■病気 ヘルペス [病気(へ)]
ヘルペスの正体は?
「ヘルペス」とは、「ヘルペスウイルス」というウイルスが皮膚や粘膜に感染して、疱疹(ほうしん)ができる病気のこと。疱疹とは、小さな水疱や膿疱(のうほう)が固まってできる症状のことです。
そのように聞くと少し怖い気もするでしょうが、実は、ヘルペスウイルスはごく一般的なウイルスなのです。唇の回りに水ぶくれができる「口唇ヘルペス」を例にとれば、ウイルスに感染している日本人は、20~30代で約半数、60代以上ではほとんど、というデータもあるほどです。
ヘルペスウイルスの特徴は、感染すると症状が治った後も人の細胞の中にじっと隠れていて、ふだんは症状が出てこない点。ところが、風邪や疲れなどで体の抵抗力が落ちると、突然出てきて暴れ出す。例えば「帯状疱疹」は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが長い間体内に隠れていた後、突然暴れ出してしまう病気なのです。
ただ、一口に「ヘルペス」といっても症状はいろいろ。ヘルペスウイルスにはいくつかの種類があり、それによって引き起こされる病気も違ってくるからです。
ヘルペスの気になる症状は?
……帯状疱疹……………………………………………………
「帯状疱疹」は文字通り、胸から背中にかけてなど、体に帯状の水ぶくれが現れる病気。一般的には体の左右どちらか一方に現れますが、病気などで免疫力が低下している時には、帯状のものに加えて水ぼうそうのような水ぶくれが、全身に出る場合があります。さらに、ウイルスは神経を通って皮膚に出てくるため、激しい痛みを伴うことが多いのも特徴です。
初めの症状は、チクチクした痛み。数日すると、痛みを感じる部分が赤くなって、水ぶくれができてきます。体のどこにでも症状は出ますが、胸から背中にかけてが一番多く、顔や手足、お腹やお尻(しり)の下などに現れることもあります。
痛みが始まってから、かさぶたになって治るまで約3週間~1カ月くらいかかり、痛みもその頃に消えることが多いようです。しかし、たまに「帯状疱疹後神経痛」といって、皮膚の症状が治った後もかなり長期間にわたって痛みが続くことがあるので、注意が必要です。
……口唇ヘルペス………………………………………………
「口唇ヘルペス」という病名は初耳でも、風邪で体調を崩した時や疲れがたまった時などに、唇の辺りにできるデキモノに悩んだ経験のある人は、多いのではないでしょうか。「風邪の華」、「熱の華」とも呼ばれるこの症状が、実は口唇ヘルペス。日本人の10人に1人が罹患したことがあるといわれるほど、一般的な病気なのです。
初め、唇や口の回りが赤くなり、数日後、小さな水ぶくれができます。ムズムズとしたかゆみや、皮膚のほてり、ピリピリとした痛みを感じることもあります。大抵、水ぶくれは2週間くらいで、かさぶたとなって治癒します。
……性器ヘルペス………………………………………………
性器やお尻の周辺の皮膚に、赤いブツブツや水ぶくれ、ただれができる病気。通常、性交渉などで感染してから、2日~12日で発症します。
初めてかかった時には、強い痛みや発熱を伴う場合があります。再発の場合には、小さな水ぶくれやただれができるだけの、軽い症状ですむことが多いようです。また、感染しても症状の出ない人や症状に気付いていない人もいるため、自分では気付かないまま、他人に移してしまうこともあります。
再発しやすい病気
帯状疱疹は一度かかったら、再発することはまれなのですが、口唇ヘルペス・性器ヘルペスの厄介なところは、なんといっても再発しやすいことです。治ったと思っても、ウイルスは神経細胞の中にひっそりと隠れていて、再び暴れ出す機会をじっと待っています。
再発を防ぐためには、日頃から体調管理や心身のリフレッシュを心掛け、ウイルスに負けない体をつくることが、必要となります。
ヘルペスの治療法
ヘルペスも、早めの治療が大切です。早い時期に治療を始めるほど、軽い症状ですむし、治りも早いのです。通常、ヘルペスは皮膚科が得意とする病気なのですが、患部が性器の周辺の場合は、男性なら泌尿器科、女性なら婦人科でもよいでしょう。
帯状疱疹の症状では、神経痛に似た痛みが伴うこともあるので、初期の段階では、整形外科や内科にかかる人も多いようです。しかしながら、帯状疱疹は普通、一生に一度しかかからないし、水ぶくれが出ていないと、医師でも診断が難しい病気です。早期に効果的な治療が受けられるように、私たち患者自身が病気の知識をきちんと身に着けておくことも、大切といえそうです。
ヘルペスの治療法の現状について簡単に述べると、ウイルスの増殖を抑える働きがある、バラシクロビル、アシクロビル、ビダラビンなどの「抗ヘルペス薬」が使われています。これらの抗ヘルペス薬には塗り薬と飲み薬がありますが、ヘルペスは体内に潜んでいたウイルスが逆戻りをして症状が起きるため、飲み薬で体のもとからヘルペスウイルスの増殖を抑えることが、有効といわれています。症状がひどい場合には、入院して点滴注射をすることもあります。
口唇ヘルペス・性器ヘルペスの再発の場合、ピリピリ、チクチク、ムズムズといった前兆を感じたら、早めに受診して治療を受けることが、早く治すための近道となります。強い痛みに対しては、鎮剤などを投与することもあります。
ただ、皮膚の帯状疱疹が治った後に残る帯状疱疹後神経痛の場合は、少し状況が違っています。
実は、帯状疱疹後神経痛はヘルペスウイルスによって、神経が破壊されてしまうことが原因。抗ヘルペス薬はヘルペスウイルスが増えるのを抑える薬なので、ヘルペスウイルスが活動していない時期の痛みをとることはできません。一旦、傷付いた神経を治療するのは困難ですし、長期間の治療が必要になってしまうこともあります。だから、帯状疱疹後神経痛が残らないように、できるだけ早く皮膚科で診てもらうことが、帯状疱疹では大切なのです。
日常生活ではこんなことに注意しよう
∞∞∞∞∞口唇ヘルペスや性器ヘルペスでは、患部を自分自身で触ることで、他の部位に移してしまう危険もある。ムズムズやピリピリ感が気になって、無意識に触ってしまうこともあるから注意しよう∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞患部に触れた後や、外用薬を塗った後には、しっかり手を洗おう∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞患部に触れた指で目を触らないこと。コンタクトレンズを唾液で濡らして装着しないこと(目に感染して発症する角膜ヘルペスは、失明する危険性があり要注意)∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞水ぶくれは破らないこと∞∞∞∞∞
治療法の将来について
発症した時の治療に限って抗ヘルペス薬が使われるのが、日本の現状です。一方、欧米では、性器ヘルペスに対して「抑制療法」と呼ばれる治療も、認められています。
抑制療法というのは、頻繁にヘルペスの再発を繰り返す場合に、症状が出ていない時にも抗ヘルペス薬を使用し続けることで、再発を抑えようとする方法。繰り返す再発は、身体的苦痛に加え、人に移すことへの不安など精神的にもさまざまな苦痛を伴います。日本でも抑制療法が許可されれば、このような苦痛や悩みを軽減することもできる、と見なされているところです。
ヘルペスQ&A
Q1 私のヘルペスはどこからきたの?
