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■認知症患者、2030年に推計523万人 8年間で80万人増加 [健康ダイジェスト]

 認知症の患者数が2030年に推計523万人に上ることが、厚生労働省研究班(代表者・二宮利治九州大教授)が8日に示した調査でわかりました。高齢者の14%を占めます。2022年時点の443万人から8年間で約80万人増えるとの推計です。高齢化の進展に伴い、2050年には587万人、2060年には645万人と増加傾向が続きます。
 認知症の予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の患者数も2030年に593万人、2060年には632万人まで増えると推計しました。MCIは認知症の手前の段階に相当し、認知機能のレベルが年相応よりも低下している状態を指します。この予備軍も含めると、認知症患者数は2030年には1100万人を超す勢いです。
 今回の調査結果は、2014年度調査で推計した2030年時点の認知症患者数744万人を3割下回りました。2012年度調査と今回調査の間で認知症と予備軍の合計には大きな変化はなかったものの、内訳を見ると認知症が減り、予備軍が増えています。予備軍から認知症へ進行した人の割合が低下した可能性があります。二宮教授は「健康意識の高まりや喫煙率の低下などが背景にある」と分析します。
 厚労省研究班が福岡県久山町、石川県旧中島町(現七尾市)、愛媛県旧中山町(現伊予市)、島根県海士町の4地域に住む65歳以上の高齢者を調査しました。調査対象のうち93%を医師などが判断し、認知症、予備軍、健常の3グループに分類。性別・年齢別の認知症などの割合を全国の性別・年齢別の人口に当てはめて患者数を推計しました。
 年齢別に認知症患者の割合を見ると、65〜69歳では1・1%、70〜74歳では3・1%にとどまりました。一方で、75〜79歳は7・1%、90歳以上では50・3%と、後期高齢者に多く見られます。
 認知症患者の割合は女性のほうが高くなりました。90歳以上でみると、女性は55・1%で、男性の36・6%を上回りました。85〜89歳でも、女性が37・2%で、男性の25・2%より高くなりました。
 二宮教授は女性のほうが平均寿命が長いことに加えて、自宅で生活する女性高齢者が多く社会的なつながりが薄いことなどを要因として挙げています。

 2024年5月8日(水)

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