■病気 眼瞼縁炎(ただれ目) [病気(か)]
まぶたの縁に起こり、再発を繰り返す炎症
眼瞼縁(がんけんえん)炎とは、まぶたの縁のまつ毛の毛根を中心に、炎症が起きて赤くなる疾患。俗に、ただれ目と呼ばれます。
原因には、体質、環境、感染、化粧品や薬剤に対するアレルギー反応、ビタミン不足などが考えられています。再発を繰り返し、長期経過をたどるものが多いようです。
主に黄色ブドウ球菌がまつ毛の毛根、汗腺(せん)、皮脂腺に感染することで発症し、目やにが出て、まぶたの縁が赤くなり、小さいぽつぽつとした湿疹(しっしん)、膿疱(のうほう)ができ、かゆみを伴います。場合によっては、湿疹が破れたり、皮脂腺の分泌が少ないために黄色いかさぶたが付着することもあり、目の回りの皮膚がかさかさになってきます。
体質的なアレルギーが原因で発症した場合は、ひどいかゆみを伴ってきます。再発を繰り返すことが多く、好転したり悪化したりしながら何年間も続くことがよくあります。まぶたが厚くなったり変形したりすることや、まつ毛の生え方の方向が不ぞろいになる睫毛乱生(し ょうもうらんせい)を起こすこともあります。重症化すると、まつ毛の欠損が起こることもあります。
眼瞼縁炎の検査と診断と治療
眼瞼縁炎(ただれ目)の症状が現れたら、慢性にならないように早めに医師の治療を受けるようにします。途中で治療をやめると、再発を繰り返すこともあります。
細菌感染による眼瞼縁炎の治療では、目の回りを洗浄した上で、抗生物質を点眼します。また、抗菌剤の点眼薬を利用したり、かさぶたができた部分に抗生物質あるいは副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の軟こうを塗る方法もあります。
アレルギーによる眼瞼縁炎の治療では、 化粧品や点眼薬、目の回りに付着した物など原因となっている物の使用をやめたり、取り除くことで治るため、全身検査を行って調べることもあります。原因となる物質には多くのものがあり、再発を防ぐためにも検査によって特定しておくとよいでしょう。薬剤や食物により、発疹やじんましんなどアレルギーを起こしたことのある人は、医師に報告しておくとよく、原則的に再使用すべきではありません。
場合によっては、まつ毛を抜いて治療をしたり、抗生物質の全身投与を行います。治りにくい場合では、自己免疫療法を行うこともあります。ビタミン不足によるものでは、ビタミン剤の局所および全身投与を行います。
日常生活における注意としては、目の回りに異常が見られたら、手でこすったりせずに安静を心掛け、清潔にして感染を広げないようにします。せっけんなどを使ってもよいのですが、なるべく皮膚に刺激が少ない物を利用するようにします。
予防にも、顔を洗って清潔を心掛けることが一番。ビタミン不足など栄養問題があると、眼瞼縁炎を起こしやすくなりますから、日ごろから食事のバランスを保つことも心掛けます。
眼瞼縁(がんけんえん)炎とは、まぶたの縁のまつ毛の毛根を中心に、炎症が起きて赤くなる疾患。俗に、ただれ目と呼ばれます。
原因には、体質、環境、感染、化粧品や薬剤に対するアレルギー反応、ビタミン不足などが考えられています。再発を繰り返し、長期経過をたどるものが多いようです。
主に黄色ブドウ球菌がまつ毛の毛根、汗腺(せん)、皮脂腺に感染することで発症し、目やにが出て、まぶたの縁が赤くなり、小さいぽつぽつとした湿疹(しっしん)、膿疱(のうほう)ができ、かゆみを伴います。場合によっては、湿疹が破れたり、皮脂腺の分泌が少ないために黄色いかさぶたが付着することもあり、目の回りの皮膚がかさかさになってきます。
体質的なアレルギーが原因で発症した場合は、ひどいかゆみを伴ってきます。再発を繰り返すことが多く、好転したり悪化したりしながら何年間も続くことがよくあります。まぶたが厚くなったり変形したりすることや、まつ毛の生え方の方向が不ぞろいになる睫毛乱生(し ょうもうらんせい)を起こすこともあります。重症化すると、まつ毛の欠損が起こることもあります。
眼瞼縁炎の検査と診断と治療
眼瞼縁炎(ただれ目)の症状が現れたら、慢性にならないように早めに医師の治療を受けるようにします。途中で治療をやめると、再発を繰り返すこともあります。
細菌感染による眼瞼縁炎の治療では、目の回りを洗浄した上で、抗生物質を点眼します。また、抗菌剤の点眼薬を利用したり、かさぶたができた部分に抗生物質あるいは副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の軟こうを塗る方法もあります。