口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを引き起こす単純ヘルペスウイルスは、主に直接接触することで感染します。しかし、感染力が強く、直接患部に触れてなくても、単純ヘルペスウイルスがついたタオルや食器で感染するケースも。従って、家族、恋人など、ごく身近で感染するケースが多く見られます。
一方、帯状疱疹では、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが原因。帯状疱疹を人に移すことは、ごくまれなケースです。ただ発症している時に、水ぼうそうになったことがない人と接触すると、相手が水ぼうそうになってしまうことがあるので、要注意。
Q2 再発を繰り返すけど、治らないの?
一般に、口唇ヘルペスや性器ヘルペスは、時間の経過とともに再発の回数や症状の程度が軽くなるといわれています。口唇ヘルペスや性器ヘルペスは体の抵抗力が落ちた時に再発しやすいのが特徴なので、日頃からバランスのよい食事をとり、疲れやストレスをためないことが大切です。また、症状が出た場合は、早めの治療で症状を軽くすることができます。
Q3 タオルやお風呂で移るの?
症状が出ている時期は、皮膚の水ぶくれや唾液中にヘルペスウイルスが存在しているため、注意が必要です。ウイルスがついたタオルや食器などを介して感染することもあるので、共用は避けましょう。お風呂で移る心配はほとんどありませんが、性器やお尻の周囲に症状がある場合は、まれに洋式便座で移ることも。
ただし、過度に神経質にならなくても大丈夫。人から離れたヘルペスウイルスは、熱やアルコール、乾燥、日光(紫外線)などに弱いからです。タオルや食器はよく洗い、便座はアルコールを含んだ布で掃除することです。
Q4 ヘルペスウイルスに対抗する力が弱く、特に気を付けたい人は?
ヘルペスに対する免疫を持っている人は感染しても、症状が出ないか、発症しても軽症ですむことが多いのですが、次のような人はヘルペスに感染すると、重症化しやすいので要注意。ヘルペスを発症している時は、接触をできるだけ避けましょう。
●免疫を持っていない人や新生児
●アトピー性皮膚炎の人
●白血病、悪性腫瘍、移植手術後など、病気で体の免疫力が落ちている人
まとめ
ヘルペスは、誰もが持っているウイルスが原因で起こる、ごく一般的な病気なのです。ただし、感染後すぐに発症する人がいる一方で、一生涯にわたって発症しない人もいます。
とにかく、日頃から心身を健康に保ち、発症した時には早めの治療を開始することで、上手に付き合っていける病気なのです。それに症状が現れたということは、「あなたの体は疲れているよ」という、ヘルペスウイルスからのサインと捉えることもできるのではないでしょうか。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
「ヘルペス」とは、「ヘルペスウイルス」というウイルスが皮膚や粘膜に感染して、疱疹(ほうしん)ができる病気のこと。疱疹とは、小さな水疱や膿疱(のうほう)が固まってできる症状のことです。
そのように聞くと少し怖い気もするでしょうが、実は、ヘルペスウイルスはごく一般的なウイルスなのです。唇の回りに水ぶくれができる「口唇ヘルペス」を例にとれば、ウイルスに感染している日本人は、20~30代で約半数、60代以上ではほとんど、というデータもあるほどです。
ヘルペスウイルスの特徴は、感染すると症状が治った後も人の細胞の中にじっと隠れていて、ふだんは症状が出てこない点。ところが、風邪や疲れなどで体の抵抗力が落ちると、突然出てきて暴れ出す。例えば「帯状疱疹」は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが長い間体内に隠れていた後、突然暴れ出してしまう病気なのです。
ただ、一口に「ヘルペス」といっても症状はいろいろ。ヘルペスウイルスにはいくつかの種類があり、それによって引き起こされる病気も違ってくるからです。
主なヘルペスウイルス | 病 気 |
水痘・帯状疱疹ウイルス | 水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹 |
単純ヘルペスウイル1型 | 口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎、カポジ水痘様発疹症、性器ヘルペス、ヘルペス性脳炎など |
単純ヘルペスウイル2型 | 性器ヘルペス、臀部ヘルペス、ヘルペス性髄膜炎 |
ヘルペスの気になる症状は?
