■小林製薬「紅麹サプリ」摂取の女性2人、腎機能低下する「ファンコニー症候群」の疑い 富山県 [健康ダイジェスト]
小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分を含むサプリメントを摂取していた富山県内の女性2人が、富山市内の病院を受診した結果、腎臓の機能が低下する「ファンコニー症候群」の疑いがあると診断されていたことがわかりました。
富山市にある富山市民病院によりますと、小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した後、体調に不安を感じたり、尿が泡立つ症状が出たりしたなどとして、3月以降、富山県内に住む3人が診察に訪れたということです。
病院で血液検査や尿検査をした結果、このうち女性2人が、腎臓にある尿細管の機能が低下し、倦怠感や体のむくみを引き起こす「ファンコニー症候群」の疑いがあると診断されていたことがわかりました。
1人は一時、検査入院していましたが、退院し、現在は2人とも通院による治療を続けていて、いずれも重篤な症状はないということです。
診断を行った腎臓内科部長の大田聡医師によりますと、2人はいずれも今回、回収の対象となっている「紅麹コレステヘルプ」を、約1年間継続して摂取したと話しているということで、ほかに持病がないことから、関連性が疑われるとしています。
その上で、こうしたケースの腎障害では早期に発見しないと、場合によって透析治療が必要になる恐れがあるとして、尿の泡立ちや体のむくみなどの症状がある場合や、症状がなくても、問題の健康食品を継続的に摂取し不安がある場合は、早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。
2024年4月6日(土)
富山市にある富山市民病院によりますと、小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した後、体調に不安を感じたり、尿が泡立つ症状が出たりしたなどとして、3月以降、富山県内に住む3人が診察に訪れたということです。
病院で血液検査や尿検査をした結果、このうち女性2人が、腎臓にある尿細管の機能が低下し、倦怠感や体のむくみを引き起こす「ファンコニー症候群」の疑いがあると診断されていたことがわかりました。
1人は一時、検査入院していましたが、退院し、現在は2人とも通院による治療を続けていて、いずれも重篤な症状はないということです。
診断を行った腎臓内科部長の大田聡医師によりますと、2人はいずれも今回、回収の対象となっている「紅麹コレステヘルプ」を、約1年間継続して摂取したと話しているということで、ほかに持病がないことから、関連性が疑われるとしています。
その上で、こうしたケースの腎障害では早期に発見しないと、場合によって透析治療が必要になる恐れがあるとして、尿の泡立ちや体のむくみなどの症状がある場合や、症状がなくても、問題の健康食品を継続的に摂取し不安がある場合は、早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。
2024年4月6日(土)
■小林製薬「紅麹コレステヘルプ」原料の製造工場、GMP認定を取得せず [健康ダイジェスト]
摂取した人が腎臓の病気などを発症した「小林製薬」の「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」について、原料を製造していた大阪市の工場は、厚生労働省の通知で取得が望ましいとされる適正な品質管理の規範の認定を受けておらず、食品安全の専門家は「基本姿勢が安全第一ではなかった」と指摘しています。
健康食品については、適正な製造管理や品質管理が行われていることを日本健康・栄養食品協会などが認定する「GMP(適正製造規範)」という規範があり、厚労省の通知で、サプリメントなどの錠剤・カプセルなどについては、原料を製造する工場も取得することが望ましいとされています。
腎臓の病気などを発症した小林製薬の紅麹コレステヘルプについては、製品に含まれる紅麹原料を製造していた大阪市淀川区の工場(昨年12月閉鎖)では取得しておらず、原料を使って錠剤のサプリメントを製造する岐阜県の協力会社の工場で取得しており、公表されている消費者庁のデータベースでは、「GMP適合製造所にて製造」としていました。
紅麹原料を巡っては、昨年4月から10月にかけて小林製薬の大阪工場で製造されたものから、想定していない成分が確認され、健康被害との関連が調べられています。
これについて、食品安全や紅麹のリスクに詳しい立命館大学客員研究員の畝山(うねやま)智香子さんは、「健康食品の中でも、錠剤や成分を濃縮したものはリスクが高い。中でも紅麹サプリメントは、海外の複数の安全評価機関から健康被害の恐れがあると発信されており、もともと扱いがむずしいものなので、原料の製造工場でGMPの取得をしていないのは、基本的考え方が安全第一ではなかったと考えられる。リスクが高いものは、ちゃんとした管理をし、リスクが高いことを消費者にも伝えるべきだ」と指摘しています。