アレルギーによる眼瞼縁炎の治療では、 化粧品や点眼薬、目の回りに付着した物など原因となっている物の使用をやめたり、取り除くことで治るため、全身検査を行って調べることもあります。原因となる物質には多くのものがあり、再発を防ぐためにも検査によって特定しておくとよいでしょう。薬剤や食物により、発疹やじんましんなどアレルギーを起こしたことのある人は、医師に報告しておくとよく、原則的に再使用すべきではありません。
場合によっては、まつ毛を抜いて治療をしたり、抗生物質の全身投与を行います。治りにくい場合では、自己免疫療法を行うこともあります。ビタミン不足によるものでは、ビタミン剤の局所および全身投与を行います。
日常生活における注意としては、目の回りに異常が見られたら、手でこすったりせずに安静を心掛け、清潔にして感染を広げないようにします。せっけんなどを使ってもよいのですが、なるべく皮膚に刺激が少ない物を利用するようにします。
予防にも、顔を洗って清潔を心掛けることが一番。ビタミン不足など栄養問題があると、眼瞼縁炎を起こしやすくなりますから、日ごろから食事のバランスを保つことも心掛けます。
タグ:病気(か) はやり目 弱視 滲出性網膜炎 水疱性角膜症 網膜前膜 視神経症 色盲、色弱(色覚異常) 斜視 乱視 優性遺伝性ドルーゼン 巨大乳頭結膜炎 眼瞼縁炎(ただれ目) 正常眼圧緑内障 結膜結石 オカルト黄斑ジストロフィー 先天性黄斑変性症 網膜硝子体出血(眼底出血) 家族性角膜変性 角膜ジストロフィー 網膜色素変性症 杆体錐体ジストロフィー 疲れ目 角膜変性 視力障害 眼精疲労 白内障 飛蚊症 一過生黒内障 加齢黄斑変性 家族性ドルーゼン 中心性網膜症 黄斑変性症 結膜弛緩症 ドライアイ 角膜炎 慢性結膜炎 単性緑内障 先天性緑内障(牛眼) 老眼(老視) 硝子体混濁 近目 近視 眼瞼外反症 シェーグレン症候群 霰粒腫 スタルガルト病 斑状網膜症候群 黄色斑眼底 黄斑ジストロフィー やぶにらみ 眼瞼下垂 遠視 コーツ病 レーベル先天性黒内障 光誘発角膜炎 先天性進行性夜盲 腎性網膜炎 水晶体嚢性緑内障 続発性緑内障 雪眼炎(雪目) 雪目(雪眼炎) 虹彩炎(虹彩毛様体炎) 急性結膜炎 糖尿病性網膜症 ビタミン欠乏症 ビタミンB2欠乏症 眼部帯状疱疹 閉塞隅角緑内障 緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障) 網膜芽細胞腫 急性閉塞隅角緑内障(緑内障発作) 慢性閉塞隅角緑内障 開放隅角緑内障 視神経委縮 網膜静脈閉塞症 ぶどう膜炎 緑内障 アレルギー性結膜炎 円錐角膜 若年網膜分離症 先天性停止性夜盲 X染色体若年網膜分離症 先天網膜分離症 小口病 夜盲症 原田病 細菌性角膜炎 角膜潰瘍 角膜びらん 蜂巣炎(眼窩蜂窩織炎) 突き目(匐行性角膜潰瘍) 翼状片 圧迫性視神経症 アポロ病 外傷性視神経症 角膜ヘルペス 仮性近視 眼瞼内反症 急性出血性結膜炎 強膜炎、上強膜炎 桐沢型ぶどう膜炎 急性網膜壊死 交感性眼炎 ヘルペス性角膜炎 流行性角結膜炎 レーベル病 虚血性視神経症 腫瘍性視神経症 遺伝性視神経症 優性遺伝性若年性視神経委縮症 網膜動脈硬化症 高血圧性網膜症 逆さまつげ 睫毛乱生症 光視症 網膜剥離 黄斑前膜 うっ血乳頭 トラコーマ(トラホーム) 顆粒性結膜炎 視神経炎 特発性視神経炎 結膜下出血 ただれ目(眼瞼縁炎) 春季カタル 眼底出血 偽近視 調節緊張性近視 結膜炎 封入体結膜炎 フリクテン性結膜炎 クラミジア結膜炎
■病気 外陰炎 [病気(か)]
いろいろな原因により、女性性器の外陰部に発生する炎症
外陰炎とは、いろいろな原因によって女性性器の外陰部に発生する炎症。
外陰とは、性器の外側の部分である恥丘、大陰唇、小陰唇、陰核、外尿道口、腟前庭(ちつぜんてい)、会陰(えいん)の総称です。この外陰部に、細菌やウイルス、かびなどの病原体が感染したり、薬物などの化学物質や腟からの下り物などが刺激になって、急性、慢性の炎症を引き起こします。
外陰単独に発生することもありますが、多くの場合は膣炎を合併しており、その下り物の刺激に体の抵抗力の低下が加わって発症しています。糖尿病やアレルギーのある人は、特になりやすい傾向があります。また、高齢者や子供のように外陰部の皮膚や粘膜が弱い人でも、発症しやすくなります。
