくじん)皮質ホルモン含有軟こうを用います。ホルモン含有軟こうの長期使用は避けるべきで、強い炎症症状が治まったら、ホルモンを含まない外用剤に変えます。
 次のような工夫で、皮膚の乾燥はかなり予防することができますので、スキンケアを習慣にします。
 毎日入浴する場合は、よほど脂ぎった人でもない限り、せっけんでゴシゴシ洗わないほうが、皮膚にとっては安全です。せっけんは洗浄力の強いものを避け、保湿剤入りのものを使うのが、お勧めです。保湿剤入りの入浴剤もあります。ナイロンタオル、ボディソープを使用すると、皮脂が取れ過ぎて悪化することがあるので、お勧めできません。
 エアコンや電気毛布、電気シーツ、ホットカーペットなどの電気器具は、室内を乾燥させる元凶です。まず使い過ぎをセーブすることですが、加湿器、ぬれタオル、湯タンポ、観葉植物、水槽などで加湿の工夫をします。ただし、加湿器はカビが発生しやすいので手入れはまめに。
 ラクダの下着を使用している人は、繊維の刺激でかゆみを感じることがありますので、肌に優しい木綿の下着を下につけることが大切です。ぴったりと長めの下着で、特にひざから下を覆えば乾燥を防ぐことができます。
 できるだけ皮膚をかかないように気を付け、つめは短く切ります。精神的な不安、イライラもかゆみに影響しますので、安らかな気持ちで生活を送ることも必要です。規則正しい生活を心掛け、十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を取ります。刺激の強い食品、辛い食品はかゆみが増すので、避けるようにします。

■用語 老人性鼻炎 [用語(ろ)]

[バー]加齢による鼻粘膜の機能低下により、鼻水が頻繁に出る状態
 老人性鼻炎とは、加齢による鼻粘膜の機能低下により、無色透明で粘り気のない鼻水が頻繁に出る状態。老人性鼻漏とも呼ばれます。
 特に、70歳以上の高齢者がなりやすいといわれています。風邪のような悪寒、せき、発熱などの症状があるわけではなく、アレルギー性鼻炎のようなくしゃみの症状があるわけでもないのに、寒い季節を中心に頻繁に鼻水が出る。寝起きから朝方にかけて、鼻水が出る量が多い。食事の時にも鼻水が出やすく、ラーメン、うどん、カレーライスなど熱い物や辛い物を食べている時にはその傾向が強い。これらが、老人性鼻炎の代表的な症状です。
 鼻は、外界から体に必要な空気を吸い込むための大切な器官。外界の空気は、乾燥していたり、そのまま肺に入ると有害なほこり・ごみのような成分も含んでいます。それゆえに、鼻の中の粘膜は常に粘液を分泌し、乾燥した空気を湿潤にして、ほこり・ごみなどの異物を粘液に絡み取ってきれいにしています。鼻の中の粘膜から分泌された粘液が過剰になっている状態が、鼻水です。
 この鼻水が頻繁に出る老人性鼻炎を生じるのは、加齢によって鼻の中の粘膜機能が低下するのが原因ではないかといわれています。
 年齢を重ねるにつれて、鼻の粘膜が本来持っている水分吸着力が低下します。それに伴い、呼吸とともに吸い込んだ空気に含まれる水分のうち、吸着しきれなかったぶんが鼻の中にたまっていき、無色透明で粘り気のない鼻水が過剰に分泌されて、体外に排出されるのです。
 この種の鼻水は、油断するとすぐに鼻から垂れてしまいます。症状がひどいと、鼻水がストレスになり、「人前で鼻水が出てしまっては恥ずかしい」、「一日中鼻をかんでいるような状態では人に会いたくない」といった気持ちを抱いて、外出を控えてしまうこともあります。
 自宅で行う対症療法として市販薬を使う場合は、「水様の鼻水を止める」などの効能をうたっている内服薬が効くこともあるようです。ただし、老人性鼻炎は加齢に伴って生じるいわば老化現象の一つであるため、副作用があって長期連用できない薬は使わないほうがよいでしょう。
 薬に頼るよりも、鼻から吸い込む空気をエアコンやスチーム型の加湿器などで温めたり、体を温めることが効果的です。朝起きたら家の中で軽く体を動かすなど、血行をよくして体を温めると、症状が柔らぐこともあります。
 外出の際には、鼻の粘膜を刺激する冷たく乾燥した空気や異物の侵入を防ぐマスクを着用することが、鼻水が出るのを防ぐ有効な手段といえます。
 熱い物や辛い物を食べている時に、鼻の粘膜が刺激されて鼻水が出るのを防ぐ対策はなく、それらを食べるのを避けることが予防になります。また、鼻を強くかまないように気を付けます。
 老人性鼻炎は薬が効きにくい傾向にありますが、全く無効というわけでもなく、また、重症の場合には、手術で鼻水を出にくくさせる方法もありますので、耳鼻咽喉(いんこう)科を受診することが勧められます。
[バー]老人性鼻炎の検査と診断と治療
 耳鼻咽喉科の医師による診断では、症状に基づき、がん、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔(ふくびくう)炎を除外することで、老人性鼻炎と確定します。
 専用のスコープを使って直接、鼻腔の粘膜の状態を観察する鼻鏡検査で、がんやポリープを除外します。血液検査で、アレルギー性鼻炎を除外し、X線(レントゲン)検査で、慢性副鼻腔炎を除外します。
 耳鼻咽喉科の医師による治療では、鼻水の分泌を抑える抗ヒスタミン薬や漢方薬などの内服薬、副腎(ふくじん)皮質ホルモンや抗ヒスタミン剤が含まれる点鼻薬を主に使います。しかし、長期間の経過観察が必要です。症状を抑える薬を使用すると、その時は改善しても、再発することが多く、完全に治ることが難しいからです。
 薬物療法に効果を示さない場合は、鼻水の分泌をコントロールする自律神経の副交感神経を遮断する後鼻神経切断術という手術を行うこともあります。入院、全身麻酔の必要な手術のため、特に高齢者の場合は慎重に適応を考える必要があります。