……帯状疱疹……………………………………………………
「帯状疱疹」は文字通り、胸から背中にかけてなど、体に帯状の水ぶくれが現れる病気。一般的には体の左右どちらか一方に現れますが、病気などで免疫力が低下している時には、帯状のものに加えて水ぼうそうのような水ぶくれが、全身に出る場合があります。さらに、ウイルスは神経を通って皮膚に出てくるため、激しい痛みを伴うことが多いのも特徴です。
初めの症状は、チクチクした痛み。数日すると、痛みを感じる部分が赤くなって、水ぶくれができてきます。体のどこにでも症状は出ますが、胸から背中にかけてが一番多く、顔や手足、お腹やお尻(しり)の下などに現れることもあります。
痛みが始まってから、かさぶたになって治るまで約3週間~1カ月くらいかかり、痛みもその頃に消えることが多いようです。しかし、たまに「帯状疱疹後神経痛」といって、皮膚の症状が治った後もかなり長期間にわたって痛みが続くことがあるので、注意が必要です。
……口唇ヘルペス………………………………………………
「口唇ヘルペス」という病名は初耳でも、風邪で体調を崩した時や疲れがたまった時などに、唇の辺りにできるデキモノに悩んだ経験のある人は、多いのではないでしょうか。「風邪の華」、「熱の華」とも呼ばれるこの症状が、実は口唇ヘルペス。日本人の10人に1人が罹患したことがあるといわれるほど、一般的な病気なのです。
初め、唇や口の回りが赤くなり、数日後、小さな水ぶくれができます。ムズムズとしたかゆみや、皮膚のほてり、ピリピリとした痛みを感じることもあります。大抵、水ぶくれは2週間くらいで、かさぶたとなって治癒します。
……性器ヘルペス………………………………………………
性器やお尻の周辺の皮膚に、赤いブツブツや水ぶくれ、ただれができる病気。通常、性交渉などで感染してから、2日~12日で発症します。
初めてかかった時には、強い痛みや発熱を伴う場合があります。再発の場合には、小さな水ぶくれやただれができるだけの、軽い症状ですむことが多いようです。また、感染しても症状の出ない人や症状に気付いていない人もいるため、自分では気付かないまま、他人に移してしまうこともあります。
再発しやすい病気
帯状疱疹は一度かかったら、再発することはまれなのですが、口唇ヘルペス・性器ヘルペスの厄介なところは、なんといっても再発しやすいことです。治ったと思っても、ウイルスは神経細胞の中にひっそりと隠れていて、再び暴れ出す機会をじっと待っています。
再発を防ぐためには、日頃から体調管理や心身のリフレッシュを心掛け、ウイルスに負けない体をつくることが、必要となります。
ヘルペスの治療法
ヘルペスも、早めの治療が大切です。早い時期に治療を始めるほど、軽い症状ですむし、治りも早いのです。通常、ヘルペスは皮膚科が得意とする病気なのですが、患部が性器の周辺の場合は、男性なら泌尿器科、女性なら婦人科でもよいでしょう。
帯状疱疹の症状では、神経痛に似た痛みが伴うこともあるので、初期の段階では、整形外科や内科にかかる人も多いようです。しかしながら、帯状疱疹は普通、一生に一度しかかからないし、水ぶくれが出ていないと、医師でも診断が難しい病気です。早期に効果的な治療が受けられるように、私たち患者自身が病気の知識をきちんと身に着けておくことも、大切といえそうです。
ヘルペスの治療法の現状について簡単に述べると、ウイルスの増殖を抑える働きがある、バラシクロビル、アシクロビル、ビダラビンなどの「抗ヘルペス薬」が使われています。これらの抗ヘルペス薬には塗り薬と飲み薬がありますが、ヘルペスは体内に潜んでいたウイルスが逆戻りをして症状が起きるため、飲み薬で体のもとからヘルペスウイルスの増殖を抑えることが、有効といわれています。症状がひどい場合には、入院して点滴注射をすることもあります。
口唇ヘルペス・性器ヘルペスの再発の場合、ピリピリ、チクチク、ムズムズといった前兆を感じたら、早めに受診して治療を受けることが、早く治すための近道となります。強い痛みに対しては、鎮剤などを投与することもあります。
ただ、皮膚の帯状疱疹が治った後に残る帯状疱疹後神経痛の場合は、少し状況が違っています。
実は、帯状疱疹後神経痛はヘルペスウイルスによって、神経が破壊されてしまうことが原因。抗ヘルペス薬はヘルペスウイルスが増えるのを抑える薬なので、ヘルペスウイルスが活動していない時期の痛みをとることはできません。一旦、傷付いた神経を治療するのは困難ですし、長期間の治療が必要になってしまうこともあります。だから、帯状疱疹後神経痛が残らないように、できるだけ早く皮膚科で診てもらうことが、帯状疱疹では大切なのです。
日常生活ではこんなことに注意しよう
∞∞∞∞∞口唇ヘルペスや性器ヘルペスでは、患部を自分自身で触ることで、他の部位に移してしまう危険もある。ムズムズやピリピリ感が気になって、無意識に触ってしまうこともあるから注意しよう∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞患部に触れた後や、外用薬を塗った後には、しっかり手を洗おう∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞患部に触れた指で目を触らないこと。コンタクトレンズを唾液で濡らして装着しないこと(目に感染して発症する角膜ヘルペスは、失明する危険性があり要注意)∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞水ぶくれは破らないこと∞∞∞∞∞
治療法の将来について
発症した時の治療に限って抗ヘルペス薬が使われるのが、日本の現状です。一方、欧米では、性器ヘルペスに対して「抑制療法」と呼ばれる治療も、認められています。
抑制療法というのは、頻繁にヘルペスの再発を繰り返す場合に、症状が出ていない時にも抗ヘルペス薬を使用し続けることで、再発を抑えようとする方法。繰り返す再発は、身体的苦痛に加え、人に移すことへの不安など精神的にもさまざまな苦痛を伴います。日本でも抑制療法が許可されれば、このような苦痛や悩みを軽減することもできる、と見なされているところです。
ヘルペスQ&A
Q1 私のヘルペスはどこからきたの?