初期の症状としては、かゆみですが、炎症が進むと赤くはれて痛みます。ただれたりすると、少量の出血をみます。炎症が慢性化すると、皮膚や粘膜が白っぽくなり、頑固なかゆみが続きます。
外陰炎の検査と診断と治療
外陰部のかゆみが現れて2〜3日しても治らない時は、婦人科あるいは産婦人科を受診します。頑固なかゆみが続く時は、外陰部の粘膜が白く硬くなる硬化性苔癬(たいせん)や悪性病変も考えられるので、必ず受診するようにします。
医師による診断では、まず外陰部を視診します。次いで、外陰や腟分泌物中の病原体を検出します。糖尿病があると発症しやすいため、しばしば再発するような時は、糖尿病の有無も調べます。
治療では、原因に応じて、細菌やウイルス、かびに効く抗生物質の入った軟こうを用います。時には、かゆみを止める抗ヒスタミン剤や、ステロイドホルモン含有の軟こうを用います。高齢者のように外陰や腟粘膜の弱い場合は、ホルモン剤を投与して強化を図ります。
なお、外陰炎がある時は、局所を化粧せっけんなどで洗うと症状が悪化するので、お湯で洗い流すだけにするか、無刺激性のせっけんを使用するようにします。
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■病気 肝臓がん [病気(か)]
主に肝炎ウイルスの感染で、肝臓に発生するがん
肝臓がんとは、血液中の栄養素を分解して貯蔵したり、有害な物質を分解して排出したりする肝臓に、発生するがん。肝がんとも呼ばれます。
肝臓は上腹部に位置し、重さ1000~1500グラム程度で、人間の体内では脳に次いで2番目に大きな臓器です。その主要な機能の1つは、消化された食物に含まれる各種栄養素を蛋白(たんぱく)、脂質、炭水化物に変える合成作用で、さらに糖をグリコーゲンとして貯蔵し、必要に応じてブドウ糖に分解して血中に放出するといった働きも持っています。
もう1つの主要な機能は、血液中の有害な物質を分解、処理し、それらを胆汁や血液中に排出する解毒作用で、有害な物質は最終的には尿や便に混じって体から出されます。また、胆汁の生成と代謝も、肝臓の主要な機能の1つです。
肝臓にできるがんは、その組織型によりいくつかの種類に分類されます。中では、栄養素の合成、分解貯蔵、解毒に関係する肝細胞から発生する肝臓細胞がんと、胆汁の通り道である胆管の上皮を形成する細胞から発生する胆管細胞がん(肝内胆管がん)が、そのほとんどを占めています。そのほかに、特殊な組織型の肝臓がんが存在します。
これら肝臓から発生したがんを合わせて、原発性肝臓がんと呼びます。原発性肝臓がんの約95パーセントは肝臓細胞がんで、胆管細胞がんは5パーセント弱程度と比較的まれな腫瘍です。そして、胃や大腸などほかの臓器で発生したがん細胞が、肝臓に転移をして起こるがんは、転移性肝臓がんと呼びます。
ここからは、原発性肝臓がんの中で最も多い肝臓細胞がんについて説明します。普通、肝臓がんといえば、肝臓細胞がんを指すからです。胆管細胞がん(肝内胆管がん)は、組織学的な特徴から海外では胆道がんに分類され、日本の医療機関でも胆道がん(肝外胆管がん、胆嚢〔たんのう〕がん)に準じて治療を行うケースが多くなってきています。
肝臓がんは1975年以降から急増して、現在は年間約3万人以上が死亡しており、がんによる死因の第4位となっています。年齢別にみると、60歳代で最も頻度が高く、C型肝炎からの肝臓がんの発症リスクは年齢が高くなるほど高くなります。B型肝炎では、C型肝炎に比べて若年での肝臓がんの発症もみられます。
男性ではその頻度は横ばいとなってきているのに対して、女性ではいまだ増加傾向にあります。地域的には、西日本に多く東日本に少ない西高東低型を示します。
日本人の肝臓がんの約90パーセントは、B型、C型肝炎ウイルスの感染によって起こっています。C型肝炎では、肝炎ウイルスに感染してから慢性肝炎、肝硬変を経て約30年で肝臓がんが発生します。一方、B型肝炎では、無症候性キャリアや慢性肝炎の状態からも肝臓がんを発症することがあります。
B型、C型肝炎ウイルスの感染は主に血液を介して起こりますので、1975年以降の急激な肝臓がんの増加は、戦後の売血制度や輸血を多用した肺結核手術が原因と見なされています。現在では、輸血による感染はほぼ完全に防止されています。また、出産時にB型肝炎ウイルス陽性の母親から新生児への感染が起こる母子感染も、予防可能となっています。
