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■海外臓器あっせん、NPOに移植費用の全額1841万円を返還命令 東京地裁 [健康ダイジェスト]

 NPO法人「難病患者支援の会」(臓器移植法違反で有罪判決を受け、控訴中)に海外での臓器移植の仲介を依頼して手術を受けられなかった神奈川県内の男性(59)が支払った移植費用の返還を求めた訴訟の判決で、東京地方裁判所(大竹敬人裁判長)は30日、NPOに約1841万円全額の支払いを命じました。
 判決によると、男性は2021年10月までにNPOと腎移植手術の契約を締結しました。NPO側の案内で中央アジア・キルギスに渡ったものの、病院で別の外国人患者が死亡する事故が発生したことなどから手術を受けられないまま帰国。2022年8月、NPOが仲介した手術で臓器売買が行われた疑いを指摘した新聞の報道を知り、NPOを通じた海外移植をやめました。

 2024年1月31日(水)

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■イタリアで観測の48・8度、ヨーロッパ最高気温に認定 2021年8月のシチリア島で観測 [健康ダイジェスト]

 世界気象機関(WMO)は30日、イタリア南部シチリア島のフロリディアで2021年8月11日に観測された48・8度がヨーロッパ大陸で史上最高の気温を更新したと公式に認めました。これまでは1977年7月10日にギリシャの首都アテネなどで記録された48・0度が最高でした。
 今回の記録は、トルコやイスラエル、シリアなどアジア大陸の一部を含めてWMOが管轄するヨーロッパ地域で史上最高気温だと認定。WMOの専門家は「将来的にヨーロッパ全域でさらに極端な事例が起こり得る」とし、史上最高気温の更新が続く傾向に警鐘を鳴らしました。

 2024年1月31日(水)

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■特発性拡張型心筋症に新治療法、ネット装着で収縮力改善 名古屋大が開発 [健康ダイジェスト]

 心臓の筋肉が薄くなって収縮力が低下し、末期になると心臓移植でしか助からない拡張型心筋症。拡張した心臓を患者の適切な心臓の形に合わせて作ったネットで覆い、圧迫して収縮力を取り戻す新しい治療法を、名古屋大病院心臓外科の秋田利明特任教授が開発しました。
 これまでに4人の患者に手術を行い、スポーツや仕事に復帰できるまでに心臓機能が回復した人もいます。
 拡張型心筋症のうち、高血圧や心筋梗塞といった特定の原因が見付からない「特発性拡張型心筋症」は国の指定難病で、2021年時点で約1万9000人の患者がいます。全身に血液を送り出す左心室の筋肉が次第に薄くなり、送り出す血液量を確保するために左心室が拡張します。発症のピークは50歳代で、息切れや呼吸困難を伴います。
 さまざまな薬物治療でも改善しないと補助人工心臓を埋め込み、制御装置や電源を入れたバッグを身に付け、24時間の付き添いが必要になります。心臓移植待機患者の約6割が拡張型心筋症ですが、脳死での臓器提供者が少ないため、移植に至らず死亡する人も少なくありません。
 欧米でも患者が多く、1990年代には心臓の筋肉の一部を切り取って縫い合わせ、拡大した左心室を縮める「バチスタ手術」が広がったものの、長期的にはポンプ機能の低下が避けられず、アメリカの心臓協会は2009年の指針で推奨しないとしています。
 2000年代からネットで心臓全体を覆って手術中に大きさを調整し、心臓への圧力を高める製品が欧州で認可され、アメリカで臨床試験(治験)が行われました。しかし、肺に血液を送り出す右心室も丸ごと覆ってしまうため、左心室に必要な圧力をかけると、右心室の動きに支障が出たり、右心室の圧力を弱めると左心室への圧力が不十分だったりというジレンマを解決できませんでした。
 2006年、縫い目なしで立体的なニット製品が編める島精機製作所(和歌山市)のコンピューター編み機の新聞記事を目にした秋田教授は「心不全患者の心臓画像を基に設計すれば、患者の心臓の形に適したネットが作れるのではないか」とひらめきました。主任教授に就任した金沢医大で研究を重ねるうち、ネットの右心室の部分を穴のように大きく開ければ動きが窮屈にならず、左心室だけ圧迫することができることを発見しました。
 テーラーメードのネットを患者の心臓に専用器具を使って装着する時間はわずかに数分。左心室の形が整うことで、左心室からの血液の逆流を防ぐ僧帽弁の働きもよくなり、体に酸素を取り込む能力を示す数値が劇的に改善しました。
 1例目の60歳代患者は手術4年後でも週2回のバドミントンと週4回のジム通いができるまでになりました。ほかの3人も心臓機能が改善または維持ができており、仕事を再開したり、遠距離の旅行を楽しんだりしている人もいます。
 50歳代以降の中高年を主な対象とし、健康寿命を5~10年延長できれば、心臓移植や補助人工心臓に代わる有力な治療法になり得るというのが秋田教授の考えです。
 名古屋大のほか、東北大、東京大、東京慈恵医大、大阪大で計5例の治験を重ね、2024年度からは全国12~15の病院に拡大し、早期の保険適用を目指します。事業化に当たっては、命に直結する心臓ネットの開発に国内の医療機器メーカーが尻込みしたため、自らベンチャー企業を立ち上げました。
 秋田教授は「手技も簡単で、将来的には地元の病院でも手術ができるようになる。海外展開も検討中だ」と話しています。

 2024年1月31日(水)

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■睡眠不足で最も労働生産性低下 筑波大が会社員の生活習慣調査 [健康ダイジェスト]

 会社員の生活習慣と労働生産性(労働パフォーマンス)の関係を分析した結果、男女ともに睡眠による休息の不足が労働生産性の低下に最も強く関係し、運動習慣の欠如や就寝前の夕食なども関連していることが、筑波大の研究チームの調査でわかりました。
 研究チームは、日本のある企業に勤める21~69歳の従業員約1万2476人を対象に、2016年の健康診断の質問票や診療報酬明細書、労働生産性に関する自己評価のデータを基に、生活習慣と労働生産性の関係を分析しました。病気による影響は除き、生活習慣では喫煙や運動、食事、飲酒、睡眠に関する11項目を検討対象としました。
 その結果、労働生産性の低下と最も関連の強い生活習慣は、男女ともに睡眠による休息の不足でした。男性では次いで運動習慣の欠如や歩行速度の遅さ、喫煙、就寝前の夕食、朝食の欠食が、労働生産性低下に関連していました。女性では次いで就寝前の夕食や食べる速度が速いこと、運動習慣の欠如が、関連していました。
 男女とも、飲酒の頻度や量は労働生産性の低下に関係はなく、女性よりも男性のほうがより多くの生活習慣が関係していることもわかりました。
 研究チームの武田文・筑波大体育系教授(公衆衛生学)は、「企業従業員の労働パフォーマンス改善に向けた取り組みとして、睡眠の改善や運動習慣の定着、適切な時間の夕食摂取について健康教育を行ったり職場環境を整備したりすることが重要だ」と話しています。
 研究結果は2023年11月9日付けで、国際専門誌「ジャーナル・オブ・パブリックヘルス」に掲載されました。

 2024年1月31日(水)

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