小林製薬は、紅麹原料を製造していた大阪工場でGMPを取得していなかったことについて、「製造現場は食品衛生法に基づいて衛生管理を行っている。GMPの取得が望ましいとする国のガイドラインを確認した上でそれを目指した製造を推進していた」としています。また、消費者庁のデータベースの記載については、「国の制度にかかわる話なので回答を差し控える」としています。
小林製薬はGMPを取得していなかった代わりに、大阪工場について、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の考え方を取り入れた、大阪府の「食の安全安心認証制度」の認証を受けていました。
ハサップとGMPは原材料から製品出荷までを確認する手法は共通しています。ただ、ハサップが「衛生管理で特に重要な工程」を重点的にみるのに対し、GMPは全工程を網羅的にみます。そのためGMPには工程を「ガラス張り」にする効果があり、医薬品では取得が義務付けられています。
2024年4月6日(土)
健康食品については、適正な製造管理や品質管理が行われていることを日本健康・栄養食品協会などが認定する「GMP(適正製造規範)」という規範があり、厚労省の通知で、サプリメントなどの錠剤・カプセルなどについては、原料を製造する工場も取得することが望ましいとされています。
腎臓の病気などを発症した小林製薬の紅麹コレステヘルプについては、製品に含まれる紅麹原料を製造していた大阪市淀川区の工場(昨年12月閉鎖)では取得しておらず、原料を使って錠剤のサプリメントを製造する岐阜県の協力会社の工場で取得しており、公表されている消費者庁のデータベースでは、「GMP適合製造所にて製造」としていました。
紅麹原料を巡っては、昨年4月から10月にかけて小林製薬の大阪工場で製造されたものから、想定していない成分が確認され、健康被害との関連が調べられています。
これについて、食品安全や紅麹のリスクに詳しい立命館大学客員研究員の畝山(うねやま)智香子さんは、「健康食品の中でも、錠剤や成分を濃縮したものはリスクが高い。中でも紅麹サプリメントは、海外の複数の安全評価機関から健康被害の恐れがあると発信されており、もともと扱いがむずしいものなので、原料の製造工場でGMPの取得をしていないのは、基本的考え方が安全第一ではなかったと考えられる。リスクが高いものは、ちゃんとした管理をし、リスクが高いことを消費者にも伝えるべきだ」と指摘しています。
小林製薬は、紅麹原料を製造していた大阪工場でGMPを取得していなかったことについて、「製造現場は食品衛生法に基づいて衛生管理を行っている。GMPの取得が望ましいとする国のガイドラインを確認した上でそれを目指した製造を推進していた」としています。また、消費者庁のデータベースの記載については、「国の制度にかかわる話なので回答を差し控える」としています。
小林製薬はGMPを取得していなかった代わりに、大阪工場について、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の考え方を取り入れた、大阪府の「食の安全安心認証制度」の認証を受けていました。
ハサップとGMPは原材料から製品出荷までを確認する手法は共通しています。ただ、ハサップが「衛生管理で特に重要な工程」を重点的にみるのに対し、GMPは全工程を網羅的にみます。そのためGMPには工程を「ガラス張り」にする効果があり、医薬品では取得が義務付けられています。
2024年4月6日(土)
■小林製薬「紅麹」問題、延べ196人が入院 厚労省発表 [健康ダイジェスト]
小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、厚生労働省は、4日の時点で、延べ196人が入院したことが小林製薬からの報告で明らかになったと発表しました。3日の時点では、延べ188人でした。
小林製薬の「紅麹」の成分が含まれた健康食品を巡っては、摂取した後、腎臓の病気を発症するなどして、これまでに5人が死亡し、全国で健康被害の訴えが相次いでいます。厚労省は健康被害の状況について、小林製薬から報告された4日時点の人数を明らかにしました。
それによりますと、体調に異変を感じるなどして、延べ1120人が医療機関を受診し、延べ196人が入院したということです。
また、3日の時点で自治体に対して健康被害の訴えがのべ354件寄せられ、このうち3人が死亡したと厚労省に報告があったということです。
亡くなった3人は、これまでに小林製薬が発表している死者数の5人に含まれているということです。
このほか、回収命令の対象となっている3つの商品以外にも、小林製薬の紅麹の原料を使って製造された他社の商品で、摂取した本人からの訴えによる健康被害の報告が1件自治体から寄せられたと発表しました。
3月29日に設置された厚労省と消費者庁のコールセンターに、4日までの7日間で合わせて2979件の相談が寄せられたということです。
コールセンターの電話番号は、4月8日までは03-3595-2760で、9日以降は、0120-388-687です。午前9時から午後9時まで、土日や祝日も相談を受け付けます。