近年では、アルコール多飲や脂肪肝など、ウイルス以外が原因と考えられる肝臓がんが増えてきています。
肝臓は元来予備能力が大きく、がんが発生しても自覚症状は比較的少ないため、多くの発症者は慢性肝炎や肝硬変の治療を受けている途中、検査によって無症状のうちに肝臓がんを発見されます。中には、上腹部のしこりや痛み、発熱、黄疸(おうだん)といった自覚症状により、疾患が見付かることもあります。
しかし、これらはかなり病状が進んでからの症状です。まれに、肝臓がんの破裂による激烈な腹痛やショックが初発症状であることもあり、このような場合は生命にかかわることがあるので早急な処置が必要です。
そのほか、がんが進行すると腹水がたまったり、がんによって肝臓へ流れ込む血流が遮られて、食道や胃などに静脈瘤(りゅう)と呼ばれる血流のバイパス路が発達し、これらの静脈瘤が破裂することにより吐血や下血がみられたりすることがあります。
肝臓がんの検査と診断と治療
肝臓がんが発生しても通常の肝機能検査(一般の血液検査)に変化が現れないことが多く、また、自覚症状がないことも少なくありません。そのため、慢性肝炎や肝硬変の発症者に対して、血中の腫瘍マーカーや腹部超音波検査によってがんのスクリーニングが行われています。
腫瘍マーカーとしては、アルファフェトプロテイン(AFP)、PIVKA−Ⅱなどが単独や組み合わせてよく用いられます。AFPやPIVKA−Ⅱは肝臓がん以外の原因でも異常値を示すことがあるため、確定診断には腹部超音波検査やCT、MRIによる画像診断が必須です。
多くの場合は腫瘍マーカーの値と画像診断により確定診断が可能ですが、必要に応じて生検や腹部血管造影検査を行うこともあります。生検は、がん細胞の一部を直接採取して、顕微鏡下で調べる検査。腹部血管造影検査は、足の付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、そこから造影剤を流すことで、どの動脈ががんに栄養を与えているか、肝臓の中を走る門脈、肝静脈といった血管の中に、腫瘍(しゅよう)が入り込んで塊を作る脈管侵襲があるかどうかなどを調べる検査。
また、血管を造影しながらCT撮影を行うことで、通常のCTでは見付けることが難しい主病巣以外の数ミリのがんの診断が可能です。生検と腹部血管造影には、検査のための入院が必要です。
肝臓がんの治療にはさまざまな方法があり、腫瘍の広がり、肝予備能、年齢、全身状態などを総合して治療法を選択します。代表的な治療法には、肝切除術、経皮的治療、肝動脈化学塞栓(そくせん)療法、化学療法があります。そのほか、放射線療法、肝移植などが行われることもあります。
肝切除術では、外科的に腫瘍の切除を行います。肝予備能により肝臓全体の何パーセントまで切除が可能か異なるため、手術前にはCTなどの画像を用いて切除体積の計算をし、手術の計画が立てられます。比較的肝予備能のよい発症者が対象となります。
経皮的治療には、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)、マイクロ波凝固療法(PMC)、エタノール注入療法(PEI)などがあります。近年では、ラジオ波焼灼療法が多く用いられていて、超音波やCTで位置を確認しながら治療用の電極針で経皮的に腫瘍を穿刺(さくし)し、熱凝固により腫瘍を壊死(えし)に陥らせます。一般的に、がんの大きさが3センチ 以内、数が3個以下のものが適応とされます。
肝動脈化学塞栓療法では、カテーテルを使って血管造影を行いながら、腫瘍に栄養や酸素を送っている血管を確認し、抗がん剤をリピオドールという造影剤の一種と混ぜたものを注入した後、ゼラチン粒という塞栓剤で栄養血管を詰めることによりがん細胞を壊死に陥らせます。比較的幅広い対象の発症者に治療が可能ですが、門脈という肝臓の血管が腫瘍によって閉塞していたり、肝予備能が極端に低かったりすると対象となりません。
化学療法には、肝動脈にカテーテルを用いて直接抗がん剤を流す肝動注化学療法と、内服剤や静脈内投与により全身に抗がん剤を行き渡らせる全身化学療法があります。2009年5月より、肝臓がんに対して唯一延命効果が証明された抗がん剤、ソラフェニブ(ネクサバールR)が国内で使用可能となっています。
肝臓がんは、慢性肝炎や肝硬変を背景として発生する腫瘍であり、多発したり再発したりすることの多い疾患です。そのため、何度も治療を繰り返すことが多く、肝予備能とのバランスを考えながら、その都度最も適した治療を行う必要があります。また、肝硬変に合併しやすい食道・胃静脈瘤に対する治療が必要となることもあります。
ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
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肝臓がんとは、血液中の栄養素を分解して貯蔵したり、有害な物質を分解して排出したりする肝臓に、発生するがん。肝がんとも呼ばれます。
肝臓は上腹部に位置し、重さ1000~1500グラム程度で、人間の体内では脳に次いで2番目に大きな臓器です。その主要な機能の1つは、消化された食物に含まれる各種栄養素を蛋白(たんぱく)、脂質、炭水化物に変える合成作用で、さらに糖をグリコーゲンとして貯蔵し、必要に応じてブドウ糖に分解して血中に放出するといった働きも持っています。
もう1つの主要な機能は、血液中の有害な物質を分解、処理し、それらを胆汁や血液中に排出する解毒作用で、有害な物質は最終的には尿や便に混じって体から出されます。また、胆汁の生成と代謝も、肝臓の主要な機能の1つです。
肝臓にできるがんは、その組織型によりいくつかの種類に分類されます。中では、栄養素の合成、分解貯蔵、解毒に関係する肝細胞から発生する肝臓細胞がんと、胆汁の通り道である胆管の上皮を形成する細胞から発生する胆管細胞がん(肝内胆管がん)が、そのほとんどを占めています。そのほかに、特殊な組織型の肝臓がんが存在します。
これら肝臓から発生したがんを合わせて、原発性肝臓がんと呼びます。原発性肝臓がんの約95パーセントは肝臓細胞がんで、胆管細胞がんは5パーセント弱程度と比較的まれな腫瘍です。そして、胃や大腸などほかの臓器で発生したがん細胞が、肝臓に転移をして起こるがんは、転移性肝臓がんと呼びます。
ここからは、原発性肝臓がんの中で最も多い肝臓細胞がんについて説明します。普通、肝臓がんといえば、肝臓細胞がんを指すからです。胆管細胞がん(肝内胆管がん)は、組織学的な特徴から海外では胆道がんに分類され、日本の医療機関でも胆道がん(肝外胆管がん、胆嚢〔たんのう〕がん)に準じて治療を行うケースが多くなってきています。
肝臓がんは1975年以降から急増して、現在は年間約3万人以上が死亡しており、がんによる死因の第4位となっています。年齢別にみると、60歳代で最も頻度が高く、C型肝炎からの肝臓がんの発症リスクは年齢が高くなるほど高くなります。B型肝炎では、C型肝炎に比べて若年での肝臓がんの発症もみられます。
男性ではその頻度は横ばいとなってきているのに対して、女性ではいまだ増加傾向にあります。地域的には、西日本に多く東日本に少ない西高東低型を示します。
日本人の肝臓がんの約90パーセントは、B型、C型肝炎ウイルスの感染によって起こっています。C型肝炎では、肝炎ウイルスに感染してから慢性肝炎、肝硬変を経て約30年で肝臓がんが発生します。一方、B型肝炎では、無症候性キャリアや慢性肝炎の状態からも肝臓がんを発症することがあります。
B型、C型肝炎ウイルスの感染は主に血液を介して起こりますので、1975年以降の急激な肝臓がんの増加は、戦後の売血制度や輸血を多用した肺結核手術が原因と見なされています。現在では、輸血による感染はほぼ完全に防止されています。また、出産時にB型肝炎ウイルス陽性の母親から新生児への感染が起こる母子感染も、予防可能となっています。
近年では、アルコール多飲や脂肪肝など、ウイルス以外が原因と考えられる肝臓がんが増えてきています。
肝臓は元来予備能力が大きく、がんが発生しても自覚症状は比較的少ないため、多くの発症者は慢性肝炎や肝硬変の治療を受けている途中、検査によって無症状のうちに肝臓がんを発見されます。中には、上腹部のしこりや痛み、発熱、黄疸(おうだん)といった自覚症状により、疾患が見付かることもあります。
しかし、これらはかなり病状が進んでからの症状です。まれに、肝臓がんの破裂による激烈な腹痛やショックが初発症状であることもあり、このような場合は生命にかかわることがあるので早急な処置が必要です。
そのほか、がんが進行すると腹水がたまったり、がんによって肝臓へ流れ込む血流が遮られて、食道や胃などに静脈瘤(りゅう)と呼ばれる血流のバイパス路が発達し、これらの静脈瘤が破裂することにより吐血や下血がみられたりすることがあります。
肝臓がんの検査と診断と治療