口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを引き起こす単純ヘルペスウイルスは、主に直接接触することで感染します。しかし、感染力が強く、直接患部に触れてなくても、単純ヘルペスウイルスがついたタオルや食器で感染するケースも。従って、家族、恋人など、ごく身近で感染するケースが多く見られます。
一方、帯状疱疹では、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが原因。帯状疱疹を人に移すことは、ごくまれなケースです。ただ発症している時に、水ぼうそうになったことがない人と接触すると、相手が水ぼうそうになってしまうことがあるので、要注意。
Q2 再発を繰り返すけど、治らないの?
一般に、口唇ヘルペスや性器ヘルペスは、時間の経過とともに再発の回数や症状の程度が軽くなるといわれています。口唇ヘルペスや性器ヘルペスは体の抵抗力が落ちた時に再発しやすいのが特徴なので、日頃からバランスのよい食事をとり、疲れやストレスをためないことが大切です。また、症状が出た場合は、早めの治療で症状を軽くすることができます。
Q3 タオルやお風呂で移るの?
症状が出ている時期は、皮膚の水ぶくれや唾液中にヘルペスウイルスが存在しているため、注意が必要です。ウイルスがついたタオルや食器などを介して感染することもあるので、共用は避けましょう。お風呂で移る心配はほとんどありませんが、性器やお尻の周囲に症状がある場合は、まれに洋式便座で移ることも。
ただし、過度に神経質にならなくても大丈夫。人から離れたヘルペスウイルスは、熱やアルコール、乾燥、日光(紫外線)などに弱いからです。タオルや食器はよく洗い、便座はアルコールを含んだ布で掃除することです。
Q4 ヘルペスウイルスに対抗する力が弱く、特に気を付けたい人は?
ヘルペスに対する免疫を持っている人は感染しても、症状が出ないか、発症しても軽症ですむことが多いのですが、次のような人はヘルペスに感染すると、重症化しやすいので要注意。ヘルペスを発症している時は、接触をできるだけ避けましょう。
●免疫を持っていない人や新生児
●アトピー性皮膚炎の人
●白血病、悪性腫瘍、移植手術後など、病気で体の免疫力が落ちている人
まとめ
ヘルペスは、誰もが持っているウイルスが原因で起こる、ごく一般的な病気なのです。ただし、感染後すぐに発症する人がいる一方で、一生涯にわたって発症しない人もいます。
とにかく、日頃から心身を健康に保ち、発症した時には早めの治療を開始することで、上手に付き合っていける病気なのです。それに症状が現れたということは、「あなたの体は疲れているよ」という、ヘルペスウイルスからのサインと捉えることもできるのではないでしょうか。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
タグ:病気(へ) ヘルペス 突発性発疹 体臭 赤ら顔 メラノーマ アトピー性皮膚炎 多汗症 円形脱毛症 巻き爪 腋臭 帯状疱疹 天疱瘡 リンゴ病 酒さ ケロイド ジベルばら色粃糠疹 二枚爪 ストロベリーマーク 若はげ ひょうそ 皮膚カンジダ症 ベーチェット病 皮膚掻痒症 水虫(足白癬) 白癬(はくせん) 脱毛、薄毛 カポジ肉腫 乾癬(かんせん) 疥癬(かいせん) 結節性紅斑 白なまず(白斑) 黒なまず(癜風) 脂漏性皮膚炎 ふけ症 たこ、魚の目 しみ(肝斑) そばかす(雀卵斑) にきび(尋常性痤瘡) 爪甲白斑症 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSS症候群) シラミ症 色素性母斑 リール黒皮症 ボーエン病 日光角化症(老人性角化腫) 癜風(黒なまず) 虫刺症(虫刺され) 伝染性膿痂疹(とびひ) マラセチア毛包炎
■病気 ヘルペス性歯肉口内炎 [病気(へ)]
単純へルペス1型ウイルスの感染で、乳幼児に起きる口内炎
ヘルペス性歯肉口内炎とは、単純ヘルペス1型が初めて感染することで、口の中に炎症が起きるウイルス性口内炎の一種。へルペス性口内炎とも呼ばれます。
生後6カ月以降から3歳までの乳幼児に多く発症し、口唇ヘルペスと呼ばれる潰瘍(かいよう)が数個から多数まとまって、口や唇、皮膚などに現れます。単純ヘルペスウイルスは、ウイルスを持つ人が洗顔や歯磨き後に使うタオルや、食器、唾液などに触れることで、感染が起こるとされています。ヘルペスウイルスを持っている母親が子供にキスをして、移してしまう場合もあります。飛沫(ひまつ)感染もあります。
単純ヘルペス1型ウイルスに初感染すると、普通は4~10日の潜伏期間をへて発症します。歯茎の炎症や口の中の強い痛み、かなりの高熱、頚部(けいぶ)リンパ節がはれるなどの症状が現れます。口の中に水疱(すいほう)ができ、それが破裂すると、潰瘍となります。歯を磨いた時に、歯茎から出血することもあります。
痛みは5~7日、発熱は2~5日、症状全体は7日〜14日続き、治癒します。
乳幼児がヘルペス性歯肉口内炎になると、口内炎ができる前に口の中がチクチクと痛むので、不快感を訴えて泣きますが、症状が見えないため、親は疾患に気が付かない場合もあります。口内炎になると口の中が痛いために、よだれが増え、食事や水分を受け付けずに、脱水症状になることもあるので、注意が必要です。
また、もともと慢性湿疹(しっしん)があって副腎(ふくじん)皮質ステロイド軟膏を塗っている乳幼児が、このヘルペス性歯肉口内炎にかかった場合、湿疹部にヘルペスウイルスが広がって、ヘルペス性湿疹に進行して重症化しますので、特に注意が必要です。
ヘルペス性歯肉口内炎は乳幼児に多い疾患ですが、成人になってから起こすこともあります。この場合、乳幼児の時に発症するよりも重症になるケースが多くみられます。
ヘルペス性歯肉口内炎の検査と診断と治療