厚生労働省は各地の保健所などとも連携して被害の確認を進めるとともに、引き続き健康被害の原因について調べることにしています。
2024年4月6日(土)
小林製薬の「紅麹」の成分が含まれた健康食品を巡っては、摂取した後、腎臓の病気を発症するなどして、これまでに5人が死亡し、全国で健康被害の訴えが相次いでいます。厚労省は健康被害の状況について、小林製薬から報告された4日時点の人数を明らかにしました。
それによりますと、体調に異変を感じるなどして、延べ1120人が医療機関を受診し、延べ196人が入院したということです。
また、3日の時点で自治体に対して健康被害の訴えがのべ354件寄せられ、このうち3人が死亡したと厚労省に報告があったということです。
亡くなった3人は、これまでに小林製薬が発表している死者数の5人に含まれているということです。
このほか、回収命令の対象となっている3つの商品以外にも、小林製薬の紅麹の原料を使って製造された他社の商品で、摂取した本人からの訴えによる健康被害の報告が1件自治体から寄せられたと発表しました。
3月29日に設置された厚労省と消費者庁のコールセンターに、4日までの7日間で合わせて2979件の相談が寄せられたということです。
コールセンターの電話番号は、4月8日までは03-3595-2760で、9日以降は、0120-388-687です。午前9時から午後9時まで、土日や祝日も相談を受け付けます。
厚生労働省は各地の保健所などとも連携して被害の確認を進めるとともに、引き続き健康被害の原因について調べることにしています。
2024年4月6日(土)
■水道水に基準超す六価クロム、再検査で職員が加水し隠蔽 秋田県由利本荘市 [健康ダイジェスト]
秋田県由利本荘市は5日、記者会見を開き、市郊外の大台飲料水供給施設の水道水から、水道法に基づく水質の基準値(1リットル当たり0・02ミリ・グラム)を上回る有害物質「六価クロム化合物」が2020年度から検出されていたと発表しました。供給先の6世帯17人に健康被害は確認されていないといいます。市は除去装置を付ける方向で検討しています。
市によると、六価クロムは2018年度から微量に検出されていましたが、当時の基準値(1リットル当たり0・05ミリ・グラム)は下回っていました。しかし、現行基準に改正された2020年度からの4年間は、基準値を0・003~0・009ミリ・グラム上回っていたにもかかわらず、見過ごされたといいます。
施設を管理する市建設管理課は2020年度から、年2回(8月上旬と下旬)の水質検査を市企業局水道課に委託し、報告を受けていました。1回目は基準値を超えていた一方で、2回目の再検査で下回ったとの報告が4年続いたため、建設管理課が不審に感じて今年2月、水道課に問い合わせました。その結果、これまで検査を水道課職員が1人で実施し、再検査では水を2割加えて薄めていたことがわかったといいます。
市は問題の発覚後も供給を止めるなどの対応はせず、水源の再調査を実施。その結果も基準値を0・004ミリ・グラム上回りました。
これを受けて、4月2日から施設タンクに給水車で水道水を入れて安全な水に切り替え、4日夜になって地元説明会を開催しました。住民からは「安全に水を供給してほしい」などの要望があったといいます。
市の三森隆副市長は、「水道課の担当者は、少し水を足せば基準値以下になる実験としてやったといっており、 捏造(ねつぞう)の意図はなかったと思う」と話し、処分するかは未定としています。
六価クロムは発がん性などがある有害物質。メッキ、触媒などに使われ、自然界ではほとんどみられません。
2024年4月6日(土)
市によると、六価クロムは2018年度から微量に検出されていましたが、当時の基準値(1リットル当たり0・05ミリ・グラム)は下回っていました。しかし、現行基準に改正された2020年度からの4年間は、基準値を0・003~0・009ミリ・グラム上回っていたにもかかわらず、見過ごされたといいます。
施設を管理する市建設管理課は2020年度から、年2回(8月上旬と下旬)の水質検査を市企業局水道課に委託し、報告を受けていました。1回目は基準値を超えていた一方で、2回目の再検査で下回ったとの報告が4年続いたため、建設管理課が不審に感じて今年2月、水道課に問い合わせました。その結果、これまで検査を水道課職員が1人で実施し、再検査では水を2割加えて薄めていたことがわかったといいます。
市は問題の発覚後も供給を止めるなどの対応はせず、水源の再調査を実施。その結果も基準値を0・004ミリ・グラム上回りました。
これを受けて、4月2日から施設タンクに給水車で水道水を入れて安全な水に切り替え、4日夜になって地元説明会を開催しました。住民からは「安全に水を供給してほしい」などの要望があったといいます。
市の三森隆副市長は、「水道課の担当者は、少し水を足せば基準値以下になる実験としてやったといっており、 捏造(ねつぞう)の意図はなかったと思う」と話し、処分するかは未定としています。
六価クロムは発がん性などがある有害物質。メッキ、触媒などに使われ、自然界ではほとんどみられません。
2024年4月6日(土)