肝臓がんが発生しても通常の肝機能検査(一般の血液検査)に変化が現れないことが多く、また、自覚症状がないことも少なくありません。そのため、慢性肝炎や肝硬変の発症者に対して、血中の腫瘍マーカーや腹部超音波検査によってがんのスクリーニングが行われています。
腫瘍マーカーとしては、アルファフェトプロテイン(AFP)、PIVKA−Ⅱなどが単独や組み合わせてよく用いられます。AFPやPIVKA−Ⅱは肝臓がん以外の原因でも異常値を示すことがあるため、確定診断には腹部超音波検査やCT、MRIによる画像診断が必須です。
多くの場合は腫瘍マーカーの値と画像診断により確定診断が可能ですが、必要に応じて生検や腹部血管造影検査を行うこともあります。生検は、がん細胞の一部を直接採取して、顕微鏡下で調べる検査。腹部血管造影検査は、足の付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、そこから造影剤を流すことで、どの動脈ががんに栄養を与えているか、肝臓の中を走る門脈、肝静脈といった血管の中に、腫瘍(しゅよう)が入り込んで塊を作る脈管侵襲があるかどうかなどを調べる検査。
また、血管を造影しながらCT撮影を行うことで、通常のCTでは見付けることが難しい主病巣以外の数ミリのがんの診断が可能です。生検と腹部血管造影には、検査のための入院が必要です。
肝臓がんの治療にはさまざまな方法があり、腫瘍の広がり、肝予備能、年齢、全身状態などを総合して治療法を選択します。代表的な治療法には、肝切除術、経皮的治療、肝動脈化学塞栓(そくせん)療法、化学療法があります。そのほか、放射線療法、肝移植などが行われることもあります。
肝切除術では、外科的に腫瘍の切除を行います。肝予備能により肝臓全体の何パーセントまで切除が可能か異なるため、手術前にはCTなどの画像を用いて切除体積の計算をし、手術の計画が立てられます。比較的肝予備能のよい発症者が対象となります。
経皮的治療には、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)、マイクロ波凝固療法(PMC)、エタノール注入療法(PEI)などがあります。近年では、ラジオ波焼灼療法が多く用いられていて、超音波やCTで位置を確認しながら治療用の電極針で経皮的に腫瘍を穿刺(さくし)し、熱凝固により腫瘍を壊死(えし)に陥らせます。一般的に、がんの大きさが3センチ 以内、数が3個以下のものが適応とされます。
肝動脈化学塞栓療法では、カテーテルを使って血管造影を行いながら、腫瘍に栄養や酸素を送っている血管を確認し、抗がん剤をリピオドールという造影剤の一種と混ぜたものを注入した後、ゼラチン粒という塞栓剤で栄養血管を詰めることによりがん細胞を壊死に陥らせます。比較的幅広い対象の発症者に治療が可能ですが、門脈という肝臓の血管が腫瘍によって閉塞していたり、肝予備能が極端に低かったりすると対象となりません。
化学療法には、肝動脈にカテーテルを用いて直接抗がん剤を流す肝動注化学療法と、内服剤や静脈内投与により全身に抗がん剤を行き渡らせる全身化学療法があります。2009年5月より、肝臓がんに対して唯一延命効果が証明された抗がん剤、ソラフェニブ(ネクサバールR)が国内で使用可能となっています。
肝臓がんは、慢性肝炎や肝硬変を背景として発生する腫瘍であり、多発したり再発したりすることの多い疾患です。そのため、何度も治療を繰り返すことが多く、肝予備能とのバランスを考えながら、その都度最も適した治療を行う必要があります。また、肝硬変に合併しやすい食道・胃静脈瘤に対する治療が必要となることもあります。
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■病気 カルチノイド [病気(か)]
非がん性、がん性の混じった腫瘍で、過剰なホルモン様物質を産生
カルチノイドとは、消化管や気管支などの原腸(げんちょう)由来の臓器から発生する、非がん性ないしがん性の腫瘍(しゅよう)。原腸とは、受精卵が成長する過程で出現する消化管その他の原器です。
カルチノイドは通常、小腸、直腸、虫垂、十二指腸、胃などの消化管のホルモン産生細胞に発生し、膵臓(すいぞう)、精巣、卵巣、肺、気管支、胸腺(きょうせん)のホルモン産生細胞でも発生します。がん性のカルチノイドは、一般のがんに比べて進行はゆっくりで、長い経過をたどります。転移することもまれです。全く症状を示さない非がん性のカルチノイドも、発生します。