乳幼児がヘルペス性歯肉口内炎(ヘルペス性口内炎)を起こした場合、適切な処置をすれば比較的早くよくなりますので、口腔外科や内科などで治療を受けます。
医師による治療は、単純ヘルペスウイルスを抑えるゾビラックスという抗ヘルペスウイルス剤を1日4回服用で、数日間続けます。発熱やのどの痛みといった症状を和らげるために、解熱鎮静剤や痛み止めの薬、ビタミン剤が使われることもあります。発熱は数日で落ち着きますが、口内炎など症状全体は治るまで1週間~10日ほどかかります。
家庭での食事に関しては、口内の痛みが強く、食べたがらないことが多いので、口当たりのよいプリンやゼリー、アイスクリーム、豆腐などを与えます。何回かに分けて、少量ずつ与えるのも一つの方法です。硬い食べ物、熱い食べ物、あるいは刺激のある味付けは、痛みを強めるので避けます。
食後は、ぬるめのお湯やイソジンなどでうがいをし、口の中を清潔にします。
食事ができない時は、脱水症状を起こさないように十分に水分を与えます。牛乳、お茶、イオン飲料などがよいでしょう。食べなくても、水分をしっかりとれていれば大丈夫です。乳酸菌飲料やジュース類は痛みを増すことがあるので、与えないほうが無難です。
唾液などから移りますので、タオル、食器は別にします。入浴は熱がある場合でも、特に具合が悪そうでなければかまいません。
熱が下がって普通の生活ができるようになるまで、学校や幼稚園、保育所などは休み、外出も控えます。完全に治っていないと、他の子供に移してしまう可能性があります。
ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯au版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。
ヘルペス性歯肉口内炎とは、単純ヘルペス1型が初めて感染することで、口の中に炎症が起きるウイルス性口内炎の一種。へルペス性口内炎とも呼ばれます。
生後6カ月以降から3歳までの乳幼児に多く発症し、口唇ヘルペスと呼ばれる潰瘍(かいよう)が数個から多数まとまって、口や唇、皮膚などに現れます。単純ヘルペスウイルスは、ウイルスを持つ人が洗顔や歯磨き後に使うタオルや、食器、唾液などに触れることで、感染が起こるとされています。ヘルペスウイルスを持っている母親が子供にキスをして、移してしまう場合もあります。飛沫(ひまつ)感染もあります。
単純ヘルペス1型ウイルスに初感染すると、普通は4~10日の潜伏期間をへて発症します。歯茎の炎症や口の中の強い痛み、かなりの高熱、頚部(けいぶ)リンパ節がはれるなどの症状が現れます。口の中に水疱(すいほう)ができ、それが破裂すると、潰瘍となります。歯を磨いた時に、歯茎から出血することもあります。
痛みは5~7日、発熱は2~5日、症状全体は7日〜14日続き、治癒します。
乳幼児がヘルペス性歯肉口内炎になると、口内炎ができる前に口の中がチクチクと痛むので、不快感を訴えて泣きますが、症状が見えないため、親は疾患に気が付かない場合もあります。口内炎になると口の中が痛いために、よだれが増え、食事や水分を受け付けずに、脱水症状になることもあるので、注意が必要です。
また、もともと慢性湿疹(しっしん)があって副腎(ふくじん)皮質ステロイド軟膏を塗っている乳幼児が、このヘルペス性歯肉口内炎にかかった場合、湿疹部にヘルペスウイルスが広がって、ヘルペス性湿疹に進行して重症化しますので、特に注意が必要です。
ヘルペス性歯肉口内炎は乳幼児に多い疾患ですが、成人になってから起こすこともあります。この場合、乳幼児の時に発症するよりも重症になるケースが多くみられます。
ヘルペス性歯肉口内炎の検査と診断と治療
乳幼児がヘルペス性歯肉口内炎(ヘルペス性口内炎)を起こした場合、適切な処置をすれば比較的早くよくなりますので、口腔外科や内科などで治療を受けます。
医師による治療は、単純ヘルペスウイルスを抑えるゾビラックスという抗ヘルペスウイルス剤を1日4回服用で、数日間続けます。発熱やのどの痛みといった症状を和らげるために、解熱鎮静剤や痛み止めの薬、ビタミン剤が使われることもあります。発熱は数日で落ち着きますが、口内炎など症状全体は治るまで1週間~10日ほどかかります。
家庭での食事に関しては、口内の痛みが強く、食べたがらないことが多いので、口当たりのよいプリンやゼリー、アイスクリーム、豆腐などを与えます。何回かに分けて、少量ずつ与えるのも一つの方法です。硬い食べ物、熱い食べ物、あるいは刺激のある味付けは、痛みを強めるので避けます。
食後は、ぬるめのお湯やイソジンなどでうがいをし、口の中を清潔にします。
食事ができない時は、脱水症状を起こさないように十分に水分を与えます。牛乳、お茶、イオン飲料などがよいでしょう。食べなくても、水分をしっかりとれていれば大丈夫です。乳酸菌飲料やジュース類は痛みを増すことがあるので、与えないほうが無難です。
唾液などから移りますので、タオル、食器は別にします。入浴は熱がある場合でも、特に具合が悪そうでなければかまいません。
熱が下がって普通の生活ができるようになるまで、学校や幼稚園、保育所などは休み、外出も控えます。完全に治っていないと、他の子供に移してしまう可能性があります。
ウェブ版の健康創造塾にアクセスできます。
携帯i-mode版の健康創造塾にアクセスできます。
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携帯Yahoo!ケータイ版の健康創造塾にアクセスできます。
