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■酵素の老化抑制機能を解明、亜鉛と結合し活性酸素分解 京都産業大 [健康ダイジェスト]

 人などの細胞内にある酵素「ERp18」が老化を抑制する機能を持っていることを、京都産業大の研究チームが解明しました。細胞内にある亜鉛イオンと結合して、老化を進める活性酸素の1つである過酸化水素を分解します。細胞の老化や酸化ストレスを原因とする病気の予防や治療法開発につながる可能性があるといいます。論文は8日付のアメリカの科学誌「セル・リポーツ」電子版に掲載されました。
 ERp18は、細胞内にある小器官「小胞体」に含まれます。炎症やアレルギーを抑制する酵素「チオレドキシン」とよく似た構造ですが、詳しい役割はわかっていませんでした。
 研究チームはERp18を持つさまざまな生物のアミノ酸配列を調べた結果、亜鉛イオンと結合するとERp18が3個つながり、活性酸素の1つである過酸化水素を水と酸素に分解することを確認しました。
 さらに、人の細胞でERp18を作る遺伝子の働きを抑えると、過酸化水素が蓄積することが判明。また、長さ約1ミリの線虫でも同様に過酸化水素が体内にたまり、遺伝子操作していない通常の線虫と比べて寿命が1割ほど短くなりました。
 ただ、細胞内でどのように亜鉛イオンと結び付くのかは解明できていません。研究チームの京都産業大生命科学部の潮田亮准教授は、「小胞体の中は元々亜鉛が少なく、食事で亜鉛を取るだけでは効果がない。亜鉛を小胞体に取り込ませ、効率よくERp18に亜鉛を結合させる薬剤を開発できれば、老化が原因の病気の予防や治療法開発につながることが期待される」と話しています。 

 2024年2月12日(月)

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■成人女性の冷え症に関係する遺伝的要因を発見 慶応大研究チーム、1111人を解析 [健康ダイジェスト]

 冷え症に関係する遺伝的要因を発見したとして、慶応大漢方医学センターの呉雪峰(ごせっぽう)研究員らの研究チームが、イギリス科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表しました。将来的に、遺伝子検査結果を踏まえて効果的な治療法を提示できる可能性がある成果だといいます。
 民間会社の遺伝子検査を利用した20~59歳の日本人女性のうち、研究に同意を得た1111人を対象に解析しました。アンケートで「冷え」の症状や負担感を調査した上で、冷えの症状がある599人とない人について、ゲノム上の塩基を比較しました。
 その結果、冷えの症状を抱えた人では、温度の感じ方に関係するタンパク質「TRPM2」「KCNK2」などの遺伝子で塩基の異なりがみられました。この違いが、冷えに関連するタンパク質の発現量を変化させ、冷えのリスクを高めていると考えられるといいます。また、一部の生薬がこのタンパク質に作用するとのデータがあり、治療方法の選択に役立つ可能性があるといいます。
 これまで、冷えにより日常生活に苦痛を感じ支障を来す冷え症が生じるメカニズムについては、女性ホルモンの乱れや自律神経の失調などが指摘されていました。一方、過去の研究で、冷えの症状のある女性の6割以上で、その母親も冷えの症状があることから遺伝的要因が示唆されてきましたが、これまで冷えに関する網羅的な遺伝子解析の研究はなかったといいます。
 研究チームの吉野鉄大・同センター特任講師(漢方医学)は、「冷え症はただ冷えるだけでなく、痛みを伴って生活の質を低下させたり、他の疾患の引き金になったりすることがある。今回の研究では遺伝的背景があることを示せた。つらい症状を抱えている場合は気兼ねなく受診してほしい」と話しました。

 2024年2月12日(月)

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■北海道でインフルエンザが猛威、一時449校が休業 冬休み明けで再び増加の兆し [健康ダイジェスト]

 北海道内で今冬、インフルエンザウイルスが猛威を振るっています。小中学校を中心に感染が拡大し、学級閉鎖は全道で最大で288件に上りました。昨年12月にピークを越えたものの、冬休みが終わった1月下旬以降、再び増加の兆しがあります。
 道の統計によると、インフルエンザは昨年8月末ごろに流行入りし、10月下旬に定点医療機関当たりの患者数が19・58人になりました。それから1カ月弱で定点医療機関当たり30人の警報レベルを超えました。12月初旬になると、週の症例数が1万3779人とピークに達しました。道感染症対策課の担当者は、「例年より拡大のペースが速かった。定点当たりの患者数も多い」と話しています。
 目立ったのが、インフルエンザの集団感染による学校と幼稚園の休業で、学級・学年閉鎖を含めて一時、449校に上りました。その後、12月下旬に幼稚園や学校が冬休みに入ったこともあり、定点医療機関当たりの患者数は警報レベルを下回り、1月半ばには10人の注意報レベルを下回りました。
 ただし、冬休みが明けてから再び感染拡大の傾向にあります。1月29~2月4日は症例数が2581人(前週比998人増)で、定点医療機関当たりの患者数も注意報レベルを突破。1月15~21日に6校のみだった学級閉鎖は1月29~2月4日に学年閉鎖・休校と合わせて90と15倍になりました。
 2022年12月の定点医療機関当たりの患者数は、2人以下でした。道医師会常任理事の三戸和昭医師(73)は今冬のインフル流行の理由を2つ挙げます。1つは人々の免疫の低さで、新型コロナ感染拡大以降、インフルエンザが流行せず、抗体を持つ人が減ったといいます。もう1つは、2種類のインフルエンザウイルスが同時に広まったことで、「A型の2つの亜型が拡大し、その両方にかかったという人がかなりいた」と指摘します。
 インフルエンザの感染再拡大とともに気になるのが、新型コロナの状況で、1月29~2月4日のコロナの定点当たりの患者数は15・4人。昨年9月以来、4カ月ぶりに15人を超えました。三戸医師は、「流行スピードは速いが、重症例はあまりない。今後も変異を繰り返して流行は続くだろう」と分析。「手洗いうがいなどが一番の予防策。感染したと思ったら早期に受診してほしい」と呼び掛けています。

 2024年2月12日(月)

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