消化管に発生したカルチノイドは、セロトニン、ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジン、カテコールアミンなどのホルモン様の生理活性物質を産生します。膵臓、肺、気管支、胸腺などに発生したカルチノイドは、副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、ガストリンなどを産生します。
カルチノイドが消化管や膵臓にできると、それが産生する物質は血液中に放出され、直接肝臓の門脈に入り、肝臓の酵素によって破壊されます。そのため、消化管にカルチノイドができても、一般的には肝臓に広がらなければ症状は現れません。
肝臓に広がった場合は、肝臓はこれらのホルモン様物質が全身を循環し始める前に破壊できなくなります。腫瘍が放出する物質によって、カルチノイド症候群と呼ばれる種々の症状が現れます。また、肺、精巣、卵巣に腫瘍ができた場合も、産生するホルモン様物質が肝臓を迂回(うかい)して血流に乗り、広く全身を循環するために種々の症状が現れます。
カルチノイドのある人の多くは、他の腸管腫瘍に似た症状を示し、主に締め付けられるような腹部の痛みと、閉塞(へいそく)の結果として便通の変化が現れます。
カルチノイド症候群は腫瘍がある人の10パーセント以下に現れ、顔や首に出る不快な紅潮は最も典型的で、最初に現れることが多い症状です。血管拡張による紅潮は、感情、食事、飲酒、熱い飲み物によって起こります。紅潮に続いて、皮膚が青ざめることがあります。
腸の収縮が過剰になると、腹部けいれんと下痢を生じます。腸は栄養を適切に吸収できないため栄養不足になり、脂肪性の悪臭を放つ脂肪便が出ます。心臓も傷害を受けて、下肢がはれます。
肺への空気の供給も妨げられて、気管支ぜんそくに似た発作や息切れが現れます。セックスへの興味を失ったり、男性では勃起(ぼっき)機能不全になることもあります。
カルチノイドの検査と診断と治療
症状からカルチノイドが疑われる場合は、尿を24時間採取して、尿中のセロトニンの副産物の1つである5ーヒドロキシインドール酢酸(5ーHIAA)の量を測定し、その結果から診断します。
この検査を行う前の少なくとも3日間は、バナナ、トマト、プラム、アボカド、パイナップル、ナス、クルミといったセロトニンを豊富に含む食べ物を避けます。ある特定の薬、せき止めシロップによく使われるグアイフェネシン、筋弛緩(しかん)薬のメトカルバモール、抗精神病薬のフェノチアジンなども検査結果の妨げになります。
腫瘍の位置を突き止めるには、放射性核種走査が有効な検査です。カルチノイドの多くはホルモンのソマトスタチン受容体がありますので、放射性ソマトスタチンを注射する放射性核種走査によって、腫瘍の位置や転移の有無が確認できます。この方法で約90パーセントの腫瘍の位置がわかります。
CT(コンピューター断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査、動脈造影も、腫瘍の位置を突き止めたり、腫瘍が肝臓に転移していないかを確認するのに役立ちます。腫瘍の位置の診査手術が必要な場合もあります。
腫瘍が虫垂、小腸、直腸、肺など一定部分に限定していれば、外科的切除で治癒することがあります。腫瘍が肝臓に転移している場合、手術で治すのは困難ですが、症状が緩和されることがあります。腫瘍の増殖は遅いので、腫瘍が転移している人でさえ10〜15年生存することがしばしばあります。
進行した場合、一般のがんと同様に放射線療法や、抗がん剤による化学療法を含めた集学的治療を行います。ストレプトゾシンにフルオロウラシル、時にはドキソルビシンなどの抗がん剤の併用によって、症状を緩和できることがあります。
オクトレオチドも症状を緩和し、タモキシフェン、インターフェロンアルファ、エフロルニチンは腫瘍の増殖を抑制します。カルチノイド症候群による紅潮を抑えるためには、フェノチアジン、シメチジン、フェントラミンが使用されます。
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カルチノイドとは、消化管や気管支などの原腸(げんちょう)由来の臓器から発生する、非がん性ないしがん性の腫瘍(しゅよう)。原腸とは、受精卵が成長する過程で出現する消化管その他の原器です。