タグ:病気(へ) はしか(麻疹) ヘルペス性歯肉口内炎 O157感染症 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSS症候群) 蜂巣炎(眼窩蜂窩織炎) アニサキス症 性器ヘルペス症 菌血症 慢性腸炎 マイコプラズマ肺炎 肺真菌症 アスペルギルス症 ムーコル症 クリプトコックス症 オウム病(クラミジア肺炎) 性病 インフルエンザ ヘルペス おたふく風邪 マラリア 日本脳炎 リンゴ病 コレラ 赤痢 敗血症 デング熱 ハンセン病 ジフテリア アメーバ赤痢 ワイル病 レジオネラ症 旅行者下痢症 ラッサ熱 ライム病 水虫(足白癬) 白癬(はくせん) 軟性下疳 成人T細胞白血病(ATL) 小児まひ 小児まひ後症候群 猩紅(しょうこう)熱 クラミジア感染症 カポジ肉腫 性感染症(STD) 急性出血性結膜炎 キャッスルマン病 疥癬(かいせん) アポロ病 咽頭結膜炎 HTLV−1関連脊髄症(HAM) ウイルス性肺炎 クレブシエラ肺炎 細菌性肺炎 サルモネラ食中毒 カンピロバクター食中毒 ノロウイルス食中毒 ウェルシュ菌食中毒 セレウス菌食中毒 エルシニア食中毒 回虫症 蟯虫症 クラミジア肺炎(オウム病) 肝吸虫症 破傷風 住血吸虫症 細菌性赤痢 サイトメガロウイルス感染症 急性精巣上体炎(急性副睾丸炎) 伝染性単核球症 EBウイルス感染症 キス病 ハント症候群 フィコミコーシス ラムゼー・ハント症候群 重症熱性血小板減少症候群(SFTS) 鉤虫症 SSS症候群(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)
■病気 ページェット病 [病気(へ)]
乳房、外陰部、肛門部に発生する皮膚の異常
ページェット病とは、乳房、わきの下、外陰部、肛門(こうもん)部などに発生する皮膚の異常。
通常、乳房(にゅうぼう)ページェット病と、乳房外ページェット病に分けられます。前者は、乳がん、すなわち乳管浅部がんの皮膚への浸潤で、イギリスの外科医ジェームス・ページェットによって発見されました。後者の多くは、がん前駆症と見なされます。
症状は一般に、かゆみやムズムズする違和感から始まり、淡紅褐色から鮮紅色の赤色調の色素斑(はん)として、病変が皮膚に現れます。
乳房にできるものは、湿疹様の変化のほか、乳頭のびらんがあります。腫瘤(しゅりゅう)は触れません。
乳房外にできるものは、男女ともに外陰部を中心に発生し、わきの下も含めて、体臭のもとであるアポクリン汗腺(かんせん)の多い皮膚に同時に多発することもあります。男性ではペニスの根元に病巣の中心を持つことが、また、女性では太ももの根元に左右同時に発生することが多いようで、時に脱色素斑もみられます。
いずれも赤みの強い、ジトジトした局面で、湿疹として治療されている場合が多いので、注意が必要です。乳房外にできるものは、男性ならば、いんきんたむし、女性ならば、カンジダ症と間違いやすく、市販の湿疹や水虫の薬を塗り、医師に診せてもページェット病と診断が確定できずに時間がたってしまいがちです。
診断や治療が遅れれば、真皮内に浸潤してページェットがんになり、びらんや潰瘍(かいよう)を伴うようになり、予後不良となる場合があります。
乳房外ページェット病の場合、日本では高齢者に好発して、男性が女性の2倍ほど多く、女性のほうが多い欧米と異なっています。
ページェット病の検査と診断と治療
長い間続いていた皮膚の異常が急に変化して、びらん、潰瘍を生じたり、大きさが増した時には、すぐに皮膚科専門医の診断を受けます。
乳房外ページェット病の場合、病変が外陰部であるため病院に行くのが恥ずかしく、いんきんたむし、湿疹、カンジダ症と自己診断して市販薬を購入し、使用している発症者を多く見掛けます。当然のことながら、これらの自己治療には反応しません。
専門医が視診すると診断がつくことが多いのですが、湿疹など他の皮膚病との鑑別は必ずしも簡単ではありません。確実に診断するためには、病変の一部を切り取って組織検査をする生検が必要です。
ページェット病の治療法としては、外科的切除が原則です。外科手術以外の方法として、体力のない高齢者に対する放射線照射、抗がん剤による化学療法などが行われていますが、あまり効果は期待できないとされています。
切除範囲の決定には、手術前に病巣辺縁部から少し離れた部位で、多数箇所の生検を行います。乳房外ページェット病では、組織学的には乳房ページェット病ではみられない表皮内におけるページェット細胞のスキップ現象がみられることが多いため、切除範囲を決定するのが容易ではありません。
ページェット病の原発巣が大きい場合は、ページェットがんに進行していることもあり、特に隆起性病変となっている時は、進行がんを疑います。
一方で、意外に早く浸潤してリンパ節に転移する場合がありますので、MRI検査あるいはCT検査により、リンパ節の検索も行ったほうがよいとされています。
手術では、病巣辺縁から3~5センチ離して、皮下脂肪組織の中層の深さで切除します。広範な欠損となりますが、一般的には植皮で修復されます。リンパ節転移が疑われる場合には、リンパ節郭清(かくせい)術を行います。
女性の乳房外ページェットがんの進行例では、時に尿路変更や人工肛門の造設を必要とし、会陰部の組織欠損に対しては筋皮弁などを用いた再建手術を行います。
予後は、ページェット病かページェットがんかで全く異なります。ページェット病であれば、根治手術さえなされれば予後は良好です。ページェットがんでは、転移の程度にもよるものの予後は良好とはいえません。
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ページェット病とは、乳房、わきの下、外陰部、肛門(こうもん)部などに発生する皮膚の異常。
通常、乳房(にゅうぼう)ページェット病と、乳房外ページェット病に分けられます。前者は、乳がん、すなわち乳管浅部がんの皮膚への浸潤で、イギリスの外科医ジェームス・ページェットによって発見されました。後者の多くは、がん前駆症と見なされます。
症状は一般に、かゆみやムズムズする違和感から始まり、淡紅褐色から鮮紅色の赤色調の色素斑(はん)として、病変が皮膚に現れます。
乳房にできるものは、湿疹様の変化のほか、乳頭のびらんがあります。腫瘤(しゅりゅう)は触れません。
