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■大学病院で相次ぐ臓器移植の受け入れ断念、厚労省がすべての施設の実態を確認へ 断念の件数・理由の報告求める [健康ダイジェスト]

 脳死者から提供された臓器の移植手術を行う大学病院が、病床不足などから臓器の受け入れを相次いで断念している問題で、厚生労働省は30日、実態を把握していなかったことを認めた上で、すべての移植施設の受け入れ状況を確認する方針を明らかにしました。今後は臓器あっせん機関の日本臓器移植ネットワーク(JOT)を通じて、断念の件数や理由を報告させます。
 同日の参院厚労委員会で、大坪寛子健康・生活衛生局長が、日本維新の会の梅村聡参院議員の質問に答えました。
 国内の移植施設は2月現在、心臓と肺が各11施設、肝臓が23施設、 膵臓(すいぞう)が21施設、小腸が13施設、腎臓が122施設あります。JOTは各施設を通じ、移植を待つ患者に6臓器のあっせんを行います。
 臓器の受け入れを断念している問題は、マスコミの報道や、報道を受けた日本移植学会の緊急調査で明らかになっていました。ただ、東京大、京都大、東北大の3大学に限られ、ほかの移植施設の実態は不明でした。
 大坪氏は、臓器の受け入れを断念した移植施設は毎回、JOTにその理由を伝えていることを説明。現状では、厚労省に断念の件数や理由を報告する仕組みがないとした上で、「今後は毎年、(JOTから)国に件数や理由を報告してもらう」と答弁しました。
 さらに厚労委理事会は、断念の件数や理由について、厚労省に報告を求めるかを協議する方向です。厚労省は要求があった場合、応じる方針です。
 この日の委員会で武見敬三厚労相は、この問題への受け止めを問われ、「臓器の提供者の増加に対応できず、極めて残念な現実だ。移植医療の円滑な実施に向けて、関係学会と協力して対応したい」と述べました。
 日本移植学会の緊急調査によると、2023年に3大学で計62件(肺36件、肝臓16件、心臓10件)の断念例がありました。理由(複数回答)として、「集中治療室(ICU)が満床だった」(20件)、「手術室の態勢が整わない」(12件)など、施設や人員の脆弱(ぜいじゃく)さが挙げられました。
 脳死者から提供された臓器のあっせん順位は、厳格な基準で決まっています。日本移植学会の緊急調査では、3大学が見送った62件のうち54件の臓器は、別の施設にいるあっせん順位の低い患者に移植されました。残り8件は別の施設が医学的な理由で受け入れず、移植に使われませんでした。
 国はこれまで「移植の医療体制は学会などが自律的に整えるべきだ」という立場をとり、臓器の受け入れを断念している問題への対応に慎重でした。今回、すべての移植施設の実態を把握する方針に転換したのは、移植医療の推進に必要な国民の信頼を失いかねないという危機感の表れと見なされます。

 2024年5月31日(金)

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■機能性表示食品の品質管理を厳格化 「紅麹」サプリ巡り政府が再発防止策 [健康ダイジェスト]

 小林製薬が機能性表示食品として届け出ていた紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題を受けて、政府は31日の関係閣僚会合で健康被害情報の報告の義務化や、サプリメント形状の製品について、「GMP(適正製造規範)」と呼ばれる製造規範を守ることを義務付けるなど、機能性表示食品制度の見直しなどへの対応方針を取りまとめました。
 この問題を巡っては、消費者庁が機能性表示食品制度の見直しなどを検討し、31日の関係閣僚会合で政府の対応方針が取りまとめられました。
 それによりますと、機能性表示食品の届け出事業者に対して、医師が診断した健康被害と疑われる情報を集め、因果関係が不明でもすぐに国に報告することと、安全で質の高い製品を作るためのGMPに基づいた製造管理をすることを、食品表示法に基づく内閣府令の「食品表示基準」で定めるとしています。
 このほか、GMPを守れているか消費者庁が必要な体制を整備して立ち入り検査を行うこと、新たな機能性関与成分を届け出る時に安全性や機能性について専門家の意見を聞く仕組みを導入することなどが、今後の取り組みとしてまとめられています。
 また、さらなる課題として、特定保健用食品(トクホ)でも同様の措置を取ることや、サプリメントへの規制の在り方についても検討するとしています。
 また、31日の関係閣僚会合では、機能性表示食品を製造・販売する事業者に対して、健康被害の情報の都道府県知事などへの報告を食品衛生法の施行規則で義務付けた上で、報告しなかった場合には営業禁止や停止の措置を可能とする方針も決まりました。
 今回の小林製薬の問題のように、多数の健康被害が発生し、製品が広域に流通しているような緊急性の高いケースでは、高度な調査が必要と判断すれば都道府県と連携し必要に応じて国が対応するとしています。

 2024年5月31日(金)

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■奈良県で手足口病が流行警報レベルに 2019年6月以来5年ぶり [健康ダイジェスト]

 子供を中心に手足や口の中などに発疹ができる感染症「手足口病」の患者が増えていて、奈良県は5年ぶりに流行警報を出して、手洗いの徹底などを呼び掛けています。
 「手足口病」は手や足、それに口の中などに発疹ができるウイルス性の感染症で、幼い子供を中心に夏場に流行し、ほとんどは数日で治りますが、まれに脳炎などの重い症状を引き起こすことがあります。
 5月20日から26日までの1週間に奈良県内34の小児科定点医療機関から県に報告された患者は207人で、1医療機関当たりでは6・09人となっていて、流行警報の発令基準となる1医療機関当たり5人を超えたことから、県は5月30日、流行警報を発令しました。
 「手足口病」の流行警報が出されるのは2019年6月以来、5年ぶりです。
 手足口病は飛まつ感染や接触感染などで広がることから、県ではこまめに手洗いをすることやタオルの共用をやめるといった対策を徹底するよう呼び掛けています。

 2024年5月31日(金)

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■糖尿病の治療薬で老化細胞除去 順天堂大、マウス実験で成功 [健康ダイジェスト]

 年を取るにつれてたまり、体の衰えなどにつながるとされる「老化細胞」を糖尿病の治療薬を使って取り除くことにマウスの実験で成功したと、順天堂大学などの研究チームが発表し、加齢に伴う病気の治療などにつながる可能性があるとして注目されています。
 この研究は、順天堂大学の南野徹教授(循環器内科)らのチームが科学雑誌「ネイチャー・エイジング」で発表しました。
 「老化細胞」は、成長が止まって分裂しなくなった細胞で、通常は免疫などによって除去されますが、一部が加齢に伴って体にたまり、体の機能の低下や病気にかかわるとされています。
 チームは、「老化細胞」がたまったマウスに糖尿病治療薬として使われている「SGLT2阻害薬」という薬を投与して、「老化細胞」に変化が出るかを調べました。
 その結果、薬を投与したマウスは、内臓脂肪の「老化細胞」が47%減少していて、動脈硬化の状態などが改善していることが確認できたということです。
 チームによりますと、薬を投与したマウスでは特定の酵素が活性化し、「老化細胞」にある免疫から逃れる働きのタンパク質を分解していたということで、免疫によって「老化細胞」が除去されたとみられるということです。
 南野教授は、「アルツハイマー病など加齢に伴う病気の治療にこの薬が役立つ可能性がある。人でも同じ効果が確認できるかについて研究を進めたい」と話しています。

 2024年5月31日(金)

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