カルチノイドは通常、小腸、直腸、虫垂、十二指腸、胃などの消化管のホルモン産生細胞に発生し、膵臓(すいぞう)、精巣、卵巣、肺、気管支、胸腺(きょうせん)のホルモン産生細胞でも発生します。がん性のカルチノイドは、一般のがんに比べて進行はゆっくりで、長い経過をたどります。転移することもまれです。全く症状を示さない非がん性のカルチノイドも、発生します。
消化管に発生したカルチノイドは、セロトニン、ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジン、カテコールアミンなどのホルモン様の生理活性物質を産生します。膵臓、肺、気管支、胸腺などに発生したカルチノイドは、副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、ガストリンなどを産生します。
カルチノイドが消化管や膵臓にできると、それが産生する物質は血液中に放出され、直接肝臓の門脈に入り、肝臓の酵素によって破壊されます。そのため、消化管にカルチノイドができても、一般的には肝臓に広がらなければ症状は現れません。
肝臓に広がった場合は、肝臓はこれらのホルモン様物質が全身を循環し始める前に破壊できなくなります。腫瘍が放出する物質によって、カルチノイド症候群と呼ばれる種々の症状が現れます。また、肺、精巣、卵巣に腫瘍ができた場合も、産生するホルモン様物質が肝臓を迂回(うかい)して血流に乗り、広く全身を循環するために種々の症状が現れます。
カルチノイドのある人の多くは、他の腸管腫瘍に似た症状を示し、主に締め付けられるような腹部の痛みと、閉塞(へいそく)の結果として便通の変化が現れます。
カルチノイド症候群は腫瘍がある人の10パーセント以下に現れ、顔や首に出る不快な紅潮は最も典型的で、最初に現れることが多い症状です。血管拡張による紅潮は、感情、食事、飲酒、熱い飲み物によって起こります。紅潮に続いて、皮膚が青ざめることがあります。
腸の収縮が過剰になると、腹部けいれんと下痢を生じます。腸は栄養を適切に吸収できないため栄養不足になり、脂肪性の悪臭を放つ脂肪便が出ます。心臓も傷害を受けて、下肢がはれます。
肺への空気の供給も妨げられて、気管支ぜんそくに似た発作や息切れが現れます。セックスへの興味を失ったり、男性では勃起(ぼっき)機能不全になることもあります。
カルチノイドの検査と診断と治療
症状からカルチノイドが疑われる場合は、尿を24時間採取して、尿中のセロトニンの副産物の1つである5ーヒドロキシインドール酢酸(5ーHIAA)の量を測定し、その結果から診断します。
この検査を行う前の少なくとも3日間は、バナナ、トマト、プラム、アボカド、パイナップル、ナス、クルミといったセロトニンを豊富に含む食べ物を避けます。ある特定の薬、せき止めシロップによく使われるグアイフェネシン、筋弛緩(しかん)薬のメトカルバモール、抗精神病薬のフェノチアジンなども検査結果の妨げになります。
腫瘍の位置を突き止めるには、放射性核種走査が有効な検査です。カルチノイドの多くはホルモンのソマトスタチン受容体がありますので、放射性ソマトスタチンを注射する放射性核種走査によって、腫瘍の位置や転移の有無が確認できます。この方法で約90パーセントの腫瘍の位置がわかります。
CT(コンピューター断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査、動脈造影も、腫瘍の位置を突き止めたり、腫瘍が肝臓に転移していないかを確認するのに役立ちます。腫瘍の位置の診査手術が必要な場合もあります。
腫瘍が虫垂、小腸、直腸、肺など一定部分に限定していれば、外科的切除で治癒することがあります。腫瘍が肝臓に転移している場合、手術で治すのは困難ですが、症状が緩和されることがあります。腫瘍の増殖は遅いので、腫瘍が転移している人でさえ10〜15年生存することがしばしばあります。
進行した場合、一般のがんと同様に放射線療法や、抗がん剤による化学療法を含めた集学的治療を行います。ストレプトゾシンにフルオロウラシル、時にはドキソルビシンなどの抗がん剤の併用によって、症状を緩和できることがあります。
オクトレオチドも症状を緩和し、タモキシフェン、インターフェロンアルファ、エフロルニチンは腫瘍の増殖を抑制します。カルチノイド症候群による紅潮を抑えるためには、フェノチアジン、シメチジン、フェントラミンが使用されます。
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