乳房外にできるものは、男女ともに外陰部を中心に発生し、わきの下も含めて、体臭のもとであるアポクリン汗腺(かんせん)の多い皮膚に同時に多発することもあります。男性ではペニスの根元に病巣の中心を持つことが、また、女性では太ももの根元に左右同時に発生することが多いようで、時に脱色素斑もみられます。
いずれも赤みの強い、ジトジトした局面で、湿疹として治療されている場合が多いので、注意が必要です。乳房外にできるものは、男性ならば、いんきんたむし、女性ならば、カンジダ症と間違いやすく、市販の湿疹や水虫の薬を塗り、医師に診せてもページェット病と診断が確定できずに時間がたってしまいがちです。
診断や治療が遅れれば、真皮内に浸潤してページェットがんになり、びらんや潰瘍(かいよう)を伴うようになり、予後不良となる場合があります。
乳房外ページェット病の場合、日本では高齢者に好発して、男性が女性の2倍ほど多く、女性のほうが多い欧米と異なっています。
ページェット病の検査と診断と治療
長い間続いていた皮膚の異常が急に変化して、びらん、潰瘍を生じたり、大きさが増した時には、すぐに皮膚科専門医の診断を受けます。
乳房外ページェット病の場合、病変が外陰部であるため病院に行くのが恥ずかしく、いんきんたむし、湿疹、カンジダ症と自己診断して市販薬を購入し、使用している発症者を多く見掛けます。当然のことながら、これらの自己治療には反応しません。
専門医が視診すると診断がつくことが多いのですが、湿疹など他の皮膚病との鑑別は必ずしも簡単ではありません。確実に診断するためには、病変の一部を切り取って組織検査をする生検が必要です。
ページェット病の治療法としては、外科的切除が原則です。外科手術以外の方法として、体力のない高齢者に対する放射線照射、抗がん剤による化学療法などが行われていますが、あまり効果は期待できないとされています。
切除範囲の決定には、手術前に病巣辺縁部から少し離れた部位で、多数箇所の生検を行います。乳房外ページェット病では、組織学的には乳房ページェット病ではみられない表皮内におけるページェット細胞のスキップ現象がみられることが多いため、切除範囲を決定するのが容易ではありません。
ページェット病の原発巣が大きい場合は、ページェットがんに進行していることもあり、特に隆起性病変となっている時は、進行がんを疑います。
一方で、意外に早く浸潤してリンパ節に転移する場合がありますので、MRI検査あるいはCT検査により、リンパ節の検索も行ったほうがよいとされています。
手術では、病巣辺縁から3~5センチ離して、皮下脂肪組織の中層の深さで切除します。広範な欠損となりますが、一般的には植皮で修復されます。リンパ節転移が疑われる場合には、リンパ節郭清(かくせい)術を行います。
女性の乳房外ページェットがんの進行例では、時に尿路変更や人工肛門の造設を必要とし、会陰部の組織欠損に対しては筋皮弁などを用いた再建手術を行います。
予後は、ページェット病かページェットがんかで全く異なります。ページェット病であれば、根治手術さえなされれば予後は良好です。ページェットがんでは、転移の程度にもよるものの予後は良好とはいえません。
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■病気 閉塞性動脈硬化症 [病気(へ)]
血管の病変が手足の動脈に慢性的に起こっている疾患
閉塞(へいそく)性動脈硬化症とは、手足の血管の動脈硬化によって引き起こされる疾患。主に40〜50歳以降に発症します。
動脈に脂肪分が沈着して粥状(じゅくじょう)硬化(アテローム硬化)が起こると、血管の内膜が肥厚して内腔(ないくう)が狭くなったり、潰瘍(かいよう)ができたりします。結果として、血流に障害が起き、血液が固まって血栓を生じ、詰まりやすい状態になります。こういった血管の病変が末梢(まっしょう)動脈、すなわち手足の動脈に慢性的に起こっているのが、閉塞性動脈硬化症です。
閉塞性動脈硬化症のある人は、手足の動脈だけでなく、全身の血管にも動脈硬化を来している場合が少なくありません。3割の人で冠動脈疾患の合併、2割の人で脳血管障害の合併が認められます。
発症しやすいのは、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などの動脈硬化の危険因子を持っている人。食生活やライフスタイルの欧米化により、動脈硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症が急速に増えています。
初期の症状は、足の冷感やしびれです。進行すると、短い距離を歩いただけで、ふくらはぎや太ももの裏側が重くなってきたり、痛みを感じるようになります。2〜3分休むとよくなり、再び歩くことができます。この間欠性跛行(はこう)や足のしびれなどの症状が神経痛の症状と似ているために、勘違いされて見逃されることも多く見受けられます。
さらに進行すると、安静時にも痛みが現れるようになります。病変がある動脈で、急に血液が固まって急性閉塞が起きた場合には、24時間を経過した後で、筋肉に壊死(えし)が起こることもあります。
閉塞性動脈硬化症の検査と診断と治療
検査では、血管が閉塞した部位より先の動脈は、拍動が触れなくなります。四肢の血圧から足関節/上腕血圧比を測ることにより、さらに詳しく下肢の虚血を診断できます。確定診断には、血管造影検査が必要になります。
初期の冷感やしびれに対しては、血管を広げる血管拡張薬や、血液を固まりにくくする抗血小板薬を中心に治療が行われます。手足の痛みが強く、ひじや、ひざから上の比較的狭い範囲で慢性の動脈閉塞が起きている場合には、カテーテル治療、レーザー血管形成術、バイパス手術、血管新生療法などが行われます。