■用語 老人性膣炎 [用語(ろ)]



[ダイヤ]閉経後、自浄作用が低下して細菌が繁殖するために、膣壁が委縮して起こる膣炎
 老人性膣炎(ちつえん)とは、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが閉経後に低下し、それとともに自浄作用も低下して細菌が繁殖するために、膣壁が委縮して起こる膣炎。委縮性膣炎とも呼ばれます。
 通常は加齢に伴って発症するもので、生理が止まった閉経後の女性の多くが、老人性膣炎を生じている状態にあります。また、出産から最初の月経までの期間の産婦や、悪性腫瘍(しゅよう)で卵巣を摘出する手術をした女性にも、発症することがあります。
 女性生殖器系の器官である腟は、骨盤内にあって子宮と体外とをつなぐ管状の器官で、伸び縮みできる構造をしています。腟の前方には膀胱(ぼうこう)や尿道があり、後方には直腸があります。腟壁は粘膜に覆われ、その粘膜面には横に走るひだがあります。このひだは正中部で集合し、前壁と後壁で中央に縦に走るひだになっています。このひだは出産の経験のない人に、多く認められます。
 この腟の中は、温かく湿っていて有機物が豊富にある状態で、細菌の繁殖に適しています。しかし、腟には自浄作用という働きがあります。
 腟壁上皮は卵巣から分泌されるエストロゲンの作用により、表皮細胞への分化が促され、細胞質の内にグリコーゲンが蓄積されます。剥離(はくり)した細胞内のグリコーゲンは、ブドウ糖に分解されて、腟内の乳酸桿菌(かんきん)によって乳酸菌に換えられます。これにより腟内は酸性となり、酸性環境に弱い細菌の増殖が抑制されます。
 閉経後の女性の場合は、卵巣から分泌されるエストロゲンや卵胞ホルモンが低下するため、ブドウ糖が不足し腟内の乳酸菌が著しく減少する結果、細菌が繁殖します。
 また、閉経後の女性の場合は、腟壁は女性ホルモンや少量の男性ホルモンの働きにより、閉経後十数年たっても若い時代の3分の2の厚さが保たれていますが、一部の女性ホルモンが不足してくると腟のひだが少なくなるとともに、腟壁のコラーゲンが少なくなり、壁そのものも委縮して薄くなり、乾燥も起こります。この薄くなった腟の壁は、腟内に細菌が繁殖すると、充血して炎症を生じます。
 そのために、老人性膣炎を発症すると、下り物が黄色っぽくなる、下り物に血が混じる、下り物に悪臭を伴うなどの症状が、現れることがあります。腟壁の痛みや灼熱(しゃくねつ)感などの不快感、腟入口の乾燥感、掻痒(そうよう)感、違和感などの症状が、現れることもあります。
 性行為に際して、痛みを伴ったり、出血、掻痒感などの症状が、現れることもあります。
 エストロゲンの分泌が低下したり、膣壁が委縮して薄くなること自体は、閉経後の女性であれば当たり前のことですので、無症状であったり、症状が軽いこともあります。
 必ずしも治療が必要なわけではありませんが、黄色い下り物は子宮体がんなどに伴う症状の可能性もありますので、注意が必要となります。
[ダイヤ]老人性膣炎の検査と診断と治療
 婦人科、産婦人科の医師による診断では、膣や外陰部の肉眼的な観察を主に行います。細菌性膣炎を合併していることが多く、腟内の細菌検査を必要とする場合もあります。同時に、がん細胞の有無も確認します。
 明らかにエストロゲンが低下している年齢でなければ、ホルモン検査を行うこともあります。
 近年は、診断と治療的効果判定の数値化を目的に腟健康指数を用いて診断する方法も行われるようになりました。
 婦人科、産婦人科の医師による治療では、がん細胞がない場合は、女性ホルモンの膣錠、エストロゲンの経口剤や貼付剤、女性ホルモンの補充療法などで、症状の改善を図ります。
 軽度の炎症であれば、膣洗浄によって細菌を流し、症状を改善させることもあります。細菌感染がひどい場合は、抗生物質が入った腟錠を併用することもあります。性交痛などに対して、潤滑ゼリーを勧めることもあります。
 多くは1~2週間の治療で治りますが、1カ月程度にわたって薬剤を使用しないと治らない人もいます。
 子宮体がんや乳がんなどの病歴がある人に対しては、別の治療法が選択されることもあります。


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