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■小林製薬「紅麹コレステヘルプ」原料の製造工場、GMP認定を取得せず [健康ダイジェスト]

 摂取した人が腎臓の病気などを発症した「小林製薬」の「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」について、原料を製造していた大阪市の工場は、厚生労働省の通知で取得が望ましいとされる適正な品質管理の規範の認定を受けておらず、食品安全の専門家は「基本姿勢が安全第一ではなかった」と指摘しています。
 健康食品については、適正な製造管理や品質管理が行われていることを日本健康・栄養食品協会などが認定する「GMP(適正製造規範)」という規範があり、厚労省の通知で、サプリメントなどの錠剤・カプセルなどについては、原料を製造する工場も取得することが望ましいとされています。
 腎臓の病気などを発症した小林製薬の紅麹コレステヘルプについては、製品に含まれる紅麹原料を製造していた大阪市淀川区の工場(昨年12月閉鎖)では取得しておらず、原料を使って錠剤のサプリメントを製造する岐阜県の協力会社の工場で取得しており、公表されている消費者庁のデータベースでは、「GMP適合製造所にて製造」としていました。
 紅麹原料を巡っては、昨年4月から10月にかけて小林製薬の大阪工場で製造されたものから、想定していない成分が確認され、健康被害との関連が調べられています。
 これについて、食品安全や紅麹のリスクに詳しい立命館大学客員研究員の畝山(うねやま)智香子さんは、「健康食品の中でも、錠剤や成分を濃縮したものはリスクが高い。中でも紅麹サプリメントは、海外の複数の安全評価機関から健康被害の恐れがあると発信されており、もともと扱いがむずしいものなので、原料の製造工場でGMPの取得をしていないのは、基本的考え方が安全第一ではなかったと考えられる。リスクが高いものは、ちゃんとした管理をし、リスクが高いことを消費者にも伝えるべきだ」と指摘しています。
 小林製薬は、紅麹原料を製造していた大阪工場でGMPを取得していなかったことについて、「製造現場は食品衛生法に基づいて衛生管理を行っている。GMPの取得が望ましいとする国のガイドラインを確認した上でそれを目指した製造を推進していた」としています。また、消費者庁のデータベースの記載については、「国の制度にかかわる話なので回答を差し控える」としています。
 小林製薬はGMPを取得していなかった代わりに、大阪工場について、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の考え方を取り入れた、大阪府の「食の安全安心認証制度」の認証を受けていました。
 ハサップとGMPは原材料から製品出荷までを確認する手法は共通しています。ただ、ハサップが「衛生管理で特に重要な工程」を重点的にみるのに対し、GMPは全工程を網羅的にみます。そのためGMPには工程を「ガラス張り」にする効果があり、医薬品では取得が義務付けられています。

 2024年4月6日(土)

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