カテーテル治療は、狭心症や心筋梗塞(こうそく)の治療で行われるバルーン療法と同じ血管内治療。閉塞した部位にカテーテルを通し、そこで風船を膨らませて閉塞を治した後、再閉塞を防ぐためにコイルを留置します。レーザー血管形成術は、閉塞部近くまでカテーテルを挿入し、レーザー光を発して血栓や肥厚した内膜を霧状に散らす療法。
バイパス手術は、閉塞した動脈の代わりに静脈や人工血管を使ってバイパスを作り、動脈の血行を再建する治療。血管新生療法は、肝細胞を増殖させる物質の遺伝子が血管を新しく作ることがわかったため、それを使って行う新しい治療。血管を新生する因子(HGF)を産生する遺伝子を含む医薬を筋肉に注射し、新しい血管を誕生させて血流をよみがえらせます。
治療方法は数多くあるものの、閉塞性動脈硬化症が重症になり、壊死が進行した場合は、足の切断が必要になることがあります。日本では毎年、1万人程度が足の切断を余儀なくされていると推定されます。
この閉塞性動脈硬化症は、糖尿病や高血圧、高脂血症がある人に起こりやすいので、このような既往症のある人は、食生活を正して食べすぎを避け、減塩を守ること、ストレスを解消すること、禁煙をすることが必要です。
また、足の症状が出るまでは、休みながらも繰り返し歩くように心掛けます。歩くことにより、側副血行路が発達し血行が改善します。靴下、毛布などを使って、足の保温にも努めます。寒冷刺激は足の血管をさらに収縮させ、血液の循環を悪くさせるからで、入浴も血行の改善に役立ちます。足はいつも清潔にしておき、爪(つめ)を切る時は深爪をしないようにし、靴も足先のきつくないものを選ぶようにします。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
閉塞(へいそく)性動脈硬化症とは、手足の血管の動脈硬化によって引き起こされる疾患。主に40〜50歳以降に発症します。
動脈に脂肪分が沈着して粥状(じゅくじょう)硬化(アテローム硬化)が起こると、血管の内膜が肥厚して内腔(ないくう)が狭くなったり、潰瘍(かいよう)ができたりします。結果として、血流に障害が起き、血液が固まって血栓を生じ、詰まりやすい状態になります。こういった血管の病変が末梢(まっしょう)動脈、すなわち手足の動脈に慢性的に起こっているのが、閉塞性動脈硬化症です。
閉塞性動脈硬化症のある人は、手足の動脈だけでなく、全身の血管にも動脈硬化を来している場合が少なくありません。3割の人で冠動脈疾患の合併、2割の人で脳血管障害の合併が認められます。
発症しやすいのは、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などの動脈硬化の危険因子を持っている人。食生活やライフスタイルの欧米化により、動脈硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症が急速に増えています。
初期の症状は、足の冷感やしびれです。進行すると、短い距離を歩いただけで、ふくらはぎや太ももの裏側が重くなってきたり、痛みを感じるようになります。2〜3分休むとよくなり、再び歩くことができます。この間欠性跛行(はこう)や足のしびれなどの症状が神経痛の症状と似ているために、勘違いされて見逃されることも多く見受けられます。
さらに進行すると、安静時にも痛みが現れるようになります。病変がある動脈で、急に血液が固まって急性閉塞が起きた場合には、24時間を経過した後で、筋肉に壊死(えし)が起こることもあります。
閉塞性動脈硬化症の検査と診断と治療
検査では、血管が閉塞した部位より先の動脈は、拍動が触れなくなります。四肢の血圧から足関節/上腕血圧比を測ることにより、さらに詳しく下肢の虚血を診断できます。確定診断には、血管造影検査が必要になります。
初期の冷感やしびれに対しては、血管を広げる血管拡張薬や、血液を固まりにくくする抗血小板薬を中心に治療が行われます。手足の痛みが強く、ひじや、ひざから上の比較的狭い範囲で慢性の動脈閉塞が起きている場合には、カテーテル治療、レーザー血管形成術、バイパス手術、血管新生療法などが行われます。
カテーテル治療は、狭心症や心筋梗塞(こうそく)の治療で行われるバルーン療法と同じ血管内治療。閉塞した部位にカテーテルを通し、そこで風船を膨らませて閉塞を治した後、再閉塞を防ぐためにコイルを留置します。レーザー血管形成術は、閉塞部近くまでカテーテルを挿入し、レーザー光を発して血栓や肥厚した内膜を霧状に散らす療法。
バイパス手術は、閉塞した動脈の代わりに静脈や人工血管を使ってバイパスを作り、動脈の血行を再建する治療。血管新生療法は、肝細胞を増殖させる物質の遺伝子が血管を新しく作ることがわかったため、それを使って行う新しい治療。血管を新生する因子(HGF)を産生する遺伝子を含む医薬を筋肉に注射し、新しい血管を誕生させて血流をよみがえらせます。
治療方法は数多くあるものの、閉塞性動脈硬化症が重症になり、壊死が進行した場合は、足の切断が必要になることがあります。日本では毎年、1万人程度が足の切断を余儀なくされていると推定されます。
この閉塞性動脈硬化症は、糖尿病や高血圧、高脂血症がある人に起こりやすいので、このような既往症のある人は、食生活を正して食べすぎを避け、減塩を守ること、ストレスを解消すること、禁煙をすることが必要です。
また、足の症状が出るまでは、休みながらも繰り返し歩くように心掛けます。歩くことにより、側副血行路が発達し血行が改善します。靴下、毛布などを使って、足の保温にも努めます。寒冷刺激は足の血管をさらに収縮させ、血液の循環を悪くさせるからで、入浴も血行の改善に役立ちます。足はいつも清潔にしておき、爪(つめ)を切る時は深爪をしないようにし、靴も足先のきつくないものを選ぶようにします。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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